ダイススロー 20回目
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「ひぃやぁぁぁ!来ないで来ないで来ないでーーッ!
ダンテもっと早く走ってー!」
「だああああっ!走ってるっつの!」
「ほんと、実際に見るとあの鬼って気ン持ち悪いのね」
「飛ばすから黙ってろ、逢夏。
舌噛むぞ!」
叫ぶディーヴァを抱えたダンテが前へ前へ走る。
同じくネロも、逢夏を抱えて走っていた。
イイ男な鬼はいなくなったが、もう一匹いるのをお忘れではないだろうか。
そう。
ただ今絶賛、鬼からの逃走中なのである。
その上ラストが近いのか、地上にさえ罠が多い。
そのどれもがネロ達半分悪魔にはどうってことないものだが、抱えられている逢夏やディーヴァにとっては危険なものがほとんど。
右に左にと、女性達の誘導のもと逃げ惑う。
ちなみに隠れる場所はもうひとつもなかった。
「お!おおぉ!この一直線を通ればもうすぐゴールみたいだぜ!」
「なにぃ!よし、ピッチをあげるぞ!」
ラストスパート。
風のように走るネロとダンテだったが…。
カチリ。
足元で聞き覚えのある音が響く。
「え゙…」
またなにか踏んだようだ。
走りながらキョロキョロする4人の頭上には大きな影が。
フッと見てみると、どこから飛んできたのだろうか、大きな丸い岩の塊がこちらに向かって落ちてきていた。
「「「「!?」」」」
ドスンと大きな音を立てて4人のいる通路に落ちたそれは、その勢いのままゴロゴロと転がってこちらへ高速回転!
「えぇー!?つ、つぶれちゃう!」
「うわあ、さらに早くにげろー!!」
「あはは、これぞイン●ィー●ョーンズ!たったたったーたったたー♪」
「逢夏、歌うな!
んん、待てよ…?」
鬼すらその岩の塊から必死に走っている状況だ。
これは逆に使えるかもしれない。
「ダンテ、ギリギリまで鬼も岩も引き付けるぞ!」
「なっ!…それでどうすんだよ!」
「いいから任せろ!」
「つぶれたら化けてでるからな!」
少しかわいそうな気もしないではないが、鬼は最終的に岩に巻き込まれてぺしゃんこになった。
そして最後の最後でネロは悪魔の力を解放し、3人を魔人化の腕で包み助けた。
悪魔の右腕、大活躍である。
一直線の先、最後のフロアには床にたくさんのパネルがあり、ゴールであろう扉の前には悪魔が化けた像が鎮座していた。
その像の言葉によれば、日本語でしりとりしていけ、とのこと。
一緒に移動していいが一人ずつ答えていかなくてはいけないとのこと。
また、助言程度ならしてかまわないらしい。
「逢夏はラクショーだな」
「まぁね♪母国語だし」
「あたしとネロもなんとかなりそう…かな?」
ディーヴァは母が日本人とイギリス人のハーフということで、幼少期に挨拶に困らない程度の日本語を教えられている。
まあ、問題はないだろう。
対してネロも逢夏と共に日本に足を運んでおり、逢夏自身からも色々聞いて知っている。
こちらもあまり問題はなさそうである。
「でも、ね…」
「ああ…言わなくてもわかる」
「そうだね~」
問題はこの男。
「オレか!?
オレだって日本の単語くらいわかるぞ」
「じゃあ試しに言ってみてよ」
「『サムラーイ』、『アリガトゴザイマス』、『ゲーイシャ』、『ハラキーリー』…こんなところだろ!」
「なんか不安だなあ…」
「ま、時間はいくらでもあるんだ、気長にやろうぜ」
なんどかダンテのターンに大変な思いをしながらも楽しくしりとりした4人。
最後のパネルに乗ると、そのままゴールだったようで場所はリビングルームに戻ったのだった。
***
『魔タせィ功…
もゥ、まスぅアとナィ!』
がっくりと頭を垂れる悪魔。
ものすごい落ち込み方をしていて、こっちまで落ち込みそうだ。
というかあとがないのはこちらも同じなのだから、そんな暗い気分にさせないでほしい。
「悪魔さん、あまり気落ちしないで」
「そうそう。
魔界の自宅に帰ったら女悪魔相手のギャルゲームが待ってるよ!」
それもどうかと思う。
悪魔はぐすん、と鼻をすすると、
やだやだもっと遊びたい!
