御神籤 六枚目
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真剣な表情でまな板と向き合うディーヴァとそれを隣でにこやかに見つめる逢夏。
するとふとした時に逢夏の手が包丁にと伸びる。
「御託を並べるとすれば日本の料理は引き算だ。
素材の持ち味以上においしくしない、それが大前提。
あとは旬や季節を大切にすること、その為には彩りも考えないとな。」
「うんうんっ。」
「ていっても、んな難しく考えなくていいよ。
美味しくなれって気持ちが一番大切。」
なんだかんだと2人並んで料理を楽しむ逢夏とディーヴァ。
その姿はなにも知らない人が見れば付き合っているのかと思われかねない程、距離は近く。
そして…
「あ。
ここは、こう…ほらこっちのが切りやすいし断面が綺麗だろ?」
「ほんとだ!
すごいっ、じゃあじゃあ…こっちは?」
「こっちも同じだよ。
やってごらん。」
見かねたのかディーヴァの後ろに立つと腕を回し、小さな手に手を重ねて非常に楽しそうに話しながら調理を続ける2人。
そんな光景を面白くなさそうに話しているのはもちろん銀髪の2人組である。
「あんのやろぉ~…ディーヴァにあんなにくっつかなくても料理できんだろうが!
~~~~~~っ、だめだ!ぶん殴る!」
「おい、待てって!
あれでも俺の嫁なんだから手をあげるのだけは勘弁してくれよ!」
「離せっ、離せ~~~~!!」
影から見守りつつも我慢できなくなったダンテが飛び出そうとするが、それはネロが羽交い締めにして阻止。
するとそんな2人に気付いたのか逢夏がしてやったりな笑みをダンテに向けた。
「ディーヴァ。」
「ぴゃっ!
み、耳元で囁くのはやめてよー!」
「ごめんごめん。
あんまりに真剣にやってるから可愛くって。
ダンテが応援してくれてるみたいだぜ?」
「え?
あ…ダンテ、もうちょっと待っててね!
おいしい料理作るから!」
ディーヴァにダンテが見ている事を教え、後ろで小さく手を振らせる逢夏の顔は非常に悪い…完璧な悪役の微笑み。
無邪気なディーヴァとは正反対の様相を隠しもせず、一頻りディーヴァの好きにさせるとその肩に手を置き、そっと再び料理にと向かわせた。
かと思うと。
「あ~あ、ダンテも料理が出来ればいいのに。
残念だよなぁ?」
わざとらしく嘯いてみるのだった。
-------------------------------
「悔しいけど…美味かった…。」
「はい、お粗末様。
まぁまず間違いなく不味い訳がないよな。
なんてったってディーヴァが作ったんだし。」
「そんなことないよぉ~…。
逢夏がいろいろ教えてくれたからだよ。」
至極納得できない極みのような表情をしながらも逢夏とディーヴァが作った朝食を平らげたダンテが渋々と感想と漏らす。
悔しそうな声にニヤニヤと笑いながらディーヴァを褒める逢夏はすっかり無口・無表情になってしまったネロの顔を覗き込んだ。
「どうだった?」
「………さぁ。」
「すっかりへそ曲げちゃって。」
「誰の所為だと思ってんだ。」
「おれだろ?」
「逢夏…、それ以上ネロを刺激しないであげて…ね?」
ディーヴァの優しい制止に思いのほか大人しく応じた逢夏は空っぽとなった皿を全て手に取り下げていった。
言外に3人で話し合う時間をあげるとでも言ってるように空気を読んでそのまま1人で片付けを始めたのを見、ディーヴァが重い口を開く。
「え、えっと…どうしよっか?」
「どうしようもなにも…大体何しろってんだ。
オレ達が逢夏に何かしなきゃなんねぇのか?
それとも逢夏に何かするように仕向けなきゃなんねぇのか?」
「…確かに、そうだね。
ねぇ、ネロはどう思う?」
「………あいつのことだ、そんな難しい条件じゃないだろうし…こっちが逢夏に何かするって条件な気がする、けど。」
心底参ったような声で答えるネロにディーヴァが首を傾げる。
しかし、それには意外にも一番先に問題提起をしたダンテが同意を示した。
「かもな。
異様にネロに構ってほしい感じな気がしねぇこともないし。」
「ということは…ネロが逢夏に何かしなきゃいけないのかな?」
「ただ…それが逢夏のミスリードって可能性も無きにしも非ずってやつなんだよなぁ…。」
「さすがは旦那様。
よおく分かってらっしゃる。」
「おわっ!!!
