ダイススロー 6回目
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赤黒い闇の中を電車が進んでいく。
逢夏とディーヴァは乗客の隙間で押しつぶされながら、どうにかといった感じで会話していた。
「これじゃぺしゃんこになっちゃうよぉ…
これが普通って…逢夏、どういうことなの?」
「う~ん、確かにちょっときついけど…。
日本は満員電車ってこんなもんなんだぁ」
「うわあ、地獄だね。
こっちだと混んだとしても隣と服が触れ合わないくらいだよ。
ましてや駅員が乗客を押し込んだりなんて…うっ!」
ディーヴァが突然苦悶の表情を浮かべる。
逢夏は慌てて聞いた。
「ど、どうしたの?」
「鳩尾あたりに他の人の腕が入って苦しい…」
「た、大変!」
相手は人間の姿をしていても中身は悪魔だ。
逢夏は、人ごみをかき分けどいてもらおうとする。
だが、手を伸ばした逢夏の体にもまるで蔓が巻き付くかのように腕が入り込んでしまった。
もがけばもがくほど、進めば進むほどに苦しくなる。
「うぅ…届かないよ」
息苦しくなりながらも手を伸ばすがディーヴァには届かない。
その内に、もがき続けていたディーヴァの顔が苦しさに青ざめてきた。
「潰れ…ちゃう、よぉ…」
このままでは、本気で窒息死どころか、圧死してしまう。
自分はネロさえ無事なら死ぬことがないからいい、だがディーヴァは違うのだ。
「どうすれば…」
キョロキョロするとつり革が逢夏の目に入ってきた。
「上のつり革に掴まって!」
「そんなっ…つり革に手が届かないよ~!」
身長が足りないのかと思ったが、違った。
周りに押しつぶされ下へ埋まっていっているのだ。
ディーヴァは必死にわさわさ手を伸ばして掴まる物を探した。
ファサッ…
「…え、」
ようやく掴まるものを見つけたディーヴァ。
だが、それは黒い毛の塊だった。
ディーヴァはおじさんな悪魔の頭に乗っていたカツラを掴んでしまったのだ。
「「なんで悪魔がカツラーーー!?」」
2人の叫びがハモる。
頭の上が涼しくなったおじさんの悪魔が、人でひしめく中でガタッと立ち上がる。
「オラの大事な髪の毛がー!!あんたら何しとんねん!」
勢いよく立ち上がったことによって、周りの人…悪魔達がドミノ倒しで崩れていく。
「うぎゃ!」
「くきゅ!」
「みゅっ!」
そのまま全て床に倒れこみ、人間の姿から、本来のちいさな妖精のような悪魔の姿に変わった。
意外とかわいらしい悪魔だ。
車内はすぐに、満員電車から小さな悪魔の大群でごった返しになった。
「小っちゃくてかわいい…」
「けどうるさっ!」
「ねー」
押しつぶされる心配はまったくなくなったが、その叫び声が耳触りでここにはいられない。
ここは7号車だ。
行くとしたら、8号車だろう。
「ねぇ、隣に行こうか?」
「うん、そうだね…」
逢夏とディーヴァは小さな悪魔達を踏まないよう気を付けながら隣へ移った。
逢夏とディーヴァは乗客の隙間で押しつぶされながら、どうにかといった感じで会話していた。
「これじゃぺしゃんこになっちゃうよぉ…
これが普通って…逢夏、どういうことなの?」
「う~ん、確かにちょっときついけど…。
日本は満員電車ってこんなもんなんだぁ」
「うわあ、地獄だね。
こっちだと混んだとしても隣と服が触れ合わないくらいだよ。
ましてや駅員が乗客を押し込んだりなんて…うっ!」
ディーヴァが突然苦悶の表情を浮かべる。
逢夏は慌てて聞いた。
「ど、どうしたの?」
「鳩尾あたりに他の人の腕が入って苦しい…」
「た、大変!」
相手は人間の姿をしていても中身は悪魔だ。
逢夏は、人ごみをかき分けどいてもらおうとする。
だが、手を伸ばした逢夏の体にもまるで蔓が巻き付くかのように腕が入り込んでしまった。
もがけばもがくほど、進めば進むほどに苦しくなる。
「うぅ…届かないよ」
息苦しくなりながらも手を伸ばすがディーヴァには届かない。
その内に、もがき続けていたディーヴァの顔が苦しさに青ざめてきた。
「潰れ…ちゃう、よぉ…」
このままでは、本気で窒息死どころか、圧死してしまう。
自分はネロさえ無事なら死ぬことがないからいい、だがディーヴァは違うのだ。
「どうすれば…」
キョロキョロするとつり革が逢夏の目に入ってきた。
「上のつり革に掴まって!」
「そんなっ…つり革に手が届かないよ~!」
身長が足りないのかと思ったが、違った。
周りに押しつぶされ下へ埋まっていっているのだ。
ディーヴァは必死にわさわさ手を伸ばして掴まる物を探した。
ファサッ…
「…え、」
ようやく掴まるものを見つけたディーヴァ。
だが、それは黒い毛の塊だった。
ディーヴァはおじさんな悪魔の頭に乗っていたカツラを掴んでしまったのだ。
「「なんで悪魔がカツラーーー!?」」
2人の叫びがハモる。
頭の上が涼しくなったおじさんの悪魔が、人でひしめく中でガタッと立ち上がる。
「オラの大事な髪の毛がー!!あんたら何しとんねん!」
勢いよく立ち上がったことによって、周りの人…悪魔達がドミノ倒しで崩れていく。
「うぎゃ!」
「くきゅ!」
「みゅっ!」
そのまま全て床に倒れこみ、人間の姿から、本来のちいさな妖精のような悪魔の姿に変わった。
意外とかわいらしい悪魔だ。
車内はすぐに、満員電車から小さな悪魔の大群でごった返しになった。
「小っちゃくてかわいい…」
「けどうるさっ!」
「ねー」
押しつぶされる心配はまったくなくなったが、その叫び声が耳触りでここにはいられない。
ここは7号車だ。
行くとしたら、8号車だろう。
「ねぇ、隣に行こうか?」
「うん、そうだね…」
逢夏とディーヴァは小さな悪魔達を踏まないよう気を付けながら隣へ移った。