御神籤 三枚目
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テメンニグルの門番の間を抜けて中に入ると、骸骨天使の彫像のあるお馴染みのエントランスホールのような場所。
しかし、螺旋階段はそのままなのだが、あんなにも入り組んでいた内部構造が嘘のように一本道状態になっていて小者も出ず、大変進みやすかった。
「他の悪魔はいねぇし仕掛けはなくて一本道だし、楽でいいな。まるでスーパー⚫︎リオブラザーズみてぇな進み方だぜ」
横スクロール型のゲームは一本道で楽である。
ボスがいたら倒せば次の面へ行ける…今回もそれと似たような物なのだろうと推測する。
ダンテは、大きく伸びをしてその開放感を堪能した。
…嗚呼、服のない脇の下がスースーする。
「はいはい、同会社ならまだしも、違う会社の話はしないようにねー」
「ダンテの攻略したテメンニグルはこうじゃなかったのか?」
おっと失敬。
違う会社から出ているタイトルだった事を忘れていた。
注意する逢夏に同意して頷きつつ、ネロはかつてのテメンニグルについて聞いた。
「すげぇ大変だった。仕掛け一つ解くのに行ったり来たり、悪魔もわんさか、ディーヴァとははぐれるわ、アーカムはハゲだわ、レディは借金取りだわ、バージルはムカつくわで…」
ネロの質問に、ダンテは当時を思い出して答える。
呟けば呟くほどに、怒りがふつふつと湧いてくる気がした。
と、一行は横穴のたくさんあるフロアを通る。
そこで逢夏がのんびり一言。
「ギガピートはいないんだね。確か、ここに一部のギガピートが巣食ってたと思うけど」
「ギガピート?」
聞き慣れぬ悪魔の名前に、ネロが聞き返す。
「でっけぇムカデの悪魔。ネバネバのキタネー体液撒き散らすんだぜ」
「魔界には道になっちゃうほど、ギガピートがいる場所があるんだよ!」
「そりゃ見てみたいな」
「…そんなのいなくていいし、見たくもねぇ」
黒光りするGは嫌いなくせに、ダンテと一緒になって逢夏は笑っている。
なんでも、大きいから虫に見えないし、今現在目の前にしていないから平気なのだそうだ。
ネロは想像するだけで気分が悪くなった。
そうこうしてる内に、双剣の間の前まで辿り着いた。
ネロは戦いに向け、レッドクイーンを空吹かしして気を昂らせていく。
「次はここか」
「今回はオレも戦うからな」
「別にいい。さっきも俺1人で十分だったろ」
「次は2人のが楽なんだよ」
悪魔との遊びを邪魔されたくないと不服そうなネロに、ダンテはニヤリと笑みを浮かべ、その扉を開け放った。
扉を開けた先にはアグニとルドラがそれぞれの得物を構えて、すでに臨戦体勢を取っていた。
「なるほど。ボスの2体同時攻略ってわけか」
「そういうこった」
ダンテは、担いでいた武器の内、赤と青の双剣を構えた。
この双剣もアグニとルドラという名前であり、今から相手をする悪魔が魔具と化した姿。
つまりは己との対峙になってしまうのだが……まぁいいか。
ダンテが、構えた双剣の青い刀身の方をネロに渡す。
「2対2でやろうぜ」
「…わかったよ」
ボス悪魔を2体同時など慣れきったことだ。
が、たまにはお前の遊びに付き合ってやろう、とネロはどこかで聞いたフレーズを考えるとともに、青剣を受け取った。
「じゃあ、レッドクイーンは私が預かっておくね」
ネロが何も言わずとも分かっていたのか、逢夏がネロのもう一方の手からレッドクイーンをスッと受け取る。
とても重いそれを逢夏は大事そうに抱え、戦いの邪魔にならぬよう隅の方へ移動した。
『ルドラ』という青の剣を持つネロに向かって突進してくるのは、同じく青い悪魔のルドラ。
