御神籤 三枚目
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「しゃーねぇな。それにしても……確かにネロはバージルの息子に違いなさそうだな」
「え?やっぱどっか似てるか?」
「オレを怒らせるツボの突き方はバージルそのものだ」
唇を尖らせ、忌々しそうに答える。
だが、次の瞬間には忌々しかったはずの存在が恋しいと、その唇は紡いだ。
「出来るならもう一度会いたい。あのバカ兄貴には、言いたいことが山ほどあるからな…」
「ダンテ……」
「悪かったな…思い出させちまって」
「うん…なんかその……私からもごめんなさい」
ダンテの言葉でその場がしんみりとしてしまった。
ディーヴァもネロも、逢夏までもが、バツが悪そうに顔を下げた。
「おいおい、気にすんなって。さて、夜はまだまだこれから!次のクジをひこうか。逢夏、クジの箱を持てぃ!」
「命令はしないでくれる?」
偉そうに言うダンテに、にっこり笑って御神籤の箱を差し出す逢夏。
差し出しながら、思いっきりダンテのつま先を踏み潰す。
「いでっ!…こンの~逢夏~!!」
「きゃー!命令していいのはネロだけだも~ん!」
ネロの後ろに隠れそう言う逢夏と、ダンテの間の溝はまだまだ深そうだった。
「…まあいい。おい、悪魔っ!次はオレだよな?クジひくぞ」
クジをひく。
その言葉をずっと待っていたのか、空中にぽんっ!と軽い音を立てて、出現するいつもの悪魔。
「ソ!ぅぎぃ、はンぱモォ!ヲみぅジ、ぃぐひぐゥ!」
ダンテの周りをブンブン飛び回って御神籤の催促をする悪魔に、ディーヴァはクスッと笑みをこぼしてダンテに腕を絡めた。
「ダンテ、なるべくいい運勢ひいてね?」
「ああ。茶柱の効果があるからな、いい運勢ひける気がするぜ」
「ん、頑張って!」
ディーヴァの温もりという元気を貰うと、ダンテは気合を入れて御神籤に臨んだ。
「だーいーきーちー…出ろッッ!」
ぺらーん!
一枚の白封筒を空高く取り出すと、 周りにしっかり見せつけてから素早く開封。
「げ」
だが、開ける前と後では、その表情も声も正反対となっていた。
嫌そうな声を上げたダンテの手元…握られた一枚の紙を3人がまさか…と思いつつ覗き込む。
やはりというか何というか…そこに書かれていた運勢は『大凶』。
普通の御神籤でも滅多な事では出ないという、珍しいという意味では最高の、運勢的にはとてつもなく最悪な結果である。
そして、この悪魔の御神籤の場合は、どう考えても最高とは言えない。
「どこが『いい運勢ひける気がする』だ。最悪なのひいてんじゃねぇか!」
「ちょっとでも期待した私がバカだった…」
「…悪い」
憤慨と呆れの言葉がダンテに突き刺さる。
「で、でも運勢の中身さえ良いなら大凶でもあり…だと思う。うん…」
しっかりとフォローの言葉を送るのは、恋人であるディーヴァの役目。
でも、フォローになりきれてない。
「中身、かぁ。大凶でそれはないと思うよ。…まあ、ダンテだから変な内容でも諦める」
「ああ、ダンテだからなぁ。同じく俺も諦める」
「お前らぁ~…!ちぇっ!!」
あーらら、拗ねちゃった。
ダンテの機嫌を直すべく、慌ててその内容に話題を変えるディーヴァ。
「ね!ダンテ、内容はどんなのだった?」
「えーと、『失せ物注意』だとよ。失せ物…?どういう意味だろうな」
読み上げたダンテは、隣のディーヴァに確認を取ろうと振り向く。
「なあディーヴァ。どう思…って、いねえ!?」
が、そこにディーヴァはいなかった。
ダンテがそう言って、初めてネロと逢夏も気がついた。
ダンテの隣にさっきまで普通にいたはずだが、神隠しにでもあったかのように一瞬で消えた。
「ありゃ、本当だ。ディーヴァちゃんはいづこに!?」
「まさか、また小さく…?」
と、思いテーブルの下を覗いても、影も形もない。
いない!と騒ぐ3人を、悪魔は空中に浮かんで、クフクフ笑って見ていた。
嘲笑うかのようなそれにキレ気味で叫ぶダンテ。
「おい、どういうこった!」
「ぅジナぃヨォ、ョぐ見ゥ!」
「野郎ォ…何言ってんのか相変わらずさっぱりだぜ」
ガルルルル。
悪魔の言葉がよくわからないダンテは頭に血が上っているのか、逢夏の存在を完全に忘れている。
逢夏はダンテの肩に手を置くと、静かに言い放った。
「…ダンテ、籤の紙貸して」
「は?」
「良いから早く」
早くしなくてはいけない気がする。
そう思い、ダンテから渡された籤を素早く読み上げる逢夏。
「…大事な人や物が悪魔に奪われた状態になる。3時間以内に頑張って取り返すこと。これが、今回の内容だね」