急にくんなよ!!」
悩む3人。
そこに突然首を傾げるネロの耳元に唇を寄せて声をかけた逢夏。
思わずネロは飛び退き、ダンテとディーヴァの方へ。
とそこに逢夏の手がネロの横へ、ディーヴァの手にと伸びる。
驚きで固まるディーヴァの手を掴み、恭しく手を引き立ち上がらせた逢夏はダンテとネロを無視して明るく微笑んだ。
「おれさ、男になったら絶対にしたい事あったんだ。」
「ひゃ!?
きゅ、急にどうしたの?…したいこと…って?」
「デート。
ずっとディーヴァとデートしたいって思ってた。
ダメか?」
「ふ、ぇ…?
デ…ート?」
呆気にとられるディーヴァに何度も頷いて返す逢夏は腕をひっぱりディーヴァを抱きしめるとぽかんと口を開けて驚くダンテを見下ろす。
「ダンテ、一日借りるから。」
「は?
なっ…んなの許す訳ねぇだろ!!?
その手を離しやがれ!!」
「やだ。」
「やだじゃねぇんだよ、この野郎!
ディーヴァとデートなんざな、100年はえーんだよ!」
「おれの方が長生きしてるのに早いのか、すげぇな。」
麻痺したように動けなくなったディーヴァを腕の中に閉じ込め、逢夏はダンテを揶揄い、そして更に目を見開いて驚愕するネロを見返す。
「ネロ、いいよな?」
「んなっ…いいわけないだろ!?
お前なっ…いい加減、引っ掻き回して楽しむのは止めっ…」
「もしかしたら戻るヒント…だったりするかもよ?」
「っ!?」
1度はもちろんダンテの事もあると止めたものの…
そうと言われてしまえば、ネロがすることは一つ。
「のわぁっ!?
ネロ!なにすんだよ、離せっ!」
「悪い…ダンテ。
ディーヴァも…。
悪いけど、その分からず屋に付き合ってやってくれ。」
「ふっざけんな!!
誰が他の男にてめぇの女を預けるってんだよ!!
なぁ、ディーヴァ!!」
「…う、ううん…。
ごめんね、ダンテ!!」
「ディーヴァ!?」
「やったっ。
じゃあ行こうぜ!
もう行く場所は決めてるんだ!」
「ひゃっ、ちょっとまって~!」
ネロはダンテを再び羽交い締めにし、飛びかからないように阻止。
ディーヴァに一任してダンテを本格的に説き伏せる事に集中し始めた。
そんな姿を背に逢夏はディーヴァの手を取り、家を飛び出した。
するとふとした時に逢夏の手が包丁にと伸びる。
「御託を並べるとすれば日本の料理は引き算だ。
素材の持ち味以上においしくしない、それが大前提。
あとは旬や季節を大切にすること、その為には彩りも考えないとな。」
「うんうんっ。」
「ていっても、んな難しく考えなくていいよ。
美味しくなれって気持ちが一番大切。」
なんだかんだと2人並んで料理を楽しむ逢夏とディーヴァ。
その姿はなにも知らない人が見れば付き合っているのかと思われかねない程、距離は近く。
そして…
「あ。
ここは、こう…ほらこっちのが切りやすいし断面が綺麗だろ?」
「ほんとだ!
すごいっ、じゃあじゃあ…こっちは?」
「こっちも同じだよ。
やってごらん。」
見かねたのかディーヴァの後ろに立つと腕を回し、小さな手に手を重ねて非常に楽しそうに話しながら調理を続ける2人。
そんな光景を面白くなさそうに話しているのはもちろん銀髪の2人組である。
「あんのやろぉ~…ディーヴァにあんなにくっつかなくても料理できんだろうが!
~~~~~~っ、だめだ!ぶん殴る!」
「おい、待てって!
あれでも俺の嫁なんだから手をあげるのだけは勘弁してくれよ!」
「離せっ、離せ~~~~!!」
影から見守りつつも我慢できなくなったダンテが飛び出そうとするが、それはネロが羽交い締めにして阻止。
するとそんな2人に気付いたのか逢夏がしてやったりな笑みをダンテに向けた。
「ディーヴァ。」
「ぴゃっ!
み、耳元で囁くのはやめてよー!」
「ごめんごめん。
あんまりに真剣にやってるから可愛くって。
ダンテが応援してくれてるみたいだぜ?」
「え?
あ…ダンテ、もうちょっと待っててね!
