御神籤 十一枚目
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「いてっ」
何かがダンテの頭上に現れ、そして落ちてきた。
突然のことで頭を庇えなかったダンテにヒットしたそれは、くじの箱。
ついで現れるあの小さな悪魔。
「ゥーーーー!ソ呂ゾぉゥじぃグ!!」
怖いもの知らずな悪魔は散々ひどい目にあわされてきたはずのダンテの頭をポカポカと叩いている。まあひどい目にあわされたのはダンテにではなく、どちらかというと逢夏にかもしれないが。
ダンテは沸点が低い。それがディーヴァに関することなら尚更。
頭の上の悪魔をむんずと掴むと、空中にぶん投げて目を吊り上げた。
「テメェ!ディーヴァの調子戻ったらっつったろ!」
「うィー?テんィ、もゥあぃぉーぶラぁズゥ!」
「もう大丈夫なはずだと?んなすぐに戻るかアホゥ!」
「はいはい!クジはもうすぐ引く予定なんだから喧嘩しない。悪魔は急かすんじゃありません」
バッ!
薬を飲み飲み会話を聞いていたディーヴァが、「ハイ!」と腕を上げ、そして半ば叫ぶように言った。
「だ、大丈夫!あたし超元気!!いまなら空も飛べそうぅぅ!!!」
「ディーヴァ、飛ばなくてよろしい」
が。声だけ張り上げて元気にみせても、まだ顔色は悪いし上に伸ばしてみせた腕もふらふらして方向が定まっていない。
そのまま立ち上がりそうなのをネロが制止する。
「だいたいな、飛べるほど回復したっていうけど、声と行動が伴ってないぞ。もしかしてまだ具合悪いのか?」
「なんと!クジ引くの明日にする?私はどっちでもいいよ?」
「おお、それもありだぞディーヴァ」
「だ、大丈夫…だいじょぶだもん…」
このままではクジが引けなくなってしまう。そう何度も迷惑をかけたくない。
焦るディーヴァの頭に、ネロの手がぽんと置かれた。
「そこまで言うならクジを続行するけど無理だけはするなよ?ディーヴァになんかあったらダンテは当たり前だけど、逢夏も俺も心配するんだから」
「はぁい」
このやり取りを見ていた逢夏は思った。「あ、やっぱり父と娘の関係でいいんじゃないか」と。
昼食を摂ってディーヴァも薬を飲んでその薬が効き始めた…といった頃、ネロが頃合いかと立ち上がる。
「そろそろいいか……じゃあダンテ、軽いクジの内容頼むな。いいか、軽いのだぞ」
「おう、任せろ」
ダンテがくじの箱をシャカシャカと振り、中に腕を突っ込むのを逢夏はジト目で睨む。
「ダンテだから私は期待しない。どうせまた悪い運勢でしょ」
「うーん…否定できない…でも、運勢的に悪くても中身が良いものかもしれないよ?」
「逢夏のヤツ腹立つな…。少しはディーヴァの優しさを見習えっての」
そして、引いた。
「いでよ!超ウルトラスーパーデラックス素晴らしき運勢!!ヌドォリャー!!!!」
デデン!出ました運勢は~…『ザ★大・凶』!!
皆で目を丸くしてまさかの大凶を見つめる中、いち早く我に帰った逢夏が叫ぶ。
「ほらーーー!やっぱりーーー!!ダンテって奴はこういう奴ぅ!!
