御神籤 十一枚目
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「ダンテ食べるなら雪でかき氷食べるわよ」
「かき氷?」
「ほら、シロップも常備してまーす」
どこに持っていたのか、逢夏は赤、黄色、緑、青の液体の入ったポーションパックを取り出した。
「腹壊すぞ。さっきオレに雪食ったら腹下すって言ってたろ」
「悪魔の姿で食べるのでそうそうお腹壊しませんー。そりゃダンテはお腹壊すかもしれないけど、完全に悪魔の姿の私がそんなちょっとやそっとでお腹痛くするわけないでしょ。
雪でかき氷、小さい頃やらなかった?」
「やんねーよ。
だいたいお前の小さい頃なんて、魔界での幼少期だろ?魔界にシロップなんてあるのかよ」
「ブッブー。この体になってからの幼少期のことです」
魔界にかき氷のシロップがあるわけないのである。
「まあいいや、オレイチゴ味な。練乳もたっぷりかけてくれ」
「練乳まであると思う?」
「持ってねーのかよ。
かけたかったら自分の練乳かけろってか。かけるならディーヴァにかけ、」
スパッ!
ダンテの顔面スレスレを、逢夏の大刀が物凄い速さで薙いでいった。
あと少しで鼻がどこかへ吹っ飛んでいただろう。
「一度滅んだ方がディーヴァちゃんのためになりそうね?」
「スミマセンデシタ」
その瞬間ダンテはジャパニーズ土下座で謝ったのはいうまでもなく。
雪も冷たいが逢夏の視線の方がよっぽど冷たかった。
さて、吹雪が少しでも止むまで休憩を終えた2人は、歩きを再開した。
休んだことで体力もじゅうぶん。魔力もあり余っている。
ちなみに妨害しているであろう悪魔は、武器と共に1人指パッチンで消えた。寒いから先にロッジで温かいココアを飲むらしい。ずるいからあとでシメる。
……うむ、魔力もたしかに有り余っているのだが…。
普段はその魔力を使い、互いのパートナーの場所を探れるのだが、謎の妨害行為がされているようで、パートナーの場所はわからなかった。
いつもならわかるはずなディーヴァの天使の気配も、ネロの魔力も、何も感じない。
自力で探せということか。
逢夏の方もネロからの命令さえあれば、その場所まで楽に行くことができよう。
だがそれも、ここまでは届いてこないという状態らしい。
まるで妨害電波でも飛び交っていて、とぎれとぎれに聞こえてくるラジオのそれに近い。
「でもとぎれとぎれなだけマシだぜ」
「うん、だって生死はもちろん、方向だけはなんとなくわかるも…おっとっと!?」
クレバスまでいかないが、ちょっとした雪と雪の割れ目に引っかかったようだ。突っかかって雪にダイブした逢夏の背後、割れ目には小さな川が流れているのがちらちらと見えた。
この寒い時期にもしも落ちたらと思うとゾッとする。
あとは寒い状況で足の筋肉が強張しているのだろう、いつもの逢夏なら軽く飛び越える割れ目にひっかかるというのは、きっとそういう事だ。
「あっぶねーな、気をつけろよ?
休憩して回復したっつっても、逢夏の体は悪魔ぶっ飛ばすなんて慣れないことして絶対疲れてるはずだ」
「ダンテだってさっきぶっ飛ばしてたじゃん」
「オレはそれが生業。逢夏んとこはネロがその役割してんだろ。慣れてないのと同じだ。
結局、悪魔化しようが逢夏が守るべき対象なのは、ディーヴァと何一つ変わんねぇ」
わかっている事だ。
でも、まるで弱いと言われているようで、逢夏は悔しく感じたのだろう。
手を差し伸べてきたダンテを払いのけ、逢夏は自分の力で立ち上がって一人、先にズンズン進んでいく。
「…ダンテの手なんて要らない」
「へっ、素直じゃねぇやつ。さっきは手を取ったクセに」
「さっきはさっき!2度も取りません!」
「はいはいそーですか」
ダンテも逢夏の気持ちがわからないような、でもわかる気がするのか、苦笑して逢夏のあとに続いた。
しかし、逢夏の息は少しずつ上がっている。歩けば歩くほどに。
ダンテの頭の中に『やせ我慢』という文字が浮かび上がった。
「逢夏って結構体弱いんじゃなかったか?」
「まあそうだけど。よくそんな設定まで覚えてたね」
「メタいなー。自分で設定とか言うなよ」
「んー………。
でも、悪魔だと自覚してからはそんなに体調崩したりは……あ、たまにあるけど大丈夫」
「たまにねぇ……」
ふむ…とダンテは顎に手をやり考える動作をし、上のスキーウェアを脱いで逢夏にかぶせた。
「体調崩したら困るし、せめてオレのやつでも着とけよ。旦那が心配するぞ」
「あれだけ突っぱねたはずなのに、ダンテが優しい……だと……?これは天変地異の前触れかな?