おいしい料理作るから!」
ディーヴァにダンテが見ている事を教え、後ろで小さく手を振らせる逢夏の顔は非常に悪い…完璧な悪役の微笑み。
無邪気なディーヴァとは正反対の様相を隠しもせず、一頻りディーヴァの好きにさせるとその肩に手を置き、そっと再び料理にと向かわせた。
かと思うと。
「あ~あ、ダンテも料理が出来ればいいのに。
残念だよなぁ?」
わざとらしく嘯いてみるのだった。
-------------------------------
「悔しいけど…美味かった…。」
「はい、お粗末様。
まぁまず間違いなく不味い訳がないよな。
なんてったってディーヴァが作ったんだし。」
「そんなことないよぉ~…。
逢夏がいろいろ教えてくれたからだよ。」
至極納得できない極みのような表情をしながらも逢夏とディーヴァが作った朝食を平らげたダンテが渋々と感想と漏らす。
悔しそうな声にニヤニヤと笑いながらディーヴァを褒める逢夏はすっかり無口・無表情になってしまったネロの顔を覗き込んだ。
「どうだった?」
「………さぁ。」
「すっかりへそ曲げちゃって。」
「誰の所為だと思ってんだ。」
「おれだろ?」
「逢夏…、それ以上ネロを刺激しないであげて…ね?」
ディーヴァの優しい制止に思いのほか大人しく応じた逢夏は空っぽとなった皿を全て手に取り下げていった。
言外に3人で話し合う時間をあげるとでも言ってるように空気を読んでそのまま1人で片付けを始めたのを見、ディーヴァが重い口を開く。
「え、えっと…どうしよっか?」
「どうしようもなにも…大体何しろってんだ。
オレ達が逢夏に何かしなきゃなんねぇのか?
それとも逢夏に何かするように仕向けなきゃなんねぇのか?」
「…確かに、そうだね。
ねぇ、ネロはどう思う?」
「………あいつのことだ、そんな難しい条件じゃないだろうし…こっちが逢夏に何かするって条件な気がする、けど。」
心底参ったような声で答えるネロにディーヴァが首を傾げる。
しかし、それには意外にも一番先に問題提起をしたダンテが同意を示した。
「かもな。
異様にネロに構ってほしい感じな気がしねぇこともないし。」
「ということは…ネロが逢夏に何かしなきゃいけないのかな?」
「ただ…それが逢夏のミスリードって可能性も無きにしも非ずってやつなんだよなぁ…。」
「さすがは旦那様。
よおく分かってらっしゃる。」
「おわっ!!!
急にくんなよ!!」
悩む3人。
そこに突然首を傾げるネロの耳元に唇を寄せて声をかけた逢夏。
思わずネロは飛び退き、ダンテとディーヴァの方へ。
とそこに逢夏の手がネロの横へ、ディーヴァの手にと伸びる。
驚きで固まるディーヴァの手を掴み、恭しく手を引き立ち上がらせた逢夏はダンテとネロを無視して明るく微笑んだ。
「おれさ、男になったら絶対にしたい事あったんだ。」
「ひゃ!?
きゅ、急にどうしたの?…したいこと…って?」
「デート。
ずっとディーヴァとデートしたいって思ってた。
ダメか?」
「ふ、ぇ…?
デ…ート?」
呆気にとられるディーヴァに何度も頷いて返す逢夏は腕をひっぱりディーヴァを抱きしめるとぽかんと口を開けて驚くダンテを見下ろす。
「ダンテ、一日借りるから。」
「は?
なっ…んなの許す訳ねぇだろ!!?
その手を離しやがれ!!」
「やだ。」
「やだじゃねぇんだよ、この野郎!
ディーヴァとデートなんざな、100年はえーんだよ!」
「おれの方が長生きしてるのに早いのか、すげぇな。」
麻痺したように動けなくなったディーヴァを腕の中に閉じ込め、逢夏はダンテを揶揄い、そして更に目を見開いて驚愕するネロを見返す。
「ネロ、いいよな?」
「んなっ…いいわけないだろ!?
お前なっ…いい加減、引っ掻き回して楽しむのは止めっ…」
「もしかしたら戻るヒント…だったりするかもよ?」
「っ!?」
1度はもちろんダンテの事もあると止めたものの…
そうと言われてしまえば、ネロがすることは一つ。
「のわぁっ!?
ネロ!なにすんだよ、離せっ!」
「悪い…ダンテ。
ディーヴァも…。
悪いけど、その分からず屋に付き合ってやってくれ。」
「ふっざけんな!!
誰が他の男にてめぇの女を預けるってんだよ!!
なぁ、ディーヴァ!!」
「…う、ううん…。
ごめんね、ダンテ!!」
「ディーヴァ!?」
「やったっ。
じゃあ行こうぜ!
もう行く場所は決めてるんだ!」
「ひゃっ、ちょっとまって~!」
ネロはダンテを再び羽交い締めにし、飛びかからないように阻止。
ディーヴァに一任してダンテを本格的に説き伏せる事に集中し始めた。
そんな姿を背に逢夏はディーヴァの手を取り、家を飛び出した。