ダイススロー 7回目
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海岸側のルートを進むディーヴァとネロ。
しばらくすると背の低い草と花が茂る草原へと辿り着いた。
視界いっぱいに広がる色とりどりの花々にディーヴァの瞳が輝く。
「わぁ、綺麗!
あんな花、初めて見た!」
「っと、花に見惚れるのは良いけどあんまり離れるなよ?」
花に触れようと一歩足を踏み出したディーヴァ。
けれど、触れる前にその細い腕をネロが掴んで引き寄せる。
それにディーヴァは"少しだけ"と気持ちを込めて見上げるものの、首を横に振るネロに肩を落として名残惜しげに花を見るだけにとどまった。
「…、わかった。」
「ならいいんだ。」
するとそこに天の声ならぬ悪魔の声が響く。
『えェ!?触ラなィノ!?
そレ、触るたノシぃ!!!!
さワった途端、ヵらダ、丸ノミ!!』
大分何を言っているのか聞きとれるようになってきた悪魔の言葉がそう説明し終わるや否や
つい先ほど触ろうとした花の中央で大きな一つ目がぎょろりと2人を見る。
ぼこぼこモゾモゾと異様な動きを見せる地表から察するにきっと本体は根本、地中に埋まっているタイプの悪魔の様。
もちろんそれを見たディーヴァは後ずさり。
ネロはそんなディーヴァを素早く自らの背にやって庇った。
「ヒッ…ま、丸のみ!!?
…あのね!さっきのマスといい、そんなの一体どこが楽しいのよ!!!
丸のみなんて絶対嫌に決まってるでしょ!」
「ディーヴァ、落ち着け!
とにかくここから離れるぞ!」
身を翻して、真っ先に見た道は元来た道。
ディーヴァの背を押し、先を行かせたネロは数十メートル走ったところで後ろを見る。
すると…
「ディーヴァ、もっと速く走れるか!?」
「無理っ、も…限界…!」
「だろうと思った!」
僅か後方にはびったんびったんと鞭のように根でできた足を地面に打ち付け
頭のてっぺんにちょこんと咲かせた目玉付きの花を揺らして走ってくる悪魔が数匹。
裂けんばかりの大きな口をあけながら猛スピードで2人に迫っていた。
そんな悪魔を必死の逃走の最中、ディーヴァがちらりと見てしまう。
「な…なにあれ!?」
「なにって、悪魔に決まってんだろうが!」
「そーいうことじゃなくてー!!」
「良いから走れ!
あと少しでひらけたところに出る!」
気持ち悪い、気色悪い!!
さっきまでの可愛い小悪魔達はなんだったのか!
と叫びたくなるのを堪えてディーヴァはネロに言われるがまま走る。
『あと少し』
ネロが言った通り、十数メートル道なりに走ったところで広場の様な見晴らしの良い場所に辿り着いた。
「あたしっ、もう…はしれな…。」
「あぁ、もう充分だ。
そこで休んでろ。」
崩れる様に広場の中心で膝をつくディーヴァを見、背にやっていたレッドクイーンをとったネロは素早く反転。
追いかけてくる悪魔に向き直ると
「吹っ飛びやがれ!」
噴射機構から噴き出す炎で真っ赤に染まる刀身を叩きつける。
相手の悪魔は植物系。
だとすれば、炎は効果覿面の様で、一気に燃え上がった悪魔は吹き飛んだ拍子に後続の悪魔にぶつかり、その炎を引火させてしまう。
その調子で炎は悪魔から悪魔へと燃えうつり…
「ねぇ、ネロ。
これってもしかしてまずいんじゃない?」
「いいっていいって。
見晴らしが良くなるだろ。
これから毎日、悪魔と森を焼こうぜ。」
「焼かないでよ!?
というか、焼いちゃダメだからね!?」
終いには鬱蒼とした森の木にへと火が付く。
燃え上がる森、非常になんというか…危ない光景なのだがそれを見てディーヴァはふと気付くことがあった。
「ねぇ…火の回りが速すぎない?
