ダイススロー 15回目
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ティータイムを終え、また片づけも終えて4人はボードゲームの上でフヨフヨ漂う悪魔を揃い見た。
そして逢夏の手にはダイス。
ぎゅっと握った手をゆっくりと開き、スローというよりも落とすかのようにダイスをボードの上で転がした。
ダイスはゆっくりと転がり、やがてボードの端で止まる。
その目は、…『2』。
悪魔はコマに姿を変えると一気に2マス先へと跳躍。
それからいつものように、ペッとくしゃくしゃの羊皮紙を吐きだす。
と思いきや
…一瞬、間をおいて悪魔は無邪気な笑みを浮かべる。
嘲る様な、陥れるようとする様な、そんな含みのある笑いではなく、無邪気そのものの笑み。
もちろん皆、その笑みに怪訝な表情を浮かべた。
が…
『にェ!』
「なぁに?」
悪魔は気にせずいつもよりも少し優し目のトーンで何故か逢夏を呼ぶ。
そして、逢夏の手に真っ黒な箱と赤い封筒、白いくしゃくしゃの羊皮紙を持たせた。
『めィ令、ョむ!!』
「う、うん?
えっとね………え?」
「どしたの?」
「や…その、私…読みたくない、かなって。」
命令を読み上げる声を待っていたディーヴァが問うと、まさかの読みたくない宣言。
気になったディーヴァが顔を覗き込むように首をかしげると…
そこに見えたのは青ざめた顔。
「…なんでそんなに青ざめてるの?」
「はぁ?
青ざめてるって、…なんでだよ。
恐怖は感じねぇはずだろ?」
今度はダンテが問う。
それには無言で、けれど頭を縦に振って答える逢夏。
常ならぬ、尋常ではない様子にネロがそっと逢夏に寄り添った。
「とりあえず、深呼吸しろ。」
「う、うん…。」
背を優しく撫でるネロに促され、大きく深呼吸。
そしてようやく
「…皆、ごめんね…。」
涙を浮かべ、何故か黒い箱を持ったまま逢夏は命令を声にした。
「制限時間内に皆大嫌いな、えっと……"黒い悪魔"を駆逐しろ!」
「「「黒い悪魔?」」」
"えっと…"という事はきっと、表現をぼかしたのだろうか?
抽象的な命令にディーヴァ、ダンテ、ネロと3人が揃えて首を傾げる。
が、その瞬間…。
手の中にあった黒い箱がひとりでに開く。
その開いた箱の隙間から、そいつらは現れた。
「いやぁぁぁーー!!」
逢夏の悲鳴にカサカ・サと冒涜的な足音を重ねるその生き物。
二本の触覚、ヌメヌメとした質感、黒光りする楕円のシルエット。
まさしく、…黒い悪魔。
数はざっと50といったところか。
ワンテンポ遅れ、ディーヴァがその生き物に反応する。
「え…え?
やっ、いやぁ!!!
何これ、やっ、こないでぇ!!」
その次にネロ。
「悪魔って、こいつらかよ!!?」
そして最後にダンテ。
「んな!?
なんだよこれ!!!」
そうこうしている間にも黒い悪魔は上へ下へ右へ左へと縦横無尽にリビングを素早く這い始める。
リビングはまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。
あっという間にリビングは黒い悪魔の住処と化した。
…そう、リビングは。
ネロがふとそれに気付く。
扉も何も仕切りのないはずのキッチンにそいつらが行く気配を見せない…ということに。
「おい、ダンテ、ディーヴァ!
キッチンだ!!」
「はぁ!?」
「キッチン!?
キッチンがどうし…あっ、分かった!」
ディーヴァはネロの意図する事にすぐさま気付き、キッチンの方へと一時退避。
しかしダンテはそうではなく…。
「んな逃げなくとも、ここで仕留めちまおうぜっ!」
立ち上がりざまにダンテはスリッパを握ると渾身の力を込め、黒いそいつに振りおろす。
鋭い攻撃は確かに悪魔の一匹を捕えた。
してやったり顔なダンテが確認のためにスリッパを上げる。
すると…
「…は?
