ダイススロー 18回目
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こんなの簡単だ、逢夏には命令をしておけばいいのだから。
ネロが口角を上げてそう思ったところで。
『アぁ、ニぇのムェいレ~、ちゅヵぇナィ!』
悪魔の恒例の言い忘れである。
贄への命令は使えないとのこと、ネロは口中でため息を呟いた。
だよな…そんなことだろうとは思ったぜ。
ふと、周りの者達の様子を確認してみる。
固く口を結んだまま腕を組み、イライラしているダンテに。
口を手で押さえてじっとしているディーヴァ。
そしてにこにことしたまま黙っている逢夏である。
と、何か思い付いたのか逢夏は立ち上がり、何やら手に抱えて戻ってきた。
“筆談、しよ?”
逢夏の手の中に合ったもの…それは紙と筆記用具だった。
少々面倒くさいが、4人は筆談をし始めた。
ミミズの歩いた跡のような悪魔の書く文字よりはマシだが、思いきり書きなぐったダンテの文字はなかなか解読出来ぬものだった。
文字にはその人の性格が出ると言うが、確かに的を射ている。
“ダンテ…悪魔さんほどじゃないけど文字下手だね”
“うっせ!”
“プブプ、確かに!
それに比べるとディーヴァちゃんは丸っこくてまさに女の子!!…って感じの文字だね、かわいいなぁ”
反対にディーヴァの文字は少女が書くような丸みを帯びた小さな文字。
年相応で、なんだかほっこりする。
だが、言われた本人は不服なのか、逢夏の文字を目で追うと静かに落ち込んだ。
逢夏の文字は教科書でも覗いているかのような、美しい文字だったのだ。
“あたしは逢夏の綺麗で丁寧な文字が羨ましい…
お兄ちゃんの字に似てる気がする”
“ディーヴァちゃんのお兄さん?
ずいぶん女性的な字をかくんだね”
“ショドー、っていうんだっけ?
お兄ちゃんは習ってたから”
“そっか…”
ディーヴァの兄や家族のことについては最初の夜に一通り聞いたため逢夏は知っていた。
…その家族に何があったのかも。
懐かしそうに、でも少し寂しそうに逢夏の文字を見るディーヴァの頭をゆっくりと撫でる逢夏だった。
“ありがとう逢夏。
そういえば字の汚いダンテとは違って“汚いは余計だ!”はいはい、割り込み禁止!
ネロの文字も意外に綺麗な字だよね”
逢夏ほど綺麗な字ではないが、真っすぐで少し太めの丁寧な文字がそこには並んでいた。
話をふられたネロが自分の文字を今一度見てみる。
なんのことはないいつもと変わらぬ自分の字があるだけで、そこまで上手いとは思えなかった。
“そうか?
別に普通だと思うが。
単にダンテと比べてるからそう見えるだけだと思うぜ?”
“いやいやいや、私も、周りの人から比べるとネロは綺麗な字を書いてるって思うよ。
多分キリエさんのおかげじゃないかな?
ネロは幼少期にキリエさんに文字の書き方を教わったらしくて”
“なるほど、教える人がいいと文字も考えもしっかりするもんねー
ダンテと違って”
“うん、ダンテと違って、ね!”
“お前ら実はオレのこと嫌いなんだろ”
こちらも最初の夜に自分の生い立ちも含め、ネロのことをたくさん話たため知っていた。
だからこそディーヴァはキリエについて何も疑問に思わないのだ。
そこは女同士、秘密も内緒もなにもない。
“お前らお互いのこと色々知ってるんだな…”
“まったく、妬けちまうぜ”
“最初の夜に色々とねー?”
“ねー?”
色々。
首を傾げてクエスチョンマークを頭に掲げるネロとダンテ。
それを見て、表情だけで笑いあう逢夏とディーヴァだった。
ネロが口角を上げてそう思ったところで。
『アぁ、ニぇのムェいレ~、ちゅヵぇナィ!』
悪魔の恒例の言い忘れである。
贄への命令は使えないとのこと、ネロは口中でため息を呟いた。
だよな…そんなことだろうとは思ったぜ。
ふと、周りの者達の様子を確認してみる。
固く口を結んだまま腕を組み、イライラしているダンテに。
口を手で押さえてじっとしているディーヴァ。
そしてにこにことしたまま黙っている逢夏である。
と、何か思い付いたのか逢夏は立ち上がり、何やら手に抱えて戻ってきた。
“筆談、しよ?”
逢夏の手の中に合ったもの…それは紙と筆記用具だった。
少々面倒くさいが、4人は筆談をし始めた。
ミミズの歩いた跡のような悪魔の書く文字よりはマシだが、思いきり書きなぐったダンテの文字はなかなか解読出来ぬものだった。
文字にはその人の性格が出ると言うが、確かに的を射ている。
“ダンテ…悪魔さんほどじゃないけど文字下手だね”
“うっせ!”
“プブプ、確かに!
それに比べるとディーヴァちゃんは丸っこくてまさに女の子!!…って感じの文字だね、かわいいなぁ”
反対にディーヴァの文字は少女が書くような丸みを帯びた小さな文字。
年相応で、なんだかほっこりする。
だが、言われた本人は不服なのか、逢夏の文字を目で追うと静かに落ち込んだ。
逢夏の文字は教科書でも覗いているかのような、美しい文字だったのだ。
“あたしは逢夏の綺麗で丁寧な文字が羨ましい…
お兄ちゃんの字に似てる気がする”
“ディーヴァちゃんのお兄さん?
ずいぶん女性的な字をかくんだね”
“ショドー、っていうんだっけ?
お兄ちゃんは習ってたから”
“そっか…”
ディーヴァの兄や家族のことについては最初の夜に一通り聞いたため逢夏は知っていた。
…その家族に何があったのかも。
懐かしそうに、でも少し寂しそうに逢夏の文字を見るディーヴァの頭をゆっくりと撫でる逢夏だった。
“ありがとう逢夏。
そういえば字の汚いダンテとは違って“汚いは余計だ!”はいはい、割り込み禁止!
ネロの文字も意外に綺麗な字だよね”
逢夏ほど綺麗な字ではないが、真っすぐで少し太めの丁寧な文字がそこには並んでいた。
話をふられたネロが自分の文字を今一度見てみる。
なんのことはないいつもと変わらぬ自分の字があるだけで、そこまで上手いとは思えなかった。
“そうか?
別に普通だと思うが。
単にダンテと比べてるからそう見えるだけだと思うぜ?”
“いやいやいや、私も、周りの人から比べるとネロは綺麗な字を書いてるって思うよ。
多分キリエさんのおかげじゃないかな?
ネロは幼少期にキリエさんに文字の書き方を教わったらしくて”
“なるほど、教える人がいいと文字も考えもしっかりするもんねー
ダンテと違って”
“うん、ダンテと違って、ね!”
“お前ら実はオレのこと嫌いなんだろ”
こちらも最初の夜に自分の生い立ちも含め、ネロのことをたくさん話たため知っていた。
だからこそディーヴァはキリエについて何も疑問に思わないのだ。
そこは女同士、秘密も内緒もなにもない。
“お前らお互いのこと色々知ってるんだな…”
“まったく、妬けちまうぜ”
“最初の夜に色々とねー?”
“ねー?”
色々。
首を傾げてクエスチョンマークを頭に掲げるネロとダンテ。
それを見て、表情だけで笑いあう逢夏とディーヴァだった。