御神籤 九枚目
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その後も幾度となくスパーダと勝負を重ねた。
そしてある時、ようやっとそのすました銀髪碧眼へ1発入れてやる事に成功した。
『やっ……た、やっと貴方に勝ったわよ!』
『そうみたいだね』
『ふふ、初めて私に負けた感想はどう?』
『そうだねえ…あともうちょっとだったのにしてやられたよ。
強くなったね、私の負けだ』
がっくりと肩を落とすスパーダにかつてないほど喜ぶ逢夏。
実はスパーダがかなり手加減した結果なのだが、逢夏がそれを知ったのはしばらくたってからだ。
手放しで喜ぶ逢夏に微笑ましく笑うスパーダ。
かわいい妹分を見る兄のようなそうでもないような…つまり微妙な関係のはずなのに、それを端から眺めるダンテにはなぜだかスパーダがニヤニヤしているように見えてしまった。
「なぁ、親父がロリコンに見えるのは気のせいだよな?否、気のせいと思いたい…」
「ああ、うん…この頃からすでにロリコンの気は出てたわけですよ、ウフフフ」
「逢夏、なんか怖いよ?」
「つかオレを見て言うな。ネロを見て言えっての」
「おいこら。俺はダンテと違ってロリコンじゃねえぞ」
結局どちらにもスパーダというロリコ…こほん、悪魔の血は流れているだろうに。
あまり否定してやるな、である。
「それにしても負けてばっかりじゃねぇか」
「むっ!1000回くらい勝負して9回は勝ちましたからー!」
「よく細かく覚えてるな」
「うーん…1000回も勝負したって方がすごい気がする。
あたしなら途中で心折れちゃいそう」
そう考えると本当に逢夏の年齢はいくつなんだろう。
まさか、毎日スパーダとばかり勝負していたわけではないだろうし…。
「ほぼ情けで勝ってるだけなんだろ?」
「情けって…それでも91回は引き分けですっ」
「…それってもしかして900回負けてるって事?」
「~~~~っ!!ディーヴァちゃんまで!
あーーっ!憤死しそうっ!!」
「落ち着け逢夏」
図星だった。
そうこうしている内に恐ろしく美しく強くなった逢夏と、同じくらい否それ以上に強いであろうスパーダが相対するのが見えた。
剣と剣がぶつかり合う音、剣先から飛び散る火花。
そして合間合間に聞こえてくる逢夏のスパーダに対する非難と怒号。
頬を伝うのは汗か、涙か。
『貴方は悪魔なのよ!どうして人間なんかに…!!』
『裏切りもの!!なんで…!!』
『どうして、どうして…!!
許さない……!絶対に許さない!!』
スパーダの周りに漂う本気の時の、圧倒されそうな間の奔流。
だのに逢夏の言葉を受け止めるその顔に浮かぶのは、どこか寂しげで悲しげなものだった。
長時間に渡る戦闘の末、立っていたのはスパーダ。
這いつくばる形で倒れ伏すボロボロの逢夏がそれを見上げる。
スパーダは今までと同じように止めも刺さず、でも助け起こそうともせずにただ別れの言葉を小さく告げて、そこから去った。
「これ、最後の勝負の時の記憶なんだ…。
どっちも譲れないものがあって、一歩も引けなくて。
最後の最後にあんな本気見せられちゃうとは思わなかったよ」
倒れ伏したままの逢夏に浮かぶのは悲しみと、裏切られたという絶望、そして憎悪に変わりゆく感情。
それを見つめる現在の逢夏は、今更だからこそだろう、諦めとどこか晴れ晴れとした複雑な感情がおり混ざっているようなものだ。
無理に笑っていた。
「うん、私が負けちゃうのは当たり前!だよね!!」
「逢夏……」
いてもたってもいられず、ネロは逢夏を後ろからそっと抱き寄せた。
「…確かにスパーダの情けで勝ってたって今はそう思う。
あの人は強かったよ。
本当に強くて、たくさんの事を私に教えてくれて、本人には絶対言えなかったけど、いつだって私の憧れだった」
ネロの温もりを背に感じながら、逢夏は誰にでもなく、気持ちを吐露するように言葉を紡ぐ。
「なのに人間に味方するって勝手にいなくなって、魔帝と戦ってまたいなくなって。
どうして?一緒にいるのは人間じゃないとだめだったのかな?
