ダイススロー 3回目
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「ダ~レ~に~しョうかな?」
頭上から悪魔の声が響く。
ディーヴァが走りながらも見上げると悪魔は優雅に頭上を飛び回り、順々に4人を指差しケタケタと嗤い声を上げていた。
「うそっ…、こんなの嘘よね!?」
「んなこと言ってないで走れ!」
一番前をディーヴァ、その次を逢夏、ネロが最後を走り、真正面に現れた『GoaL』と書かれた門を目指す。
ついに亀裂が、今も走る道まで浸食し始め、先ほどまで穏やかだった道はガタガタでこぼこと走り辛い道へと豹変していく。
そこで…だった。
「決メタぁ!」
悪魔が今まで聞いた中で最も嬉しそうな声を上げた。
その不気味に細く無骨な指先の先は…逢夏。
あと数メートル。
丁度ディーヴァが門の側に到着したのと時を同じくして逢夏の走っていた場所だけが闇色に変わった。
「逢夏!?」
後ろを走っていたはずのネロが逢夏を追い越す。
手を伸ばそうとするも今はダンテを担いでいる所為かこれ以上手を伸ばせない。
もしここで死んだら…新しいメンバーを補充すると言っていた。
…ということは…。
ここの死は本当の…現実の死となりえる、と言っている様なもの。
だとすれば…とネロが脳裏でダンテと逢夏の命を天秤にかけた瞬間だった。
目の前を淡くエメラルド色に色づいた銀の輝きが横切る。
それは逢夏が闇に落ちる前、ほんの一瞬。
「贄、ツかまェー…た?」
「そんなの、…絶対に…させないっ!」
「ディーヴァ、ちゃん?」
「つか、まってて…!」
逢夏の手を取ったのは、今にも折れてしまいそうなほど細いディーヴァの手。
しかしこんな状況下で、逢夏はディーヴァの背に釘づけだった。
本当の天使。
あまりに綺麗な…触れたら壊れてしまいそうなほど繊細な色をした5枚の翼。
「き、れい。」
あまりの光景にただ、初めて会った時と同じ言葉を口にすることしかできなかった。
---------------------------------
悔しそうな悪魔の声を背にゴールの門をくぐったと同時に翼は消えてなくなった。
静かなリビングルームにぜぇぜぇと苦しそうな浅い呼吸だけが響く。
「逢夏…は、無事?」
「う、うんっ。無事だよ?
ディーヴァちゃんのおかげ!」
「よかっ、た。」
必死に呼吸を落ち着かせるディーヴァにキッチンから水を持って走り戻るネロ。
近づいてきた良く知る双眸とは違う、けれど似た青色にディーヴァはゆっくりと笑った。
「翼、自分で意図して出ないのに…いきなり体が動いて…あたし、自分のことなのにびっくりしちゃった。」
今でも信じられないタイミングだった。
と驚きに渇いた笑い声を上げながらディーヴァは一粒涙を流す。
そんなキラリと頬を伝う雫を逢夏が拭った。
「どうして…。
どうして翼が出ないかもしれないのに…助けてくれたの?」
「どうして…って。
だって、逢夏が死んじゃうところだったんだよ。
助けるに決まってるよ。」
「…助けるに決まってるよじゃないよ!
私、ダンテに命をかけて守りますって言ったばかりなのにっ。
ディーヴァちゃんに命をかけて守られたら…、ダンテに顔向けできないよっ。
………でも。…助けてくれてっ、ありがと…。」
いきなり涙を浮かべた逢夏はディーヴァに抱きつく。
少し前に見た状況とは綺麗に真逆。
丁度そこで呑気に再起動がかかったダンテは何事かと首を捻ってその二人を見ていた。
そしてネロは思うのである
「この分だと、この先もなんとかなるかもな。」
と。
頭上から悪魔の声が響く。
ディーヴァが走りながらも見上げると悪魔は優雅に頭上を飛び回り、順々に4人を指差しケタケタと嗤い声を上げていた。
「うそっ…、こんなの嘘よね!?」
「んなこと言ってないで走れ!」
一番前をディーヴァ、その次を逢夏、ネロが最後を走り、真正面に現れた『GoaL』と書かれた門を目指す。
ついに亀裂が、今も走る道まで浸食し始め、先ほどまで穏やかだった道はガタガタでこぼこと走り辛い道へと豹変していく。
そこで…だった。
「決メタぁ!」
悪魔が今まで聞いた中で最も嬉しそうな声を上げた。
その不気味に細く無骨な指先の先は…逢夏。
あと数メートル。
丁度ディーヴァが門の側に到着したのと時を同じくして逢夏の走っていた場所だけが闇色に変わった。
「逢夏!?」
後ろを走っていたはずのネロが逢夏を追い越す。
手を伸ばそうとするも今はダンテを担いでいる所為かこれ以上手を伸ばせない。
もしここで死んだら…新しいメンバーを補充すると言っていた。
…ということは…。
ここの死は本当の…現実の死となりえる、と言っている様なもの。
だとすれば…とネロが脳裏でダンテと逢夏の命を天秤にかけた瞬間だった。
目の前を淡くエメラルド色に色づいた銀の輝きが横切る。
それは逢夏が闇に落ちる前、ほんの一瞬。
「贄、ツかまェー…た?」
「そんなの、…絶対に…させないっ!」
「ディーヴァ、ちゃん?」
「つか、まってて…!」
逢夏の手を取ったのは、今にも折れてしまいそうなほど細いディーヴァの手。
しかしこんな状況下で、逢夏はディーヴァの背に釘づけだった。
本当の天使。
あまりに綺麗な…触れたら壊れてしまいそうなほど繊細な色をした5枚の翼。
「き、れい。」
あまりの光景にただ、初めて会った時と同じ言葉を口にすることしかできなかった。
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悔しそうな悪魔の声を背にゴールの門をくぐったと同時に翼は消えてなくなった。
静かなリビングルームにぜぇぜぇと苦しそうな浅い呼吸だけが響く。
「逢夏…は、無事?」
「う、うんっ。無事だよ?
ディーヴァちゃんのおかげ!」
「よかっ、た。」
必死に呼吸を落ち着かせるディーヴァにキッチンから水を持って走り戻るネロ。
近づいてきた良く知る双眸とは違う、けれど似た青色にディーヴァはゆっくりと笑った。
「翼、自分で意図して出ないのに…いきなり体が動いて…あたし、自分のことなのにびっくりしちゃった。」
今でも信じられないタイミングだった。
と驚きに渇いた笑い声を上げながらディーヴァは一粒涙を流す。
そんなキラリと頬を伝う雫を逢夏が拭った。
「どうして…。
どうして翼が出ないかもしれないのに…助けてくれたの?」
「どうして…って。
だって、逢夏が死んじゃうところだったんだよ。
助けるに決まってるよ。」
「…助けるに決まってるよじゃないよ!
私、ダンテに命をかけて守りますって言ったばかりなのにっ。
ディーヴァちゃんに命をかけて守られたら…、ダンテに顔向けできないよっ。
………でも。…助けてくれてっ、ありがと…。」
いきなり涙を浮かべた逢夏はディーヴァに抱きつく。
少し前に見た状況とは綺麗に真逆。
丁度そこで呑気に再起動がかかったダンテは何事かと首を捻ってその二人を見ていた。
そしてネロは思うのである
「この分だと、この先もなんとかなるかもな。」
と。