ダイススロー 14回目
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撃沈したまま涙ながらにタコを口に詰めていくネロを放って、逢夏がケーキを食べ食べみやるのはディーヴァ。
こちらもつらそうにチョコレートを口にしている。
その苦さからか顔を真っ青にしてなお、がんばっていた。
もうすぐでチョコレートはなくなりそうだが、彼女には最大の難関たるキングオブビター、ゴーヤが待っている。
ある意味、一番難しいかもしれない。
「…ディーヴァちゃんかわいそう」
気の毒に思った逢夏が打開策を考える。
そして執事悪魔を呼び寄せた。
「何かございましたか?
ギブアップなさいますか」
「いえ、こんなに美味しいのにギブアップは絶対ありえませんって。
天使…ディーヴァちゃんって実は更に嫌いな物があるんですよ~?
ああやって頑張ってるのを見ると悪魔としてはもっと意地悪してやりたくありません?」
なるべく悪魔達の底意地の悪さに近い顔を心がけて進言する。
その際に悪魔側を褒めるのを忘れずに。
「そうですね…もっといたぶりたくなります。
どんな物が嫌いなのかお聞きしても?」
ドSでもある悪魔は、やはりというかノッてきた。
逢夏はばれないかハラハラしながら最後まで嘘を貫き通した。
「確か、チーズとかリンゴとかでしたよ?
この際一緒に合わせて、甘いケーキにしたらいいかなぁっ…て」「おや、悪魔からの書類には苦味の強い物、としか書いてありませんでしたが…それはそれは。
手違いが発生したようでもうしわけありません。
天使様、数分ほどお時間をいただいてよろしいでしょうか?」
しばらくバインダーに挟まれた書類を眺めて確認していた悪魔。
ちらと見えた書類は、例によってあのへったくそな文字。
悪魔はいささか慌てたようにディーヴァの箱を手にし、扉を開けて戻っていった。
悪魔が完全にいなくなったのを確認し、逢夏がディーヴァに耳打ちする。
「ディーヴァちゃん、今から持ってきてもらう料理はどんなに美味しそうでも嫌そう~に!…たべてね?」
「え?なんで?」
「いいからいいから…ねっ?」
「う…うん、わか、った…」
涙の跡をゴシゴシ擦り、ディーヴァは?マークを頭上につけたまま頷いてみせた。
十数分後戻ってきた悪魔。
箱を置きながら、ディーヴァに涙をおふきください。と濡れたおしぼりを渡してきた。
なんと気が利く悪魔だろうか。
箱を開ける段階から嫌そうな表情を保ち、ディーヴァが開ける。
開ける前から甘くいい香りがもれていたそれ。
中に入っていたのは焼きたて、出来立ての美味しそうなケーキ。
ケーキといっても、逢夏が食べているようなおかしな配色のケーキなどではなく、こんがりきつね色の焼き菓子である。
その見た目と香りに思わず口中に唾液がたまってしまう。
「アップルとチーズのパイ包みケーキになります。
最高級スイス産カッテージチーズ、クリームチーズをふんだんに使用し、アップルは今年一番のもぎたて紅玉をじっくり煮込んであるものを使用いたしました。
熱々のカラメリゼをかけてお召し上がりください」
あの短時間でよくぞここまで。
ゴージャスすぎるだろ。
カラメリゼをたっぷりかけたいのは山々だが、嫌そうに食べるためすべてを控えめに。
ディーヴァは小さく切った一口目を口にする。
もちろん味は今まで食べたことがないほど美味しい。
嫌そうな表情をするのが心苦しく思う。
「おいし…くない…」
サクサクのパイ生地と下のスポンジ。
チーズとリンゴという、ディーヴァにとってのこれ以上ない最高の組み合わせ。
そして熱々のカラメリゼ…
それらすべてが舌の上で壮大なオーケストラを奏でているようだ。
…と、まあ、料理アニメのような感想はここまで。
なるほど、これはそのへんのパティシエ顔負けの腕前といえるだろう。
嫁に欲しい。
このスキル、ほんとにネロとやダンテと交換してくれないかな。
本気で思う逢夏とディーヴァだった。
こちらもつらそうにチョコレートを口にしている。
その苦さからか顔を真っ青にしてなお、がんばっていた。
もうすぐでチョコレートはなくなりそうだが、彼女には最大の難関たるキングオブビター、ゴーヤが待っている。
ある意味、一番難しいかもしれない。
「…ディーヴァちゃんかわいそう」
気の毒に思った逢夏が打開策を考える。
そして執事悪魔を呼び寄せた。
「何かございましたか?
