ダイススロー 5回目
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次は逢夏の番。
気が付く間もなく瞬く間にガラスの囲いの中に逢夏が隔離されていた。
とはいえ皆、安心はしていた。
最初のダンテがあんななのだから…と。
けれど、そこにディーヴァが再び問うた。
「ねぇ、逢夏。
結局逢夏はなんのカードを取ったの?」
「あ、これ?
えっとね、『もしかすると死んじゃう感じ』のカードだよ。」
壁越しに見せられたカードの中身。
そこには
~~~~~~~~~~~~~~~~~
きうきょクの運だァめシ
ロしぃアン、るぅーレとぉ
~~~~~~~~~~~~~~~~~
『究極の運だめし
ロシアンルーレット』
そう、かろうじて3人には読めた。
「は…?
おい、待て!どういう事だよ!!」
返答を聞いた途端、怒鳴りながら食い付いたのはもちろんネロ。
そんなネロに逢夏は笑顔のまま、声を返す。
「だって、4人の中では私が取るのが一番でしょう?」
「なんでだよ!
俺に任せればいい話じゃねぇか!?」
「私はネロがいる限り死なないけれど、ネロが死んだら私も死ぬのに?
それはおかしいよ。」
「おかしいのはお前の方だろ!!?」
ガンッと一度ネロが渾身の力を込めて右手でガラスの壁を殴る。
しかしビクともしない壁は何事もなくその場に存在し続けた。
そこに、静かな静かな逢夏の声。
「おかしくないよ。
なにもおかしくない。
だって私にはネロの命令があるんだから。
私がやるのが一番なんだよ。
お願い…ネロはただ私に『絶対に外すな』って命令をしていて。」
と言うだけ言って、いつの間にか現れたテーブルまで歩いて行ってしまう。
声も届かない様な、そんな場所。
そこで逢夏を待っていた悪魔は何故か
「俺…?」
「悪っ趣味だな…。」
「最、…低。」
ネロに良く似ていた。
とすれば、テーブルに置かれていたのはブルーローズと瓜二つのリボルバー。
そこに再び、あのアナウンス。
逢夏はさっきと違って小さい声で通訳していく。
『それでは本日2人目の運だめし。
今回の銃は運だめしを行う贄の配偶者愛用のリボルバーをお借りいたしました。
ご存じの通り、装弾数は6発、一回で発射される弾数は2発。
今回のロシアンルーレットの方式はランダム方式を採用しておりますので、毎回1/3の確率で決着がつきます。』
そのアナウンスが終わったと同時、悪魔が先にと手を差し出して促した。
けれど、それを逢夏は首を横に振って拒否。
仕方なしと言ったように悪魔はブルーローズを手にするとシリンダーを適当に回した後、銃口をこめかみに当てる。
ゆっくりとスローモーションのように流れる時間の中。
カチッ…。
と、不発の音がした。
そうして逢夏の手には先ほど拒否した銃が渡り
ぎこちない手つきで悪魔と同じ様に逢夏の指先がシリンダーに触れようとした時だった。
「っ、逢夏、絶対に…『絶対に外すな』!」
「はい。」
短く答え、指先でシリンダーを適当に回した逢夏は回し終えると…
「…え?」
「あぁ…、そーいうことかよ。」
両手で握りしめたブルーローズの銃口を天井に向けた。
把握したダンテは怖々と顔を手で覆いながら様子を伺うディーヴァのエメラルドの髪を撫で、一言『大丈夫』と呟く。
それと時を同じくして激しい銃声と共に天井のガラスが砕け散る音が白い世界に響いた。
--------------------------------
銃の衝撃と降ってくるガラス片の下敷きになって倒れた逢夏に駆け寄るネロを見ながら、ダンテはカタカタと震えるディーヴァを抱き寄せていた。
「ロシアンルーレットってのはな、弾丸が入ってるって予想した場合は天井に向けて引き金を引くことも可能になってんだよ。
その場合、不発だった時が負けになるんだけどな。」
「だ、から…?」
「逢夏は最初から自分に向ける気はなかったってことだ。
ネロの命令で必ず弾丸に当たる様にシリンダーを回して、後は天井に向けるだけ。
ランダム方式、そうでなくても自分でシリンダー回す必要があるとはいえ…なんだよ、やっぱ一番楽じゃねーか。」
「そっ、そんな言い方ないでしょ!?
あんなの、もしかしたら逢夏…死んじゃってたかもしれないのに…。
それに…そんなことあったら…ネロが一番傷つくのに…。」
「んなの分かってる、オレだって…オレの銃でディーヴァが傷付いたら…一生使えわねぇかもしれねぇ…。」
「だったら!」
「だから!……だから言ってんだよ。」
確かに今回、この状況での逢夏の采配は間違ってなかった。
作戦があったからこそ上手くいった。
けれど…だからこそ、ディーヴァに分かっていて欲しいとダンテは思っていた。
もし上手くいかなかった場合の自己犠牲の結末を。
誰が一番悲しんで、誰が一番苦しむのかを。
どんなに上手くいくと分かっていても
自己犠牲なんて褒められたものじゃないということを。
気が付く間もなく瞬く間にガラスの囲いの中に逢夏が隔離されていた。
とはいえ皆、安心はしていた。
最初のダンテがあんななのだから…と。
けれど、そこにディーヴァが再び問うた。
「ねぇ、逢夏。
結局逢夏はなんのカードを取ったの?」
「あ、これ?