私が人間でなく悪魔だからだめだったのかな、どうしてだろう…って、ずっと思ってた」
複雑そうな表情はしていてもダンテですら黙って耳を傾けている状況の中、隣で黙って聞いていたディーヴァもネロと同じく逢夏に寄り添い、そしてその手をきゅ、と握った。
「勝ち逃げしたままいなくなるなんてひどいよね?
せめて最後くらい、私が勝ちたかったな……」
スパーダの事が好きだった。
横からチラリと覗く逢夏の表情はそう語っていた。
ネロもダンテも薄々は気がついているかもしれないが、その顔に気がついたのは同性のディーヴァのみ。
光に包まれ気がついたら4人揃って元のソファーの上にいた。
一ミリたりとも動いた形跡がなく、本当に幽体離脱でもしていたのではないかと少々不安になる。
「逢夏が隠しておきたいことがああいうことだとはな」
「本当言うと別に秘密にしてたわけじゃないんだけどね。でも、あんなに負けてばかりだとかちょっと恥ずかしいっていうか……。
ダンテはお父様の昔が知れてよかったんじゃなくて?」
「ま、そうだな。
貴重な体験だったぜ、サンキューな逢夏」
「どーいたしまして。
さーてと、みんなの秘密がたくさんわかったところで思う所もあるけど、今夜はちゃっちゃと片して寝よっか!」
「そうするか」
その言葉がお開きのあいずとなったか、散らかったテーブルの上を片付けだす面々。
食器洗いを担当した女性陣だけの空間で、逢夏の袖を引っ張るものが。
「ん?なあにディーヴァちゃん」
「逢夏が隠したかったのって、負けてばかりの事じゃないよね。
逢夏がスパーダさんのことを愛し…
きゃっ、冷た!」
「ディーヴァちゃん何のことかなぁ?」
手に着いた水滴をピッとこちらに飛ばされた。
真冬の水はとても冷たい。
そして、逢夏の顔に浮かぶにっこり笑顔も、背筋に寒いものを感じた。
「………うん、何でもないよ。何でも…」
これ以上言うのは躊躇われた。
そしてある時、ようやっとそのすました銀髪碧眼へ1発入れてやる事に成功した。
『やっ……た、やっと貴方に勝ったわよ!』
『そうみたいだね』
『ふふ、初めて私に負けた感想はどう?』
『そうだねえ…あともうちょっとだったのにしてやられたよ。
強くなったね、私の負けだ』
がっくりと肩を落とすスパーダにかつてないほど喜ぶ逢夏。
実はスパーダがかなり手加減した結果なのだが、逢夏がそれを知ったのはしばらくたってからだ。
手放しで喜ぶ逢夏に微笑ましく笑うスパーダ。
かわいい妹分を見る兄のようなそうでもないような…つまり微妙な関係のはずなのに、それを端から眺めるダンテにはなぜだかスパーダがニヤニヤしているように見えてしまった。
「なぁ、親父がロリコンに見えるのは気のせいだよな?否、気のせいと思いたい…」
「ああ、うん…この頃からすでにロリコンの気は出てたわけですよ、ウフフフ」
「逢夏、なんか怖いよ?」
「つかオレを見て言うな。ネロを見て言えっての」
「おいこら。俺はダンテと違ってロリコンじゃねえぞ」
結局どちらにもスパーダというロリコ…こほん、悪魔の血は流れているだろうに。
あまり否定してやるな、である。
「それにしても負けてばっかりじゃねぇか」
「むっ!1000回くらい勝負して9回は勝ちましたからー!」
「よく細かく覚えてるな」
「うーん…1000回も勝負したって方がすごい気がする。
あたしなら途中で心折れちゃいそう」
そう考えると本当に逢夏の年齢はいくつなんだろう。
まさか、毎日スパーダとばかり勝負していたわけではないだろうし…。
「ほぼ情けで勝ってるだけなんだろ?」
「情けって…それでも91回は引き分けですっ」
「…それってもしかして900回負けてるって事?」
「~~~~っ!!ディーヴァちゃんまで!
