ダイススロー 20回目
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ヘイ!坊やに逢夏っ!
トリックオアトリート!」
ズバーン!
大きな物音とともにドアが開け放たれる。
4人が目を向けた先にいたのは、いつもの赤いコートに黒いマントを羽織っただけのこちらの世界の『ダンテ』。
その口許にはキラリと光る長い牙が見えているところをみるに、ヴァンパイアの仮装をしているのだろう。
「もうっ!ドアベルくらい鳴らしてよ~」
「ってかまた玄関の鍵壊しやがったなてめぇ!」
あの物音なら何度も聞き覚えがある。
ダンテがドアを壊しながら入ってきた時の音だからだ。
「思いっきり開けたらまた壊しちまったぜ。悪い悪い」
「これで何度目だ?
もう怒る気にもなんねぇよ。
…あとで修理代請求すっからな」
逢夏ではないが、てへぺろ!と茶目っ気たっぷりで言うダンテにがっくりしながらネロは拳を下ろす。
と、ここでようやく目を丸くして見ていただけだった2人が口を開いた。
「なあネロ、逢夏」
「その人ってもしかして…」
忘れてた。
ダンテとディーヴァにも説明しなくては。
「ああ、アルバムで見たろ?」
「私達の世界のダンテだよ、なんと三十路過ぎ!」
「ふふん、ナイスミドルだろ?」
「自分でいうなっつうの」
顎に生えた無精髭に手をやりながら、キザっぽく笑う。
ネロは苦笑しながら、今度はこの世界のダンテ…長いので髭と呼ぼう、に向き直った。
「で、おっさん、電話で説明したろ。
アンタの若い頃が来てるって」
「これが俺の若い頃…」
上から下まで眺めたのち、一言。
「俺ってこんなに貧相な体つきしてたか?」
「貧相っ!?どこがだよ!!」
「まあまあ」
「ダンテ落ち着いて」
「比べたらそうなっちまうのは仕方ないだろ、年齢的に」
ネロは最初見た時に自分もそう思ったとは言えなかった。
「そんで、こっちがそうなのか。
ふぅ~ん、この天使の嬢ちゃんが俺の恋人、ねぇ~」
まじまじじろじろ。
まるで視姦するかのようにディーヴァをじっくりと眺める。
「えっと…」
仮装の姿もあってか、恥ずかしそうに下を向いたディーヴァ。
髭は、そのか細い肩をだきよせ
「グーーッド!合格ッ!さすが俺だ」
と、笑顔になった。
「だろ?
…ていうか、オレ自身に嫉妬するって変な感じなんだが、アンタ、なれなれしいって!
さわんなっディーヴァが穢れる!」
「別に減るもんじゃなし、いいだろ?」
ペロッ。
そのあらわになっている首筋を舐める。
「ひぅっ!」
ダイスゲームでやった満員電車での出来事を思い出した。
ぞわりと肌が粟立つ。
「うん、美味い。
ついでに体力も魔力も回復するのか。
非常食にもなるたあ、サイコーだな」
「うわーっディーヴァが穢れた!
大丈夫かっ!?」
涙目になってしまったディーヴァを全力で奪い返すダンテ。
「…うん、なんとか大丈夫。
それより、非常食かあ…」
「天使なら非常食になりえるだろ?」
ちょっぴり悲しげに言うディーヴァに髭はウインクを返す。
その姿は一瞬で2人の視界から消えた。
「いいかげんにしとけおっさん!」
ネロのバスターでぶっ飛ばされたのだ。
床と激しくキスを交わすことになった髭が、震える声音で話す。
「ぐふっ!!
…今日もいいバスターだなネロ」
「非常食とか失礼だろ。
おっさんが悪かったな、大丈夫かディーヴァ?」
「う…うん、気にしてないし大丈夫…」
「このおっさん、超危ないやつだな!」
「未来のおまえだよ」
ズバリ、言い切るネロに、眉間にしわを寄せて抗議。
「…オレこんなに危ないやつじゃないぞ、なあ?」
「ダンテも十分危ない人だと思うけど」
「えっ」
その言葉を聞いて、ダンテは固まった。
つんつん。
ずっとその指で倒れた髭をつついて遊んでいたらしい逢夏が、3人のやりとりを見て髭に話しかける。
「ダンテ、頼むから年長者らしい言動してね?
