御神籤 九枚目
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ネロが気がついた時には冷凍庫にストロベリーサンデーひとつ分のスペースが空いた。
そして目の前にはストロベリーサンデーが入っていた空っぽのグラス。
甘い物は疲れによく効くなどと言うが、意外と知らず知らずのうちに日々の疲労が溜まっていたようだ。
疲れが幾分か消えたような気がする。
何より逢夏の手作りストサン、とても美味しくいただけた。
「へー。
ネロも結構甘い物食べる方なんだね」
「確かに。
ダンテがあれだけ甘いもの好きなんだもの、同じ血が流れてるならネロだって好きでもおかしくないよねぇ」
「よく冷えて美味そうだったしな」
しかし、やってしまった。
勝手に逢夏の作った物を食べてしまったし、ダンテにはこれが用意されていたのが知られてしまっている。
バレたら大変だ。
少々青ざめたネロは、ダンテが先ほどまで座っていた場所に食べた後のグラスを置いてそこをあとにした。
まるでダンテが食べたかのように。
そんな画面の中のネロを見た逢夏は、何か言いたそうな責めるような目でネロに顔を向ける。
ネロはサッと視線を外した。
もうひと勝負してきたのであろう逢夏はそのまま部屋の片付けをしていたらしく、ダンテよりあとに登場した。
ちなみにダンテは書庫の本を読みながらの登場で、テーブル上の空のグラスにも気がついてない状態。
ネロはさらにあとからその場に姿を現した。
ネロが入った部屋の中では逢夏がダンテに食ってかかっていた。
『ひとんちの冷凍庫勝手に開けて!何勝手に食べてるんじゃワレェ!
私、食べていいなんて言った覚えない!!』
案の定というか何というか、空のグラスを指差して言っているのだが、本から顔を上げたばかりのダンテには意味がわかるわけもなく。
『どういうことだ?』
『どういうことも何もない!私が作っといたストロベリーサンデー、アンタ先にここにいたじゃない!先に食べたなぁぁぁあ!!』
『誤解だ、オレは食ってねぇよ』
『何を言う!ストロベリーサンデーなんて甘ったるいもの、健康志向街道まっしぐらな私やネロが食べるわけないでしょ!』
ぐさり、その言葉がネロの胸に刺さる。
『それにアンタはストロベリーサンデーが主食!オカズもストロベリーサンデー!ドリンクもストロベリーサンデー!もういっちょおまけにデザートもストロベリーサンデー!!』
『『いやたまにピザ食べてるから』』
『人が話してる時は黙るぇぇぇい!!』
『『はい…』』
『とにかくネロは勝手にそんなことしないでしょ!ダンテと違って!
ねぇネロ?』
『え、あぁ……そう、かもしれないな…』
そこまで言われてしまうと、自分が食べましたー、なんて今更言えるわけない。
『ほらー。
はい!どう考えてもダンテが犯人よ。
よって被告人に死刑判決ー!』
『いきなり死刑か』
そしてまたダンテと逢夏の喧嘩が始まったのだった。
「おいコラ。“オレ”じゃなくてもオレは怒るぞ。
ネロが食ったくせに、なに食べてないとか嘘ついてんだ」
「…俺は食べてないとは一言も言ってない」
「うん、確かに言ってはいないねぇ」
「またアイツに会う機会あっても頼むから本人に言うなよ。
逢夏もだ」
食べ物の恨みはとても怖い、というのを前にダンテ相手で経験済みだし、先ほどまでディーヴァが秘密にしていた件でもよーくわかったばかり。
だが、逢夏はいつだって怖いもの知らずだ。
「えー。知らせたら面白そうなのにぃ」
「はぁ……こんなの知られたら厄介なことになりかねないだろ」
「厄介って…。そんなことにはならないと思うけどねー」
「…ね、ダンテはストロベリーサンデー食べられちゃったら怒る?」
「オレなら、か…。
オレはまたディーヴァに作ってもらうから怒らないけど、あのオッサンならテメンニグルおっ建てるほど怒るかもな。
何せ普段ストサン作ってくれる相手がいないんだろ?」
「そんだけで人間界滅ぼすほどの被害かあ。
そりゃ恐ろしいねぇ」
「こわっ!ストロベリーサンデーひとつでこわっ!!」
心の狭いダンテの話で閑話休題、意を決したようにネロは逢夏に体を向けた。
「逢夏……。
俺、実はああいう甘いの、嫌いじゃ…ない」
