御神籤 八枚目
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「ディーヴァちゃんもネロも私が悪いみたいなこというけど、元はと言えば悪魔さんのが悪いんだからね?
あの愛しの湖畔のボロ家で大人しく眠らせてた本体を叩き起こしたかと思うと4人を懲らしめたいから頼むー、なんて。
…あんなにヒント出しておいてあげたのに、貴方ったら…どうして私が貴方達と仲良くしてあげてる魔女だと気付かないんだか…。」
所変わっていつものリビング。
手のひらに乗せた悪魔の狭い額を人差し指で何度も小突きながら逢夏は納得いかない気持ちの全てを悪魔にぶつけていた。
その様子を暫く見ていたディーヴァ、しかし次には頬を膨らまして首を横に振る。
「だとしても逢夏、ノリノリだったもん!
遊ぶ気満々だった!絶対楽しんでた!
だから逢夏も悪いんですー!」
「だってそこの2人が私の事を捻くれたお婆さんだなんていうから…!
ちょっと見返したかっただけなんだよ?」
「その気持ちは分からない事もないけど、やり方があるでしょ!」
貴重なディーヴァの声を大にした反論にたじたじしながら逢夏は肩を縮める。
よほど居辛いのか珍しくエメラルドの視線から目を逸らして、唇を尖らせ明らかに拗ねているこの状況。
少し遠巻きにしてその様子を見ているネロとダンテはふと同じ事を考えていた。
あの魔女が本当に逢夏の本体だとするなら…結構すごい事なのでは?
…と。
明かされた事の顛末は以下の通り。
そもそも悪魔の友達の魔女というのは逢夏が魔界に残してきた本体、逢夏その人。
今朝、ダンテやネロに散々言われた事で自棄になっていた逢夏は本体の方に駆け込んできた悪魔の提案に乗って自作自演、自分を誘拐して魔界で待ち構えていた…とのこと。
「怪我しちゃったかも知れないんだよ?
もしかしたら死んじゃってたかも…!
それで逢夏が帰ってこなかったら、ネロがどんな気持ちになるとおもってるの!?」
「ごめん、…なさい。
というか、私が勝つって可能性は考えてくれないんだね。」
ディーヴァちゃんがダンテをそれだけ信頼してるのは分かったけど、それはそれで傷つくよ…?
逢夏がようやく目を合わせて苦笑いを浮かべながら訴えかける…と、その答えは一刀両断するかの如く即返ってきた。
「当たり前でしょ!?」
「ひどいっ!」
「酷くないよ!
……だって全部知ってる逢夏がダンテやネロを本気で倒しにいくわけないもん!」
「あ…そういうこと。」
信じてもらえるのはなんだか嬉しいような、気恥ずかしいような。
手の中の悪魔を解放してほんの少し赤くなった頬を指先で掻き始める逢夏はまたそっぽを向いてしまう。
さて、これでディーヴァの溜飲も下がったか…と思いきやである。
「元はと言えば2人のせいでもあるんだからね!」
「「は?」」
「ダンテが逢夏に酷い事いうから!
ネロはネロで止めないし!」
「おいおい、オレは事実をいったまでで…一番問題なのは嫁のことなのにフォローしなかったネロだろ。」
「ダンテが言わなきゃこんな事にならなかったでしょ!」
「なんでオレが…って、分かった!分かったからっ!」
「許さないー!あたし、本当に嫌だったんだからね!
皆が戦うなんて絶対嫌!
ばかーーー!ダンテのばかー!」
あんまり堪えていない様子のダンテにディーヴァは小さな拳をつくるとぽかぽかと叩き始める。
何をこんなに怒っていたかと思えば、遊びとはいえ"皆が争い合うことがイヤだった"とそんなことか。
ディーヴァらしい怒りの理由に2人が戯れる様子を微笑ましく逢夏とネロは見ていた。
と、不意に逢夏の視線がネロの顔を捉える。
「ねぇ…、旦那様?
私…お婆さんじゃなかった、…でしょ?
捻くれてるってところは私も否定できないけど…。」
「分かってるって。
ごめん、傷つけたよな。」
「…分かってくれたらいいよ。
それに、そのおかげで…その。
かっこいいネロ見れたし、私は満足。」
「なんだそれ。」
体を左右に揺らしながら心底嬉しそうな逢夏に苦笑するネロ。
それも2人仲良く笑い合うまでにそう時間はかからなかった…のだが。
「……あ、もう一つ聞きたい事あるんだけど。」
「ん?」
問いを促したネロの背中に突如柔らかな重みがかかる。
振り向くと真っ白な肌に目を引く赤い唇がすぐそこに。
その間にネロの手を逢夏の手が包む。
「ーーーっ!?」
「"私"と私…どっちが好み?」
右の頬に魔女からの、左の頬に逢夏のキス。
驚きにすっかり身を固めるネロを2人の笑い声が包むのでありました。
あの愛しの湖畔のボロ家で大人しく眠らせてた本体を叩き起こしたかと思うと4人を懲らしめたいから頼むー、なんて。
…あんなにヒント出しておいてあげたのに、貴方ったら…どうして私が貴方達と仲良くしてあげてる魔女だと気付かないんだか…。」
所変わっていつものリビング。
手のひらに乗せた悪魔の狭い額を人差し指で何度も小突きながら逢夏は納得いかない気持ちの全てを悪魔にぶつけていた。
その様子を暫く見ていたディーヴァ、しかし次には頬を膨らまして首を横に振る。
「だとしても逢夏、ノリノリだったもん!
