御神籤 九枚目
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いつの間にか画面はもう一つの逢夏の秘密についてに移行し始めた。
今度はやたらと大昔に遡るようで、まるでタイムマシンに乗り込んだかのような螺旋状の電子世界を高速で飛んでいる感覚。
目が酔いそうである。
…と、思っていたら、いつの間にかテレビの画面は消え失せ、4人全員が全く違う場所に立っていた。
「ありゃ?ここ、逢夏のおうちじゃないよ」
「どこだここ…」
「なんか見覚えあるようなないような。
まてよ…?」
それはこの御神籤を引き始めた当初。
逢夏が引いたそれにより、魔界の比較的平和な場所へと小旅行を果たした時に見た風景によく似通っている。
広がるのは血のように紅い空、仄暗く淀んだ独特な空気、否瘴気か。
そこかしこに赤く光る、魔物の瞳。
「ネロが思う通り、ここは魔界ね」
それも、私が昔いた場所に他ならない、と複雑な心境で逢夏は語った。
「ひええ!
なんであたし達、また魔界にいるの!?」
悪魔に怯え、逃げ腰になりながらのディーヴァ。
が、絶好の獲物たるディーヴァを襲うどころか気がつきもしない悪魔達。
「こいつら、俺達が見えてないようだな。どういう事だ?」
「アラ、だってこれはむかーしのこと。
ぴちぴちだった頃の私の記憶のはず」
「ぴちぴちねぇ…」
「ダンテなんか文句ある?」
「ナイデス」
半分悪魔化した逢夏は、ダンテに爪を振りかざして詰め寄ってみた。
「ふん!
…それを証拠に今の私達は、他からは居ないものと同じ。見えてないのよ」
「幽霊みたいなものなの?」
「んー、トゥルパに近いけど…まぁ考え方としては幽霊でもあってるかな。
……肉体から離れてるわけでも、魂だけの存在になってるわけでもないけど」
「?
…よくわからないよ」
「あー…ディーヴァ、怖がらなくても大丈夫だとさ」
「ネロ、ほんとに?」
「ディーヴァ、不安ならオレの手を握ってろ」
どんなに安全でも場所が場所だ、不安は残る。
小さく頷くと、ディーヴァはダンテの手を決して離すまいと握りしめた。
それからそこに幼な子と男性が現れたのはすぐの事だ。
どちらも悪魔のようで、幼な子も男性も激しく大ぶりの愛剣をぶつけ合っている。
「誰だ?」
「………1人は私、だよ」
「え、あのちっちゃい子、逢夏なの?」
ならばもう1人は…。
と、ダンテの目がもう1人の持つどこか懐かしい剣に向けられた。
「……親父…」
「え、ダンテのお父さん?
って事はスパーダさん!!」
「そう、アレがスパーダ。
今思い出しても腹が立つけど、私の因縁の相手」
「へぇ、アレがか…」
悪魔でありながら神と崇められたスパーダしかしらないネロが、人と変わらぬ姿をとるスパーダを見るのは初めての事。
4分の1ほど流れる悪魔の血はそのスパーダの物であり、彼はいわば祖父である。
何やら思うところがあるのか、ネロはじっと見つめた。
そして、複雑な逢夏と反対にキラキラした眼差しを向けるのはディーヴァだ。
見た目は逢夏の世界のダンテに負けず劣らずのナイスミドルであり、その滑らかなのに力強い戦いの動きにダンディズムを感じるほど。
「なんか…カッコいいね…」
思わず呟いた言葉にムッとするのはダンテ。
「惚れるなよ、お前が惚れていいのはオレだけだ」
「ふふ、大丈夫だから心配しないで」
ディーヴァはダンテを安心させようと、その腕に手を絡ませた。
『うあ!!』
その時小さな逢夏が押し負け、スパーダに吹っ飛ばされた。
『もうやめにしないかい?』
『まだまだ!!