っ!!!なんだよこいつら!丈夫すぎんだろ!!!?」
そんな打撃でやられるほど、命令によって呼び出された悪魔は弱くないということなのだろうか。
下敷きとなったはずのそいつは再びカサカ・サと冒涜的な足音を立ててダンテに飛び付こうとする。
しかしそれにダンテは素早く反応。
ディーヴァの待つリビングへと飛び退いた。
こうしてリビングには逢夏とネロだけ…となる。
そんなネロもキッチンへと一時退避と足を向ける…が、そこでようやく気がついた。
逢夏が部屋の中央から動かない事に。
そして逢夏の手にはダイス。
ぎゅっと握った手をゆっくりと開き、スローというよりも落とすかのようにダイスをボードの上で転がした。
ダイスはゆっくりと転がり、やがてボードの端で止まる。
その目は、…『2』。
悪魔はコマに姿を変えると一気に2マス先へと跳躍。
それからいつものように、ペッとくしゃくしゃの羊皮紙を吐きだす。
と思いきや
…一瞬、間をおいて悪魔は無邪気な笑みを浮かべる。
嘲る様な、陥れるようとする様な、そんな含みのある笑いではなく、無邪気そのものの笑み。
もちろん皆、その笑みに怪訝な表情を浮かべた。
が…
『にェ!』
「なぁに?」
悪魔は気にせずいつもよりも少し優し目のトーンで何故か逢夏を呼ぶ。
そして、逢夏の手に真っ黒な箱と赤い封筒、白いくしゃくしゃの羊皮紙を持たせた。
『めィ令、ョむ!!』
「う、うん?
えっとね………え?」
「どしたの?」
「や…その、私…読みたくない、かなって。」
命令を読み上げる声を待っていたディーヴァが問うと、まさかの読みたくない宣言。
気になったディーヴァが顔を覗き込むように首をかしげると…
そこに見えたのは青ざめた顔。
「…なんでそんなに青ざめてるの?」
「はぁ?
青ざめてるって、…なんでだよ。
恐怖は感じねぇはずだろ?」
今度はダンテが問う。
それには無言で、けれど頭を縦に振って答える逢夏。
常ならぬ、尋常ではない様子にネロがそっと逢夏に寄り添った。
「とりあえず、深呼吸しろ。」
「う、うん…。」
背を優しく撫でるネロに促され、大きく深呼吸。
そしてようやく
「…皆、ごめんね…。」
涙を浮かべ、何故か黒い箱を持ったまま逢夏は命令を声にした。
「制限時間内に皆大嫌いな、えっと……"黒い悪魔"を駆逐しろ!」
「「「黒い悪魔?」」」
"えっと…"という事はきっと、表現をぼかしたのだろうか?
抽象的な命令にディーヴァ、ダンテ、ネロと3人が揃えて首を傾げる。
が、その瞬間…。
手の中にあった黒い箱がひとりでに開く。
その開いた箱の隙間から、そいつらは現れた。
「いやぁぁぁーー!!」
逢夏の悲鳴にカサカ・サと冒涜的な足音を重ねるその生き物。
二本の触覚、ヌメヌメとした質感、黒光りする楕円のシルエット。
まさしく、…黒い悪魔。
数はざっと50といったところか。
ワンテンポ遅れ、ディーヴァがその生き物に反応する。
「え…え?
やっ、いやぁ!!!
何これ、やっ、こないでぇ!!」
その次にネロ。
「悪魔って、こいつらかよ!!?」
そして最後にダンテ。
「んな!?
なんだよこれ!!!」
そうこうしている間にも黒い悪魔は上へ下へ右へ左へと縦横無尽にリビングを素早く這い始める。
リビングはまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。
あっという間にリビングは黒い悪魔の住処と化した。
…そう、リビングは。
ネロがふとそれに気付く。
扉も何も仕切りのないはずのキッチンにそいつらが行く気配を見せない…ということに。
「おい、ダンテ、ディーヴァ!
キッチンだ!!」
「はぁ!?」
「キッチン!?
キッチンがどうし…あっ、分かった!」
ディーヴァはネロの意図する事にすぐさま気付き、キッチンの方へと一時退避。
しかしダンテはそうではなく…。
「んな逃げなくとも、ここで仕留めちまおうぜっ!」
立ち上がりざまにダンテはスリッパを握ると渾身の力を込め、黒いそいつに振りおろす。
鋭い攻撃は確かに悪魔の一匹を捕えた。
してやったり顔なダンテが確認のためにスリッパを上げる。
すると…
「…は?
っ!!!なんだよこいつら!丈夫すぎんだろ!!!?」
そんな打撃でやられるほど、命令によって呼び出された悪魔は弱くないということなのだろうか。
下敷きとなったはずのそいつは再びカサカ・サと冒涜的な足音を立ててダンテに飛び付こうとする。
しかしそれにダンテは素早く反応。
ディーヴァの待つリビングへと飛び退いた。
こうしてリビングには逢夏とネロだけ…となる。
そんなネロもキッチンへと一時退避と足を向ける…が、そこでようやく気がついた。
逢夏が部屋の中央から動かない事に。