ダイススロー 7回目
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それで、だ。
「俺が潜ってくるから、そこにいろ。
ちょっとでも物音や気配を感じたらすぐに呼べ。」
「うん、わかった!」
レッドクイーンをディーヴァに預け、ネロが湖へと飛び込む。
地底、日の当らぬ場所と言う事もあってか身が凍らんばかりの冷たさに身を震わせながら
深く深く、青白い光の中を泳ぎ…宝箱(※しかしネロの片手で握れるほど小さい)に右手を伸ばしたのだった。
「獲った!」
「ホントだ!!すごぉい!
…ってあれ、なんか小さくない?」
「まぁそれは悪魔の予算問題の都合だろ。
とりあえず投げるから受け取れ!」
「はーい!任せて!」
(※本当に小さい)宝箱は緩やかな弧を描いてディーヴァの両手のひらに納まる。
(※期待はずれに小さい)宝箱だが仮にも宝箱だと主張するように意外にもしっかりとした装飾が施されている代物だった。
「あたし、中身よりこの箱の方が欲しいかも。」
「別にいいんじゃねぇの?
さてと…開けてみろよ。」
「うんっ。」
湖から上がったネロがディーヴァに開けるように催促。
それを受け、ディーヴァは(※オルゴール程度の大きさしかない)宝箱の上下に手を添え、開けようとした…が。
「あ…かない。
ダメみたい、鍵が掛かってる。」
「ってことは島のどこかに鍵があるってことか?」
湖の光を頼りに本日何度目かの地図チェック。
けれどニュアンスでしか読めないのだから、分からない。
こういう時、あちこちに書かれる言葉全てがまるで鍵の在り処を指し示す文章に見えてくるのだから不思議である。
「時間は…、ダメだな。
あと5分で時間切れだ。」
「そんな、…せっかくここまで来たのに。
このままじゃ、皆で罰ゲームってこと?」
「…だろうな。」
罰ゲームについてはなにも言及されていない。
だとすれば、内容はもしかすると…もしかするかもしれない。
またあの恐ろしいマスの再来、もあり得る話。
「いやっ!そんなの絶対嫌!」
「ディーヴァ!?
おい、落ち着け!
大丈夫だ、そんなことになったら今度こそ…」
「でも…でも、あんな怖い思いなんてもう沢山だよ!
こんなに頑張ったんだよ?なのに罰ゲームなんて…。
もぅ!鍵の方からここまで来てくれれば良いのに!!」
「あのな…さすがにそんなこと、起きる訳がないだろ。」
ディーヴァの願いに、若干呆れ気味のネロ。
しかしこの後ネロは天使の奇跡の目撃者となるのである。
それは頭上に一筋の光が灯ったと気付いたと同時のことだった。
「ってぇ!」
「大丈夫!?
…、なにこれ。」
ネロの頭に落ちてきたのは宝箱の鍵穴にぴったりの大きさをした鍵。
そしてそれを追う様に
「嘘だろ、おいぃーー!!?」
ダンテの叫び声が聞こえたと思うと地底湖に、しかもネロとディーヴァの立つ岸ギリギリに大きな水柱が立ったのだった。
---------------------------------
『…マた、ぉデノまヶ。』
ショボンと悲しげでしょぼくれた声を漏らしたコマはマスの上でかなり落ち込んでいるご様子。
ポンッとあのコミカルな音が響いたと思うと、コマの横には"傷心中、たちなおるまでダイススロー禁止"と小さな立て看板が現れた。
だがそれよりも
「逢夏…?」
ネロはずぶ濡れのダンテの横でぐったりしている逢夏に気付くや、すぐさま抱き寄せる。
「逢夏!?
ダンテ、…なんで、どうしてこんなことに?」
「ネロ、…、わるい。
ちょっと目を離したすきに…悪魔に襲われたんだ。
一気に群がってきやがって、オレじゃ捌き切れなかった…。」
いつになく神妙な面持ちのダンテ。
謝罪と説明の言葉の最中、ずっと顔を伏せたままだったネロは言葉が尽いた瞬間、逢夏を抱き上げた。
何処かに向かうのか足早にリビングを後にしようとする途中、ダンテの肩にネロは肩をぶつける。
「んな湿気た面してんなよ。
こっちは分かってて逢夏を預けたんだ。
逢夏も…分かっててお前についていってくれた。
それに、こんくらいなら1時間貰えば完全に回復する。」
苦笑い…にも似た変な笑みを浮かべたネロは今度こそリビングを出る。
けれどその前にもう一度止まって振りかえった。
「ダンテ、ディーヴァ。
コマもああやって不貞腐れてる訳だし、風呂でも入って今夜は休もうぜ。
着替えは俺と逢夏のをシャティに聞いて出して使ってくれればいい。
そうだ!宝物ってやつも気になるし…1時間後にリビングに集合な。
あと…、ダンテ。」
「…んだよ?」
「勝負は俺の勝ちだからな。
分かったらもうなめた口きいてんじゃねぇそ、くそガキ!」
最後は完全に笑い声。
でも、だったら何故振りかえろうとしなかったのか。
ダンテもディーヴァも何も言い返せずにいた。
「俺が潜ってくるから、そこにいろ。
ちょっとでも物音や気配を感じたらすぐに呼べ。」
「うん、わかった!」
レッドクイーンをディーヴァに預け、ネロが湖へと飛び込む。
地底、日の当らぬ場所と言う事もあってか身が凍らんばかりの冷たさに身を震わせながら
深く深く、青白い光の中を泳ぎ…宝箱(※しかしネロの片手で握れるほど小さい)に右手を伸ばしたのだった。
「獲った!」
「ホントだ!!すごぉい!