やだなー、こわいなー…槍が降るかなー」
だが、そのウェアから顔をのぞかせた逢夏は、某怪談語らせたら右に出る者のいないあの人な声色で怖がった。
「失礼なやつめ、オレはもともと女子供には優しいフェミニストなんだよ。
逢夏が喧嘩ふっかけたりするから、足とか手とか口が出そうになるだけだ。……オレの沸点も低いしな」
「ふぅん」
「ネロに怒られるのが嫌なオレのわがままだと思えば、それ着るのくらい別にどうってことないだろ」
「でもいい。着ない。
私だって着てるし、これ以上着込んだら重くて動けなくなっちゃうでしょ。
ダンテだって寒いだろうから、自分で着ててよ」
スキーウェアを脱いだダンテが着ているのは、シャツと薄っぺらなセーターだ。この極寒の地ではどう考えても寒かったが、ダンテは平気だったようだ。
まあ、一時期は素肌にコートなんていうぶっ飛んだ格好していたくらいだし寒さには人一倍強かろう。
だが2枚も着たら重い。これは本当の事だ。
「そうか…わかった。つらくなったら言え」
ダンテは少しだけ不服そうに、返されたウェアと逢夏を交互に見、また着直して雪山下りを再開した。
ざく、ざく、ざく。びゅうびゅうびゅう。
逢夏のストック、そして二人のスノーブーツが真っ白でどことなく固い雪の斜面を踏み抜く音、そして耳元にうるさいほどの吹雪の音がよく聞こえる。
そんな中、ぼそりと響く逢夏の声。
「………ごめん」
「何がごめんなんだ?」
独り言にしようと思い、ダンテに拾われぬよう小さな声で発したというに、こんな銀世界、無言の中では声は届いてしまったようだ。
ダンテに疑問符付きで問われてしまった。
「あー。
ダンテがスパーダに似てなければわたしもここまで突っかからないんだけど…って思って」
「別にいい。
つーか、言うほど逢夏のオレに対する態度、前とそんなに変わってないと思うぜ。
以前突っかかってきてたのも、オレがディーヴァに手を出そうとするのが大体の理由だっただろ」
「そこは仕方ないねー。悪いことしようとするダンテがいけないんだよ」
前はもちろん、今も突っかかりの原因は大抵がそれである。
スパーダに似ているという理由の割合は、全体的に見ると実際、そこまで高くない。
あと、悪い事とはなんだ。ここに来てから何も悪い事はしていない。逆に逢夏とネロの方が悪い事を…コホン、これ以上は言わないでおく。
とはいえ、悪い事しようとは思った。…思っている。現在進行形で。
「まあ…お互い悪魔の端くれだから、本能に忠実に生きてるってことだ!うん!
お前も本能に忠実だから、オレを前にすると突っかかりたくなるんだろ。そうゆうことにしとけ!なあ?」
「わー、無理やりまとめたー」
バシバシと背を叩いてくるダンテを、ジト目で見る逢夏。…叩くなら叩くで、もうちょっと優しく叩いてほしかった。
「うるせぃ!
とにかくお前には元気でいてもらわねーと、ディーヴァの具合が悪い時とか色々困るだろ!色々!!
オレも困るんだよ!えーと、そう!メシとか!ディーヴァが悲しむとか!!」
「ぷくく、何それ」
やっぱりダンテはスパーダに似ている。
どことなく不器用なところもよく似ている。
ダンテの方の不器用さ加減は、スパーダより可愛げがあるけれど。
ディーヴァを最優先に考えているのはわかっているが、予想以上に逢夏の心配をしているところとか。
だからつい、感謝の言葉が出た。
「………ありがとう、ダンテ」
「ありがとうだぁ?