お菓子はあげるから。だって元はお菓子もらいに来ただけなんでしょ?」
ゆっくり起き上がった髭が、ポリポリと頭をかいてぶちぶちとこぼす。
「そうだが…イタズラくらいさせろよな、逢夏。
せっかく若い俺が来てるんだし嬢ちゃんにちょっかいかけたって「うん?」…悪かった」
目が笑ってない逢夏に、髭は素直に謝る。
ダンテは髭を睨み付けてはディーヴァを抱き締めていた。
ディーヴァはただひたすらノーブラがばれないようしていただけだが。
「おっさんのオレ、ディーヴァに近づくな!
寄るな触るな見るんじゃねえ!ぶっとばすぞ!
………ネロが!」
「俺かよ!」
自分でやるんじゃないのか。
ネロがつっこむも、ダンテはなおも噛みつきそうな勢いで髭をにらんでいた。
がるるるる…。
唸る姿はまさに狼男である。
「おお、こわごわ。
ディーヴァだっけか、ちゃんとその狼男のリードは持っといてくれよ?…この先何があっても、な」
「えと…はい」
いろんな意味が含まれていそうなその言葉に、ディーヴァは力強く頷くのだった。
そろそろ帰ろうと腰をあげる髭を逢夏が呼び止めた。
「あ、おっさんダンテ。略しておっさんテ」
「略すな!
ってか逢夏までおっさん言うなって。
俺悲しくなっちゃうぞ☆」
「………。
えっとね、私達を写真にとって欲しいんだ~」
大の大人が語尾に星をつけても気持ち悪いだけ。
スルーした逢夏に寂しく感じながらも髭は返した。
「めんどくさい」
「お菓子、たくさんあげたよね?」
「…わかった」
4人並んだ集合写真を何枚か撮り、時には悪魔を交えたり、髭も入り込んだりとたくさんの写真を撮る。
「あ。あとでトリッシュがくるかもしれないぞ。
じゃあな、アディオスキッズ!」
そう言い残し、髭は去っていった。
捨て台詞がネロとの邂逅を果たした時と同じで癪にさわる。
「ったく。おっさん何しに来たんだか」
「お菓子もらいにでしょ」
「い~や、きっとあいつディーヴァに会いに来たんだぜ。
んで、気に入ったから連れ去りに来たに決まってる!
くっそ~あのやろう!」
「考えすぎだよダンテ。そんなわけないでしょ?」
どうどう、ダンテをいさめながらディーヴァは笑った。
ダンテもあんな素敵なオジサマになるのね。
言動は今とあまり変わらないけど、でもかっこよかった。
トリックオアトリート!」
ズバーン!
大きな物音とともにドアが開け放たれる。
4人が目を向けた先にいたのは、いつもの赤いコートに黒いマントを羽織っただけのこちらの世界の『ダンテ』。
その口許にはキラリと光る長い牙が見えているところをみるに、ヴァンパイアの仮装をしているのだろう。
「もうっ!ドアベルくらい鳴らしてよ~」
「ってかまた玄関の鍵壊しやがったなてめぇ!」
あの物音なら何度も聞き覚えがある。
ダンテがドアを壊しながら入ってきた時の音だからだ。
「思いっきり開けたらまた壊しちまったぜ。悪い悪い」
「これで何度目だ?
もう怒る気にもなんねぇよ。
…あとで修理代請求すっからな」
逢夏ではないが、てへぺろ!と茶目っ気たっぷりで言うダンテにがっくりしながらネロは拳を下ろす。
と、ここでようやく目を丸くして見ていただけだった2人が口を開いた。
「なあネロ、逢夏」
「その人ってもしかして…」
忘れてた。
ダンテとディーヴァにも説明しなくては。
「ああ、アルバムで見たろ?」
「私達の世界のダンテだよ、なんと三十路過ぎ!」
「ふふん、ナイスミドルだろ?」
「自分でいうなっつうの」
顎に生えた無精髭に手をやりながら、キザっぽく笑う。
ネロは苦笑しながら、今度はこの世界のダンテ…長いので髭と呼ぼう、に向き直った。
「で、おっさん、電話で説明したろ。
アンタの若い頃が来てるって」
「これが俺の若い頃…」
上から下まで眺めたのち、一言。
「俺ってこんなに貧相な体つきしてたか?」
「貧相っ!?どこがだよ!!」
「まあまあ」
「ダンテ落ち着いて」
「比べたらそうなっちまうのは仕方ないだろ、年齢的に」
ネロは最初見た時に自分もそう思ったとは言えなかった。
「そんで、こっちがそうなのか。
ふぅ~ん、この天使の嬢ちゃんが俺の恋人、ねぇ~」
まじまじじろじろ。
まるで視姦するかのようにディーヴァをじっくりと眺める。
「えっと…」
仮装の姿もあってか、恥ずかしそうに下を向いたディーヴァ。
髭は、そのか細い肩をだきよせ
「グーーッド!合格ッ!さすが俺だ」
と、笑顔になった。
「だろ?
