御神籤 八枚目
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お互いの息遣いがしっかりと感じられるほどの距離で顔を見合わせるネロと魔女。
1人は心底驚いたような表情で、もう1人は厳しく眉を顰めた表情で相対していた。
と、次の瞬間には魔女の驚愕の顔が挑発するような怪し気な笑みに変わる。
「止めを刺さないの?」
「…………、ささねぇよ。」
「あら、どうして?
…なぁに、その手は。」
舌打ちしたネロは素早く起き上がるとつい先ほどまで魔女の頬に当たらんばかりの距離に刺さっていたレッドクイーンを手元にと戻し、魔女に手を差し出した。
地面に仰向けに倒れたままだった魔女は差し出された手に怪訝な視線を送る。
しかしネロは静かに伸ばしていた手を小さくゆらした。
「アンタ、最初からディーヴァや逢夏はともかく俺やダンテにも危害を加える気なかったろ。
さっきだってそうだ、大方ディーヴァを守る為に張った結界をそのディーヴァが破ろうとして注意がそれた…違うか?」
「さぁ?どうかしら。
後で食べちゃおうとしてたのに逃げられたら困るって思ってただけ…かもしれないわよ?」
「この期に及んでなに強がり言ってんだか…。
とりあえず、俺は卑怯な真似だけはしない。
普段ならともかく今は………まだ気を失っちゃいるが嫁がみてるんだ。」
はっきり言い切ったネロは魔女の手を無理矢理掴み、引っ張り上げようとした。
その力に抗う事なく立たされる形となる魔女……かと思いきや。
「おわっ!?
なにすっ…ん!?」
「~~~~~~っ!
さすがは私の見込んだ旦那様!
素敵っ、大好きーーーー!」
急に両手を広げてネロに飛びついた魔女は無警戒だったネロに深く口づけ、押し倒した。
数秒して唇を解放したと思うと今度はぎゅぅっと抱きつき、豊満な胸にネロを埋めてしまう。
突然の出来事に状況を飲み込めず、目を白黒させるネロ。
そんなネロを我にと返すきっかけになったのはディーヴァの頼みを聞いて止めにきたダンテの声。
「おい!お前、なにしてんだよ!」
「え?
なにしてって、こうして私なりの愛情を表現してるだけだよ?」
そう言い返しながら、ネロをぎゅぅっと力強く抱きしめる魔女は今度は柔らかそうな銀髪に顔を埋め、頬ずりを始める。
手のひらを返したような魔女の態度に若干引き始めたダンテはしかし魔女の様子に奇妙な既視感を感じ、ただ黙って2人の様子を伺っていた。
と、そこにようやくネロが帰ってくる。
「お前っ、だ…旦那って!!!
まさか!」
「えへ…、いつ気付いてくれるかなーって思ったんだけど?
ねー、ディーヴァちゃん?」
魔女が言わんとする事をようやく気付いたネロ。
すぐ近くであげられた大きな声に驚く事もなく、魔女は嬉しそうに首を傾げ…そして少し距離を置いていたダンテの更に後ろの方にと視線を向けた。
そこにいたのは結界の中にいたはずのディーヴァが。
「ねー、…じゃないよ!
あたし、すっごく心配したんだからね!」
「な、ディーヴァ!?
おまっ、ココにきて大丈夫なのか、よ…?」
「平気だよ。なんてったって、"私"といるんだから。」
ダンテの問いには魔女がすぐさま当たり前と言わんばかりに返す。
そして魔女に"私"と呼ばれたディーヴァの隣にいた人物はあまり見せない静かすぎる笑みを浮かべて首を傾げ、魔女に声に答えた。
ディーヴァの手を握り、一緒に丘を下ってココまできたその人物は魔女にディーヴァを任せると尻餅をついたままのネロにそっと寄り添う。
「ほんとうに楽しかった…。
……ありがと。」
「逢夏…。
心配ばかりさせやがって…。」
穏やかに声を上げて笑い始めるネロと逢夏の2人。
何の事やら話にすっかり置いてきぼりのダンテが口を開きかけ、そして噤むのを何度か繰り返しているとディーヴァがすぐ傍にまで歩み寄る。
「ひどいよね、逢夏ったら!
あたしたちの様子を見て、ずーーっと楽しんでたんだって!」
「あ?…見て?」
「…?