なんか……しおらしくされると調子狂うな。
こっからは普段どおりで頼む」
「ふふ、右に同じくー」
逢夏とダンテは顔を見合わせて笑い合った。
こんな2人の姿を、ネロとディーヴァが見たらびっくりするだろう。いや、手を挙げて喜ぶかもしれない。
「かき氷?」
「ほら、シロップも常備してまーす」
どこに持っていたのか、逢夏は赤、黄色、緑、青の液体の入ったポーションパックを取り出した。
「腹壊すぞ。さっきオレに雪食ったら腹下すって言ってたろ」
「悪魔の姿で食べるのでそうそうお腹壊しませんー。そりゃダンテはお腹壊すかもしれないけど、完全に悪魔の姿の私がそんなちょっとやそっとでお腹痛くするわけないでしょ。
雪でかき氷、小さい頃やらなかった?」
「やんねーよ。
だいたいお前の小さい頃なんて、魔界での幼少期だろ?魔界にシロップなんてあるのかよ」
「ブッブー。この体になってからの幼少期のことです」
魔界にかき氷のシロップがあるわけないのである。
「まあいいや、オレイチゴ味な。練乳もたっぷりかけてくれ」
「練乳まであると思う?」
「持ってねーのかよ。
かけたかったら自分の練乳かけろってか。かけるならディーヴァにかけ、」
スパッ!
ダンテの顔面スレスレを、逢夏の大刀が物凄い速さで薙いでいった。
あと少しで鼻がどこかへ吹っ飛んでいただろう。
「一度滅んだ方がディーヴァちゃんのためになりそうね?」
「スミマセンデシタ」
その瞬間ダンテはジャパニーズ土下座で謝ったのはいうまでもなく。
雪も冷たいが逢夏の視線の方がよっぽど冷たかった。
さて、吹雪が少しでも止むまで休憩を終えた2人は、歩きを再開した。
休んだことで体力もじゅうぶん。魔力もあり余っている。
ちなみに妨害しているであろう悪魔は、武器と共に1人指パッチンで消えた。寒いから先にロッジで温かいココアを飲むらしい。ずるいからあとでシメる。
……うむ、魔力もたしかに有り余っているのだが…。
普段はその魔力を使い、互いのパートナーの場所を探れるのだが、謎の妨害行為がされているようで、パートナーの場所はわからなかった。
いつもならわかるはずなディーヴァの天使の気配も、ネロの魔力も、何も感じない。
自力で探せということか。
逢夏の方もネロからの命令さえあれば、その場所まで楽に行くことができよう。
だがそれも、ここまでは届いてこないという状態らしい。
まるで妨害電波でも飛び交っていて、とぎれとぎれに聞こえてくるラジオのそれに近い。
「でもとぎれとぎれなだけマシだぜ」
「うん、だって生死はもちろん、方向だけはなんとなくわかるも…おっとっと!?」
クレバスまでいかないが、ちょっとした雪と雪の割れ目に引っかかったようだ。突っかかって雪にダイブした逢夏の背後、割れ目には小さな川が流れているのがちらちらと見えた。
この寒い時期にもしも落ちたらと思うとゾッとする。
あとは寒い状況で足の筋肉が強張しているのだろう、いつもの逢夏なら軽く飛び越える割れ目にひっかかるというのは、きっとそういう事だ。
「あっぶねーな、気をつけろよ?
休憩して回復したっつっても、逢夏の体は悪魔ぶっ飛ばすなんて慣れないことして絶対疲れてるはずだ」
「ダンテだってさっきぶっ飛ばしてたじゃん」
「オレはそれが生業。逢夏んとこはネロがその役割してんだろ。慣れてないのと同じだ。
結局、悪魔化しようが逢夏が守るべき対象なのは、ディーヴァと何一つ変わんねぇ」
わかっている事だ。
でも、まるで弱いと言われているようで、逢夏は悔しく感じたのだろう。
手を差し伸べてきたダンテを払いのけ、逢夏は自分の力で立ち上がって一人、先にズンズン進んでいく。
「…ダンテの手なんて要らない」
「へっ、素直じゃねぇやつ。さっきは手を取ったクセに」
「さっきはさっき!2度も取りません!」
「はいはいそーですか」
ダンテも逢夏の気持ちがわからないような、でもわかる気がするのか、苦笑して逢夏のあとに続いた。
しかし、逢夏の息は少しずつ上がっている。歩けば歩くほどに。
ダンテの頭の中に『やせ我慢』という文字が浮かび上がった。
「逢夏って結構体弱いんじゃなかったか?」
「まあそうだけど。よくそんな設定まで覚えてたね」
「メタいなー。自分で設定とか言うなよ」
「んー………。
でも、悪魔だと自覚してからはそんなに体調崩したりは……あ、たまにあるけど大丈夫」
「たまにねぇ……」
ふむ…とダンテは顎に手をやり考える動作をし、上のスキーウェアを脱いで逢夏にかぶせた。
「体調崩したら困るし、せめてオレのやつでも着とけよ。旦那が心配するぞ」
「あれだけ突っぱねたはずなのに、ダンテが優しい……だと……?これは天変地異の前触れかな?
