御神籤 二枚目
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
先ほどまでの暗い空気が家でのものとさほど差がなくなった頃。
逢夏は金色の目と長細い紅い瞳を更に細め、一度はダンテの頭にボッシュートしたマイクを握りしめて運転席の横へと姿勢正しく立った。
「じゃあ気を取り直して~~~。」
「ぁク魔お!」
「逢夏の!」
「「ちょっぴり魔界ツアー!(ちヨぃリ魔ァいウあー!)」」
おー!
1人と1匹が元気に腕を振り上げるのを残された3人が若干白けた視線で見つめる。
そして1人、ディーヴァが代表として遠慮がちにおずおずと手を挙げた。
「あの、質問いいかな?」
「どうぞ!」
「なんで逢夏がそっち側なの?
それと、なんであたし達はこうして席に固定されてるのかな?」
ディーヴァの質問にダンテもネロも同意と何度も頷く。
唐突だがごく自然な質問。
しかしそれにまるで予想外と言わんばかりの表情で逢夏と悪魔は顔を向き合わせる。
そして…その返答は?
「なんでこっち側なのか私も知らないよ、気がついたらここにいたもん。
今考えてみると私がこうしてここで悪魔化しちゃったのってこの子が私とダンテ、ディーヴァちゃんと仲違するためなんだろうし。
……あれ?そうなると貴方、悪い子ね。
お仕置きが必要かなぁ?」
「チ、ィち血、ィがウ!
ソンぁっモいナぃ!
にェ、あヶ生キ!おデょりぉオゐり!」
「ほんとかなぁ。
まぁ…この子が言った通り、認めたくないけど魂だけ長生きしてるし…魔界には詳しいからガイド役しろって言われても全く問題ないけど。
…まぁ、私がこっち側なのはそんな訳らしいよ?」
「じゃあこのやたらめったらに頑丈なシートベルトはなんなんだ。」
必死にシートベルトもどきの拘束具を引きちぎろうとするダンテを見るネロが二つ目の問いへの回答を促す。
するとそれは意外にも悪魔ではなく、目を細めたまま悪戯っぽく笑う逢夏が答えた。
「だって今皆がいるここは魔界の獣の上で…あぁ、体験してもらった方が早いかも。
皆様、下に参りまーす。」
「まィぅーーーー!」
「は?…って、おいぃーーー!?」
「ぴゃーーーーー!?」
「なんだよ、下に参るってーーー!!」
手のひらを上に向け、ニコニコ笑顔でアナウンスしている逢夏とその横に佇む同じく笑顔の悪魔。
対して席に固定された3人にはジェットコースターと同じ感覚が襲いくる。
窓から外を見るといつの間にかそこは水しぶきに景色を邪魔される滝のような場所。
現状はまさしく90°、直下のていを取っていた。
な、状況にも関わらず平地にでも立っている感覚で直立したままのガイドの1人と1匹は平然として会話を始める。
「本日は御日柄もよく、私ども皆様には楽しい魔界ツアーを体験していただきたい気持ちでいっぱいです。
早速ではありますが、ただいま皆様には魔界三大瀑布の中でも一番の落差を体験して頂いております。
こちらの滝、観光名所への近道でもございまして、落下が終了次第まもなくの到着となります。」
「この真っ暗な空の何処が御日柄がいいんだよ!?」
「え、いやだなぁ…これ以上にないくらい快晴ですよ。」
「なんで初っぱなに絶叫体験もってくんだバカ!
こっちは信じた早々に裏切られて損した気持ちで胸いっぱいだっての!」
「あら、それは心外。
スリルがある方が魔界らしいと思いません?」
「もう…らめ…。
ぶくぶく………。」
「天ぃー、ぐォっいー?」
最大の落差というだけあってこの問答中もなお、滝下りを堪能させられる3人。
ディーヴァに至ってはなんとか意識を保っている状態で今にも気を絶さんとするところ。
本当にダメ、もう無理。
そうディーヴァがいろんなものを覚悟したと同時、ようやく生き地獄が終了した。
落ち始めて終わるまでこの間なんと1分ほど。
「おわ…った?」
「うん、終わったよ。
おつかれさま、ディーヴァちゃん。」
相変わらずの笑顔で滝下りの終了を伝えた逢夏が人差し指で頭上を指す。
どれだけ高いところから落ちたんだと気になる3人はその指に従って頭上を見上げると
先ほどまで確かにあった天井がガラスの様に透け、はっきりと上を見る事が出来る事に気がついた。
逢夏曰く、快晴の漆黒の空。
崖のように切り立った壁が空を切り取るそこは様々な高さから赤い水が上から流れ落ちるその滝はいくつもの滝が集まって最終的には一つの巨大な滝と化していた。
その一番の頂点は3人が自分たちがどこの高さから落ちたのか検討もつかないほど遠く遠く。
「ダメだ、みえねー。」
「この滝…なんか天まで続くみたいな滝だな。」
「天まで、ね。
あながち間違いじゃないかも。」
「え、魔界って天国まで通じてるの!?」
「いやいや…さすがに天国とは繋がってないかなぁ。
そんなの戦争になっちゃうよ。
それに、特に私みたいな悪魔なんかは商売あがったりっていうか生きていけなくなるから天国に通じてなくてほんと良かったと思ってるよ。」
目を凝らすダンテに、もうどうにでもなーれと言わん気にぼぅっと見上げて何気ない感想を述べるネロ。
そして"天"という言葉に目を輝かすディーヴァに逢夏は苦笑してそれを否定した。
逢夏は金色の目と長細い紅い瞳を更に細め、一度はダンテの頭にボッシュートしたマイクを握りしめて運転席の横へと姿勢正しく立った。
「じゃあ気を取り直して~~~。」
「ぁク魔お!」
「逢夏の!」
「「ちょっぴり魔界ツアー!(ちヨぃリ魔ァいウあー!)」」
おー!
