御神籤 十枚目
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結論から言おう。
ダンテは非常に憤慨していた。
しかし少しだけ、ほんのすこ~しだけ嬉しくもあった。
「逢夏のやつ…。」
「ん?」
「あいつほんとに悪魔だな。」
「だよねぇ。
でもダンテ、それきっと本人からしたら褒め言葉だと思うよ?」
「…、だな。」
ちゃぽんと二人、湯船の中。
であるにもかかわらず、おとなしくダンテの腕に収まって湯に浸かるディーヴァは嬉しそうだ。
と、いうのも。
「水着、用意してくれてるなんて優しいね。」
「………よかったな。」
「うんっ!」
真っ赤なレースフリルがたっぷりあしらわれた水着に嬉しそうに顔を綻ばすディーヴァは手で湯を掬っては空に放り、また掬っては放りと水遊び。
対して怒り心頭なダンテだが、別にディーヴァが悪いわけではなく、しかし逢夏が騙した訳でもなく、そして何より。
「どしたの、ダンテ?」
「いーや、なんでもない。」
やはり裸にならなければならないと言う状況で差し出された一つの救いの糸に目が眩んでいるのかディーヴァは気づいていないらしい。
水着は確かにレースフリルがふんだんに使用されているが、普段では絶対に、何があろうとも、普段のディーヴァなら着ないであろう際どいデザイン。
全体的にもともとの布の面積は狭い。
かろうじてフリルが隠しているようにも見えるほどだ。
何度でも言おう。
"普段なら"、"絶対に"、"何があろうと"拝めない姿。
しかも"嬉しそうな"笑顔付き。ここが重要。
こんなもの着せる機会など以後いくらでもあるだろう。
けれど断言できる。
おそらく笑顔でと言うのはなかなか見れない。
この機会でなければ恥ずかしがり屋なディーヴァのこと、おそらく羞恥に頬を赤らめ涙を浮かべる顔や全てを誤魔化すように可愛い暴力に訴えてくるばかりだろう。
だからダンテは少しだけ、ほんのすこ~しだけ嬉しかった。
「なぁ、ディーヴァ。」
「ん?なぁに?」
ぎゅっと腕の中のディーヴァをダンテは抱きしめてみる。
安心しきっているディーヴァはやっぱりにこにこと何も疑うことなく微笑んで返した。
「似合ってる、すげぇ可愛い。」
「ふぇ…!?
あ…ありがと。」
なんだか今日はその笑みを裏切る気にはならなかった。
これが逢夏の狙いだとわかっていても、その狙いにまんまとはまってしまうのが癪だと思っていても。
とにかく今だけは、にへらと口元を緩めて笑う、いつもとほんの少しだけ違うディーヴァを見ていたかった。
-------------------------------
その頃、陽が天辺から少し落ち、寒さが再び幅を利かせ始めた温泉街では。
「へぷちっ。」
「大丈夫か?」
「大丈夫。誰かが噂してるんだよ、きっと。
にしても久しぶりの本格的な日本食、美味しかったぁ。
今から夕食が楽しみっ!」
遅めの昼食をとったネロと逢夏がいるのは、今夜のお宿前。
ダンテとディーヴァに時間を作ってやるべき。と気をきかせようとしたネロに同意して、2人は旅館の入り口の横に作られた足湯でのんびり時間を潰していた。
昼食に満足気な逢夏にネロは苦笑しながらも、次には端的に釘をさす。
「食い過ぎ。」
「むっ。
この際聞きますけど、ネロはマシュマロ系な嫁は嫌い?」
「なんだよ、マシュマロ系って。
……まぁ、そうだな。
マシュマロは置いといて、もう少しくらい肉がついてたほうが個人的には安心だし、好みではあるかな。
痩せすぎなんだよ、お前。」
足先で逢夏のふくらはぎを突いたネロに逢夏はクスリと笑って返し、体を預けて深く寄り添った。
「しかしダンテもバカだよね。
何も浸かるだけがお風呂じゃないのに。」
「そういうなよ。
あいつのあーいうところだけはなくならねぇだろうし、なくなったらそもそもダンテじゃないだろ。」
「それは…、言われてみればそうかも。」
額と額がくっつきそうなほど顔を寄せて、こそこそと話していた2人は楽しそうに声をあげて笑い始める。
こんなに楽しいのだからもう少しだけ。