遊ぶ気満々だった!絶対楽しんでた!
だから逢夏も悪いんですー!」
「だってそこの2人が私の事を捻くれたお婆さんだなんていうから…!
ちょっと見返したかっただけなんだよ?」
「その気持ちは分からない事もないけど、やり方があるでしょ!」
貴重なディーヴァの声を大にした反論にたじたじしながら逢夏は肩を縮める。
よほど居辛いのか珍しくエメラルドの視線から目を逸らして、唇を尖らせ明らかに拗ねているこの状況。
少し遠巻きにしてその様子を見ているネロとダンテはふと同じ事を考えていた。
あの魔女が本当に逢夏の本体だとするなら…結構すごい事なのでは?
…と。
明かされた事の顛末は以下の通り。
そもそも悪魔の友達の魔女というのは逢夏が魔界に残してきた本体、逢夏その人。
今朝、ダンテやネロに散々言われた事で自棄になっていた逢夏は本体の方に駆け込んできた悪魔の提案に乗って自作自演、自分を誘拐して魔界で待ち構えていた…とのこと。
「怪我しちゃったかも知れないんだよ?
もしかしたら死んじゃってたかも…!
それで逢夏が帰ってこなかったら、ネロがどんな気持ちになるとおもってるの!?」
「ごめん、…なさい。
というか、私が勝つって可能性は考えてくれないんだね。」
ディーヴァちゃんがダンテをそれだけ信頼してるのは分かったけど、それはそれで傷つくよ…?
逢夏がようやく目を合わせて苦笑いを浮かべながら訴えかける…と、その答えは一刀両断するかの如く即返ってきた。
「当たり前でしょ!?」
「ひどいっ!」
「酷くないよ!
……だって全部知ってる逢夏がダンテやネロを本気で倒しにいくわけないもん!」
「あ…そういうこと。」
信じてもらえるのはなんだか嬉しいような、気恥ずかしいような。
手の中の悪魔を解放してほんの少し赤くなった頬を指先で掻き始める逢夏はまたそっぽを向いてしまう。
さて、これでディーヴァの溜飲も下がったか…と思いきやである。
「元はと言えば2人のせいでもあるんだからね!」
「「は?」」
「ダンテが逢夏に酷い事いうから!
ネロはネロで止めないし!」
「おいおい、オレは事実をいったまでで…一番問題なのは嫁のことなのにフォローしなかったネロだろ。」
「ダンテが言わなきゃこんな事にならなかったでしょ!」
「なんでオレが…って、分かった!分かったからっ!」
「許さないー!あたし、本当に嫌だったんだからね!
皆が戦うなんて絶対嫌!
ばかーーー!ダンテのばかー!」
あんまり堪えていない様子のダンテにディーヴァは小さな拳をつくるとぽかぽかと叩き始める。
何をこんなに怒っていたかと思えば、遊びとはいえ"皆が争い合うことがイヤだった"とそんなことか。
ディーヴァらしい怒りの理由に2人が戯れる様子を微笑ましく逢夏とネロは見ていた。
と、不意に逢夏の視線がネロの顔を捉える。
「ねぇ…、旦那様?
私…お婆さんじゃなかった、…でしょ?
捻くれてるってところは私も否定できないけど…。」
「分かってるって。
ごめん、傷つけたよな。」
「…分かってくれたらいいよ。
それに、そのおかげで…その。
かっこいいネロ見れたし、私は満足。」
「なんだそれ。」
体を左右に揺らしながら心底嬉しそうな逢夏に苦笑するネロ。
それも2人仲良く笑い合うまでにそう時間はかからなかった…のだが。
「……あ、もう一つ聞きたい事あるんだけど。」
「ん?」
問いを促したネロの背中に突如柔らかな重みがかかる。
振り向くと真っ白な肌に目を引く赤い唇がすぐそこに。
その間にネロの手を逢夏の手が包む。
「ーーーっ!?」
「"私"と私…どっちが好み?」
右の頬に魔女からの、左の頬に逢夏のキス。
驚きにすっかり身を固めるネロを2人の笑い声が包むのでありました。