おまえをたおすまであたしはやめない!』
『我儘を言ってはいけないよ。お前はまだ子供なんだから。
もっと大きくなってから、私にかかってきなさい』
『もっと大きく…。
そんなこといったっていつまでたってもおおきくならないじゃないか!』
『当たり前じゃないか。君と私が出会ってからまだ数年だろう?あと100年はかかる』
『う~…』
『子供は寝る時間だ。
今は力を蓄えるため、おとなしくねぐらに戻ろうか』
むすりと口を尖らせて反論しようとするも、確かに力は入らなくなってきている。
動く事も出来なくなってきた私をスパーダは抱え、ねぐらに向かいながらとんとん背を叩いてあやしてくれた。
完全な子供扱いされてばかりいた、100回目の勝負。
そんな状態だったからスパーダの情けも何もなく、単純に弱かった逢夏はまだ一度も勝てた事はなかった。
悔しかった。スパーダに会うまでは一度も負けたことがなかったから。
「うぁぁ…こういう記憶は知られたくなかった。死にそう!」
「神経図太いんだからンな事じゃ死なねぇだろ」
「きぃぃぃぃい!誰が神経図太いですって!!今すぐぶっ飛ばす!表でろ!!」
「既に表みたいなもんだが?」
しれっと言いのけるダンテに軽い腹パン1発、その頭を上から押さえ強制的に謝る姿勢をさせた。
「ごめん、逢夏。
今度ダンテが寝てる間にお口にジッパー縫い付けておくから勘弁してね」
「ディーヴァそれ痛いからマジやめてホントやめて」
「にしてもこれじゃ昔の記憶ってだけで秘密って感じしないな」
「何言ってるのさネロ。私からしたらじゅーーーぶんに知られたくなかった秘密なのよ」
ため息を吐き出して若かりし頃の自身を見つめる逢夏の目には、懐古の念だけではない何かを含んでいた。
それからまた月日が流れた。
人間換算にして、少女というよりかは大人びて大人というよりかは若い頃、逢夏は煉獄に果敢にも挑もうとしていた。
強くはなった。
体もそれなりに大きくなった。
でも、スパーダには未だ勝てない、勝つためには…そう考えた末の決断がそれだった。
『ぐぅ……!』
『君にはまだあそこは早すぎるよ。
せめて私の手から剣を叩き落とせるくらいまでなりなさい』
『そうなるために煉獄に行くのよ!』
『ここよりも強い悪魔が束でかかってくるんだよ?
まだここで私と勝負していた方が君のためにもなる』
それを知った彼はまだそこへ挑むのは早すぎる逢夏を止めようと、本気を出して完膚なきまでに叩きのめした。
これによりしばらくの間煉獄に行くことは叶わなかったが、かわりに彼と勝負する事で着実に力をつけることが出来た。
それが彼なりの優しさだった。
今度はやたらと大昔に遡るようで、まるでタイムマシンに乗り込んだかのような螺旋状の電子世界を高速で飛んでいる感覚。
目が酔いそうである。
…と、思っていたら、いつの間にかテレビの画面は消え失せ、4人全員が全く違う場所に立っていた。
「ありゃ?ここ、逢夏のおうちじゃないよ」
「どこだここ…」
「なんか見覚えあるようなないような。
まてよ…?」
それはこの御神籤を引き始めた当初。
逢夏が引いたそれにより、魔界の比較的平和な場所へと小旅行を果たした時に見た風景によく似通っている。
広がるのは血のように紅い空、仄暗く淀んだ独特な空気、否瘴気か。
そこかしこに赤く光る、魔物の瞳。
「ネロが思う通り、ここは魔界ね」
それも、私が昔いた場所に他ならない、と複雑な心境で逢夏は語った。
「ひええ!
なんであたし達、また魔界にいるの!?」
悪魔に怯え、逃げ腰になりながらのディーヴァ。
が、絶好の獲物たるディーヴァを襲うどころか気がつきもしない悪魔達。
「こいつら、俺達が見えてないようだな。どういう事だ?」
「アラ、だってこれはむかーしのこと。
ぴちぴちだった頃の私の記憶のはず」
「ぴちぴちねぇ…」
「ダンテなんか文句ある?」
「ナイデス」
半分悪魔化した逢夏は、ダンテに爪を振りかざして詰め寄ってみた。
「ふん!
…それを証拠に今の私達は、他からは居ないものと同じ。見えてないのよ」
「幽霊みたいなものなの?」
「んー、トゥルパに近いけど…まぁ考え方としては幽霊でもあってるかな。
……肉体から離れてるわけでも、魂だけの存在になってるわけでもないけど」
「?