…ってあれ、なんか小さくない?」
「まぁそれは悪魔の予算問題の都合だろ。
とりあえず投げるから受け取れ!」
「はーい!任せて!」
(※本当に小さい)宝箱は緩やかな弧を描いてディーヴァの両手のひらに納まる。
(※期待はずれに小さい)宝箱だが仮にも宝箱だと主張するように意外にもしっかりとした装飾が施されている代物だった。
「あたし、中身よりこの箱の方が欲しいかも。」
「別にいいんじゃねぇの?
さてと…開けてみろよ。」
「うんっ。」
湖から上がったネロがディーヴァに開けるように催促。
それを受け、ディーヴァは(※オルゴール程度の大きさしかない)宝箱の上下に手を添え、開けようとした…が。
「あ…かない。
ダメみたい、鍵が掛かってる。」
「ってことは島のどこかに鍵があるってことか?」
湖の光を頼りに本日何度目かの地図チェック。
けれどニュアンスでしか読めないのだから、分からない。
こういう時、あちこちに書かれる言葉全てがまるで鍵の在り処を指し示す文章に見えてくるのだから不思議である。
「時間は…、ダメだな。
あと5分で時間切れだ。」
「そんな、…せっかくここまで来たのに。
このままじゃ、皆で罰ゲームってこと?」
「…だろうな。」
罰ゲームについてはなにも言及されていない。
だとすれば、内容はもしかすると…もしかするかもしれない。
またあの恐ろしいマスの再来、もあり得る話。
「いやっ!そんなの絶対嫌!」
「ディーヴァ!?
おい、落ち着け!
大丈夫だ、そんなことになったら今度こそ…」
「でも…でも、あんな怖い思いなんてもう沢山だよ!
こんなに頑張ったんだよ?なのに罰ゲームなんて…。
もぅ!鍵の方からここまで来てくれれば良いのに!!」
「あのな…さすがにそんなこと、起きる訳がないだろ。」
ディーヴァの願いに、若干呆れ気味のネロ。
しかしこの後ネロは天使の奇跡の目撃者となるのである。
それは頭上に一筋の光が灯ったと気付いたと同時のことだった。
「ってぇ!」
「大丈夫!?
…、なにこれ。」
ネロの頭に落ちてきたのは宝箱の鍵穴にぴったりの大きさをした鍵。
そしてそれを追う様に
「嘘だろ、おいぃーー!!?」
ダンテの叫び声が聞こえたと思うと地底湖に、しかもネロとディーヴァの立つ岸ギリギリに大きな水柱が立ったのだった。
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『…マた、ぉデノまヶ。』
ショボンと悲しげでしょぼくれた声を漏らしたコマはマスの上でかなり落ち込んでいるご様子。
ポンッとあのコミカルな音が響いたと思うと、コマの横には"傷心中、たちなおるまでダイススロー禁止"と小さな立て看板が現れた。
だがそれよりも
「逢夏…?」
ネロはずぶ濡れのダンテの横でぐったりしている逢夏に気付くや、すぐさま抱き寄せる。
「逢夏!?
ダンテ、…なんで、どうしてこんなことに?」
「ネロ、…、わるい。
ちょっと目を離したすきに…悪魔に襲われたんだ。
一気に群がってきやがって、オレじゃ捌き切れなかった…。」
いつになく神妙な面持ちのダンテ。
謝罪と説明の言葉の最中、ずっと顔を伏せたままだったネロは言葉が尽いた瞬間、逢夏を抱き上げた。
何処かに向かうのか足早にリビングを後にしようとする途中、ダンテの肩にネロは肩をぶつける。
「んな湿気た面してんなよ。
こっちは分かってて逢夏を預けたんだ。
逢夏も…分かっててお前についていってくれた。
それに、こんくらいなら1時間貰えば完全に回復する。」
苦笑い…にも似た変な笑みを浮かべたネロは今度こそリビングを出る。
けれどその前にもう一度止まって振りかえった。
「ダンテ、ディーヴァ。
コマもああやって不貞腐れてる訳だし、風呂でも入って今夜は休もうぜ。
着替えは俺と逢夏のをシャティに聞いて出して使ってくれればいい。
そうだ!宝物ってやつも気になるし…1時間後にリビングに集合な。
あと…、ダンテ。」
「…んだよ?」
「勝負は俺の勝ちだからな。
分かったらもうなめた口きいてんじゃねぇそ、くそガキ!」
最後は完全に笑い声。
でも、だったら何故振りかえろうとしなかったのか。
ダンテもディーヴァも何も言い返せずにいた。