あーーっ!憤死しそうっ!!」
「落ち着け逢夏」
図星だった。
そうこうしている内に恐ろしく美しく強くなった逢夏と、同じくらい否それ以上に強いであろうスパーダが相対するのが見えた。
剣と剣がぶつかり合う音、剣先から飛び散る火花。
そして合間合間に聞こえてくる逢夏のスパーダに対する非難と怒号。
頬を伝うのは汗か、涙か。
『貴方は悪魔なのよ!どうして人間なんかに…!!』
『裏切りもの!!なんで…!!』
『どうして、どうして…!!
許さない……!絶対に許さない!!』
スパーダの周りに漂う本気の時の、圧倒されそうな間の奔流。
だのに逢夏の言葉を受け止めるその顔に浮かぶのは、どこか寂しげで悲しげなものだった。
長時間に渡る戦闘の末、立っていたのはスパーダ。
這いつくばる形で倒れ伏すボロボロの逢夏がそれを見上げる。
スパーダは今までと同じように止めも刺さず、でも助け起こそうともせずにただ別れの言葉を小さく告げて、そこから去った。
「これ、最後の勝負の時の記憶なんだ…。
どっちも譲れないものがあって、一歩も引けなくて。
最後の最後にあんな本気見せられちゃうとは思わなかったよ」
倒れ伏したままの逢夏に浮かぶのは悲しみと、裏切られたという絶望、そして憎悪に変わりゆく感情。
それを見つめる現在の逢夏は、今更だからこそだろう、諦めとどこか晴れ晴れとした複雑な感情がおり混ざっているようなものだ。
無理に笑っていた。
「うん、私が負けちゃうのは当たり前!だよね!!」
「逢夏……」
いてもたってもいられず、ネロは逢夏を後ろからそっと抱き寄せた。
「…確かにスパーダの情けで勝ってたって今はそう思う。
あの人は強かったよ。
本当に強くて、たくさんの事を私に教えてくれて、本人には絶対言えなかったけど、いつだって私の憧れだった」
ネロの温もりを背に感じながら、逢夏は誰にでもなく、気持ちを吐露するように言葉を紡ぐ。
「なのに人間に味方するって勝手にいなくなって、魔帝と戦ってまたいなくなって。
どうして?一緒にいるのは人間じゃないとだめだったのかな?
私が人間でなく悪魔だからだめだったのかな、どうしてだろう…って、ずっと思ってた」
複雑そうな表情はしていてもダンテですら黙って耳を傾けている状況の中、隣で黙って聞いていたディーヴァもネロと同じく逢夏に寄り添い、そしてその手をきゅ、と握った。
「勝ち逃げしたままいなくなるなんてひどいよね?
せめて最後くらい、私が勝ちたかったな……」
スパーダの事が好きだった。
横からチラリと覗く逢夏の表情はそう語っていた。
ネロもダンテも薄々は気がついているかもしれないが、その顔に気がついたのは同性のディーヴァのみ。
光に包まれ気がついたら4人揃って元のソファーの上にいた。
一ミリたりとも動いた形跡がなく、本当に幽体離脱でもしていたのではないかと少々不安になる。
「逢夏が隠しておきたいことがああいうことだとはな」
「本当言うと別に秘密にしてたわけじゃないんだけどね。でも、あんなに負けてばかりだとかちょっと恥ずかしいっていうか……。
ダンテはお父様の昔が知れてよかったんじゃなくて?」
「ま、そうだな。
貴重な体験だったぜ、サンキューな逢夏」
「どーいたしまして。
さーてと、みんなの秘密がたくさんわかったところで思う所もあるけど、今夜はちゃっちゃと片して寝よっか!」
「そうするか」
その言葉がお開きのあいずとなったか、散らかったテーブルの上を片付けだす面々。
食器洗いを担当した女性陣だけの空間で、逢夏の袖を引っ張るものが。
「ん?なあにディーヴァちゃん」
「逢夏が隠したかったのって、負けてばかりの事じゃないよね。
逢夏がスパーダさんのことを愛し…
きゃっ、冷た!」
「ディーヴァちゃん何のことかなぁ?」
手に着いた水滴をピッとこちらに飛ばされた。
真冬の水はとても冷たい。
そして、逢夏の顔に浮かぶにっこり笑顔も、背筋に寒いものを感じた。
「………うん、何でもないよ。何でも…」
これ以上言うのは躊躇われた。