1人と1匹が元気に腕を振り上げるのを残された3人が若干白けた視線で見つめる。
そして1人、ディーヴァが代表として遠慮がちにおずおずと手を挙げた。
「あの、質問いいかな?」
「どうぞ!」
「なんで逢夏がそっち側なの?
それと、なんであたし達はこうして席に固定されてるのかな?」
ディーヴァの質問にダンテもネロも同意と何度も頷く。
唐突だがごく自然な質問。
しかしそれにまるで予想外と言わんばかりの表情で逢夏と悪魔は顔を向き合わせる。
そして…その返答は?
「なんでこっち側なのか私も知らないよ、気がついたらここにいたもん。
今考えてみると私がこうしてここで悪魔化しちゃったのってこの子が私とダンテ、ディーヴァちゃんと仲違するためなんだろうし。
……あれ?そうなると貴方、悪い子ね。
お仕置きが必要かなぁ?」
「チ、ィち血、ィがウ!
ソンぁっモいナぃ!
にェ、あヶ生キ!おデょりぉオゐり!」
「ほんとかなぁ。
まぁ…この子が言った通り、認めたくないけど魂だけ長生きしてるし…魔界には詳しいからガイド役しろって言われても全く問題ないけど。
…まぁ、私がこっち側なのはそんな訳らしいよ?」
「じゃあこのやたらめったらに頑丈なシートベルトはなんなんだ。」
必死にシートベルトもどきの拘束具を引きちぎろうとするダンテを見るネロが二つ目の問いへの回答を促す。
するとそれは意外にも悪魔ではなく、目を細めたまま悪戯っぽく笑う逢夏が答えた。
「だって今皆がいるここは魔界の獣の上で…あぁ、体験してもらった方が早いかも。
皆様、下に参りまーす。」
「まィぅーーーー!」
「は?…って、おいぃーーー!?」
「ぴゃーーーーー!?」
「なんだよ、下に参るってーーー!!」
手のひらを上に向け、ニコニコ笑顔でアナウンスしている逢夏とその横に佇む同じく笑顔の悪魔。
対して席に固定された3人にはジェットコースターと同じ感覚が襲いくる。
窓から外を見るといつの間にかそこは水しぶきに景色を邪魔される滝のような場所。
現状はまさしく90°、直下のていを取っていた。
な、状況にも関わらず平地にでも立っている感覚で直立したままのガイドの1人と1匹は平然として会話を始める。
「本日は御日柄もよく、私ども皆様には楽しい魔界ツアーを体験していただきたい気持ちでいっぱいです。
早速ではありますが、ただいま皆様には魔界三大瀑布の中でも一番の落差を体験して頂いております。
こちらの滝、観光名所への近道でもございまして、落下が終了次第まもなくの到着となります。」
「この真っ暗な空の何処が御日柄がいいんだよ!?」
「え、いやだなぁ…これ以上にないくらい快晴ですよ。」
「なんで初っぱなに絶叫体験もってくんだバカ!
こっちは信じた早々に裏切られて損した気持ちで胸いっぱいだっての!」
「あら、それは心外。
スリルがある方が魔界らしいと思いません?」
「もう…らめ…。
ぶくぶく………。」
「天ぃー、ぐォっいー?」
最大の落差というだけあってこの問答中もなお、滝下りを堪能させられる3人。
ディーヴァに至ってはなんとか意識を保っている状態で今にも気を絶さんとするところ。
本当にダメ、もう無理。
そうディーヴァがいろんなものを覚悟したと同時、ようやく生き地獄が終了した。
落ち始めて終わるまでこの間なんと1分ほど。
「おわ…った?」
「うん、終わったよ。
おつかれさま、ディーヴァちゃん。」
相変わらずの笑顔で滝下りの終了を伝えた逢夏が人差し指で頭上を指す。
どれだけ高いところから落ちたんだと気になる3人はその指に従って頭上を見上げると
先ほどまで確かにあった天井がガラスの様に透け、はっきりと上を見る事が出来る事に気がついた。
逢夏曰く、快晴の漆黒の空。
崖のように切り立った壁が空を切り取るそこは様々な高さから赤い水が上から流れ落ちるその滝はいくつもの滝が集まって最終的には一つの巨大な滝と化していた。
その一番の頂点は3人が自分たちがどこの高さから落ちたのか検討もつかないほど遠く遠く。
「ダメだ、みえねー。」
「この滝…なんか天まで続くみたいな滝だな。」
「天まで、ね。
あながち間違いじゃないかも。」
「え、魔界って天国まで通じてるの!?」
「いやいや…さすがに天国とは繋がってないかなぁ。
そんなの戦争になっちゃうよ。
それに、特に私みたいな悪魔なんかは商売あがったりっていうか生きていけなくなるから天国に通じてなくてほんと良かったと思ってるよ。」
目を凝らすダンテに、もうどうにでもなーれと言わん気にぼぅっと見上げて何気ない感想を述べるネロ。
そして"天"という言葉に目を輝かすディーヴァに逢夏は苦笑してそれを否定した。