ダイススロー 12回目
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ディーヴァがダンテの亡骸にすがり付いている反対側で、逢夏はネロとの戦いを続けていた。
ご丁寧にも、悪魔が付与している魔の力は普段のネロの約30%くらいと、かな~り良心的。
でなくては逢夏やディーヴァなどすぐ殺されていた。
親切設計、というよりは観客が楽しむためにすぎないだろう。
「我が夫ながら、敵にまわすとなんて恐ろしい…」
それでも、ともすれば一撃でやられてしまいそうな危うい位置にいる。
贄としての本能や命令が働かないと言っても、ダンテとは違ってネロには『悪魔の右腕』があるのだから。
ネロは悪魔の右腕をぐいーんと伸ばしては逢夏を捕まえようとしてくる。
かなり距離があってもどこまでも届きそうに伸びてくるそれは、敵だと思うと脅威にしか感じられない。
こんなにもリーチがあったとは。
ネロ、恐ろしい子!
それでも半魔と人間、男と女。
やはり全てをかわしきるのは無理な話で、逢夏は時折スナッチ&バスターを食らってしまっていた。
「きゃ!ネロ、危ないってば!
って、今のネロには聞こえないか。
んもうっ!私を傷つけたら結局自分に返ってくるんだからねっ!」
そうなのだ。
夫婦という関係の前に主と贄の関係であるからして、逢夏の傷や怪我は受けた端からネロの魔力をもってして回復していくのだ。
つまり、巡り巡って結局はネロ自身に跳ね返るということ。
それなんてミラーコート!?
このままではどうどう巡りで、ネロの魔力をただひたすら減らす一方だ。
止めるにはネロに勝つしかない、その動きを止めるしかない。
それでも、逢夏は攻撃まで転じずに、防ぐだけだった。
「やっぱりネロに攻撃なんて出来ません!」
逢夏が叫ぶ。
空中に浮かべた椅子に座ってポテチをポリポリやっていた悪魔が、その言葉に焦れったい、とブーイング。
『はャク、攻ゲきスルスるゥ!』
カチンときた逢夏が悪魔に向けて更に叫ぶ。
「できないって言ってるでしょ!
だいたいネロって私の主だから攻撃出来ないのっ!わかった?」
だが、悪魔はあくびなんかしながら、もーまんたーい!と答えた。
お前、どこの国出身だよ。
『だィじヨぶぅ!
ニェは半パのこトちゅキだヵラ、コォ撃でキナィだヶ!
今ヌシとヵ贄トヵ、カンけェなぃなィ!』
「なんですとぅ!」
バッとネロに振り返った逢夏は、試しにちょこっとだけ…ほんと~に、ちょこっとだけネロに攻撃を仕掛けてみることにした。
右手を振り上げて闘牛のように向かってきたネロ。
それをかわしながら、逢夏は柄でがら空きの背中を殴り付けた。
気分はマタドールである。
ドンガラガッシャーン。
ネロは派手な音をたて、壁にぶつかった。
ディーヴァ達との境目である、有刺鉄線じゃなくてよかった。
とにかく、数秒は立ち上がらないと、そう思いたい。
逢夏は悪魔に疑問に思っていたことを聞いた。
「悪魔さん、これホントに死んだりしないよね?
そのへんどうなってるの?」
『チナなィ、チナなぃッ!
どキォぅだメシ!!』
「…そっか。じゃあ、しかたないよね。
ネロ、ごめんね☆」
逢夏はネロに向かってにこぉ…と口角をあげた笑みを向けた。
ご丁寧にも、悪魔が付与している魔の力は普段のネロの約30%くらいと、かな~り良心的。
でなくては逢夏やディーヴァなどすぐ殺されていた。
親切設計、というよりは観客が楽しむためにすぎないだろう。
「我が夫ながら、敵にまわすとなんて恐ろしい…」
それでも、ともすれば一撃でやられてしまいそうな危うい位置にいる。
贄としての本能や命令が働かないと言っても、ダンテとは違ってネロには『悪魔の右腕』があるのだから。
ネロは悪魔の右腕をぐいーんと伸ばしては逢夏を捕まえようとしてくる。
かなり距離があってもどこまでも届きそうに伸びてくるそれは、敵だと思うと脅威にしか感じられない。
こんなにもリーチがあったとは。
ネロ、恐ろしい子!
それでも半魔と人間、男と女。
やはり全てをかわしきるのは無理な話で、逢夏は時折スナッチ&バスターを食らってしまっていた。
「きゃ!ネロ、危ないってば!
って、今のネロには聞こえないか。
んもうっ!私を傷つけたら結局自分に返ってくるんだからねっ!」
そうなのだ。
夫婦という関係の前に主と贄の関係であるからして、逢夏の傷や怪我は受けた端からネロの魔力をもってして回復していくのだ。
つまり、巡り巡って結局はネロ自身に跳ね返るということ。
それなんてミラーコート!?
このままではどうどう巡りで、ネロの魔力をただひたすら減らす一方だ。
止めるにはネロに勝つしかない、その動きを止めるしかない。
それでも、逢夏は攻撃まで転じずに、防ぐだけだった。
「やっぱりネロに攻撃なんて出来ません!」
逢夏が叫ぶ。
空中に浮かべた椅子に座ってポテチをポリポリやっていた悪魔が、その言葉に焦れったい、とブーイング。
『はャク、攻ゲきスルスるゥ!』
カチンときた逢夏が悪魔に向けて更に叫ぶ。
「できないって言ってるでしょ!
だいたいネロって私の主だから攻撃出来ないのっ!わかった?」
だが、悪魔はあくびなんかしながら、もーまんたーい!と答えた。
お前、どこの国出身だよ。
『だィじヨぶぅ!
ニェは半パのこトちゅキだヵラ、コォ撃でキナィだヶ!
今ヌシとヵ贄トヵ、カンけェなぃなィ!』
「なんですとぅ!」
バッとネロに振り返った逢夏は、試しにちょこっとだけ…ほんと~に、ちょこっとだけネロに攻撃を仕掛けてみることにした。
右手を振り上げて闘牛のように向かってきたネロ。
それをかわしながら、逢夏は柄でがら空きの背中を殴り付けた。
気分はマタドールである。
ドンガラガッシャーン。
ネロは派手な音をたて、壁にぶつかった。
ディーヴァ達との境目である、有刺鉄線じゃなくてよかった。
とにかく、数秒は立ち上がらないと、そう思いたい。
逢夏は悪魔に疑問に思っていたことを聞いた。
「悪魔さん、これホントに死んだりしないよね?
そのへんどうなってるの?」
『チナなィ、チナなぃッ!
どキォぅだメシ!!』
「…そっか。じゃあ、しかたないよね。
ネロ、ごめんね☆」
逢夏はネロに向かってにこぉ…と口角をあげた笑みを向けた。