やだなー、こわいなー…槍が降るかなー」
だが、そのウェアから顔をのぞかせた逢夏は、某怪談語らせたら右に出る者のいないあの人な声色で怖がった。
「失礼なやつめ、オレはもともと女子供には優しいフェミニストなんだよ。
逢夏が喧嘩ふっかけたりするから、足とか手とか口が出そうになるだけだ。……オレの沸点も低いしな」
「ふぅん」
「ネロに怒られるのが嫌なオレのわがままだと思えば、それ着るのくらい別にどうってことないだろ」
「でもいい。着ない。
私だって着てるし、これ以上着込んだら重くて動けなくなっちゃうでしょ。
ダンテだって寒いだろうから、自分で着ててよ」
スキーウェアを脱いだダンテが着ているのは、シャツと薄っぺらなセーターだ。この極寒の地ではどう考えても寒かったが、ダンテは平気だったようだ。
まあ、一時期は素肌にコートなんていうぶっ飛んだ格好していたくらいだし寒さには人一倍強かろう。
だが2枚も着たら重い。これは本当の事だ。
「そうか…わかった。つらくなったら言え」
ダンテは少しだけ不服そうに、返されたウェアと逢夏を交互に見、また着直して雪山下りを再開した。
ざく、ざく、ざく。びゅうびゅうびゅう。
逢夏のストック、そして二人のスノーブーツが真っ白でどことなく固い雪の斜面を踏み抜く音、そして耳元にうるさいほどの吹雪の音がよく聞こえる。
そんな中、ぼそりと響く逢夏の声。
「………ごめん」
「何がごめんなんだ?」
独り言にしようと思い、ダンテに拾われぬよう小さな声で発したというに、こんな銀世界、無言の中では声は届いてしまったようだ。
ダンテに疑問符付きで問われてしまった。
「あー。
ダンテがスパーダに似てなければわたしもここまで突っかからないんだけど…って思って」
「別にいい。
つーか、言うほど逢夏のオレに対する態度、前とそんなに変わってないと思うぜ。
以前突っかかってきてたのも、オレがディーヴァに手を出そうとするのが大体の理由だっただろ」
「そこは仕方ないねー。悪いことしようとするダンテがいけないんだよ」
前はもちろん、今も突っかかりの原因は大抵がそれである。
スパーダに似ているという理由の割合は、全体的に見ると実際、そこまで高くない。
あと、悪い事とはなんだ。ここに来てから何も悪い事はしていない。逆に逢夏とネロの方が悪い事を…コホン、これ以上は言わないでおく。
とはいえ、悪い事しようとは思った。…思っている。現在進行形で。
「まあ…お互い悪魔の端くれだから、本能に忠実に生きてるってことだ!うん!
お前も本能に忠実だから、オレを前にすると突っかかりたくなるんだろ。そうゆうことにしとけ!なあ?」
「わー、無理やりまとめたー」
バシバシと背を叩いてくるダンテを、ジト目で見る逢夏。…叩くなら叩くで、もうちょっと優しく叩いてほしかった。
「うるせぃ!
とにかくお前には元気でいてもらわねーと、ディーヴァの具合が悪い時とか色々困るだろ!色々!!
オレも困るんだよ!えーと、そう!メシとか!ディーヴァが悲しむとか!!」
「ぷくく、何それ」
やっぱりダンテはスパーダに似ている。
どことなく不器用なところもよく似ている。
ダンテの方の不器用さ加減は、スパーダより可愛げがあるけれど。
ディーヴァを最優先に考えているのはわかっているが、予想以上に逢夏の心配をしているところとか。
だからつい、感謝の言葉が出た。
「………ありがとう、ダンテ」
「ありがとうだぁ?
なんか……しおらしくされると調子狂うな。
こっからは普段どおりで頼む」
「ふふ、右に同じくー」
逢夏とダンテは顔を見合わせて笑い合った。
こんな2人の姿を、ネロとディーヴァが見たらびっくりするだろう。いや、手を挙げて喜ぶかもしれない。