ダイススロー 12回目
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戻ったリビングには
『赤いダイスを振ってしばらくお待ちください。
お前らのせいで観客にボコられ中、戻ったら覚えてろ!』
という意味の書き置きと共に、罰ゲーム専用なのだろう、赤く何もかかれていないダイスが置いてあった。
戻ったディーヴァがまずしたこと、それはダンテや逢夏の起き上がらぬ内にシャワールームに篭ることだった。
同じく涙の跡の残るネロは逢夏を抱き締めたままで、ディーヴァのしたいようにさせようと気に止めなかった。
やがてダンテと逢夏が目を開ける。
「なんだ、オレ生きてるじゃん」
誰も血だらけでもなければ、怪我ひとつしていない。
服がズタズタになっているとかでもない、無傷だ。
「だって『マスの命令』だもの。当たり前でしょ。
それより…ネロ、ゴメンね。自殺しちゃって。びっくりした!?」
「あのなあ…びっくりどころじゃねーつの。
しかも失敗になったしな」
「失敗!?頑張ったのに失敗したのか!?」
「ゔ!ごめんなさい、私のせいです。
ディーヴァちゃんもごめ…あれっ?」
「はあ~。ディーヴァに殺されるとは貴重な体験したもんだ。
気にするなよディーヴァ…いねえ!!」
2人が振り返った先にはディーヴァはいない。
ネロが思い出したようにシャワールームの方角を顎でしゃくった。
「ディーヴァならシャワールームに行ったぜ」
「なんでだ!?」
「知らね」
「手でも洗いに行ったんじゃない?
私も行ってこよっと!」
スキップしながら逢夏は駆けていく。
あんなつらい命令のマスに止まったばかりだというのにのんきなものだ。
まあ逢夏だからしかたない、とネロは諦めた。
「今のはホントつらかった、好きな女と殺し合いとか絶対おかしいだろ」
「ああ。最初の『終わりなき死』と同じくらいつらかったよな」
ポツンと残された男2人は、静かに言葉を紡ぎあう。
そして深く深ーくため息を吐いたのだった。
ところ変わってこちらはシャワールーム前のドア。
「えっとぉ…これ、何?」
ドアには見たこともない光の紋章が張り巡らされてあった。
乳白色に輝く、悪魔の紋章とは正反対に神々しい感じがする。
ついでに言えば、ご丁寧に鍵までかかっていた。
耳を澄ますと聞こえてくるのは小さなすすり泣き。
逢夏はドアに耳を押し当ててもっとよく聞こえるようにした。
「ディーヴァちゃーん…」
呼び掛けながら、数回ノックする。
ドアの向こうでディーヴァがびくつく気配がした。
「大丈夫?ダンテ呼んでこようか」
「ダメッ!」
途端に大声を出し拒否するディーヴァ。
「…ダンテは呼ばないで」
「ん、わかった。
話、私でよかったら聞くけど。
ダンテには言いづらいから篭ってるんじゃない?」
その逢夏の言葉に大きめの嗚咽をあげながら、ディーヴァはぽつり、ぽつりと話し出した。
『ダンテが家族を殺したあの時の悪魔に見えた』
『大好きな彼を憎むなんて、殺すなんて』
『ナイフの感触が今もこの手に鮮明に残ってる』
『穢れてしまった自分にダンテといる資格ない』
『…つらい』
自分の気持ちを語るディーヴァに、逢夏はドアに背中を預けてただひたすらに相づちを打った。
「少しはすっきりした?」
「うん。でもダンテにはまだ会いたくない。
…話したくない」
「声くらいは聞こうよ」
「いや!」
即答。
逢夏はため息を吐いた。
そのため息を聞いて、ディーヴァが小さく謝罪する。
「……迷惑かけてごめん、逢夏」
「あ、ため息吐いたのは迷惑とか、そんなじゃなくて…
ただ、もっと感情や気持ちがわかればいいのになって思ったの」
あわてて訂正を入れる逢夏。
顔を見れない分、言葉だけで伝えるのは大変だ。
「ところでさ!この乳白色の紋章、なぁに?」
「…多分結界だと思う。たまに無意識で出ちゃう時あるから」
「え。これ、無意識で?ディーヴァちゃんたら、よっぽどダンテに会わせる顔がない心理状態なんだね…」
会わせる顔がない、その言葉を耳にしたことで、ディーヴァはさらに泣いた。
「ど、どうしよう…」
私だけじゃ対応できないんじゃないかしら??