『悪い運勢出る』って言葉にする事で逆にいい運勢出るフラグ人がせーっかく立てて上げたのに、ものの見事にへし折ってくスタイル!むかつくわ~ほんとむかつくわ~!」
「オレのこと嫌いなのはわかるけどなんでそこまでテメェはボロクソ言うんだよ!?」
「悪い方向に超ウルトラスーパーデラックス素晴らしき運勢だな」
「………うん。悪い方向にね。
で、問題は中身だけど~……」
巻き込まれでもしたら面倒だからこのいつもの喧嘩は放っておいた方がいい。…すぐに鎮火するのもわかっていることだし。
ボロクソ言われたダンテが、逢夏が売ってきた喧嘩を買うのを横目に見ながら、ネロとディーヴァがその運勢に書かれた内容を覗き込む。
「『雪山に逝ってみよう★』、だって」
「雪山か。…おーい、そこの悪魔おふたりさんそろそろ喧嘩は止めてくれるか?」
とはいえそのままでは止まらないのがダンテと逢夏なので、悪魔の右腕をぐんと伸ばし、ダンテと逢夏の間に割り込ませてふたりを止めるネロ。
いきなり乱入してきたネロに、ふたりは揃って同じ表情でこちらを向く。実は仲良いだろお前ら。
「何よネロ」
「今回の運勢、雪山にいくんだとさ」
「あ?何しにだよ」
「んー…雪山だと雪遊び……あっ、スキーとかかなぁ?」
くじの内容がわかったというに悪魔はすぐさま連れていかず、端の方でいそいそと防寒着に着替えている。
まるでスキーウエアなそれを視界に捉えながら、ディーヴァはそう答えた。
「だといいけどなんだろうな、この逝ってみようの文字と★に殺意に似たものを感じる」
「ネロ安心して。私もだから」
「着ヵぇタ!ぅキァ魔いグぅ!!」
着替え終えたらしい悪魔が指を鳴らすと、4人の世界はぐるんぐるんぐるんと暗転し、そして…。
「うう、気持ち悪…」
「おお気がついたかディーヴァ」
体調が万全とはいえないディーヴァ。
暗転時に頭の中がシェイクされて一瞬気を失ったのか、気がつけばダンテが顔を覗き込んでいた。
「大丈夫。あれ?雪山にしてはあったかい…?」
目に映るは雪景色。
雪山というくらいだからものすごく寒いはずと身構えていたのだが、逢夏の家で使っていた暖炉の近く並みに暖かい空気に包まれていた。
「ここは雪山に建ってるロッジの中だよん」
「へ?あ、ほんとだ」
よく見れば目の前に窓があったため、真っ白雪景色が見えていただけで、ここは室内だった。
逢夏の声の方を振り向けば、なにやら分厚い衣服を手に抱えたネロと逢夏、そしてぱちぱちと炎爆ぜる暖炉があった。
「さっそくだけどディーヴァちゃん、用意されてるウェアに着替えるみたいだから行こ」
「ほら、こっちディーヴァの分な。逢夏と着替えてこいよ」
「じゃあオレも着替えるかな」
ディーヴァがこくりと頷き、ネロに手渡された自分の分のウェアを抱えて逢夏の後に続くと、そのままちゃっかりついて行こうとするダンテ。
「おいこらテメェはこっちだろダンテ」
「ちっ」
ネロにバレて止められたけれど、止めなかったら今頃共に女子更衣室に入っていただろう。まったく、油断も隙もない。
着替えて更衣室から出てきた女子達は、モコモコしたグローブや色付きのゴーグルを首に引っ掛け、寒さを防ぐパステルカラーのピンクウェアで着膨れ状態。
そのぷくぷくコロンとした体のフォルムがまたかわいいのなんのって!と、ダンテとネロの心は1つになった。
「うん、ウェアも似合ってるなディーヴァ。寒いから毛糸の帽子も被ってろ」
「ありがとダンテ。これに着替えるってことは、ウィンタースポーツするってことなのかな?」
「ほら、逢夏もしっかり被れ。頭から風邪ひくぞ」
「さんくーネロ!