えっとね、『もしかすると死んじゃう感じ』のカードだよ。」
壁越しに見せられたカードの中身。
そこには
~~~~~~~~~~~~~~~~~
きうきょクの運だァめシ
ロしぃアン、るぅーレとぉ
~~~~~~~~~~~~~~~~~
『究極の運だめし
ロシアンルーレット』
そう、かろうじて3人には読めた。
「は…?
おい、待て!どういう事だよ!!」
返答を聞いた途端、怒鳴りながら食い付いたのはもちろんネロ。
そんなネロに逢夏は笑顔のまま、声を返す。
「だって、4人の中では私が取るのが一番でしょう?」
「なんでだよ!
俺に任せればいい話じゃねぇか!?」
「私はネロがいる限り死なないけれど、ネロが死んだら私も死ぬのに?
それはおかしいよ。」
「おかしいのはお前の方だろ!!?」
ガンッと一度ネロが渾身の力を込めて右手でガラスの壁を殴る。
しかしビクともしない壁は何事もなくその場に存在し続けた。
そこに、静かな静かな逢夏の声。
「おかしくないよ。
なにもおかしくない。
だって私にはネロの命令があるんだから。
私がやるのが一番なんだよ。
お願い…ネロはただ私に『絶対に外すな』って命令をしていて。」
と言うだけ言って、いつの間にか現れたテーブルまで歩いて行ってしまう。
声も届かない様な、そんな場所。
そこで逢夏を待っていた悪魔は何故か
「俺…?」
「悪っ趣味だな…。」
「最、…低。」
ネロに良く似ていた。
とすれば、テーブルに置かれていたのはブルーローズと瓜二つのリボルバー。
そこに再び、あのアナウンス。
逢夏はさっきと違って小さい声で通訳していく。
『それでは本日2人目の運だめし。
今回の銃は運だめしを行う贄の配偶者愛用のリボルバーをお借りいたしました。
ご存じの通り、装弾数は6発、一回で発射される弾数は2発。
今回のロシアンルーレットの方式はランダム方式を採用しておりますので、毎回1/3の確率で決着がつきます。』
そのアナウンスが終わったと同時、悪魔が先にと手を差し出して促した。
けれど、それを逢夏は首を横に振って拒否。
仕方なしと言ったように悪魔はブルーローズを手にするとシリンダーを適当に回した後、銃口をこめかみに当てる。
ゆっくりとスローモーションのように流れる時間の中。
カチッ…。
と、不発の音がした。
そうして逢夏の手には先ほど拒否した銃が渡り
ぎこちない手つきで悪魔と同じ様に逢夏の指先がシリンダーに触れようとした時だった。
「っ、逢夏、絶対に…『絶対に外すな』!」
「はい。」
短く答え、指先でシリンダーを適当に回した逢夏は回し終えると…
「…え?」
「あぁ…、そーいうことかよ。」
両手で握りしめたブルーローズの銃口を天井に向けた。
把握したダンテは怖々と顔を手で覆いながら様子を伺うディーヴァのエメラルドの髪を撫で、一言『大丈夫』と呟く。
それと時を同じくして激しい銃声と共に天井のガラスが砕け散る音が白い世界に響いた。
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銃の衝撃と降ってくるガラス片の下敷きになって倒れた逢夏に駆け寄るネロを見ながら、ダンテはカタカタと震えるディーヴァを抱き寄せていた。
「ロシアンルーレットってのはな、弾丸が入ってるって予想した場合は天井に向けて引き金を引くことも可能になってんだよ。
その場合、不発だった時が負けになるんだけどな。」
「だ、から…?」
「逢夏は最初から自分に向ける気はなかったってことだ。
ネロの命令で必ず弾丸に当たる様にシリンダーを回して、後は天井に向けるだけ。
ランダム方式、そうでなくても自分でシリンダー回す必要があるとはいえ…なんだよ、やっぱ一番楽じゃねーか。」
「そっ、そんな言い方ないでしょ!?
あんなの、もしかしたら逢夏…死んじゃってたかもしれないのに…。
それに…そんなことあったら…ネロが一番傷つくのに…。」
「んなの分かってる、オレだって…オレの銃でディーヴァが傷付いたら…一生使えわねぇかもしれねぇ…。」
「だったら!」
「だから!……だから言ってんだよ。」
確かに今回、この状況での逢夏の采配は間違ってなかった。
作戦があったからこそ上手くいった。
けれど…だからこそ、ディーヴァに分かっていて欲しいとダンテは思っていた。
もし上手くいかなかった場合の自己犠牲の結末を。
誰が一番悲しんで、誰が一番苦しむのかを。
どんなに上手くいくと分かっていても
自己犠牲なんて褒められたものじゃないということを。