ダイススロー 15回目
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部屋の真ん中、テーブルのすぐ傍で座ったままの逢夏はがっくりと項垂れ、ピクリとも動かない。
そしておかしなことに這い寄る悪魔たちは何故か、小さいその体の周囲10cmから近寄ろうとしない。
「逢夏?…おいっ!」
ネロが抱き上げるとぐったりと体を預ける逢夏。
固く瞑られた瞼。
やはりというか、どうやら手に持っていた箱から悪魔が溢れたことで嫌悪感情がキャパシティオーバーを起こしたらしく、気絶していた。
とにかくとネロはそのままキッチンへ。
気絶した逢夏をダイニングの長椅子に横たわらせた。
「ねぇ、逢夏…大丈夫?」
「あぁ…、たぶん。」
ただの気絶なのだろうから大丈夫。
しかし不安そうな表情を隠せないネロにダンテが疑問を問いかけた。
「逢夏は恐怖は感じなかったんじゃねぇのかよ?」
「感じねぇよ。
でも、前に言っただろ。
他の感情でその埋め合わせしてるって。
でも、元々代わりの無い感情を他の感情で完璧に発散させるなんて無理だ。
…だから発散しきれなかった感情で頭ん中がいっぱい、処理しきれなくなってパンクしたんだろ。」
額を撫でるネロは口早にそれだけ説明すると心配気な雰囲気を隠さずに逢夏の頬を撫でる。
「ネロ…。
大丈夫だよ、逢夏なら…。」
そんな痛々しいネロに必死の励ましの声をかけるディーヴァ。
何故か満ちる悲壮的な空気。
…と思いきや。
「……悪い、ネロ。
3行でまとめてくれ。」
「ダンテ!?」
「…はぁ~。
そうだよな、お前…そういう奴だよな。」
自分から聞いておいて、話が長くなりそうになると聞く事を止めてしまうのがこの男の悪い癖。
驚くディーヴァと頭痛を感じたように額をおさえるネロ。
しかし几帳面なネロの事である。
「"恐怖"をあいつらを"嫌悪"することで発散しようとした。
けど"嫌悪"は"恐怖"の代わりに成れない。
"恐怖"を処理しきれなくなって気絶。
おーけー?」
「…なんとなく把握。」
「ここまで説明させておいてなんとなくなんだね。
…ごめんね、ネロ。ダンテは私が何とかするからっ!」
「そーしてやってくれ。
ここまで残念なオツムとは思わなかったぜ。」
「なんだと!?」
「はいはい!ストップ!」
ネロとダンテの間に割って入ったディーヴァは今にもかみ付かんとするダンテを冷静にさせた。
いま重要なのは命令を達成する事だ、と。
「でも、あのゴ…じゃなかった。
黒い悪魔はダンテの一撃でも死ななかった、よね?」
「だな。結構本気で叩いたんだぜ?」
「普通の駆除方法じゃダメ…ってことか?」
いうなり、ネロはキッチンから使い捨てのプラスチックのフォークを取り出し…それを悪魔目掛けて素早く投げる。
たんっ!とダーツが的に当たるかのような小気味いい音がしたかと思うとそれは悪魔のど真ん中へと命中。
フォークは柔らか黒光りボディに深々と突き刺さった。
が…
「ひっ!う…うごめいてるよぉ!!」
「…ダメか。結構いいとこに刺さったように見えたんだけどな。」
「これじゃ金属のフォークなんて使うだけ無駄だな。
ダンテ、銃だけは撃つなよ。
周りの住人に気付かれる。」
「分かってるって。」
フォークに貫通されても尚、元気に動き回る悪魔。
どう倒したものやら…と3人が頭を抱えている時だった。
ディーヴァの視界の隅に赤いものが映りこむ。
「?
…逢夏、ちょっとこれ…もらうね?」
その赤いものとは、逢夏の手にしっかりと握りこまれていた封筒。
そう言えば、命令を読む前に悪魔から渡されていなかっただろうか?
ディーヴァは握られてくしゃくしゃになってしまったそれを丁寧に広げる。
通常であれば宛先が書いてある面を見てみると、何とそこには!
「え…っと……
る、ぅ、ると、く、じ…ょ、ほ、う、ほぅ?
!?。ルールと駆除方法って書いてある!!」
「「なに!?」」
汚く、しかも意地悪な事に日本語で確かにそこに
~~~~~~~~~~~~~~~~
るゥるトゥクじョほウ法
~~~~~~~~~~~~~~~~
と書かれていたのだった。
もちろんディーヴァは即座に封筒を開ける。
しかし中に入っていた白い便箋には、またもやぐにゃぐにゃミミズが這い回った様な文字で書かれた日本語が。
多少日本語の読めるディーヴァだが、如何にと言えどこれは難関すぎる。
時間を大量に貰えるのであれば翻訳も可能。
しかし命令は『制限時間内に駆逐』と言っていた。
と、なると…。
「仕方ない…、命令で起こすか。」
ネロが横たわったままの逢夏に向き直る。
「出来るの?」
「出来るけど、無理やり起こすから…逢夏に精神的に負担がかかる、…かも。」
「つっても仕方ねぇだろ。
…オレ達じゃどうしようもないしな。」
「でも…、だとしても…。」
ダンテの言葉に重々しく頷いたネロは『こうすべきなんだ』と言うように渋るディーヴァに苦笑して見せた。
そして
「逢夏、"目を覚ま"…」
言いかけた時だった。
『ラめエぇぇエ!!』
ぴゅ~ん!