…ていうか、オレ自身に嫉妬するって変な感じなんだが、アンタ、なれなれしいって!
さわんなっディーヴァが穢れる!」
「別に減るもんじゃなし、いいだろ?」
ペロッ。
そのあらわになっている首筋を舐める。
「ひぅっ!」
ダイスゲームでやった満員電車での出来事を思い出した。
ぞわりと肌が粟立つ。
「うん、美味い。
ついでに体力も魔力も回復するのか。
非常食にもなるたあ、サイコーだな」
「うわーっディーヴァが穢れた!
大丈夫かっ!?」
涙目になってしまったディーヴァを全力で奪い返すダンテ。
「…うん、なんとか大丈夫。
それより、非常食かあ…」
「天使なら非常食になりえるだろ?」
ちょっぴり悲しげに言うディーヴァに髭はウインクを返す。
その姿は一瞬で2人の視界から消えた。
「いいかげんにしとけおっさん!」
ネロのバスターでぶっ飛ばされたのだ。
床と激しくキスを交わすことになった髭が、震える声音で話す。
「ぐふっ!!
…今日もいいバスターだなネロ」
「非常食とか失礼だろ。
おっさんが悪かったな、大丈夫かディーヴァ?」
「う…うん、気にしてないし大丈夫…」
「このおっさん、超危ないやつだな!」
「未来のおまえだよ」
ズバリ、言い切るネロに、眉間にしわを寄せて抗議。
「…オレこんなに危ないやつじゃないぞ、なあ?」
「ダンテも十分危ない人だと思うけど」
「えっ」
その言葉を聞いて、ダンテは固まった。
つんつん。
ずっとその指で倒れた髭をつついて遊んでいたらしい逢夏が、3人のやりとりを見て髭に話しかける。
「ダンテ、頼むから年長者らしい言動してね?
お菓子はあげるから。だって元はお菓子もらいに来ただけなんでしょ?」
ゆっくり起き上がった髭が、ポリポリと頭をかいてぶちぶちとこぼす。
「そうだが…イタズラくらいさせろよな、逢夏。
せっかく若い俺が来てるんだし嬢ちゃんにちょっかいかけたって「うん?」…悪かった」
目が笑ってない逢夏に、髭は素直に謝る。
ダンテは髭を睨み付けてはディーヴァを抱き締めていた。
ディーヴァはただひたすらノーブラがばれないようしていただけだが。
「おっさんのオレ、ディーヴァに近づくな!
寄るな触るな見るんじゃねえ!ぶっとばすぞ!
………ネロが!」
「俺かよ!」
自分でやるんじゃないのか。
ネロがつっこむも、ダンテはなおも噛みつきそうな勢いで髭をにらんでいた。
がるるるる…。
唸る姿はまさに狼男である。
「おお、こわごわ。
ディーヴァだっけか、ちゃんとその狼男のリードは持っといてくれよ?…この先何があっても、な」
「えと…はい」
いろんな意味が含まれていそうなその言葉に、ディーヴァは力強く頷くのだった。
そろそろ帰ろうと腰をあげる髭を逢夏が呼び止めた。
「あ、おっさんダンテ。略しておっさんテ」
「略すな!
ってか逢夏までおっさん言うなって。
俺悲しくなっちゃうぞ☆」
「………。
えっとね、私達を写真にとって欲しいんだ~」
大の大人が語尾に星をつけても気持ち悪いだけ。
スルーした逢夏に寂しく感じながらも髭は返した。
「めんどくさい」
「お菓子、たくさんあげたよね?」
「…わかった」
4人並んだ集合写真を何枚か撮り、時には悪魔を交えたり、髭も入り込んだりとたくさんの写真を撮る。
「あ。あとでトリッシュがくるかもしれないぞ。
じゃあな、アディオスキッズ!」
そう言い残し、髭は去っていった。
捨て台詞がネロとの邂逅を果たした時と同じで癪にさわる。
「ったく。おっさん何しに来たんだか」
「お菓子もらいにでしょ」
「い~や、きっとあいつディーヴァに会いに来たんだぜ。
んで、気に入ったから連れ去りに来たに決まってる!
くっそ~あのやろう!」
「考えすぎだよダンテ。そんなわけないでしょ?」
どうどう、ダンテをいさめながらディーヴァは笑った。
ダンテもあんな素敵なオジサマになるのね。
言動は今とあまり変わらないけど、でもかっこよかった。