ダイススロー 5回目
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一つ目は当たり。
咀嚼してみたシュークリームは別に不味いわけではなく、むしろ美味しい部類に分けられるもので
目の前の悪魔も更にへにゃりと絶妙な甘さを堪能し、顔を綻ばせていた。
「ウまィナ!
ァタい、こレ、キに入ッタ!」
終いにはパタパタと短い足を動かし、美味しさを必死に表現。
「か、可愛い…。」
悪魔は怖いし、嫌い。
けれど、こんな悪魔ならいても良いかもしれない…かな?と思いつつディーヴァが悪魔に手を伸ばし撫でる。
するとそこに…
『因みに!
今回のシュークリーム、おまいらの世界で人気の店から取り寄せた!
俺の財布、空っぽ!』
「あ、だからこんなに美味しいんだ!」
「こいつ、アホだ。」
「……なんで悪魔が財布持って買い物してんだよ。」
「いいなぁー!」
変な裏話も聞いたところで、ディーヴァは二つ目を手に取る。
と…そこで感じる、じぃ…という視線。
その視線をたどると…向かい側に座る悪魔がディーヴァの持つシュークリームを見ていた。
「どうしたの?
これ、なにかあった?」
「ソっチ、ぅまソ!
コーかン!」
どうやって持っているのか気になるが、既に手にあるシュークリームを振りまわしながら悪魔は交換を主張。
ディーヴァは今しがた口に運ぼうとしたシュークリームをじっくりと見てみるのだが…"美味しそう"という違いは全く分からなかった。
「見た目変わらないけど…ま、いっか。
どうぞ?」
「ワーィ!」
「てめぇーーー!
悪魔の分際でディーヴァに食わせてもらうとか何考えて…、ぐふっ!」
「うっせぇよ。」
お互い手を伸ばして(ディーヴァが全面的に協力の上だが)、同時にパクリ。
食んだ瞬間、ふわっと広がるバニラの味にディーヴァがまた舌鼓を打っていると…
悪魔の方がピクピクと震えていることにディーヴァはようやく気付いた。
シュークリームの影に隠れた顔を覗き込むと、潤むボタンの瞳。
すると突然、ポトリと真黒な雫を溢したかと思うと…
「ピぃぃぃぃぃぃぃーーーー!」
「ど、どうしたの!?」
『激辛アてチャっタ。
えーェ、だヵら…てン使の勝チ?』
「激辛って…、あれがディーヴァに当たってたらどう落とし前付けるつもりだんたんだゴルァ!」
「ダ、ダンテ。
落とし前って…ヤクザとか極道じゃないんだから。」
「すっげーのた打ち回ってる…。」
「待って!
こっち、こっちあげるから!!」
ネロの言うとおり、小さな体をフル回転させてあちらこちらへとのた打ち回っている様子を見ると
"イージーと言ったこれが一番危険だったのではないだろうか"
と3人は思わずにはいられず。
悪魔を捕獲し、当たりのシュークリームを口に運ばせなんとか収拾を図ろうとするディーヴァの強運にただただ感嘆するばかりだった。
------------------------------
さて、時はその数秒後。
気がつくと4人は元のリビングへと戻っていた。
もちろん、さっきまで胸に抱いていたちっちゃな悪魔がいなくなっているのでディーヴァは少し悲しげなため息。
「…あの子、大丈夫かな。」
「おいおい、ディーヴァ。
まさか他の悪魔に浮気するつもりか?」
「浮気じゃないよ!
…ただ、……可愛かったなぁって。」
「はぁ…。
お前に必要なのは可愛いじゃなくて、オレみたいにカッコイイ半魔だっての。
な?そうだろ?」
「……そうかなぁ。」
「え゛?おい待て、ディーヴァ!?」
明らかに笑ってはいるものの、もしやすると本気ととれないわけでもない口調のディーヴァに焦るダンテ。
そんな二人を後目にソファの上、三角座りで落ち込む人物に逢夏が近寄る。
「お疲れ様。」
「……ごめん。」
「謝らなくていいよ。
私の方こそ、ごめんね。」
膝を抱えて丸まっている所為かいつもより格段に小さく見える体を逢夏は包む。
「完璧なんて嫌よ。
私は、…今のネロが大好き。
強くなりきれない貴方が大好き。」
ディーヴァちゃんやダンテには悪いけどね。
そんな申し訳なさそうに笑う声がネロの耳に届く。
そのすぐ後、リビングの中央で大きな声が上がった。
「っしゃあ!
じゃあ次はオレだよな!」
「前みたいな目、出したら嫌だからね。」
「分かってる。
今度は絶対ださねぇよ!」
「ダンテの絶対は当てになりませーんだっ!」
ワイワイキャッキャッと楽しそうな19歳と16歳。
「でもまぁ、あれくらいの前向きさはネロも欲しいところだね。」
「努力、する。」
若いという事はそれだけで『運がある』ということより得なのかもしれない。
と密かに思う20歳の2人組はひっそりとダンテのダイススローを見守るのだった。
咀嚼してみたシュークリームは別に不味いわけではなく、むしろ美味しい部類に分けられるもので
目の前の悪魔も更にへにゃりと絶妙な甘さを堪能し、顔を綻ばせていた。
「ウまィナ!
