ダイススロー 13回目
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ガシガシと髪を乱暴に指で梳きながら、ネロは階段を下りる。
香ってくるチーズの匂いに誘われ、キッチンに直行したネロは
そこに立つ逢夏を後ろから抱きしめ、つむじにキスを落とした。
「逢夏、おは…」
「し~、静かに…。」
それからお決まりの朝の挨拶。
…と思っていたのに、つれない一言の前に強制中断。
その理由はというと、問う前に逢夏がカーテンも開けていない真っ暗なリビングを指差した。
「ん?
…あぁ、そうか。」
「ネロ、上からブランケット持ってきてくれる?
焼き上がるまでに時間がかかるから、それまで…ね?」
「そうだな。」
ネロは頷き、すぐさま2階からブランケットを持ってくる。
その行く先はソファ。
この調子だとうまく仲直り出来たのだろうと座ったまま並んで眠るディーヴァとダンテに静かにブランケットをかけた。
そしてそこで一言。
「俺の助言に感謝しろよ。」
こういう時は多少強引に、でもそうと気取られることなく話をさせるのが重要。
話にはとにかく相づちをうって聞いてやることが肝心。
なんて、昨夜のバーでしてやったアドバイスを思い出しながら
偉そうぶってダンテにそう投げかけたネロはそそくさとキッチンへと移動する。
今朝の朝食はどうやらリコッタチーズとほうれんそうのキッシュ。
ディーヴァがチーズが好きだと知ってのメニューなのか、少し朝から重たい気もしないこともないが…。
まぁ、だとすればあと30分は2人を寝かせておいてもいいだろうとオーブンの前で微笑む逢夏に微笑み返した。
-------------------------------
「赤いね。」
「そうだね。」
「数字も何も無いんだな。」
「…とはいえ、振るしかねぇんだよなぁ。」
未だコマが帰ってこないのをいいことに赤いダイスについて話し合う4人組。
赤いダイスを振ってお待ちくださいと書いてあるのだから、もしかすると振らない限り帰ってこないのでは?
などとあり得ないことを考えつつ、しょうがなしとネロがサイコロを手に取った。
「とりあえず、振らなきゃ始まらねぇし…振るぞ。」
「おう、お手柔らかに頼むぜ。」
「うんっ、…誰も死ななくて済むマスでありますように。」
「とにかく面白いマスでお願いします!」
他三人の意見を聞いたところで、ネロはボードの上へとダイススロー。
放られたダイスはいつものダイスとは違い、転がることなく華麗な着地を決めた。
けれど相変わらず何も書かれていないダイスの面。
首を傾げて4人が見ていると…?
『もゥ、おマぃら、ォっそ~イ!!』
突如ボードの上、赤いダイスの横にコマが現れた。
角の部分が絆創膏で補強されていたり、ところどころ包帯が巻かれているのがほんの少しだけ痛々しい。
…が、あんな命令を体験させられた4人にその格好だけでは慰めの気を起こさせるには不十分だったようで。
「悪魔さん、早く始めて下さい。」
「おら、さっさ命令を言えっての。」
「遅いじゃねぇよ、さっきのは明らかにテメェが遅かったんだろ。」
「こんな感じで皆"おこ"なので、巻きでお願いします。」
『ナぬゥ!!?
ォコ、おレのセぃふ!!
おマィらぉ所為ディ、ぉデ、ゼン治ぃチ日ノぉおヶが!!』
「「「「いいから、始めて(ろ)」」」」
『ぅグ…。』
ぐるりと4人に取り囲まれ、悪魔は黙ると大人しく羊皮紙を吐きだす。
ひょいと拾い上げた逢夏は、それを広げると何故だかクスリと一笑い。
そして、声高らかに読み上げる。
「一狩り行こうぜ☆
そこは雄大かつ孤高の地、空の王舞うモンスター達の楽園!竜の逆鱗に触れよ!
だって!」
「…は?」
「へ…?」
読み上げられた内容を聞き、頭の上にはてなを浮かべるダンテとディーヴァ。
そしてワクワクと目を輝かせる逢夏を見、ちょっと注意してその動向を見るネロ。
…その判断、非常に正しかったと言えよう。
「これってまさかのモンは…むぐっ!」
「逢夏、流石に同じ会社とはいえタイトルは危ない、絶対に禁止だ。」
「えぇ…、少しくらいいいじゃな…」
「"タイトルは絶対に禁止"だ。」
「…はい。」
命令を使ってまでの禁止令。
ネロの必死な形相、…そしてなんだ?"会社"とな?