しかたないと、逢夏はダンテ達に知らせるだけはすることにした。
ダンテ自身が気にしてないとでも言わなくては、どうしようもないかもしれないとふんでの行動である。
「ちょ、ちょっと待っててね!」
『赤いダイスを振ってしばらくお待ちください。
お前らのせいで観客にボコられ中、戻ったら覚えてろ!』
という意味の書き置きと共に、罰ゲーム専用なのだろう、赤く何もかかれていないダイスが置いてあった。
戻ったディーヴァがまずしたこと、それはダンテや逢夏の起き上がらぬ内にシャワールームに篭ることだった。
同じく涙の跡の残るネロは逢夏を抱き締めたままで、ディーヴァのしたいようにさせようと気に止めなかった。
やがてダンテと逢夏が目を開ける。
「なんだ、オレ生きてるじゃん」
誰も血だらけでもなければ、怪我ひとつしていない。
服がズタズタになっているとかでもない、無傷だ。
「だって『マスの命令』だもの。当たり前でしょ。
それより…ネロ、ゴメンね。自殺しちゃって。びっくりした!?」
「あのなあ…びっくりどころじゃねーつの。
しかも失敗になったしな」
「失敗!?頑張ったのに失敗したのか!?」
「ゔ!ごめんなさい、私のせいです。
ディーヴァちゃんもごめ…あれっ?」
「はあ~。ディーヴァに殺されるとは貴重な体験したもんだ。
気にするなよディーヴァ…いねえ!!」
2人が振り返った先にはディーヴァはいない。
ネロが思い出したようにシャワールームの方角を顎でしゃくった。
「ディーヴァならシャワールームに行ったぜ」
「なんでだ!?」
「知らね」
「手でも洗いに行ったんじゃない?
私も行ってこよっと!」
スキップしながら逢夏は駆けていく。
あんなつらい命令のマスに止まったばかりだというのにのんきなものだ。
まあ逢夏だからしかたない、とネロは諦めた。
「今のはホントつらかった、好きな女と殺し合いとか絶対おかしいだろ」
「ああ。最初の『終わりなき死』と同じくらいつらかったよな」
ポツンと残された男2人は、静かに言葉を紡ぎあう。
そして深く深ーくため息を吐いたのだった。
ところ変わってこちらはシャワールーム前のドア。
「えっとぉ…これ、何?」
ドアには見たこともない光の紋章が張り巡らされてあった。
乳白色に輝く、悪魔の紋章とは正反対に神々しい感じがする。
ついでに言えば、ご丁寧に鍵までかかっていた。
耳を澄ますと聞こえてくるのは小さなすすり泣き。
逢夏はドアに耳を押し当ててもっとよく聞こえるようにした。
「ディーヴァちゃーん…」
呼び掛けながら、数回ノックする。
ドアの向こうでディーヴァがびくつく気配がした。
「大丈夫?ダンテ呼んでこようか」
「ダメッ!」
途端に大声を出し拒否するディーヴァ。
「…ダンテは呼ばないで」
「ん、わかった。
話、私でよかったら聞くけど。
ダンテには言いづらいから篭ってるんじゃない?」
その逢夏の言葉に大きめの嗚咽をあげながら、ディーヴァはぽつり、ぽつりと話し出した。
『ダンテが家族を殺したあの時の悪魔に見えた』
『大好きな彼を憎むなんて、殺すなんて』
『ナイフの感触が今もこの手に鮮明に残ってる』
『穢れてしまった自分にダンテといる資格ない』
『…つらい』
自分の気持ちを語るディーヴァに、逢夏はドアに背中を預けてただひたすらに相づちを打った。
「少しはすっきりした?」
「うん。でもダンテにはまだ会いたくない。
…話したくない」
「声くらいは聞こうよ」
「いや!」
即答。
逢夏はため息を吐いた。
そのため息を聞いて、ディーヴァが小さく謝罪する。
「……迷惑かけてごめん、逢夏」
「あ、ため息吐いたのは迷惑とか、そんなじゃなくて…
ただ、もっと感情や気持ちがわかればいいのになって思ったの」
あわてて訂正を入れる逢夏。
顔を見れない分、言葉だけで伝えるのは大変だ。
「ところでさ!この乳白色の紋章、なぁに?」
「…多分結界だと思う。たまに無意識で出ちゃう時あるから」
「え。これ、無意識で?ディーヴァちゃんたら、よっぽどダンテに会わせる顔がない心理状態なんだね…」
会わせる顔がない、その言葉を耳にしたことで、ディーヴァはさらに泣いた。
「ど、どうしよう…」
私だけじゃ対応できないんじゃないかしら??
しかたないと、逢夏はダンテ達に知らせるだけはすることにした。
ダンテ自身が気にしてないとでも言わなくては、どうしようもないかもしれないとふんでの行動である。
「ちょ、ちょっと待っててね!」