「うん、実は知ってた。
ダンテほどじゃないけどネロも甘いもの好きだよね」
かわいい。
その秘密も、必死に隠そうとしていたことも、それを知られて照れているところもかわいい。
食べたいって言ってくれたらいくらでも作るのになぁ。
そう言って逢夏は柔らかく笑い、ネロの頬に優しいキスを落とすのだった。
「というか、これだけ?こーんなかわいらしい秘密でネロのターンおわりなの?」
「かわいいとか言うなって」
「ネロのは少なかったねぇ。
あたしなんか探せばまだまだ秘密出てきそうだもん。ダンテも多そうだし」
「秘密が多くたっていいじゃねぇか。
“秘密は女を女にする”ってよく言うだろ」
「ダンテは男でしょ!」
ぴしゃり、言い放つディーヴァに、ダンテは押し黙った。
「悪いけど俺にはそんなたくさんの秘密なんかないんだよ。
ましてや、逢夏にバレて困るようなやましいことも一切ない」
一途に、誠実に生きてるつもりだ。
ネロはまっすぐ前だけを見てそう言う。
目線だけでなく、その思いもどこまでも真っ直ぐで惚れ直してしまう。
「ううう、ネロ…。
ネロのその気持ち、すっごく嬉しい!
幸せ!!」
好き好きぃ!!
と言葉と行動で愛を表現するように、キスの嵐をネロに送る。
ダンテとディーヴァが見ていてもお構いなし。
「ちょ、逢夏…!?
2人が見て……!」
「だからここでおっ始めんなって!」
「不可抗力だっ!!」
「あはは、逢夏ったら激しい……ね」
「はあ……ったく。
ディーヴァもいつかはああなってくれるのか?」
「ダンテはあたしにああなって欲しいの?」
「ああ、たまには逢夏の勢いを見習って激しい愛情表現して欲しいもんだ」
「努力します…」
悪魔さんも空気を読んだのだろう、それから逢夏が落ち着くまでテレビが進むことはなかった。
そして目の前にはストロベリーサンデーが入っていた空っぽのグラス。
甘い物は疲れによく効くなどと言うが、意外と知らず知らずのうちに日々の疲労が溜まっていたようだ。
疲れが幾分か消えたような気がする。
何より逢夏の手作りストサン、とても美味しくいただけた。
「へー。
ネロも結構甘い物食べる方なんだね」
「確かに。
ダンテがあれだけ甘いもの好きなんだもの、同じ血が流れてるならネロだって好きでもおかしくないよねぇ」
「よく冷えて美味そうだったしな」
しかし、やってしまった。
勝手に逢夏の作った物を食べてしまったし、ダンテにはこれが用意されていたのが知られてしまっている。
バレたら大変だ。
少々青ざめたネロは、ダンテが先ほどまで座っていた場所に食べた後のグラスを置いてそこをあとにした。
まるでダンテが食べたかのように。
そんな画面の中のネロを見た逢夏は、何か言いたそうな責めるような目でネロに顔を向ける。
ネロはサッと視線を外した。
もうひと勝負してきたのであろう逢夏はそのまま部屋の片付けをしていたらしく、ダンテよりあとに登場した。
ちなみにダンテは書庫の本を読みながらの登場で、テーブル上の空のグラスにも気がついてない状態。
ネロはさらにあとからその場に姿を現した。
ネロが入った部屋の中では逢夏がダンテに食ってかかっていた。
『ひとんちの冷凍庫勝手に開けて!何勝手に食べてるんじゃワレェ!
私、食べていいなんて言った覚えない!!』
案の定というか何というか、空のグラスを指差して言っているのだが、本から顔を上げたばかりのダンテには意味がわかるわけもなく。
『どういうことだ?』
『どういうことも何もない!私が作っといたストロベリーサンデー、アンタ先にここにいたじゃない!先に食べたなぁぁぁあ!!』
『誤解だ、オレは食ってねぇよ』
『何を言う!ストロベリーサンデーなんて甘ったるいもの、健康志向街道まっしぐらな私やネロが食べるわけないでしょ!』
ぐさり、その言葉がネロの胸に刺さる。
『それにアンタはストロベリーサンデーが主食!オカズもストロベリーサンデー!ドリンクもストロベリーサンデー!もういっちょおまけにデザートもストロベリーサンデー!!』
『『いやたまにピザ食べてるから』』
『人が話してる時は黙るぇぇぇい!!』
『『はい…』』
『とにかくネロは勝手にそんなことしないでしょ!ダンテと違って!