そう言って駄々をこねだした。
あたしも遊びたいし、ここにいたいよ。
でもやっぱりあたしの世界はあっち。
やっぱり帰らなくちゃいけない。
ディーヴァはそう言いたい思いをぐっとこらえ、他の3人と同じように苦笑いを浮かべた。
もしも言葉にしてしまえば、涙が止まらなくなるだろうから。
それでもせっかく久しぶりに口にした日本語。
忘れないうちに、逢夏の母国語で逢夏に思いを伝えておきたい。
「逢夏!」
「ん?なぁに、ディーヴァちゃん」
「『ありがとう、逢夏とネロと一緒に、たくさん、過ごしたこの数日、とても、楽しかった。
家族、と思ってるよ。次に会ったら、こんどはお姉ちゃん、て呼びたい』
伝わったかなあ、日本語で言ってみたんだけ……きゃ!」
ディーヴァの言葉はすべて言うことは叶わなかった。
逢夏が勢いよく抱きついてきたからだ。
「ありがとう…ありがとう、ディーヴァちゃん…
会えてよかった。私も家族だと思ってるよぉぉぉ!」
しまいにはお互い昨日と同じく泣き出してしまった。
ネロとダンテも、こんどは困った顔もせず、静かに涙ぐんでそれを見守るのだった。
ダンテもっと早く走ってー!」
「だああああっ!走ってるっつの!」
「ほんと、実際に見るとあの鬼って気ン持ち悪いのね」
「飛ばすから黙ってろ、逢夏。
舌噛むぞ!」
叫ぶディーヴァを抱えたダンテが前へ前へ走る。
同じくネロも、逢夏を抱えて走っていた。
イイ男な鬼はいなくなったが、もう一匹いるのをお忘れではないだろうか。
そう。
ただ今絶賛、鬼からの逃走中なのである。
その上ラストが近いのか、地上にさえ罠が多い。
そのどれもがネロ達半分悪魔にはどうってことないものだが、抱えられている逢夏やディーヴァにとっては危険なものがほとんど。
右に左にと、女性達の誘導のもと逃げ惑う。
ちなみに隠れる場所はもうひとつもなかった。
「お!おおぉ!この一直線を通ればもうすぐゴールみたいだぜ!」
「なにぃ!よし、ピッチをあげるぞ!」
ラストスパート。
風のように走るネロとダンテだったが…。
カチリ。
足元で聞き覚えのある音が響く。
「え゙…」
またなにか踏んだようだ。
走りながらキョロキョロする4人の頭上には大きな影が。
フッと見てみると、どこから飛んできたのだろうか、大きな丸い岩の塊がこちらに向かって落ちてきていた。
「「「「!?」」」」
ドスンと大きな音を立てて4人のいる通路に落ちたそれは、その勢いのままゴロゴロと転がってこちらへ高速回転!
「えぇー!?つ、つぶれちゃう!」
「うわあ、さらに早くにげろー!!」
「あはは、これぞイン●ィー●ョーンズ!たったたったーたったたー♪」
「逢夏、歌うな!
んん、待てよ…?」
鬼すらその岩の塊から必死に走っている状況だ。
これは逆に使えるかもしれない。
「ダンテ、ギリギリまで鬼も岩も引き付けるぞ!」
「なっ!…それでどうすんだよ!」
「いいから任せろ!」
「つぶれたら化けてでるからな!」
少しかわいそうな気もしないではないが、鬼は最終的に岩に巻き込まれてぺしゃんこになった。
そして最後の最後でネロは悪魔の力を解放し、3人を魔人化の腕で包み助けた。
悪魔の右腕、大活躍である。
一直線の先、最後のフロアには床にたくさんのパネルがあり、ゴールであろう扉の前には悪魔が化けた像が鎮座していた。
その像の言葉によれば、日本語でしりとりしていけ、とのこと。
一緒に移動していいが一人ずつ答えていかなくてはいけないとのこと。
また、助言程度ならしてかまわないらしい。
「逢夏はラクショーだな」
「まぁね♪母国語だし」
「あたしとネロもなんとかなりそう…かな?」
ディーヴァは母が日本人とイギリス人のハーフということで、幼少期に挨拶に困らない程度の日本語を教えられている。
まあ、問題はないだろう。
対してネロも逢夏と共に日本に足を運んでおり、逢夏自身からも色々聞いて知っている。
こちらもあまり問題はなさそうである。
「でも、ね…」
「ああ…言わなくてもわかる」
「そうだね~」
問題はこの男。
「オレか!?
オレだって日本の単語くらいわかるぞ」
「じゃあ試しに言ってみてよ」
「『サムラーイ』、『アリガトゴザイマス』、『ゲーイシャ』、『ハラキーリー』…こんなところだろ!」
「なんか不安だなあ…」
「ま、時間はいくらでもあるんだ、気長にやろうぜ」
なんどかダンテのターンに大変な思いをしながらも楽しくしりとりした4人。
最後のパネルに乗ると、そのままゴールだったようで場所はリビングルームに戻ったのだった。
***
『魔タせィ功…
もゥ、まスぅアとナィ!』
がっくりと頭を垂れる悪魔。
ものすごい落ち込み方をしていて、こっちまで落ち込みそうだ。
というかあとがないのはこちらも同じなのだから、そんな暗い気分にさせないでほしい。
「悪魔さん、あまり気落ちしないで」
「そうそう。
魔界の自宅に帰ったら女悪魔相手のギャルゲームが待ってるよ!」
それもどうかと思う。
悪魔はぐすん、と鼻をすすると、
やだやだもっと遊びたい!
そう言って駄々をこねだした。
あたしも遊びたいし、ここにいたいよ。
でもやっぱりあたしの世界はあっち。
やっぱり帰らなくちゃいけない。
ディーヴァはそう言いたい思いをぐっとこらえ、他の3人と同じように苦笑いを浮かべた。
もしも言葉にしてしまえば、涙が止まらなくなるだろうから。
それでもせっかく久しぶりに口にした日本語。
忘れないうちに、逢夏の母国語で逢夏に思いを伝えておきたい。
「逢夏!」
「ん?なぁに、ディーヴァちゃん」
「『ありがとう、逢夏とネロと一緒に、たくさん、過ごしたこの数日、とても、楽しかった。
家族、と思ってるよ。次に会ったら、こんどはお姉ちゃん、て呼びたい』
伝わったかなあ、日本語で言ってみたんだけ……きゃ!」
ディーヴァの言葉はすべて言うことは叶わなかった。
逢夏が勢いよく抱きついてきたからだ。
「ありがとう…ありがとう、ディーヴァちゃん…
会えてよかった。私も家族だと思ってるよぉぉぉ!」
しまいにはお互い昨日と同じく泣き出してしまった。
ネロとダンテも、こんどは困った顔もせず、静かに涙ぐんでそれを見守るのだった。