ダイススロー 9回目
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返答に満足げに頷いたネロはまわれ右、静かにキッチンへ。
なんとなくディーヴァがネロの後をそろりそろりとリビングの方からキッチンを覗き見てみると
"あれ?ネロ、どうしたの?"
"どうしたって、手伝いにきたに決まってんだろ。"
"ホント?ありがと。
って、ネロ?もうっ、やめてってば…!く、くすぐったいよ。"
今朝方、ダンテと言い合っていたところを『イチャイチャ』と呼ばれたが、これこそ本当の『イチャイチャ』だ。
まさに幸せ夫婦、醒める愛など知らない新婚の空気。
そう思わずにはいられないディーヴァはふと声を漏らす。
「むぅ……、羨ましい。」
「へぇ…あれが羨ましいって?」
「だって、そうでしょ?
優しい旦那さまと一緒に料理…って、きゃぁ!!?ダンテ!?」
「おっと!静かにしろって、ばれちまう。」
ダンテは素早くディーヴァの口を軽く覆うと悪戯っぽい笑みを浮かべ、唇の前に人差し指を立てて沈黙を促す。
「ディーヴァ、いつから夫婦のスキンシップを盗み見る様な悪い子になったんだ?」
「盗み見てなんか!!!
…いたけど、…それはぁ…ね?
特に理由とかはなくて、なんとなく…。」
「魔が差したってやつ?
…そんじゃ、もう一回、そうしてみねぇ?」
「え?」
そう言うなり、ダンテはリビングの小さな本棚に直行。
ディーヴァがついていくとダンテは本棚から一冊の革表紙の本をとりだした。
しかしダンテが本などに興味を持つだろうか?…いや、ない。
とするとやはりその中身をディーヴァは問いにする。
「それはなに?」
「アルバムみたいだぜ。
表紙に書いてある年数を見るに3年前、丁逢夏夏とネロが会ったって年からだな。」
「えぇ!?
そんな勝手なことしちゃダメだよ!」
「まぁまぁ、隠さなかったし注意もされなかったんだぜ?
ってことは疚しいもんじゃなさそうだし見てみてもいいってことじゃねぇの?」
「でも…。
あ、そうだ!
シャティ、みていい…かな?」
尋ねてみるとソファの上で夢中でナッツを口にしていたシャティは猫のくせに頬を膨らませたまま首を縦に振る。
どうやら見ても構わないようだ。
と、言うわけで。
「一枚目は…と。
…ん?」
「あれ、…え…この人…?」
開いてすぐの一ページ目。
そこには一枚の大きな写真。
見慣れた、けれど今よりもボロボロな事務所の前
ネロと逢夏と
その周りを囲う様に女性が2人と赤いコートの男が1人。
「「…まさかこれ…」」
「オレーーー!?」「ダンテーー!?」
バタン!!!と激しい音を立ててアルバムを閉じたダンテ。
それを再び、そぅっとディーヴァが開く。
そしてまたバタン!!!とダンテが閉じる。
それを数度繰り返している時だった。
trrr...trrr...
事務所のものよりも自己主張の少なめな電話の音。
加えてそこに
「ディーヴァ~、悪いけど電話とってくれないか?」
キッチンからネロの声。
「う…うんー!!」
本当はそれどころじゃない。
だけどお世話になっている身、これくらいはしないと…。
責任感に背を押されてディーヴァは電話を取る。
「も、もしもし…?」
『よう、逢夏!
…って…声が違うな。風邪でも引いたか?』
あれ?
なんかこの声が若干低く、少し渋めになっているけれど…
何処か、聴き覚えがないだろうか?
「え、あ…あの、すみません。
逢夏は今手が離せなくて、代わりにちょっと昨日からお世話になってるあたしが電話に出たんですが…。」
『あぁ、そうなのか。
じゃあ、逢夏かネロに"ダンテから電話があった"それだけでいいから伝えておいてくれるか?』
「は…はい!
ダンテから電話があっ…。」
ん?ダンテ?
振りかえった先にはあたしの言った言葉に信じられないと驚愕の顔をした"ダンテ"がいて
そして…こっちの受話器の向こうの男性は?
「失礼ですが、もう一度お名前を伺っても?」
『あ?
あぁ、ダンテだが?』
横を見るといつの間にここまでやってきたのだろう
受話器にぴたりと耳を張り付けて声を聞いていたダンテが変な息遣いを数秒繰り返していた。
が、それも
『嬢ちゃん?どうかし…』
「こっちのダンテーーー!!?」「こっちのオレーーー!!?」
本日二度目、そして今度はしっかりと逢夏とネロの耳に届く大声をディーヴァとダンテは張り上げた。
なんとなくディーヴァがネロの後をそろりそろりとリビングの方からキッチンを覗き見てみると
"あれ?ネロ、どうしたの?"