ギブアップなさいますか」
「いえ、こんなに美味しいのにギブアップは絶対ありえませんって。
天使…ディーヴァちゃんって実は更に嫌いな物があるんですよ~?
ああやって頑張ってるのを見ると悪魔としてはもっと意地悪してやりたくありません?」
なるべく悪魔達の底意地の悪さに近い顔を心がけて進言する。
その際に悪魔側を褒めるのを忘れずに。
「そうですね…もっといたぶりたくなります。
どんな物が嫌いなのかお聞きしても?」
ドSでもある悪魔は、やはりというかノッてきた。
逢夏はばれないかハラハラしながら最後まで嘘を貫き通した。
「確か、チーズとかリンゴとかでしたよ?
この際一緒に合わせて、甘いケーキにしたらいいかなぁっ…て」「おや、悪魔からの書類には苦味の強い物、としか書いてありませんでしたが…それはそれは。
手違いが発生したようでもうしわけありません。
天使様、数分ほどお時間をいただいてよろしいでしょうか?」
しばらくバインダーに挟まれた書類を眺めて確認していた悪魔。
ちらと見えた書類は、例によってあのへったくそな文字。
悪魔はいささか慌てたようにディーヴァの箱を手にし、扉を開けて戻っていった。
悪魔が完全にいなくなったのを確認し、逢夏がディーヴァに耳打ちする。
「ディーヴァちゃん、今から持ってきてもらう料理はどんなに美味しそうでも嫌そう~に!…たべてね?」
「え?なんで?」
「いいからいいから…ねっ?」
「う…うん、わか、った…」
涙の跡をゴシゴシ擦り、ディーヴァは?マークを頭上につけたまま頷いてみせた。
十数分後戻ってきた悪魔。
箱を置きながら、ディーヴァに涙をおふきください。と濡れたおしぼりを渡してきた。
なんと気が利く悪魔だろうか。
箱を開ける段階から嫌そうな表情を保ち、ディーヴァが開ける。
開ける前から甘くいい香りがもれていたそれ。
中に入っていたのは焼きたて、出来立ての美味しそうなケーキ。
ケーキといっても、逢夏が食べているようなおかしな配色のケーキなどではなく、こんがりきつね色の焼き菓子である。
その見た目と香りに思わず口中に唾液がたまってしまう。
「アップルとチーズのパイ包みケーキになります。
最高級スイス産カッテージチーズ、クリームチーズをふんだんに使用し、アップルは今年一番のもぎたて紅玉をじっくり煮込んであるものを使用いたしました。
熱々のカラメリゼをかけてお召し上がりください」
あの短時間でよくぞここまで。
ゴージャスすぎるだろ。
カラメリゼをたっぷりかけたいのは山々だが、嫌そうに食べるためすべてを控えめに。
ディーヴァは小さく切った一口目を口にする。
もちろん味は今まで食べたことがないほど美味しい。
嫌そうな表情をするのが心苦しく思う。
「おいし…くない…」
サクサクのパイ生地と下のスポンジ。
チーズとリンゴという、ディーヴァにとってのこれ以上ない最高の組み合わせ。
そして熱々のカラメリゼ…
それらすべてが舌の上で壮大なオーケストラを奏でているようだ。
…と、まあ、料理アニメのような感想はここまで。
なるほど、これはそのへんのパティシエ顔負けの腕前といえるだろう。
嫁に欲しい。
このスキル、ほんとにネロとやダンテと交換してくれないかな。
本気で思う逢夏とディーヴァだった。