あ、あれ…ダンテ…気付いて、ない?」
ディーヴァの哀れみの眼差しに若干の悲しみを覚えながら、ダンテは素直に頷いておく事にした。
こんなところで意地を張っていても仕方ない、さっさと事の顛末を聞いてしまおう。
そう自分を誤摩化しつつ…。
1人は心底驚いたような表情で、もう1人は厳しく眉を顰めた表情で相対していた。
と、次の瞬間には魔女の驚愕の顔が挑発するような怪し気な笑みに変わる。
「止めを刺さないの?」
「…………、ささねぇよ。」
「あら、どうして?
…なぁに、その手は。」
舌打ちしたネロは素早く起き上がるとつい先ほどまで魔女の頬に当たらんばかりの距離に刺さっていたレッドクイーンを手元にと戻し、魔女に手を差し出した。
地面に仰向けに倒れたままだった魔女は差し出された手に怪訝な視線を送る。
しかしネロは静かに伸ばしていた手を小さくゆらした。
「アンタ、最初からディーヴァや逢夏はともかく俺やダンテにも危害を加える気なかったろ。
さっきだってそうだ、大方ディーヴァを守る為に張った結界をそのディーヴァが破ろうとして注意がそれた…違うか?」
「さぁ?どうかしら。
後で食べちゃおうとしてたのに逃げられたら困るって思ってただけ…かもしれないわよ?」
「この期に及んでなに強がり言ってんだか…。
とりあえず、俺は卑怯な真似だけはしない。
普段ならともかく今は………まだ気を失っちゃいるが嫁がみてるんだ。」
はっきり言い切ったネロは魔女の手を無理矢理掴み、引っ張り上げようとした。
その力に抗う事なく立たされる形となる魔女……かと思いきや。
「おわっ!?
なにすっ…ん!?」
「~~~~~~っ!
さすがは私の見込んだ旦那様!
素敵っ、大好きーーーー!」
急に両手を広げてネロに飛びついた魔女は無警戒だったネロに深く口づけ、押し倒した。
数秒して唇を解放したと思うと今度はぎゅぅっと抱きつき、豊満な胸にネロを埋めてしまう。
突然の出来事に状況を飲み込めず、目を白黒させるネロ。
そんなネロを我にと返すきっかけになったのはディーヴァの頼みを聞いて止めにきたダンテの声。
「おい!お前、なにしてんだよ!」
「え?
なにしてって、こうして私なりの愛情を表現してるだけだよ?」
そう言い返しながら、ネロをぎゅぅっと力強く抱きしめる魔女は今度は柔らかそうな銀髪に顔を埋め、頬ずりを始める。
手のひらを返したような魔女の態度に若干引き始めたダンテはしかし魔女の様子に奇妙な既視感を感じ、ただ黙って2人の様子を伺っていた。
と、そこにようやくネロが帰ってくる。
「お前っ、だ…旦那って!!!
まさか!」
「えへ…、いつ気付いてくれるかなーって思ったんだけど?
ねー、ディーヴァちゃん?」
魔女が言わんとする事をようやく気付いたネロ。
すぐ近くであげられた大きな声に驚く事もなく、魔女は嬉しそうに首を傾げ…そして少し距離を置いていたダンテの更に後ろの方にと視線を向けた。
そこにいたのは結界の中にいたはずのディーヴァが。
「ねー、…じゃないよ!
あたし、すっごく心配したんだからね!」
「な、ディーヴァ!?
おまっ、ココにきて大丈夫なのか、よ…?」
「平気だよ。なんてったって、"私"といるんだから。」
ダンテの問いには魔女がすぐさま当たり前と言わんばかりに返す。
そして魔女に"私"と呼ばれたディーヴァの隣にいた人物はあまり見せない静かすぎる笑みを浮かべて首を傾げ、魔女に声に答えた。
ディーヴァの手を握り、一緒に丘を下ってココまできたその人物は魔女にディーヴァを任せると尻餅をついたままのネロにそっと寄り添う。
「ほんとうに楽しかった…。
……ありがと。」
「逢夏…。
心配ばかりさせやがって…。」
穏やかに声を上げて笑い始めるネロと逢夏の2人。
何の事やら話にすっかり置いてきぼりのダンテが口を開きかけ、そして噤むのを何度か繰り返しているとディーヴァがすぐ傍にまで歩み寄る。
「ひどいよね、逢夏ったら!
あたしたちの様子を見て、ずーーっと楽しんでたんだって!」
「あ?…見て?」
「…?
あ、あれ…ダンテ…気付いて、ない?」
ディーヴァの哀れみの眼差しに若干の悲しみを覚えながら、ダンテは素直に頷いておく事にした。
こんなところで意地を張っていても仕方ない、さっさと事の顛末を聞いてしまおう。
そう自分を誤摩化しつつ…。