"どうしたって、手伝いにきたに決まってんだろ。"
"ホント?ありがと。
って、ネロ?もうっ、やめてってば…!く、くすぐったいよ。"
今朝方、ダンテと言い合っていたところを『イチャイチャ』と呼ばれたが、これこそ本当の『イチャイチャ』だ。
まさに幸せ夫婦、醒める愛など知らない新婚の空気。
そう思わずにはいられないディーヴァはふと声を漏らす。
「むぅ……、羨ましい。」
「へぇ…あれが羨ましいって?」
「だって、そうでしょ?
優しい旦那さまと一緒に料理…って、きゃぁ!!?ダンテ!?」
「おっと!静かにしろって、ばれちまう。」
ダンテは素早くディーヴァの口を軽く覆うと悪戯っぽい笑みを浮かべ、唇の前に人差し指を立てて沈黙を促す。
「ディーヴァ、いつから夫婦のスキンシップを盗み見る様な悪い子になったんだ?」
「盗み見てなんか!!!
…いたけど、…それはぁ…ね?
特に理由とかはなくて、なんとなく…。」
「魔が差したってやつ?
…そんじゃ、もう一回、そうしてみねぇ?」
「え?」
そう言うなり、ダンテはリビングの小さな本棚に直行。
ディーヴァがついていくとダンテは本棚から一冊の革表紙の本をとりだした。
しかしダンテが本などに興味を持つだろうか?…いや、ない。
とするとやはりその中身をディーヴァは問いにする。
「それはなに?」
「アルバムみたいだぜ。
表紙に書いてある年数を見るに3年前、丁逢夏夏とネロが会ったって年からだな。」
「えぇ!?
そんな勝手なことしちゃダメだよ!」
「まぁまぁ、隠さなかったし注意もされなかったんだぜ?
ってことは疚しいもんじゃなさそうだし見てみてもいいってことじゃねぇの?」
「でも…。
あ、そうだ!
シャティ、みていい…かな?」
尋ねてみるとソファの上で夢中でナッツを口にしていたシャティは猫のくせに頬を膨らませたまま首を縦に振る。
どうやら見ても構わないようだ。
と、言うわけで。
「一枚目は…と。
…ん?」
「あれ、…え…この人…?」
開いてすぐの一ページ目。
そこには一枚の大きな写真。
見慣れた、けれど今よりもボロボロな事務所の前
ネロと逢夏と
その周りを囲う様に女性が2人と赤いコートの男が1人。
「「…まさかこれ…」」
「オレーーー!?」「ダンテーー!?」
バタン!!!と激しい音を立ててアルバムを閉じたダンテ。
それを再び、そぅっとディーヴァが開く。
そしてまたバタン!!!とダンテが閉じる。
それを数度繰り返している時だった。
trrr...trrr...
事務所のものよりも自己主張の少なめな電話の音。
加えてそこに
「ディーヴァ~、悪いけど電話とってくれないか?」
キッチンからネロの声。
「う…うんー!!」
本当はそれどころじゃない。
だけどお世話になっている身、これくらいはしないと…。
責任感に背を押されてディーヴァは電話を取る。
「も、もしもし…?」
『よう、逢夏!
…って…声が違うな。風邪でも引いたか?』
あれ?
なんかこの声が若干低く、少し渋めになっているけれど…
何処か、聴き覚えがないだろうか?
「え、あ…あの、すみません。
逢夏は今手が離せなくて、代わりにちょっと昨日からお世話になってるあたしが電話に出たんですが…。」
『あぁ、そうなのか。
じゃあ、逢夏かネロに"ダンテから電話があった"それだけでいいから伝えておいてくれるか?』
「は…はい!
ダンテから電話があっ…。」
ん?ダンテ?
振りかえった先にはあたしの言った言葉に信じられないと驚愕の顔をした"ダンテ"がいて
そして…こっちの受話器の向こうの男性は?
「失礼ですが、もう一度お名前を伺っても?」
『あ?
あぁ、ダンテだが?』
横を見るといつの間にここまでやってきたのだろう
受話器にぴたりと耳を張り付けて声を聞いていたダンテが変な息遣いを数秒繰り返していた。
が、それも
『嬢ちゃん?どうかし…』
「こっちのダンテーーー!!?」「こっちのオレーーー!!?」
本日二度目、そして今度はしっかりと逢夏とネロの耳に届く大声をディーヴァとダンテは張り上げた。