と音を立て、悪魔がネロの元へとやってきた。
そしておかしなことに這い寄る悪魔たちは何故か、小さいその体の周囲10cmから近寄ろうとしない。
「逢夏?…おいっ!」
ネロが抱き上げるとぐったりと体を預ける逢夏。
固く瞑られた瞼。
やはりというか、どうやら手に持っていた箱から悪魔が溢れたことで嫌悪感情がキャパシティオーバーを起こしたらしく、気絶していた。
とにかくとネロはそのままキッチンへ。
気絶した逢夏をダイニングの長椅子に横たわらせた。
「ねぇ、逢夏…大丈夫?」
「あぁ…、たぶん。」
ただの気絶なのだろうから大丈夫。
しかし不安そうな表情を隠せないネロにダンテが疑問を問いかけた。
「逢夏は恐怖は感じなかったんじゃねぇのかよ?」
「感じねぇよ。
でも、前に言っただろ。
他の感情でその埋め合わせしてるって。
でも、元々代わりの無い感情を他の感情で完璧に発散させるなんて無理だ。
…だから発散しきれなかった感情で頭ん中がいっぱい、処理しきれなくなってパンクしたんだろ。」
額を撫でるネロは口早にそれだけ説明すると心配気な雰囲気を隠さずに逢夏の頬を撫でる。
「ネロ…。
大丈夫だよ、逢夏なら…。」
そんな痛々しいネロに必死の励ましの声をかけるディーヴァ。
何故か満ちる悲壮的な空気。
…と思いきや。
「……悪い、ネロ。
3行でまとめてくれ。」
「ダンテ!?」
「…はぁ~。
そうだよな、お前…そういう奴だよな。」
自分から聞いておいて、話が長くなりそうになると聞く事を止めてしまうのがこの男の悪い癖。
驚くディーヴァと頭痛を感じたように額をおさえるネロ。
しかし几帳面なネロの事である。
「"恐怖"をあいつらを"嫌悪"することで発散しようとした。
けど"嫌悪"は"恐怖"の代わりに成れない。
"恐怖"を処理しきれなくなって気絶。
おーけー?」
「…なんとなく把握。」
「ここまで説明させておいてなんとなくなんだね。
…ごめんね、ネロ。ダンテは私が何とかするからっ!」
「そーしてやってくれ。
ここまで残念なオツムとは思わなかったぜ。」
「なんだと!?」
「はいはい!ストップ!」
ネロとダンテの間に割って入ったディーヴァは今にもかみ付かんとするダンテを冷静にさせた。
いま重要なのは命令を達成する事だ、と。
「でも、あのゴ…じゃなかった。
黒い悪魔はダンテの一撃でも死ななかった、よね?」
「だな。結構本気で叩いたんだぜ?」
「普通の駆除方法じゃダメ…ってことか?」
いうなり、ネロはキッチンから使い捨てのプラスチックのフォークを取り出し…それを悪魔目掛けて素早く投げる。
たんっ!とダーツが的に当たるかのような小気味いい音がしたかと思うとそれは悪魔のど真ん中へと命中。
フォークは柔らか黒光りボディに深々と突き刺さった。
が…
「ひっ!う…うごめいてるよぉ!!」
「…ダメか。結構いいとこに刺さったように見えたんだけどな。」
「これじゃ金属のフォークなんて使うだけ無駄だな。
ダンテ、銃だけは撃つなよ。
周りの住人に気付かれる。」
「分かってるって。」
フォークに貫通されても尚、元気に動き回る悪魔。
どう倒したものやら…と3人が頭を抱えている時だった。
ディーヴァの視界の隅に赤いものが映りこむ。
「?
…逢夏、ちょっとこれ…もらうね?」
その赤いものとは、逢夏の手にしっかりと握りこまれていた封筒。
そう言えば、命令を読む前に悪魔から渡されていなかっただろうか?
ディーヴァは握られてくしゃくしゃになってしまったそれを丁寧に広げる。
通常であれば宛先が書いてある面を見てみると、何とそこには!
「え…っと……
る、ぅ、ると、く、じ…ょ、ほ、う、ほぅ?
!?。ルールと駆除方法って書いてある!!」
「「なに!?」」
汚く、しかも意地悪な事に日本語で確かにそこに
~~~~~~~~~~~~~~~~
るゥるトゥクじョほウ法
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と書かれていたのだった。
もちろんディーヴァは即座に封筒を開ける。
しかし中に入っていた白い便箋には、またもやぐにゃぐにゃミミズが這い回った様な文字で書かれた日本語が。
多少日本語の読めるディーヴァだが、如何にと言えどこれは難関すぎる。
時間を大量に貰えるのであれば翻訳も可能。
しかし命令は『制限時間内に駆逐』と言っていた。
と、なると…。
「仕方ない…、命令で起こすか。」
ネロが横たわったままの逢夏に向き直る。
「出来るの?」
「出来るけど、無理やり起こすから…逢夏に精神的に負担がかかる、…かも。」
「つっても仕方ねぇだろ。
…オレ達じゃどうしようもないしな。」
「でも…、だとしても…。」
ダンテの言葉に重々しく頷いたネロは『こうすべきなんだ』と言うように渋るディーヴァに苦笑して見せた。
そして
「逢夏、"目を覚ま"…」
言いかけた時だった。
『ラめエぇぇエ!!』
ぴゅ~ん!
と音を立て、悪魔がネロの元へとやってきた。