他にやることもないし、ウィンタースポーツすることになるんだろうねー」
「スキー板やスノボ板あるしな」
ディーヴァはダンテに、逢夏はネロに帽子を被せてもらいながら、ずらりと並べられたスキー板やストック、スノボ板を目にする。
これを見て誰がウィンタースポーツ以外を考えつくというのか。
おまけに山の上の方まで続くと見られるリフトが設置されているのだ。どう考えてもそれ以外ない。
だが、上へ行けば行くほど雪が降り続いていて、てっぺん付近は豪雪地帯に見えるが気のせいだろうか。
あんな場所で滑るなんて自殺行為だ。普通の人間はやらない。…あ、普通の人間じゃないからダンテならやるかも。
何かがダンテの頭上に現れ、そして落ちてきた。
突然のことで頭を庇えなかったダンテにヒットしたそれは、くじの箱。
ついで現れるあの小さな悪魔。
「ゥーーーー!ソ呂ゾぉゥじぃグ!!」
怖いもの知らずな悪魔は散々ひどい目にあわされてきたはずのダンテの頭をポカポカと叩いている。まあひどい目にあわされたのはダンテにではなく、どちらかというと逢夏にかもしれないが。
ダンテは沸点が低い。それがディーヴァに関することなら尚更。
頭の上の悪魔をむんずと掴むと、空中にぶん投げて目を吊り上げた。
「テメェ!ディーヴァの調子戻ったらっつったろ!」
「うィー?テんィ、もゥあぃぉーぶラぁズゥ!」
「もう大丈夫なはずだと?んなすぐに戻るかアホゥ!」
「はいはい!クジはもうすぐ引く予定なんだから喧嘩しない。悪魔は急かすんじゃありません」
バッ!
薬を飲み飲み会話を聞いていたディーヴァが、「ハイ!」と腕を上げ、そして半ば叫ぶように言った。
「だ、大丈夫!あたし超元気!!いまなら空も飛べそうぅぅ!!!」
「ディーヴァ、飛ばなくてよろしい」
が。声だけ張り上げて元気にみせても、まだ顔色は悪いし上に伸ばしてみせた腕もふらふらして方向が定まっていない。
そのまま立ち上がりそうなのをネロが制止する。
「だいたいな、飛べるほど回復したっていうけど、声と行動が伴ってないぞ。もしかしてまだ具合悪いのか?」
「なんと!クジ引くの明日にする?私はどっちでもいいよ?」
「おお、それもありだぞディーヴァ」
「だ、大丈夫…だいじょぶだもん…」
このままではクジが引けなくなってしまう。そう何度も迷惑をかけたくない。
焦るディーヴァの頭に、ネロの手がぽんと置かれた。
「そこまで言うならクジを続行するけど無理だけはするなよ?ディーヴァになんかあったらダンテは当たり前だけど、逢夏も俺も心配するんだから」
「はぁい」
このやり取りを見ていた逢夏は思った。「あ、やっぱり父と娘の関係でいいんじゃないか」と。
昼食を摂ってディーヴァも薬を飲んでその薬が効き始めた…といった頃、ネロが頃合いかと立ち上がる。
「そろそろいいか……じゃあダンテ、軽いクジの内容頼むな。いいか、軽いのだぞ」
「おう、任せろ」
ダンテがくじの箱をシャカシャカと振り、中に腕を突っ込むのを逢夏はジト目で睨む。
「ダンテだから私は期待しない。どうせまた悪い運勢でしょ」
「うーん…否定できない…でも、運勢的に悪くても中身が良いものかもしれないよ?」
「逢夏のヤツ腹立つな…。少しはディーヴァの優しさを見習えっての」
そして、引いた。
「いでよ!超ウルトラスーパーデラックス素晴らしき運勢!!ヌドォリャー!!!!」
デデン!出ました運勢は~…『ザ★大・凶』!!
皆で目を丸くしてまさかの大凶を見つめる中、いち早く我に帰った逢夏が叫ぶ。
「ほらーーー!やっぱりーーー!!ダンテって奴はこういう奴ぅ!!