部屋で温かな湯船に身を預けているだろうダンテ達に時間をあげてやろうと、2人を出しにして、ネロと逢夏は他愛もない話を始めるのだった。
ダンテは非常に憤慨していた。
しかし少しだけ、ほんのすこ~しだけ嬉しくもあった。
「逢夏のやつ…。」
「ん?」
「あいつほんとに悪魔だな。」
「だよねぇ。
でもダンテ、それきっと本人からしたら褒め言葉だと思うよ?」
「…、だな。」
ちゃぽんと二人、湯船の中。
であるにもかかわらず、おとなしくダンテの腕に収まって湯に浸かるディーヴァは嬉しそうだ。
と、いうのも。
「水着、用意してくれてるなんて優しいね。」
「………よかったな。」
「うんっ!」
真っ赤なレースフリルがたっぷりあしらわれた水着に嬉しそうに顔を綻ばすディーヴァは手で湯を掬っては空に放り、また掬っては放りと水遊び。
対して怒り心頭なダンテだが、別にディーヴァが悪いわけではなく、しかし逢夏が騙した訳でもなく、そして何より。
「どしたの、ダンテ?」
「いーや、なんでもない。」
やはり裸にならなければならないと言う状況で差し出された一つの救いの糸に目が眩んでいるのかディーヴァは気づいていないらしい。
水着は確かにレースフリルがふんだんに使用されているが、普段では絶対に、何があろうとも、普段のディーヴァなら着ないであろう際どいデザイン。
全体的にもともとの布の面積は狭い。
かろうじてフリルが隠しているようにも見えるほどだ。
何度でも言おう。
"普段なら"、"絶対に"、"何があろうと"拝めない姿。
しかも"嬉しそうな"笑顔付き。ここが重要。
こんなもの着せる機会など以後いくらでもあるだろう。
けれど断言できる。
おそらく笑顔でと言うのはなかなか見れない。
この機会でなければ恥ずかしがり屋なディーヴァのこと、おそらく羞恥に頬を赤らめ涙を浮かべる顔や全てを誤魔化すように可愛い暴力に訴えてくるばかりだろう。
だからダンテは少しだけ、ほんのすこ~しだけ嬉しかった。
「なぁ、ディーヴァ。」
「ん?なぁに?」
ぎゅっと腕の中のディーヴァをダンテは抱きしめてみる。
安心しきっているディーヴァはやっぱりにこにこと何も疑うことなく微笑んで返した。
「似合ってる、すげぇ可愛い。」
「ふぇ…!?
あ…ありがと。」
なんだか今日はその笑みを裏切る気にはならなかった。
これが逢夏の狙いだとわかっていても、その狙いにまんまとはまってしまうのが癪だと思っていても。
とにかく今だけは、にへらと口元を緩めて笑う、いつもとほんの少しだけ違うディーヴァを見ていたかった。
-------------------------------
その頃、陽が天辺から少し落ち、寒さが再び幅を利かせ始めた温泉街では。
「へぷちっ。」
「大丈夫か?」
「大丈夫。誰かが噂してるんだよ、きっと。
にしても久しぶりの本格的な日本食、美味しかったぁ。
今から夕食が楽しみっ!」
遅めの昼食をとったネロと逢夏がいるのは、今夜のお宿前。
ダンテとディーヴァに時間を作ってやるべき。と気をきかせようとしたネロに同意して、2人は旅館の入り口の横に作られた足湯でのんびり時間を潰していた。
昼食に満足気な逢夏にネロは苦笑しながらも、次には端的に釘をさす。
「食い過ぎ。」
「むっ。
この際聞きますけど、ネロはマシュマロ系な嫁は嫌い?」
「なんだよ、マシュマロ系って。
……まぁ、そうだな。
マシュマロは置いといて、もう少しくらい肉がついてたほうが個人的には安心だし、好みではあるかな。
痩せすぎなんだよ、お前。」
足先で逢夏のふくらはぎを突いたネロに逢夏はクスリと笑って返し、体を預けて深く寄り添った。
「しかしダンテもバカだよね。
何も浸かるだけがお風呂じゃないのに。」
「そういうなよ。
あいつのあーいうところだけはなくならねぇだろうし、なくなったらそもそもダンテじゃないだろ。」
「それは…、言われてみればそうかも。」
額と額がくっつきそうなほど顔を寄せて、こそこそと話していた2人は楽しそうに声をあげて笑い始める。
こんなに楽しいのだからもう少しだけ。
部屋で温かな湯船に身を預けているだろうダンテ達に時間をあげてやろうと、2人を出しにして、ネロと逢夏は他愛もない話を始めるのだった。