ダイススロー 18回目
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逢夏とネロはまるで葬式のような空気を垂れ流したまま朝食をとった。
美味しいはずなのにあの時は味が感じなかった、逢夏は後にそう語る。
そして2人はダンテとディーヴァから、朝食後リビングのソファーに座るよう言われた。
暗い雰囲気をまとわせたままのネロと逢夏。
その拳一個分あいたスペースが今は寂しく感じる。
「ネロと逢夏がどんな恐怖を体験して、どんな気持ちになったか。
そんなのあたし達にはわからない」
「けど、贄と主の関係…
あとお前らの性格を考えると、このまま一緒にいると不幸にするだの、傷つけるだの…そんなこと考えたんだろ?」
静かに言い切るダンテとディーヴァに、図星だったようで目を見開く2人。
「…ッ!?」
「なんで…わかったの」
「そりゃあ、ねえ?」
「んなの見りゃわかるっての」
ディーヴァだけなら露知らず、ダンテにまでバレていたらしい。
変なところばかり鋭い…やはりこのダンテもおっさんと同じ、『ダンテ』なのだ。
「あたしは贄じゃないし、ダンテも主じゃない」
「けど、悪魔とその獲物っていう括りだけならオレ達も似てる。
だからちっとは理解してやれるつもりだ」
「ダンテお前…」
「ディーヴァちゃん、ありがと」
まさかこちらが励まされるとは。
『殺し合え』のマスが終わった時とは反対ではないか。
と、おもむろにポケットから何やら取り出すディーヴァ。
「でね。
これ、気休めだけど…」
ネロと逢夏に一つずつ手渡されたそれは、日本人なら誰もがよく知る物。
神社なんかでよく見かける、お守りだった。
ネロも逢夏と共に日本へわたった際に目にしているので知っている、それを持つ意味も。
ディーヴァの手作りであろう、それは白地に青い薔薇が小さく刺繍されており、中からは淡い光が漏れていた。
この光には見覚えがある、ディーヴァの天使の羽だ。
そして裏返すと、端の方に日本語で『逢夏』『ネロ』と刺繍されているのだった。
「逢夏とネロが変わらないまま平穏無事に過ごせますように…って。
2人に天使の加護と祝福がありますよーに!」
「お前ら、ディーヴァの貴重な羽が入ってんだかんな!
大事にしねーと許さねえ」
お守りを見つめる逢夏とネロに、神に祈りを捧げる天使の声が届く。
神などあまり信じてはいない2人だが、目の前の天使が祈るのならきっと願いは届く、そう素直に思えた。
加えてその天使を心から愛し、信用する半魔…ダンテからの強い言葉。
「っああ!!大事にするよ」
「うん…ありがとっ」
大事そうに手のひらに包む逢夏とネロに、にこっと笑ってディーヴァは追加する。
「これはあたし達が出会った証でもあるの。
2人は髪止めとリングをあたし達にくれたでしょ?
なにか物でお返ししたいなーって思って」
「うれしいっディーヴァちゃんっ!」
じ~ん。
逢夏は感極まってディーヴァを抱き締めるのだった。
その瞳には透明な滴が。
気づいたディーヴァはその背をぽんぽんと叩くと、逢夏の体をネロに向かせた。
「さあ、もう大丈夫でしょ。
逢夏…ネロ、2人共仲直りして?」
「仲直りとは違うような…」
「そこ、つっこまない!」
小さく突っ込みを入れたダンテにズビシと渇をいれると一歩下がり逢夏とネロを見守る。
「ネロ、私といてつらいこといっぱいあると思う。
でも、一緒にいてくれますか?」
「当たり前だ。お前は俺の、たった一人の大事な奥さんだ。
逢夏こそ、俺が欲しいまま逢夏の全てを奪う危険があるのに…いいのか?」
「私、ネロ以外の人となんて一緒にいたくない。
ネロは大事な大事な私の旦那様だよ」
見つめ合う逢夏とネロは、ダンテとディーヴァすらいないかのように2人の世界を築き上げ、強く強く抱き締め合うのだった。
「よかったな」
「うん」
感動の涙を一滴こぼしたディーヴァによりそい、ダンテもほっと胸を撫で下ろした。
と、まあ。
そんなカップル達を見つめる悪魔のコマはつまらなそうにダイスをいじっていた。
まったくもっておもしろくない!