『悪い運勢出る』って言葉にする事で逆にいい運勢出るフラグ人がせーっかく立てて上げたのに、ものの見事にへし折ってくスタイル!むかつくわ~ほんとむかつくわ~!」
「オレのこと嫌いなのはわかるけどなんでそこまでテメェはボロクソ言うんだよ!?」
「悪い方向に超ウルトラスーパーデラックス素晴らしき運勢だな」
「………うん。悪い方向にね。
で、問題は中身だけど~……」
巻き込まれでもしたら面倒だからこのいつもの喧嘩は放っておいた方がいい。…すぐに鎮火するのもわかっていることだし。
ボロクソ言われたダンテが、逢夏が売ってきた喧嘩を買うのを横目に見ながら、ネロとディーヴァがその運勢に書かれた内容を覗き込む。
「『雪山に逝ってみよう★』、だって」
「雪山か。…おーい、そこの悪魔おふたりさんそろそろ喧嘩は止めてくれるか?」
とはいえそのままでは止まらないのがダンテと逢夏なので、悪魔の右腕をぐんと伸ばし、ダンテと逢夏の間に割り込ませてふたりを止めるネロ。
いきなり乱入してきたネロに、ふたりは揃って同じ表情でこちらを向く。実は仲良いだろお前ら。
「何よネロ」
「今回の運勢、雪山にいくんだとさ」
「あ?何しにだよ」
「んー…雪山だと雪遊び……あっ、スキーとかかなぁ?」
くじの内容がわかったというに悪魔はすぐさま連れていかず、端の方でいそいそと防寒着に着替えている。
まるでスキーウエアなそれを視界に捉えながら、ディーヴァはそう答えた。
「だといいけどなんだろうな、この逝ってみようの文字と★に殺意に似たものを感じる」
「ネロ安心して。私もだから」
「着ヵぇタ!ぅキァ魔いグぅ!!」
着替え終えたらしい悪魔が指を鳴らすと、4人の世界はぐるんぐるんぐるんと暗転し、そして…。
「うう、気持ち悪…」
「おお気がついたかディーヴァ」
体調が万全とはいえないディーヴァ。
暗転時に頭の中がシェイクされて一瞬気を失ったのか、気がつけばダンテが顔を覗き込んでいた。
「大丈夫。あれ?雪山にしてはあったかい…?」
目に映るは雪景色。
雪山というくらいだからものすごく寒いはずと身構えていたのだが、逢夏の家で使っていた暖炉の近く並みに暖かい空気に包まれていた。
「ここは雪山に建ってるロッジの中だよん」
「へ?あ、ほんとだ」
よく見れば目の前に窓があったため、真っ白雪景色が見えていただけで、ここは室内だった。
逢夏の声の方を振り向けば、なにやら分厚い衣服を手に抱えたネロと逢夏、そしてぱちぱちと炎爆ぜる暖炉があった。
「さっそくだけどディーヴァちゃん、用意されてるウェアに着替えるみたいだから行こ」
「ほら、こっちディーヴァの分な。逢夏と着替えてこいよ」
「じゃあオレも着替えるかな」
ディーヴァがこくりと頷き、ネロに手渡された自分の分のウェアを抱えて逢夏の後に続くと、そのままちゃっかりついて行こうとするダンテ。
「おいこらテメェはこっちだろダンテ」
「ちっ」
ネロにバレて止められたけれど、止めなかったら今頃共に女子更衣室に入っていただろう。まったく、油断も隙もない。
着替えて更衣室から出てきた女子達は、モコモコしたグローブや色付きのゴーグルを首に引っ掛け、寒さを防ぐパステルカラーのピンクウェアで着膨れ状態。
そのぷくぷくコロンとした体のフォルムがまたかわいいのなんのって!と、ダンテとネロの心は1つになった。
「うん、ウェアも似合ってるなディーヴァ。寒いから毛糸の帽子も被ってろ」
「ありがとダンテ。これに着替えるってことは、ウィンタースポーツするってことなのかな?」
「ほら、逢夏もしっかり被れ。頭から風邪ひくぞ」
「さんくーネロ!
他にやることもないし、ウィンタースポーツすることになるんだろうねー」
「スキー板やスノボ板あるしな」
ディーヴァはダンテに、逢夏はネロに帽子を被せてもらいながら、ずらりと並べられたスキー板やストック、スノボ板を目にする。
これを見て誰がウィンタースポーツ以外を考えつくというのか。
おまけに山の上の方まで続くと見られるリフトが設置されているのだ。どう考えてもそれ以外ない。
だが、上へ行けば行くほど雪が降り続いていて、てっぺん付近は豪雪地帯に見えるが気のせいだろうか。
あんな場所で滑るなんて自殺行為だ。普通の人間はやらない。…あ、普通の人間じゃないからダンテならやるかも。