いつになく真剣な顔をした逢夏が、じっとネロとダンテの顔を見つめた。
「え?やっぱどっか似てるか?」
「オレを怒らせるツボの突き方はバージルそのものだ」
唇を尖らせ、忌々しそうに答える。
だが、次の瞬間には忌々しかったはずの存在が恋しいと、その唇は紡いだ。
「出来るならもう一度会いたい。あのバカ兄貴には、言いたいことが山ほどあるからな…」
「ダンテ……」
「悪かったな…思い出させちまって」
「うん…なんかその……私からもごめんなさい」
ダンテの言葉でその場がしんみりとしてしまった。
ディーヴァもネロも、逢夏までもが、バツが悪そうに顔を下げた。
「おいおい、気にすんなって。さて、夜はまだまだこれから!次のクジをひこうか。逢夏、クジの箱を持てぃ!」
「命令はしないでくれる?」
偉そうに言うダンテに、にっこり笑って御神籤の箱を差し出す逢夏。
差し出しながら、思いっきりダンテのつま先を踏み潰す。
「いでっ!…こンの~逢夏~!!」
「きゃー!命令していいのはネロだけだも~ん!」
ネロの後ろに隠れそう言う逢夏と、ダンテの間の溝はまだまだ深そうだった。
「…まあいい。おい、悪魔っ!次はオレだよな?クジひくぞ」
クジをひく。
その言葉をずっと待っていたのか、空中にぽんっ!と軽い音を立てて、出現するいつもの悪魔。
「ソ!ぅぎぃ、はンぱモォ!ヲみぅジ、ぃぐひぐゥ!」
ダンテの周りをブンブン飛び回って御神籤の催促をする悪魔に、ディーヴァはクスッと笑みをこぼしてダンテに腕を絡めた。
「ダンテ、なるべくいい運勢ひいてね?」
「ああ。茶柱の効果があるからな、いい運勢ひける気がするぜ」
「ん、頑張って!」
ディーヴァの温もりという元気を貰うと、ダンテは気合を入れて御神籤に臨んだ。
「だーいーきーちー…出ろッッ!」
ぺらーん!
一枚の白封筒を空高く取り出すと、 周りにしっかり見せつけてから素早く開封。
「げ」
だが、開ける前と後では、その表情も声も正反対となっていた。
嫌そうな声を上げたダンテの手元…握られた一枚の紙を3人がまさか…と思いつつ覗き込む。
やはりというか何というか…そこに書かれていた運勢は『大凶』。
普通の御神籤でも滅多な事では出ないという、珍しいという意味では最高の、運勢的にはとてつもなく最悪な結果である。
そして、この悪魔の御神籤の場合は、どう考えても最高とは言えない。
「どこが『いい運勢ひける気がする』だ。最悪なのひいてんじゃねぇか!」
「ちょっとでも期待した私がバカだった…」
「…悪い」
憤慨と呆れの言葉がダンテに突き刺さる。
「で、でも運勢の中身さえ良いなら大凶でもあり…だと思う。うん…」
しっかりとフォローの言葉を送るのは、恋人であるディーヴァの役目。
でも、フォローになりきれてない。
「中身、かぁ。大凶でそれはないと思うよ。…まあ、ダンテだから変な内容でも諦める」
「ああ、ダンテだからなぁ。同じく俺も諦める」
「お前らぁ~…!ちぇっ!!」
あーらら、拗ねちゃった。
ダンテの機嫌を直すべく、慌ててその内容に話題を変えるディーヴァ。
「ね!ダンテ、内容はどんなのだった?」
「えーと、『失せ物注意』だとよ。失せ物…?どういう意味だろうな」
読み上げたダンテは、隣のディーヴァに確認を取ろうと振り向く。
「なあディーヴァ。どう思…って、いねえ!?」
が、そこにディーヴァはいなかった。
ダンテがそう言って、初めてネロと逢夏も気がついた。
ダンテの隣にさっきまで普通にいたはずだが、神隠しにでもあったかのように一瞬で消えた。
「ありゃ、本当だ。ディーヴァちゃんはいづこに!?」
「まさか、また小さく…?」
と、思いテーブルの下を覗いても、影も形もない。
いない!と騒ぐ3人を、悪魔は空中に浮かんで、クフクフ笑って見ていた。
嘲笑うかのようなそれにキレ気味で叫ぶダンテ。
「おい、どういうこった!」
「ぅジナぃヨォ、ョぐ見ゥ!」
「野郎ォ…何言ってんのか相変わらずさっぱりだぜ」
ガルルルル。
悪魔の言葉がよくわからないダンテは頭に血が上っているのか、逢夏の存在を完全に忘れている。
逢夏はダンテの肩に手を置くと、静かに言い放った。
「…ダンテ、籤の紙貸して」
「は?」
「良いから早く」
早くしなくてはいけない気がする。
そう思い、ダンテから渡された籤を素早く読み上げる逢夏。
「…大事な人や物が悪魔に奪われた状態になる。3時間以内に頑張って取り返すこと。これが、今回の内容だね」
いつになく真剣な顔をした逢夏が、じっとネロとダンテの顔を見つめた。