御神籤 六枚目
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入った先はうら若き乙女から人生に熟れ始めた女性までが集まる下着店。
思わず追いかけ飛び込んだはいい、そもそも自分はあまり気にしないタチ。
…とはいえさすがにきついと思った。
思ったのだが…
「どういうことだよ…これ。」
「ほら、アンタのセンスでも選んでおいてやれよ。
あー…やっぱデザインがいいよなぁ。
もし戻れた時用に買うのもいいか。」
「戻れたら…ね。
男のままじゃきれないわよ?」
「んなもん言われなくても知ってるし!」
茫然とするダンテの前には男の逢夏が女物の下着を選りすぐるという異様な光景。
そして冷静に見つめたままの店のオーナーがこれまた冷静な言葉で告げると逢夏が返す。
そんないろいろ物申したい状況にあのダンテが密かにため息を吐いた。
-------------------------------
入店した直後、自然に紛れ込んだ逢夏はこれまた自然に店員に話しかけ…
「急ですみません。
私、こういう者ですがオーナーとお話できますか?
あぁでも、申し訳ありませんがアポはとっていませんでした。
せめて私が来たとだけお伝え下さい。」
名刺を1枚、店員に手渡し、にっこりと営業スマイルを浮かべて恭しく礼をしてみせる。
そんな逢夏に一瞬見とれていた店員は頬を染めながら軽く会釈した後、すぐさま受話器を取ってどこへかに連絡を取り始めた。
その間、女性だけの空間で待ちぼうけを食らうダンテと逢夏。
あのダンテでさえ、店内の様々な場所から向けられる視線に居心地の悪さを感じているというのに…。
「こんにちは。」
「これから?
…あぁ仕事でなければ是非お供したかったんだけどな。」
「それ、いい色だよね。
君の髪の色によく似合ってる。
彼氏が羨ましいよ。」
逢夏は非常に楽しそう。
好奇の視線には愛想のいい挨拶と笑顔で答え
積極的な女性の誘いにも嫌な顔せずに話に乗り
揶揄いやちょっかいのつもりでわざわざ普通であれば目のやり場に困るような下着を手に見せてきた女性に優しく言葉を返す。
「お前…、間違っても女を連れて帰んなよ。
どっちも泣くぞ。」
「帰る訳ないだろ。
興味ないし~。
あ、来たきた……」
「お待たせしました、こちらへどうぞ。」
それから少しして、戻ってきた店員に通されたのは応接室…ではなく下着を纏ったトルソーが整然と並べられた作業部屋だった。
「よお、元気そうだな。」
「元気そうって……なんで男になってるのよ。」
「なんとなく?」
「なんとなくで性転換されたら困るんだけど。
…それよりどうしたのよ。
しかもまぁ、オマケつきで。」
「だれがオマケだゴルァ!!」
「まぁまぁ、これは放っといてさ。
率直に言うと可愛い女の子がいて、おれ好みにコーディネートしたくなったからここに来た。」
「放っとくな!
というか"おれ好み"ってなんだっ、ディーヴァはわたさねぇからな!?」
ツッコミ、噛み付くダンテを他所に話す逢夏と店のオーナー。
関係は聞くに…
「うちはネロに無理言って普通に暮らしたい悪魔も保護しててさ。
彼女はそのときのお客さんってわけ。
一応おれも一生懸命手伝って、こうして店を構えるまでになったんだよね。」
「…そーよ。
あの時は人間の小娘だと思ってたのにまぁ…。
世話になった手前、頼み事されて断れないのが癪ね。」
というご関係のようで。
逢夏は新作の下着を漁り始めたというわけ。
「赤発見!
なぁ、これなんか可愛いけど?」
「あぁ…?
あー…そうだな。」
椅子にどっかりと座り込み、上の空で返すダンテに不服そうな逢夏。
腰に手を当てふんぞり返るようにダンテを見下ろす逢夏は眉間にしわを寄せ、うんざりとしたような声を上げた。
「………んだよ、もう少し乗ればいいのに。
あーそっか、あーいう下着じゃねぇと選ぶ気でないって?
なぁ、アンタのところも結構際どいヤツ売ってたよな?
出してくんねぇ?」
「いーわよ、好きなだけ持ってきなさい。」
「いや…そーじゃなくてな…。
お前もそろそろいい加減にしとけよってことでオレなりに猶予をだな…。
って!?」
「ほーら、こういうのディーヴァに着させたいんだろう?
なぁ?素直になろうぜ?ネロを唆したときみたいにさぁ。」
「……このやろっ。」
なんとか耐えるダンテの前にちらつかされたものはディーヴァが無理矢理着させられたのよりも更に際どいものばかり。
それらをヒラヒラと泳がせる逢夏のこれこそまさに悪魔の微笑み、悪魔の甘言。
果たしてダンテがその誘惑に打ち勝ったか…と申しますと。
「ははっ!
おれ、アンタのそーいう刹那主義的な考えは嫌いじゃないぜ?」
「うるせぇよ!