ねぇネロ?』
『え、あぁ……そう、かもしれないな…』
そこまで言われてしまうと、自分が食べましたー、なんて今更言えるわけない。
『ほらー。
はい!どう考えてもダンテが犯人よ。
よって被告人に死刑判決ー!』
『いきなり死刑か』
そしてまたダンテと逢夏の喧嘩が始まったのだった。
「おいコラ。“オレ”じゃなくてもオレは怒るぞ。
ネロが食ったくせに、なに食べてないとか嘘ついてんだ」
「…俺は食べてないとは一言も言ってない」
「うん、確かに言ってはいないねぇ」
「またアイツに会う機会あっても頼むから本人に言うなよ。
逢夏もだ」
食べ物の恨みはとても怖い、というのを前にダンテ相手で経験済みだし、先ほどまでディーヴァが秘密にしていた件でもよーくわかったばかり。
だが、逢夏はいつだって怖いもの知らずだ。
「えー。知らせたら面白そうなのにぃ」
「はぁ……こんなの知られたら厄介なことになりかねないだろ」
「厄介って…。そんなことにはならないと思うけどねー」
「…ね、ダンテはストロベリーサンデー食べられちゃったら怒る?」
「オレなら、か…。
オレはまたディーヴァに作ってもらうから怒らないけど、あのオッサンならテメンニグルおっ建てるほど怒るかもな。
何せ普段ストサン作ってくれる相手がいないんだろ?」
「そんだけで人間界滅ぼすほどの被害かあ。
そりゃ恐ろしいねぇ」
「こわっ!ストロベリーサンデーひとつでこわっ!!」
心の狭いダンテの話で閑話休題、意を決したようにネロは逢夏に体を向けた。
「逢夏……。
俺、実はああいう甘いの、嫌いじゃ…ない」
「うん、実は知ってた。
ダンテほどじゃないけどネロも甘いもの好きだよね」
かわいい。
その秘密も、必死に隠そうとしていたことも、それを知られて照れているところもかわいい。
食べたいって言ってくれたらいくらでも作るのになぁ。
そう言って逢夏は柔らかく笑い、ネロの頬に優しいキスを落とすのだった。
「というか、これだけ?こーんなかわいらしい秘密でネロのターンおわりなの?」
「かわいいとか言うなって」
「ネロのは少なかったねぇ。
あたしなんか探せばまだまだ秘密出てきそうだもん。ダンテも多そうだし」
「秘密が多くたっていいじゃねぇか。
“秘密は女を女にする”ってよく言うだろ」
「ダンテは男でしょ!」
ぴしゃり、言い放つディーヴァに、ダンテは押し黙った。
「悪いけど俺にはそんなたくさんの秘密なんかないんだよ。
ましてや、逢夏にバレて困るようなやましいことも一切ない」
一途に、誠実に生きてるつもりだ。
ネロはまっすぐ前だけを見てそう言う。
目線だけでなく、その思いもどこまでも真っ直ぐで惚れ直してしまう。
「ううう、ネロ…。
ネロのその気持ち、すっごく嬉しい!
幸せ!!」
好き好きぃ!!
と言葉と行動で愛を表現するように、キスの嵐をネロに送る。
ダンテとディーヴァが見ていてもお構いなし。
「ちょ、逢夏…!?
2人が見て……!」
「だからここでおっ始めんなって!」
「不可抗力だっ!!」
「あはは、逢夏ったら激しい……ね」
「はあ……ったく。
ディーヴァもいつかはああなってくれるのか?」
「ダンテはあたしにああなって欲しいの?」
「ああ、たまには逢夏の勢いを見習って激しい愛情表現して欲しいもんだ」
「努力します…」
悪魔さんも空気を読んだのだろう、それから逢夏が落ち着くまでテレビが進むことはなかった。