『アグニ』を持つダンテの前にはこれまた同じ赤い悪魔のアグニ。
「青いのは属性が風だ。初めて使った時はディーヴァのスカートがめくれてウハウハだったぜ」
「ホント変態だな。すると、ダンテの赤い方は炎ってとこか」
「ああ。どうだ、使いこなせそうか?」
「誰に聞いてるんだ」
ニヤリ、ネロが笑った。
悪魔の狩りのエキスパートととして腕を上げたネロとダンテと、歳は上でも長く戦いをやめて門番でいただけの悪魔。
どちらの方が強いかなんてわかりきったこと。
「ああ、アグニとルドラ、終わったね」と逢夏は思った。
その間にも、戦闘は始まっている。
それぞれの属性が付随した斬り付け攻撃がダンテとネロを襲う。
ネロもダンテも、ギザギザの刀身で絡め取るようにしてかわし、楽々攻撃をし返した。
ダンテは不思議そうな顔をしながら、アグニの体に深く斬り込む。
「こいつら、黙ったまま戦ってる。…調子狂うな」
「?どういうことだよ」
その時、ネロとダンテの手元で嗄れた声が。
「本物のテメンニグルではなさそうだのう」
「そうじゃのう」
柄にあった顔の装飾部分が言葉を発したのだ。
戦闘中なのだが、ネロは思わず取り落としそうになった。
「柄の装飾が喋った!?」
「ネロ、いつもの事だぜ」
なんとか握り直し、攻撃を受け止めるネロ。
青い刀身同士がぶつかり合い、風を纏った火花が散った。
「むっ…!ふぬっ…!」
相手は相変わらず無口だが、剣の柄がいちいち掛け声をあげるので、ネロは少しイライラし始めた。
と、ダンテの得意技であるスティンガーにも似た技、ジェットストリームを、相手が繰り出してきた。
ネロとダンテは闘牛士のようにひらり、身軽にかわし相手同士で自爆するよう仕向けた。
攻撃がヒットした相手はウンともスンとも言わず、大ダメージを前にして膝を折っている。
「自爆…っと!よくオレの意図に気がついたな」
「偶然だよ」
それよりこの剣のお喋りをどうにかしろ。
アグニとルドラのお喋りコントは止まらない。
「ふーむ。ワシらが黙ったまま剣を振るっておるわ」
「無口なワシらは気持ち悪いのう…」
「BGM代わりに悪魔しりとりでもするかの…『悪魔』」
「『魔界』」
「淫魔 」
「また『ま』とな!?ま…ま、まn「それ以上卑猥な言葉は言わせねぇからな!お前らうるせぇから黙っとけ!!」…………」
「よし」
「……コイツ返す。お喋りな剣は調子狂うから嫌だわ」
やっと黙ったが、何か疲弊したネロはダンテにルドラを投げて寄越すと、逢夏からレッドクイーンを受け取った。
うむ、やはりレッドクイーンが一番しっくりくる。
「しゃーねぇな」
ダンテは二刀流の構えで相手に再び挑む。
あっさり倒れたルドラはドロンと煙を立てて消え失せ、かわりにルドラがダンテと同じ二刀流になった。
「くらぇ、『スター⚫︎ースト・ストリーム!!』」
「それ、会社違うとかいうレベルじゃないね」
「せっかく二刀流なんだから、そう言うなって」
ネロはダンテが遊ぶ中、トドメの一撃のため、イクシードを高めていった。
ダンテのスターなんちゃらがクリティカルヒットし、相手が再び蹌踉めく。
ネロに交代するように飛び退けば、そこにはイクシードMAXでレッドクイーンを構えるネロ。
「今だ、ネロ!」
「ああ!『ガン⚫︎レイム』!!」
「ネロー!それも会社違うぅぅ!?」
炎を纏う必殺の一撃を受けて壁まで吹っ飛んだアグニは、ルドラが消えた時と同様にドロンと煙を上げていなくなった。
「終わった…みたいだな」
「お疲れ様~」
「あれは…オレの服!」
ある意味疲れたネロに労いの言葉をかける逢夏と、癒しを求めて逢夏を軽く抱きしめるネロ。