ほら、あそこの木なんてもう灰になってる。」
「あぁ、気付いたか?
多分森の木のほとんどが木の形をした悪魔なんだろ。」
「え゛。
ってことは、…もし森に入ってたりなんかしたら?」
「あんなに大量の悪魔に囲まれちゃ、さすがのダンテも守り切れなかったろ。
天使のお前は即八つ裂きだろうな。」
「八つ裂き…っ!」
ネロに言われた事を一瞬頭の中で想像したディーヴァ。
しかしその想像はあまりにも恐ろしかった為、すぐさま頭の隅にと追いやられた。
けれども、頭の回転が速いディーヴァはそんな状況でもネロの言わんとすることに気付くのだった。
「もしかして、あたしとダンテを離したのって…そうゆうこと?」
「あたり。
"絶対に無事で元の世界に戻す。"逢夏がお前らに約束しただろ。
だったら、俺は逢夏の約束を果たす為に動く。
勝負も何も最初からお前を怪我させるわけにはいかねぇんだよ。」
何よりも真剣な声音。
けれど、それは次にはすっかりと消えてなくなった。
「さてと、気を取り直して宝探しの続きをするか。」
「う、うん。
…ねぇ、その前に一つ聞いていい?」
「なんだ?」
ダンテとネロの差はたった一年と数カ月の違い。
経験はそこまで変わらないはず。
技術だってそんなに差異はないはずなのに。
「どうして、ダンテじゃダメだったの?」
ダンテも強い。
良く知ってる、だってあたしを今まで守ってきてくれたんだもの。
「確かにダンテは強いさ。
俺の知ってるダンテには遠くおよばねぇけどな。」
「だったらなんで。」
「それは…あくまであいつは悪魔狩りのプロ。
護衛はアマだから。」
「ダンテが、護衛の…アマ?」
「で、因みに俺は護衛のプロ。
悪魔狩りと誰かを守りながら悪魔に対することは全く違う。
ディーヴァも知ってた方がいいかもな。」
その時だけネロは
勝ち誇った様な、けれど身を案じるかの様な複雑な笑みをディーヴァに向けた。
しばらくすると背の低い草と花が茂る草原へと辿り着いた。
視界いっぱいに広がる色とりどりの花々にディーヴァの瞳が輝く。
「わぁ、綺麗!
あんな花、初めて見た!」
「っと、花に見惚れるのは良いけどあんまり離れるなよ?」
花に触れようと一歩足を踏み出したディーヴァ。
けれど、触れる前にその細い腕をネロが掴んで引き寄せる。
それにディーヴァは"少しだけ"と気持ちを込めて見上げるものの、首を横に振るネロに肩を落として名残惜しげに花を見るだけにとどまった。
「…、わかった。」
「ならいいんだ。」
するとそこに天の声ならぬ悪魔の声が響く。
『えェ!?触ラなィノ!?
そレ、触るたノシぃ!!!!
さワった途端、ヵらダ、丸ノミ!!』
大分何を言っているのか聞きとれるようになってきた悪魔の言葉がそう説明し終わるや否や
つい先ほど触ろうとした花の中央で大きな一つ目がぎょろりと2人を見る。
ぼこぼこモゾモゾと異様な動きを見せる地表から察するにきっと本体は根本、地中に埋まっているタイプの悪魔の様。
もちろんそれを見たディーヴァは後ずさり。
ネロはそんなディーヴァを素早く自らの背にやって庇った。
「ヒッ…ま、丸のみ!!?
…あのね!さっきのマスといい、そんなの一体どこが楽しいのよ!!!
丸のみなんて絶対嫌に決まってるでしょ!」
「ディーヴァ、落ち着け!
とにかくここから離れるぞ!」
身を翻して、真っ先に見た道は元来た道。
ディーヴァの背を押し、先を行かせたネロは数十メートル走ったところで後ろを見る。
すると…
「ディーヴァ、もっと速く走れるか!?」
「無理っ、も…限界…!」
「だろうと思った!」
僅か後方にはびったんびったんと鞭のように根でできた足を地面に打ち付け
頭のてっぺんにちょこんと咲かせた目玉付きの花を揺らして走ってくる悪魔が数匹。
裂けんばかりの大きな口をあけながら猛スピードで2人に迫っていた。
そんな悪魔を必死の逃走の最中、ディーヴァがちらりと見てしまう。
「な…なにあれ!?」
「なにって、悪魔に決まってんだろうが!」
「そーいうことじゃなくてー!!」
「良いから走れ!