4人は命令をこなすごとにどんどん絆、愛、結束がより強固になっていくのだ。
リア充はどこまで行ってもリア充、もう諦めよう。
そう考えた悪魔は、今度はトコトン私利私欲のためその力を使うことにした。
悪魔が悪魔たる由縁、悪魔がもっとも喜びとする欲求…人を慌てふためかせ、困らせて楽しむこと…それを満たすために。
美味しいはずなのにあの時は味が感じなかった、逢夏は後にそう語る。
そして2人はダンテとディーヴァから、朝食後リビングのソファーに座るよう言われた。
暗い雰囲気をまとわせたままのネロと逢夏。
その拳一個分あいたスペースが今は寂しく感じる。
「ネロと逢夏がどんな恐怖を体験して、どんな気持ちになったか。
そんなのあたし達にはわからない」
「けど、贄と主の関係…
あとお前らの性格を考えると、このまま一緒にいると不幸にするだの、傷つけるだの…そんなこと考えたんだろ?」
静かに言い切るダンテとディーヴァに、図星だったようで目を見開く2人。
「…ッ!?」
「なんで…わかったの」
「そりゃあ、ねえ?」
「んなの見りゃわかるっての」
ディーヴァだけなら露知らず、ダンテにまでバレていたらしい。
変なところばかり鋭い…やはりこのダンテもおっさんと同じ、『ダンテ』なのだ。
「あたしは贄じゃないし、ダンテも主じゃない」
「けど、悪魔とその獲物っていう括りだけならオレ達も似てる。
だからちっとは理解してやれるつもりだ」
「ダンテお前…」
「ディーヴァちゃん、ありがと」
まさかこちらが励まされるとは。
『殺し合え』のマスが終わった時とは反対ではないか。
と、おもむろにポケットから何やら取り出すディーヴァ。
「でね。
これ、気休めだけど…」
ネロと逢夏に一つずつ手渡されたそれは、日本人なら誰もがよく知る物。
神社なんかでよく見かける、お守りだった。
ネロも逢夏と共に日本へわたった際に目にしているので知っている、それを持つ意味も。
ディーヴァの手作りであろう、それは白地に青い薔薇が小さく刺繍されており、中からは淡い光が漏れていた。
この光には見覚えがある、ディーヴァの天使の羽だ。
そして裏返すと、端の方に日本語で『逢夏』『ネロ』と刺繍されているのだった。
「逢夏とネロが変わらないまま平穏無事に過ごせますように…って。
2人に天使の加護と祝福がありますよーに!」
「お前ら、ディーヴァの貴重な羽が入ってんだかんな!
大事にしねーと許さねえ」
お守りを見つめる逢夏とネロに、神に祈りを捧げる天使の声が届く。
神などあまり信じてはいない2人だが、目の前の天使が祈るのならきっと願いは届く、そう素直に思えた。
加えてその天使を心から愛し、信用する半魔…ダンテからの強い言葉。
「っああ!!大事にするよ」
「うん…ありがとっ」
大事そうに手のひらに包む逢夏とネロに、にこっと笑ってディーヴァは追加する。
「これはあたし達が出会った証でもあるの。
2人は髪止めとリングをあたし達にくれたでしょ?
なにか物でお返ししたいなーって思って」
「うれしいっディーヴァちゃんっ!」
じ~ん。
逢夏は感極まってディーヴァを抱き締めるのだった。
その瞳には透明な滴が。
気づいたディーヴァはその背をぽんぽんと叩くと、逢夏の体をネロに向かせた。
「さあ、もう大丈夫でしょ。
逢夏…ネロ、2人共仲直りして?」
「仲直りとは違うような…」
「そこ、つっこまない!」
小さく突っ込みを入れたダンテにズビシと渇をいれると一歩下がり逢夏とネロを見守る。
「ネロ、私といてつらいこといっぱいあると思う。
でも、一緒にいてくれますか?」
「当たり前だ。お前は俺の、たった一人の大事な奥さんだ。
逢夏こそ、俺が欲しいまま逢夏の全てを奪う危険があるのに…いいのか?」
「私、ネロ以外の人となんて一緒にいたくない。
ネロは大事な大事な私の旦那様だよ」
見つめ合う逢夏とネロは、ダンテとディーヴァすらいないかのように2人の世界を築き上げ、強く強く抱き締め合うのだった。
「よかったな」
「うん」
感動の涙を一滴こぼしたディーヴァによりそい、ダンテもほっと胸を撫で下ろした。
と、まあ。
そんなカップル達を見つめる悪魔のコマはつまらなそうにダイスをいじっていた。
まったくもっておもしろくない!
4人は命令をこなすごとにどんどん絆、愛、結束がより強固になっていくのだ。
リア充はどこまで行ってもリア充、もう諦めよう。
そう考えた悪魔は、今度はトコトン私利私欲のためその力を使うことにした。
悪魔が悪魔たる由縁、悪魔がもっとも喜びとする欲求…人を慌てふためかせ、困らせて楽しむこと…それを満たすために。