こうなったら自棄だ、てめぇの財布空にしてやるかんな!?」
「やれるもんならやってみなー。」
もちろん勝てる訳もなかったという。
思わず追いかけ飛び込んだはいい、そもそも自分はあまり気にしないタチ。
…とはいえさすがにきついと思った。
思ったのだが…
「どういうことだよ…これ。」
「ほら、アンタのセンスでも選んでおいてやれよ。
あー…やっぱデザインがいいよなぁ。
もし戻れた時用に買うのもいいか。」
「戻れたら…ね。
男のままじゃきれないわよ?」
「んなもん言われなくても知ってるし!」
茫然とするダンテの前には男の逢夏が女物の下着を選りすぐるという異様な光景。
そして冷静に見つめたままの店のオーナーがこれまた冷静な言葉で告げると逢夏が返す。
そんないろいろ物申したい状況にあのダンテが密かにため息を吐いた。
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入店した直後、自然に紛れ込んだ逢夏はこれまた自然に店員に話しかけ…
「急ですみません。
私、こういう者ですがオーナーとお話できますか?
あぁでも、申し訳ありませんがアポはとっていませんでした。
せめて私が来たとだけお伝え下さい。」
名刺を1枚、店員に手渡し、にっこりと営業スマイルを浮かべて恭しく礼をしてみせる。
そんな逢夏に一瞬見とれていた店員は頬を染めながら軽く会釈した後、すぐさま受話器を取ってどこへかに連絡を取り始めた。
その間、女性だけの空間で待ちぼうけを食らうダンテと逢夏。
あのダンテでさえ、店内の様々な場所から向けられる視線に居心地の悪さを感じているというのに…。
「こんにちは。」
「これから?
…あぁ仕事でなければ是非お供したかったんだけどな。」
「それ、いい色だよね。
君の髪の色によく似合ってる。
彼氏が羨ましいよ。」
逢夏は非常に楽しそう。
好奇の視線には愛想のいい挨拶と笑顔で答え
積極的な女性の誘いにも嫌な顔せずに話に乗り
揶揄いやちょっかいのつもりでわざわざ普通であれば目のやり場に困るような下着を手に見せてきた女性に優しく言葉を返す。
「お前…、間違っても女を連れて帰んなよ。
どっちも泣くぞ。」
「帰る訳ないだろ。
興味ないし~。
あ、来たきた……」
「お待たせしました、こちらへどうぞ。」
それから少しして、戻ってきた店員に通されたのは応接室…ではなく下着を纏ったトルソーが整然と並べられた作業部屋だった。
「よお、元気そうだな。」
「元気そうって……なんで男になってるのよ。」
「なんとなく?」
「なんとなくで性転換されたら困るんだけど。
…それよりどうしたのよ。
しかもまぁ、オマケつきで。」
「だれがオマケだゴルァ!!」
「まぁまぁ、これは放っといてさ。
率直に言うと可愛い女の子がいて、おれ好みにコーディネートしたくなったからここに来た。」
「放っとくな!
というか"おれ好み"ってなんだっ、ディーヴァはわたさねぇからな!?」
ツッコミ、噛み付くダンテを他所に話す逢夏と店のオーナー。
関係は聞くに…
「うちはネロに無理言って普通に暮らしたい悪魔も保護しててさ。
彼女はそのときのお客さんってわけ。
一応おれも一生懸命手伝って、こうして店を構えるまでになったんだよね。」
「…そーよ。
あの時は人間の小娘だと思ってたのにまぁ…。
世話になった手前、頼み事されて断れないのが癪ね。」
というご関係のようで。
逢夏は新作の下着を漁り始めたというわけ。
「赤発見!
なぁ、これなんか可愛いけど?」
「あぁ…?
あー…そうだな。」
椅子にどっかりと座り込み、上の空で返すダンテに不服そうな逢夏。
腰に手を当てふんぞり返るようにダンテを見下ろす逢夏は眉間にしわを寄せ、うんざりとしたような声を上げた。
「………んだよ、もう少し乗ればいいのに。
あーそっか、あーいう下着じゃねぇと選ぶ気でないって?
なぁ、アンタのところも結構際どいヤツ売ってたよな?
出してくんねぇ?」
「いーわよ、好きなだけ持ってきなさい。」
「いや…そーじゃなくてな…。
お前もそろそろいい加減にしとけよってことでオレなりに猶予をだな…。
って!?」
「ほーら、こういうのディーヴァに着させたいんだろう?
なぁ?素直になろうぜ?ネロを唆したときみたいにさぁ。」
「……このやろっ。」
なんとか耐えるダンテの前にちらつかされたものはディーヴァが無理矢理着させられたのよりも更に際どいものばかり。
それらをヒラヒラと泳がせる逢夏のこれこそまさに悪魔の微笑み、悪魔の甘言。
果たしてダンテがその誘惑に打ち勝ったか…と申しますと。
「ははっ!
おれ、アンタのそーいう刹那主義的な考えは嫌いじゃないぜ?」
「うるせぇよ!
こうなったら自棄だ、てめぇの財布空にしてやるかんな!?」
「やれるもんならやってみなー。」
もちろん勝てる訳もなかったという。