ダンテはというと、アグニが消えた場所に現れた自分の服に頬擦りし、イソイソと着替えるのだった。
しかし、螺旋階段はそのままなのだが、あんなにも入り組んでいた内部構造が嘘のように一本道状態になっていて小者も出ず、大変進みやすかった。
「他の悪魔はいねぇし仕掛けはなくて一本道だし、楽でいいな。まるでスーパー⚫︎リオブラザーズみてぇな進み方だぜ」
横スクロール型のゲームは一本道で楽である。
ボスがいたら倒せば次の面へ行ける…今回もそれと似たような物なのだろうと推測する。
ダンテは、大きく伸びをしてその開放感を堪能した。
…嗚呼、服のない脇の下がスースーする。
「はいはい、同会社ならまだしも、違う会社の話はしないようにねー」
「ダンテの攻略したテメンニグルはこうじゃなかったのか?」
おっと失敬。
違う会社から出ているタイトルだった事を忘れていた。
注意する逢夏に同意して頷きつつ、ネロはかつてのテメンニグルについて聞いた。
「すげぇ大変だった。仕掛け一つ解くのに行ったり来たり、悪魔もわんさか、ディーヴァとははぐれるわ、アーカムはハゲだわ、レディは借金取りだわ、バージルはムカつくわで…」
ネロの質問に、ダンテは当時を思い出して答える。
呟けば呟くほどに、怒りがふつふつと湧いてくる気がした。
と、一行は横穴のたくさんあるフロアを通る。
そこで逢夏がのんびり一言。
「ギガピートはいないんだね。確か、ここに一部のギガピートが巣食ってたと思うけど」
「ギガピート?」
聞き慣れぬ悪魔の名前に、ネロが聞き返す。
「でっけぇムカデの悪魔。ネバネバのキタネー体液撒き散らすんだぜ」
「魔界には道になっちゃうほど、ギガピートがいる場所があるんだよ!」
「そりゃ見てみたいな」
「…そんなのいなくていいし、見たくもねぇ」
黒光りするGは嫌いなくせに、ダンテと一緒になって逢夏は笑っている。
なんでも、大きいから虫に見えないし、今現在目の前にしていないから平気なのだそうだ。
ネロは想像するだけで気分が悪くなった。
そうこうしてる内に、双剣の間の前まで辿り着いた。
ネロは戦いに向け、レッドクイーンを空吹かしして気を昂らせていく。
「次はここか」
「今回はオレも戦うからな」
「別にいい。さっきも俺1人で十分だったろ」
「次は2人のが楽なんだよ」
悪魔との遊びを邪魔されたくないと不服そうなネロに、ダンテはニヤリと笑みを浮かべ、その扉を開け放った。
扉を開けた先にはアグニとルドラがそれぞれの得物を構えて、すでに臨戦体勢を取っていた。
「なるほど。ボスの2体同時攻略ってわけか」
「そういうこった」
ダンテは、担いでいた武器の内、赤と青の双剣を構えた。
この双剣もアグニとルドラという名前であり、今から相手をする悪魔が魔具と化した姿。
つまりは己との対峙になってしまうのだが……まぁいいか。
ダンテが、構えた双剣の青い刀身の方をネロに渡す。
「2対2でやろうぜ」
「…わかったよ」
ボス悪魔を2体同時など慣れきったことだ。
が、たまにはお前の遊びに付き合ってやろう、とネロはどこかで聞いたフレーズを考えるとともに、青剣を受け取った。
「じゃあ、レッドクイーンは私が預かっておくね」
ネロが何も言わずとも分かっていたのか、逢夏がネロのもう一方の手からレッドクイーンをスッと受け取る。
とても重いそれを逢夏は大事そうに抱え、戦いの邪魔にならぬよう隅の方へ移動した。
『ルドラ』という青の剣を持つネロに向かって突進してくるのは、同じく青い悪魔のルドラ。
『アグニ』を持つダンテの前にはこれまた同じ赤い悪魔のアグニ。