「ネロ、同じ会社ってどういうこと?」
「え?…あれ。
なんだろうな、…同じ会社?」
ディーヴァが気になり聞くと、言った張本人のネロが首を傾げる。
しかし確かに
"これは仲間であり、敵でもある。
完璧にアウト。"
と…そう囁くのだ、ネロも知らない奥底に潜むゴーストが。
香ってくるチーズの匂いに誘われ、キッチンに直行したネロは
そこに立つ逢夏を後ろから抱きしめ、つむじにキスを落とした。
「逢夏、おは…」
「し~、静かに…。」
それからお決まりの朝の挨拶。
…と思っていたのに、つれない一言の前に強制中断。
その理由はというと、問う前に逢夏がカーテンも開けていない真っ暗なリビングを指差した。
「ん?
…あぁ、そうか。」
「ネロ、上からブランケット持ってきてくれる?
焼き上がるまでに時間がかかるから、それまで…ね?」
「そうだな。」
ネロは頷き、すぐさま2階からブランケットを持ってくる。
その行く先はソファ。
この調子だとうまく仲直り出来たのだろうと座ったまま並んで眠るディーヴァとダンテに静かにブランケットをかけた。
そしてそこで一言。
「俺の助言に感謝しろよ。」
こういう時は多少強引に、でもそうと気取られることなく話をさせるのが重要。
話にはとにかく相づちをうって聞いてやることが肝心。
なんて、昨夜のバーでしてやったアドバイスを思い出しながら
偉そうぶってダンテにそう投げかけたネロはそそくさとキッチンへと移動する。
今朝の朝食はどうやらリコッタチーズとほうれんそうのキッシュ。
ディーヴァがチーズが好きだと知ってのメニューなのか、少し朝から重たい気もしないこともないが…。
まぁ、だとすればあと30分は2人を寝かせておいてもいいだろうとオーブンの前で微笑む逢夏に微笑み返した。
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「赤いね。」
「そうだね。」
「数字も何も無いんだな。」
「…とはいえ、振るしかねぇんだよなぁ。」
未だコマが帰ってこないのをいいことに赤いダイスについて話し合う4人組。
赤いダイスを振ってお待ちくださいと書いてあるのだから、もしかすると振らない限り帰ってこないのでは?
などとあり得ないことを考えつつ、しょうがなしとネロがサイコロを手に取った。
「とりあえず、振らなきゃ始まらねぇし…振るぞ。」
「おう、お手柔らかに頼むぜ。」
「うんっ、…誰も死ななくて済むマスでありますように。」
「とにかく面白いマスでお願いします!」
他三人の意見を聞いたところで、ネロはボードの上へとダイススロー。
放られたダイスはいつものダイスとは違い、転がることなく華麗な着地を決めた。
けれど相変わらず何も書かれていないダイスの面。
首を傾げて4人が見ていると…?
『もゥ、おマぃら、ォっそ~イ!!』
突如ボードの上、赤いダイスの横にコマが現れた。
角の部分が絆創膏で補強されていたり、ところどころ包帯が巻かれているのがほんの少しだけ痛々しい。
…が、あんな命令を体験させられた4人にその格好だけでは慰めの気を起こさせるには不十分だったようで。
「悪魔さん、早く始めて下さい。」
「おら、さっさ命令を言えっての。」
「遅いじゃねぇよ、さっきのは明らかにテメェが遅かったんだろ。」
「こんな感じで皆"おこ"なので、巻きでお願いします。」
『ナぬゥ!!?
ォコ、おレのセぃふ!!
おマィらぉ所為ディ、ぉデ、ゼン治ぃチ日ノぉおヶが!!』
「「「「いいから、始めて(ろ)」」」」
『ぅグ…。』
ぐるりと4人に取り囲まれ、悪魔は黙ると大人しく羊皮紙を吐きだす。
ひょいと拾い上げた逢夏は、それを広げると何故だかクスリと一笑い。
そして、声高らかに読み上げる。
「一狩り行こうぜ☆
そこは雄大かつ孤高の地、空の王舞うモンスター達の楽園!竜の逆鱗に触れよ!
だって!」
「…は?」
「へ…?」
読み上げられた内容を聞き、頭の上にはてなを浮かべるダンテとディーヴァ。
そしてワクワクと目を輝かせる逢夏を見、ちょっと注意してその動向を見るネロ。
…その判断、非常に正しかったと言えよう。
「これってまさかのモンは…むぐっ!」
「逢夏、流石に同じ会社とはいえタイトルは危ない、絶対に禁止だ。」
「えぇ…、少しくらいいいじゃな…」
「"タイトルは絶対に禁止"だ。」
「…はい。」
命令を使ってまでの禁止令。
ネロの必死な形相、…そしてなんだ?"会社"とな?
「ネロ、同じ会社ってどういうこと?」
「え?…あれ。
なんだろうな、…同じ会社?」
ディーヴァが気になり聞くと、言った張本人のネロが首を傾げる。
しかし確かに
"これは仲間であり、敵でもある。
完璧にアウト。"
と…そう囁くのだ、ネロも知らない奥底に潜むゴーストが。