ダイススロー 9回目
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「すごい!!素敵な眺めー!」
「おっ、あっちがオレの事務所の方か。
そういや、ここまで来たことなかったな。」
掃除もたっぷり30分を費やし終了した後
シャティを留守番に置き、せっかくこの街に来たのだからと昼は外食と観光をすることになった。
ディーヴァの目の前にはオーシャンビュー。
その反対を向くダンテの目の前には遥か遠くに小さくなった見慣れた景色が映る。
「逢夏、お昼ってどこ行くの?」
「あそこの海沿いにあるカフェ。
イタリア料理がすっごく美味しいんだよ。
帰りは側にあるマーケットに行ってお買い物しようね。」
「なぁ、ネロ。
こっちの世界のオレって、向こうに事務所構えてんの?
だとしたら結構近いところに住んでんだな。」
「あぁ、だから現在進行形で住むところをもっと離すべきだったと絶賛後悔中だ。
バイクでとばして5時間ってところだからな、アイツ等、なんだかんだ用事作ってはすぐにウチに来やがる。」
のんびりと綺麗に舗装された坂を徒歩で下りる4人組。
それも十数分ほどすると唐突に人で溢れる如何にも観光地といった活気溢れる街並みが眼前に広がった。
その中を慣れた風に歩く逢夏とネロについて、ダンテ、そしてディーヴァは特にきょろきょろと辺りを見回しながらついていく。
「へぇ…、事務所の近くにこんなところがあったなんて全然知らなかった!」
「さすが観光地、結構人でごった返してんな。」
「とはいえ、今日は少ない方だ。
休日なんかはこの倍近くいる。」
「だからネロはあんまりこっちにお散歩連れてってくれないんだよね。
あ、あのお店だよ!」
逢夏が指差した先には赤レンガの小さく可愛らしいカフェ。
「ここね、ランチのラザニアがすっごく美味しいの!」
「そんで、3日に1回通って3キロ増やされたって大騒ぎしてたな。」
「ネロ!?」
ニヤニヤと笑うネロに眉根を顰めて睨む逢夏。
けれどそれで終了、逢夏はウェイターを発見し、席を確認しに行ってしまう。
それを見、思えば2人のケンカというケンカをここに来て一度も見てないかもしれないと思いながらディーヴァがネロの服の裾を引っ張った。
「ネロ。
逢夏、結構体重とか気にしてるみたいだし、あんまり気にしてること言っちゃだめだと思うよ?」
「いいんだよ。
こうでも言わねぇとまた食い過ぎるし、少し体重が増えただけで太ったって勝手にダイエット始めるからな。
あいつ、あんなに見えても体弱いから、倒れられる前にこうでもしとかねぇと。」
「じゃあ…ちょっと厳しく言うのも心配してるからってこと?」
「おかしいか?
大切な嫁なんだ、心配くらいするさ。」
「大切な…、そっか、いいなぁ。
逢夏、すっごく大切にされてるんだね。
それに比べて…。」
ゆっくりと見たのは後ろ。
頭の後ろで手を組み、だら~と暇そうに待つダンテがネロの発言に不味い物を食べたような顔をしていた。
「おいおい、ディーヴァ、これ以上こいつを惚気させるのは止めてくれよ。
せっかく食う前だってのに腹いっぱいになっちまう。」
「まったく…本当に感動もムードもない人なんだから。」
「んなこと言って、ダンテはダンテの…しかもディーヴァしか知らないいいところがあるだろ?
それでもまだ足りないと思うなら、ディーヴァが探してやればいいさ。」
「…うん、そうだね。」
「みんな!テラス空いてるって!」
早く!と嬉しそうに声を上げながらネロの腕に抱きついた逢夏は客で賑わう店の中、席へと先導し始める。
「……ほんと、腹いっぱいだぜ。」
「え?…ダンテ?」
「なんでもねぇ。
オレ達もいくか。」
自然にディーヴァの手をとったダンテが2人の後を静かに歩く。
横顔だけれど見えた表情はいつになく神妙で、羨ましげで、懐かしげで。
そのどれもが、ダンテらしくなかった。
けれど
「ミステリアスなダンテも嫌いじゃないよ。」
微笑みかけながら、ダンテに気付かれないほど小さく、ディーヴァは呟いた。
「おっ、あっちがオレの事務所の方か。
そういや、ここまで来たことなかったな。」
掃除もたっぷり30分を費やし終了した後
シャティを留守番に置き、せっかくこの街に来たのだからと昼は外食と観光をすることになった。
ディーヴァの目の前にはオーシャンビュー。
その反対を向くダンテの目の前には遥か遠くに小さくなった見慣れた景色が映る。
「逢夏、お昼ってどこ行くの?」
「あそこの海沿いにあるカフェ。
イタリア料理がすっごく美味しいんだよ。
帰りは側にあるマーケットに行ってお買い物しようね。」
「なぁ、ネロ。
こっちの世界のオレって、向こうに事務所構えてんの?