ァタい、こレ、キに入ッタ!」
終いにはパタパタと短い足を動かし、美味しさを必死に表現。
「か、可愛い…。」
悪魔は怖いし、嫌い。
けれど、こんな悪魔ならいても良いかもしれない…かな?と思いつつディーヴァが悪魔に手を伸ばし撫でる。
するとそこに…
『因みに!
今回のシュークリーム、おまいらの世界で人気の店から取り寄せた!
俺の財布、空っぽ!』
「あ、だからこんなに美味しいんだ!」
「こいつ、アホだ。」
「……なんで悪魔が財布持って買い物してんだよ。」
「いいなぁー!」
変な裏話も聞いたところで、ディーヴァは二つ目を手に取る。
と…そこで感じる、じぃ…という視線。
その視線をたどると…向かい側に座る悪魔がディーヴァの持つシュークリームを見ていた。
「どうしたの?
これ、なにかあった?」
「ソっチ、ぅまソ!
コーかン!」
どうやって持っているのか気になるが、既に手にあるシュークリームを振りまわしながら悪魔は交換を主張。
ディーヴァは今しがた口に運ぼうとしたシュークリームをじっくりと見てみるのだが…"美味しそう"という違いは全く分からなかった。
「見た目変わらないけど…ま、いっか。
どうぞ?」
「ワーィ!」
「てめぇーーー!
悪魔の分際でディーヴァに食わせてもらうとか何考えて…、ぐふっ!」
「うっせぇよ。」
お互い手を伸ばして(ディーヴァが全面的に協力の上だが)、同時にパクリ。
食んだ瞬間、ふわっと広がるバニラの味にディーヴァがまた舌鼓を打っていると…
悪魔の方がピクピクと震えていることにディーヴァはようやく気付いた。
シュークリームの影に隠れた顔を覗き込むと、潤むボタンの瞳。
すると突然、ポトリと真黒な雫を溢したかと思うと…
「ピぃぃぃぃぃぃぃーーーー!」
「ど、どうしたの!?」
『激辛アてチャっタ。
えーェ、だヵら…てン使の勝チ?』
「激辛って…、あれがディーヴァに当たってたらどう落とし前付けるつもりだんたんだゴルァ!」
「ダ、ダンテ。
落とし前って…ヤクザとか極道じゃないんだから。」
「すっげーのた打ち回ってる…。」
「待って!
こっち、こっちあげるから!!」
ネロの言うとおり、小さな体をフル回転させてあちらこちらへとのた打ち回っている様子を見ると
"イージーと言ったこれが一番危険だったのではないだろうか"
と3人は思わずにはいられず。
悪魔を捕獲し、当たりのシュークリームを口に運ばせなんとか収拾を図ろうとするディーヴァの強運にただただ感嘆するばかりだった。
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さて、時はその数秒後。
気がつくと4人は元のリビングへと戻っていた。
もちろん、さっきまで胸に抱いていたちっちゃな悪魔がいなくなっているのでディーヴァは少し悲しげなため息。
「…あの子、大丈夫かな。」
「おいおい、ディーヴァ。
まさか他の悪魔に浮気するつもりか?」
「浮気じゃないよ!
…ただ、……可愛かったなぁって。」
「はぁ…。
お前に必要なのは可愛いじゃなくて、オレみたいにカッコイイ半魔だっての。
な?そうだろ?」
「……そうかなぁ。」
「え゛?おい待て、ディーヴァ!?」
明らかに笑ってはいるものの、もしやすると本気ととれないわけでもない口調のディーヴァに焦るダンテ。
そんな二人を後目にソファの上、三角座りで落ち込む人物に逢夏が近寄る。
「お疲れ様。」
「……ごめん。」
「謝らなくていいよ。
私の方こそ、ごめんね。」
膝を抱えて丸まっている所為かいつもより格段に小さく見える体を逢夏は包む。
「完璧なんて嫌よ。
私は、…今のネロが大好き。
強くなりきれない貴方が大好き。」
ディーヴァちゃんやダンテには悪いけどね。
そんな申し訳なさそうに笑う声がネロの耳に届く。
そのすぐ後、リビングの中央で大きな声が上がった。
「っしゃあ!
じゃあ次はオレだよな!」
「前みたいな目、出したら嫌だからね。」
「分かってる。
今度は絶対ださねぇよ!」
「ダンテの絶対は当てになりませーんだっ!」
ワイワイキャッキャッと楽しそうな19歳と16歳。
「でもまぁ、あれくらいの前向きさはネロも欲しいところだね。」
「努力、する。」
若いという事はそれだけで『運がある』ということより得なのかもしれない。
と密かに思う20歳の2人組はひっそりとダンテのダイススローを見守るのだった。