ダイススロー 12回目
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ネロ、ピーンチ!
ネロは逢夏の手により、ぼっこぼこにされるかもしれない…そんなフラグが立った。
逢夏はどこにそんな力を隠していたのかわからないが、薙刀を軽々とまるで自分の手足のように振り回した。
「やあああ!」
そもそもネロは、逢夏の怪我をその魔力で自動的に治してしまっていたため、魔力の大半を使い果たしてしまっている。
疲弊してまるで格闘ゲームのようにピヨリ状態真っ只中なネロは、ほとんど防戦一方。
1hit、2hit、3hit…そして4hit、といったところか。
再び吹き飛ばされたネロはとうとうその魔力が尽きたようだった。
『トドめェ、さス~ぅ!』
『がムばるェ!にェ!』
観客からの声援が逢夏に降り注ぐ。
この感覚は嫌いではない。
だが、期待に答えてやるわけにはいかない。
逢夏はネロの魔力が尽きるのを待っていただけなのだから。
「いってぇ…。
逢夏、やりすぎだぜ」
頭を打ち付けたからか、できたたんこぶをさすりながらネロが立ち上がった。
その瞳にはまがまがしい悪魔の気配はなりを潜めている。
魔力がなくなったからか、その呪縛からしばらくの間解放されたのだ。
「ネロっ!元に戻ったの?」
「少しの間だけな」
逢夏がネロに駆け寄り抱きついた。
ネロは逢夏を優しく抱き止め背を撫でていたが、両肩をつかんで離し、真剣な表情で見つめた。
「逢夏、俺を殺すんだ。
はやく、じゃないと命令は終わんねぇし、また俺は中に巣くう悪魔に支配されちまう。
頼む、逢夏を殺すなんてもう嫌なんだ」
「ネロ…ありがとう」
にこ~と、いつもの笑顔を浮かべ、了承するかと思われた逢夏。
「一回はそうしようと思ったんだよ、ここでは主と贄は関係ないし。
けど、やっぱり愛する夫を殺せるわけないでしょ!」
だが、キッパリすっぱりと否定した。
「逢夏…たのむから。
お願いだ…」
「嫌!そんなことするくらいなら…こうするよ」
逢夏は持っていた薙刀を自らの心臓の上に押し当てると一気に引いた。
バッ!
頸動脈の切れた衝撃で赤い鮮血がほとばしり、ネロの顔面を赤く染め上げた。
ぐらり、逢夏の体がネロの方に傾き倒れこんでくる。
「逢夏ーーーッッ」
その瞬間、ネロにとりついていた悪魔は跡形もなくいずこかへと吹き飛んだ。
それほどのネロの悲しみが深かったということだ。
ネロは涙を流しながら、逢夏をぎゅう、と抱き締めた。
そしてまわりに吹き荒れるは、観客たる悪魔達のブーイング。
中にはビール瓶を投げてくる者までいる。
『ぢ殺、ダぁメ、ぜつタィィ!
…ぁイたぁ!!』
飛んできたゴミが頭にあたり痛そうにしながら、悪魔が叫ぶ。
逢夏、あわれ。
自殺は命令失敗とのこと。
ネロ対逢夏は、勝ち負けなし。
命令の結果、失敗。
頭の上のたんこぶを撫で上げながら、ホイッスルを鳴らして高らかにそんな意味の言葉を叫んだ悪魔。
そして場所は唐突にいつものリビングルームへと戻ったのだった。
ネロは逢夏の手により、ぼっこぼこにされるかもしれない…そんなフラグが立った。
逢夏はどこにそんな力を隠していたのかわからないが、薙刀を軽々とまるで自分の手足のように振り回した。
「やあああ!」
そもそもネロは、逢夏の怪我をその魔力で自動的に治してしまっていたため、魔力の大半を使い果たしてしまっている。
疲弊してまるで格闘ゲームのようにピヨリ状態真っ只中なネロは、ほとんど防戦一方。
1hit、2hit、3hit…そして4hit、といったところか。
再び吹き飛ばされたネロはとうとうその魔力が尽きたようだった。
『トドめェ、さス~ぅ!』
『がムばるェ!にェ!』
観客からの声援が逢夏に降り注ぐ。
この感覚は嫌いではない。
だが、期待に答えてやるわけにはいかない。
逢夏はネロの魔力が尽きるのを待っていただけなのだから。
「いってぇ…。
逢夏、やりすぎだぜ」
頭を打ち付けたからか、できたたんこぶをさすりながらネロが立ち上がった。
その瞳にはまがまがしい悪魔の気配はなりを潜めている。
魔力がなくなったからか、その呪縛からしばらくの間解放されたのだ。
「ネロっ!元に戻ったの?」
「少しの間だけな」
逢夏がネロに駆け寄り抱きついた。
ネロは逢夏を優しく抱き止め背を撫でていたが、両肩をつかんで離し、真剣な表情で見つめた。
「逢夏、俺を殺すんだ。
はやく、じゃないと命令は終わんねぇし、また俺は中に巣くう悪魔に支配されちまう。
頼む、逢夏を殺すなんてもう嫌なんだ」
「ネロ…ありがとう」
にこ~と、いつもの笑顔を浮かべ、了承するかと思われた逢夏。
「一回はそうしようと思ったんだよ、ここでは主と贄は関係ないし。
けど、やっぱり愛する夫を殺せるわけないでしょ!」
だが、キッパリすっぱりと否定した。
「逢夏…たのむから。
お願いだ…」
「嫌!そんなことするくらいなら…こうするよ」
逢夏は持っていた薙刀を自らの心臓の上に押し当てると一気に引いた。
バッ!
頸動脈の切れた衝撃で赤い鮮血がほとばしり、ネロの顔面を赤く染め上げた。
ぐらり、逢夏の体がネロの方に傾き倒れこんでくる。
「逢夏ーーーッッ」
その瞬間、ネロにとりついていた悪魔は跡形もなくいずこかへと吹き飛んだ。
それほどのネロの悲しみが深かったということだ。
ネロは涙を流しながら、逢夏をぎゅう、と抱き締めた。
そしてまわりに吹き荒れるは、観客たる悪魔達のブーイング。
中にはビール瓶を投げてくる者までいる。
『ぢ殺、ダぁメ、ぜつタィィ!
…ぁイたぁ!!』
飛んできたゴミが頭にあたり痛そうにしながら、悪魔が叫ぶ。
逢夏、あわれ。
自殺は命令失敗とのこと。
ネロ対逢夏は、勝ち負けなし。
命令の結果、失敗。
頭の上のたんこぶを撫で上げながら、ホイッスルを鳴らして高らかにそんな意味の言葉を叫んだ悪魔。
そして場所は唐突にいつものリビングルームへと戻ったのだった。