だとしたら結構近いところに住んでんだな。」
「あぁ、だから現在進行形で住むところをもっと離すべきだったと絶賛後悔中だ。
バイクでとばして5時間ってところだからな、アイツ等、なんだかんだ用事作ってはすぐにウチに来やがる。」
のんびりと綺麗に舗装された坂を徒歩で下りる4人組。
それも十数分ほどすると唐突に人で溢れる如何にも観光地といった活気溢れる街並みが眼前に広がった。
その中を慣れた風に歩く逢夏とネロについて、ダンテ、そしてディーヴァは特にきょろきょろと辺りを見回しながらついていく。
「へぇ…、事務所の近くにこんなところがあったなんて全然知らなかった!」
「さすが観光地、結構人でごった返してんな。」
「とはいえ、今日は少ない方だ。
休日なんかはこの倍近くいる。」
「だからネロはあんまりこっちにお散歩連れてってくれないんだよね。
あ、あのお店だよ!」
逢夏が指差した先には赤レンガの小さく可愛らしいカフェ。
「ここね、ランチのラザニアがすっごく美味しいの!」
「そんで、3日に1回通って3キロ増やされたって大騒ぎしてたな。」
「ネロ!?」
ニヤニヤと笑うネロに眉根を顰めて睨む逢夏。
けれどそれで終了、逢夏はウェイターを発見し、席を確認しに行ってしまう。
それを見、思えば2人のケンカというケンカをここに来て一度も見てないかもしれないと思いながらディーヴァがネロの服の裾を引っ張った。
「ネロ。
逢夏、結構体重とか気にしてるみたいだし、あんまり気にしてること言っちゃだめだと思うよ?」
「いいんだよ。
こうでも言わねぇとまた食い過ぎるし、少し体重が増えただけで太ったって勝手にダイエット始めるからな。
あいつ、あんなに見えても体弱いから、倒れられる前にこうでもしとかねぇと。」
「じゃあ…ちょっと厳しく言うのも心配してるからってこと?」
「おかしいか?
大切な嫁なんだ、心配くらいするさ。」
「大切な…、そっか、いいなぁ。
逢夏、すっごく大切にされてるんだね。
それに比べて…。」
ゆっくりと見たのは後ろ。
頭の後ろで手を組み、だら~と暇そうに待つダンテがネロの発言に不味い物を食べたような顔をしていた。
「おいおい、ディーヴァ、これ以上こいつを惚気させるのは止めてくれよ。
せっかく食う前だってのに腹いっぱいになっちまう。」
「まったく…本当に感動もムードもない人なんだから。」
「んなこと言って、ダンテはダンテの…しかもディーヴァしか知らないいいところがあるだろ?
それでもまだ足りないと思うなら、ディーヴァが探してやればいいさ。」
「…うん、そうだね。」
「みんな!テラス空いてるって!」
早く!と嬉しそうに声を上げながらネロの腕に抱きついた逢夏は客で賑わう店の中、席へと先導し始める。
「……ほんと、腹いっぱいだぜ。」
「え?…ダンテ?」
「なんでもねぇ。
オレ達もいくか。」
自然にディーヴァの手をとったダンテが2人の後を静かに歩く。
横顔だけれど見えた表情はいつになく神妙で、羨ましげで、懐かしげで。
そのどれもが、ダンテらしくなかった。
けれど
「ミステリアスなダンテも嫌いじゃないよ。」
微笑みかけながら、ダンテに気付かれないほど小さく、ディーヴァは呟いた。