あと少しでひらけたところに出る!」
気持ち悪い、気色悪い!!
さっきまでの可愛い小悪魔達はなんだったのか!
と叫びたくなるのを堪えてディーヴァはネロに言われるがまま走る。
『あと少し』
ネロが言った通り、十数メートル道なりに走ったところで広場の様な見晴らしの良い場所に辿り着いた。
「あたしっ、もう…はしれな…。」
「あぁ、もう充分だ。
そこで休んでろ。」
崩れる様に広場の中心で膝をつくディーヴァを見、背にやっていたレッドクイーンをとったネロは素早く反転。
追いかけてくる悪魔に向き直ると
「吹っ飛びやがれ!」
噴射機構から噴き出す炎で真っ赤に染まる刀身を叩きつける。
相手の悪魔は植物系。
だとすれば、炎は効果覿面の様で、一気に燃え上がった悪魔は吹き飛んだ拍子に後続の悪魔にぶつかり、その炎を引火させてしまう。
その調子で炎は悪魔から悪魔へと燃えうつり…
「ねぇ、ネロ。
これってもしかしてまずいんじゃない?」
「いいっていいって。
見晴らしが良くなるだろ。
これから毎日、悪魔と森を焼こうぜ。」
「焼かないでよ!?
というか、焼いちゃダメだからね!?」
終いには鬱蒼とした森の木にへと火が付く。
燃え上がる森、非常になんというか…危ない光景なのだがそれを見てディーヴァはふと気付くことがあった。
「ねぇ…火の回りが速すぎない?
ほら、あそこの木なんてもう灰になってる。」
「あぁ、気付いたか?
多分森の木のほとんどが木の形をした悪魔なんだろ。」
「え゛。
ってことは、…もし森に入ってたりなんかしたら?」
「あんなに大量の悪魔に囲まれちゃ、さすがのダンテも守り切れなかったろ。
天使のお前は即八つ裂きだろうな。」
「八つ裂き…っ!」
ネロに言われた事を一瞬頭の中で想像したディーヴァ。
しかしその想像はあまりにも恐ろしかった為、すぐさま頭の隅にと追いやられた。
けれども、頭の回転が速いディーヴァはそんな状況でもネロの言わんとすることに気付くのだった。
「もしかして、あたしとダンテを離したのって…そうゆうこと?」
「あたり。
"絶対に無事で元の世界に戻す。"逢夏がお前らに約束しただろ。
だったら、俺は逢夏の約束を果たす為に動く。
勝負も何も最初からお前を怪我させるわけにはいかねぇんだよ。」
何よりも真剣な声音。
けれど、それは次にはすっかりと消えてなくなった。
「さてと、気を取り直して宝探しの続きをするか。」
「う、うん。
…ねぇ、その前に一つ聞いていい?」
「なんだ?」
ダンテとネロの差はたった一年と数カ月の違い。
経験はそこまで変わらないはず。
技術だってそんなに差異はないはずなのに。
「どうして、ダンテじゃダメだったの?」
ダンテも強い。
良く知ってる、だってあたしを今まで守ってきてくれたんだもの。
「確かにダンテは強いさ。
俺の知ってるダンテには遠くおよばねぇけどな。」
「だったらなんで。」
「それは…あくまであいつは悪魔狩りのプロ。
護衛はアマだから。」
「ダンテが、護衛の…アマ?」
「で、因みに俺は護衛のプロ。
悪魔狩りと誰かを守りながら悪魔に対することは全く違う。
ディーヴァも知ってた方がいいかもな。」
その時だけネロは
勝ち誇った様な、けれど身を案じるかの様な複雑な笑みをディーヴァに向けた。