…よくわからないよ」
「あー…ディーヴァ、怖がらなくても大丈夫だとさ」
「ネロ、ほんとに?」
「ディーヴァ、不安ならオレの手を握ってろ」
どんなに安全でも場所が場所だ、不安は残る。
小さく頷くと、ディーヴァはダンテの手を決して離すまいと握りしめた。
それからそこに幼な子と男性が現れたのはすぐの事だ。
どちらも悪魔のようで、幼な子も男性も激しく大ぶりの愛剣をぶつけ合っている。
「誰だ?」
「………1人は私、だよ」
「え、あのちっちゃい子、逢夏なの?」
ならばもう1人は…。
と、ダンテの目がもう1人の持つどこか懐かしい剣に向けられた。
「……親父…」
「え、ダンテのお父さん?
って事はスパーダさん!!」
「そう、アレがスパーダ。
今思い出しても腹が立つけど、私の因縁の相手」
「へぇ、アレがか…」
悪魔でありながら神と崇められたスパーダしかしらないネロが、人と変わらぬ姿をとるスパーダを見るのは初めての事。
4分の1ほど流れる悪魔の血はそのスパーダの物であり、彼はいわば祖父である。
何やら思うところがあるのか、ネロはじっと見つめた。
そして、複雑な逢夏と反対にキラキラした眼差しを向けるのはディーヴァだ。
見た目は逢夏の世界のダンテに負けず劣らずのナイスミドルであり、その滑らかなのに力強い戦いの動きにダンディズムを感じるほど。
「なんか…カッコいいね…」
思わず呟いた言葉にムッとするのはダンテ。
「惚れるなよ、お前が惚れていいのはオレだけだ」
「ふふ、大丈夫だから心配しないで」
ディーヴァはダンテを安心させようと、その腕に手を絡ませた。
『うあ!!』
その時小さな逢夏が押し負け、スパーダに吹っ飛ばされた。
『もうやめにしないかい?』
『まだまだ!!
おまえをたおすまであたしはやめない!』
『我儘を言ってはいけないよ。お前はまだ子供なんだから。
もっと大きくなってから、私にかかってきなさい』
『もっと大きく…。
そんなこといったっていつまでたってもおおきくならないじゃないか!』
『当たり前じゃないか。君と私が出会ってからまだ数年だろう?あと100年はかかる』
『う~…』
『子供は寝る時間だ。
今は力を蓄えるため、おとなしくねぐらに戻ろうか』
むすりと口を尖らせて反論しようとするも、確かに力は入らなくなってきている。
動く事も出来なくなってきた私をスパーダは抱え、ねぐらに向かいながらとんとん背を叩いてあやしてくれた。
完全な子供扱いされてばかりいた、100回目の勝負。
そんな状態だったからスパーダの情けも何もなく、単純に弱かった逢夏はまだ一度も勝てた事はなかった。
悔しかった。スパーダに会うまでは一度も負けたことがなかったから。
「うぁぁ…こういう記憶は知られたくなかった。死にそう!」
「神経図太いんだからンな事じゃ死なねぇだろ」
「きぃぃぃぃい!誰が神経図太いですって!!今すぐぶっ飛ばす!表でろ!!」
「既に表みたいなもんだが?」
しれっと言いのけるダンテに軽い腹パン1発、その頭を上から押さえ強制的に謝る姿勢をさせた。
「ごめん、逢夏。
今度ダンテが寝てる間にお口にジッパー縫い付けておくから勘弁してね」
「ディーヴァそれ痛いからマジやめてホントやめて」
「にしてもこれじゃ昔の記憶ってだけで秘密って感じしないな」
「何言ってるのさネロ。私からしたらじゅーーーぶんに知られたくなかった秘密なのよ」
ため息を吐き出して若かりし頃の自身を見つめる逢夏の目には、懐古の念だけではない何かを含んでいた。
それからまた月日が流れた。
人間換算にして、少女というよりかは大人びて大人というよりかは若い頃、逢夏は煉獄に果敢にも挑もうとしていた。
強くはなった。
体もそれなりに大きくなった。
でも、スパーダには未だ勝てない、勝つためには…そう考えた末の決断がそれだった。
『ぐぅ……!』
『君にはまだあそこは早すぎるよ。
せめて私の手から剣を叩き落とせるくらいまでなりなさい』
『そうなるために煉獄に行くのよ!』
『ここよりも強い悪魔が束でかかってくるんだよ?
まだここで私と勝負していた方が君のためにもなる』
それを知った彼はまだそこへ挑むのは早すぎる逢夏を止めようと、本気を出して完膚なきまでに叩きのめした。
これによりしばらくの間煉獄に行くことは叶わなかったが、かわりに彼と勝負する事で着実に力をつけることが出来た。
それが彼なりの優しさだった。