「青いのは属性が風だ。初めて使った時はディーヴァのスカートがめくれてウハウハだったぜ」
「ホント変態だな。すると、ダンテの赤い方は炎ってとこか」
「ああ。どうだ、使いこなせそうか?」
「誰に聞いてるんだ」
ニヤリ、ネロが笑った。
悪魔の狩りのエキスパートととして腕を上げたネロとダンテと、歳は上でも長く戦いをやめて門番でいただけの悪魔。
どちらの方が強いかなんてわかりきったこと。
「ああ、アグニとルドラ、終わったね」と逢夏は思った。
その間にも、戦闘は始まっている。
それぞれの属性が付随した斬り付け攻撃がダンテとネロを襲う。
ネロもダンテも、ギザギザの刀身で絡め取るようにしてかわし、楽々攻撃をし返した。
ダンテは不思議そうな顔をしながら、アグニの体に深く斬り込む。
「こいつら、黙ったまま戦ってる。…調子狂うな」
「?どういうことだよ」
その時、ネロとダンテの手元で嗄れた声が。
「本物のテメンニグルではなさそうだのう」
「そうじゃのう」
柄にあった顔の装飾部分が言葉を発したのだ。
戦闘中なのだが、ネロは思わず取り落としそうになった。
「柄の装飾が喋った!?」
「ネロ、いつもの事だぜ」
なんとか握り直し、攻撃を受け止めるネロ。
青い刀身同士がぶつかり合い、風を纏った火花が散った。
「むっ…!ふぬっ…!」
相手は相変わらず無口だが、剣の柄がいちいち掛け声をあげるので、ネロは少しイライラし始めた。
と、ダンテの得意技であるスティンガーにも似た技、ジェットストリームを、相手が繰り出してきた。
ネロとダンテは闘牛士のようにひらり、身軽にかわし相手同士で自爆するよう仕向けた。
攻撃がヒットした相手はウンともスンとも言わず、大ダメージを前にして膝を折っている。
「自爆…っと!よくオレの意図に気がついたな」
「偶然だよ」
それよりこの剣のお喋りをどうにかしろ。
アグニとルドラのお喋りコントは止まらない。
「ふーむ。ワシらが黙ったまま剣を振るっておるわ」
「無口なワシらは気持ち悪いのう…」
「BGM代わりに悪魔しりとりでもするかの…『悪魔』」
「『魔界』」
「淫魔 」
「また『ま』とな!?ま…ま、まn「それ以上卑猥な言葉は言わせねぇからな!お前らうるせぇから黙っとけ!!」…………」
「よし」
「……コイツ返す。お喋りな剣は調子狂うから嫌だわ」
やっと黙ったが、何か疲弊したネロはダンテにルドラを投げて寄越すと、逢夏からレッドクイーンを受け取った。
うむ、やはりレッドクイーンが一番しっくりくる。
「しゃーねぇな」
ダンテは二刀流の構えで相手に再び挑む。
あっさり倒れたルドラはドロンと煙を立てて消え失せ、かわりにルドラがダンテと同じ二刀流になった。
「くらぇ、『スター⚫︎ースト・ストリーム!!』」
「それ、会社違うとかいうレベルじゃないね」
「せっかく二刀流なんだから、そう言うなって」
ネロはダンテが遊ぶ中、トドメの一撃のため、イクシードを高めていった。
ダンテのスターなんちゃらがクリティカルヒットし、相手が再び蹌踉めく。
ネロに交代するように飛び退けば、そこにはイクシードMAXでレッドクイーンを構えるネロ。
「今だ、ネロ!」
「ああ!『ガン⚫︎レイム』!!」
「ネロー!それも会社違うぅぅ!?」
炎を纏う必殺の一撃を受けて壁まで吹っ飛んだアグニは、ルドラが消えた時と同様にドロンと煙を上げていなくなった。
「終わった…みたいだな」
「お疲れ様~」
「あれは…オレの服!」
ある意味疲れたネロに労いの言葉をかける逢夏と、癒しを求めて逢夏を軽く抱きしめるネロ。
ダンテはというと、アグニが消えた場所に現れた自分の服に頬擦りし、イソイソと着替えるのだった。