もふもふ達、おいたする
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
体罰こそないが、あまりに恐ろしい形相で説教を垂れ続ける2代目にストップを入れる初代達。
いつもは元気いっぱいのティナまでもが目に涙を溜め始めていて、そのあまりの気の毒さが見るに堪えなかったのだ。
初「ま、まあ……。2代目、そろそろいいじゃねーか」
若「そ、そうそう。こんだけ反省してるんだし!」
ネ「壊れたものは戻らないけど、掃除や片付けもしただろ」
バ「そのくらいにしておいたらどうだ?」
いつもは厳しいバージルさえフォローに入る。
ブイズ達は助かった!と少し表情をやわらかくした。
2「だが、悪いことをしたらおしおきをしなくては」
ムムム、と2代目が腕を組んで唸る。
その頭に見えていた角は初代達が止めたからか、ようやくなりを潜めていた。
髭「ほっぺたのばしくらいでいいだろ。俺達と違って半分悪魔ってわけでもないしな」
リアラが冷やさなくなったことでぬるくなってきた額のタオルを取り去り、起き上がった髭が言う。
2「ほっぺたのばし……かわいいな。よし撮影だ」
またかい!
お前、どんだけ写真好きなんだよ、どこぞのカメラマンか!!
そう突っ込みたいが、誰も言わなかった。
と、もう一度キチンと順番に並ばせるが、何か足りない。
1匹足りないのだ。
ティナと同じだが少し小さい、ブイズ達の中では一番存在感の薄い茶色の毛玉。
ディーヴァである。
その時になってブイズ達もようやくその事実に気が付いた。
半魔達が帰って来るまでは部屋の惨状に、帰ってきてからは説教を受けるのに精一杯で忘れていたのだ。
ネ「そういえばディーヴァがいないよな」
若「あいつ怖がりだしどっか隠れてんじゃね?」
バ「その内出てくるだろう、それよりこれ以上汚されてはかなわん。鈴、ティナ。こっちへ来い、体を洗わんとな」
おしおきの前に汚れ落としだ!
インクまみれのままで七色の毛並みに汚れている鈴とティナを呼ぶバージル。
若とバージルは寄ってきた2匹を抱え上げると、バスルームへと続く奥の部屋へのドアを開けた。
若「ん?」
若の視界の端に茶色のもふもふが映り込む。
バ「どうした愚弟」
若「い……」
バ「い?」
若「いたぁぁぁぁ!!」
若が隅を指さして叫ぶ。
あまりのうるささにバージルは思わず若に幻影剣を放った。
若の抱えるティナを避け、幻影剣は若の脳天に深く突き刺さる。
若「イテェ!!」
バ「貴様がうるさいからだ!」
若「わ、悪い……。ってそんなことより!ディーヴァいたじゃねーか」
バ「……こんなところにいたとは」
部屋の隅を見たバージルの目に飛び込んできたのは、ゴミ箱に頭から体を突っ込ませたディーヴァの姿だった。
周りにはゴミ箱に入っていたであろうゴミが大量に散らばり、床を汚していた。
ゴミ箱に入り込んだ張本人は気を失っているのか、動かない。
と、若の叫びを聞きつけた他の半魔達がやってきた。
2「どうかしたか?」
ネ「若。いたーとか、キターとか言わなかったか?」
若「キターは言ってねえよ」
バ「ディーヴァがいただけだ」
隅を顎でしゃくる若とバージル。
全員がそちらを向き、ディーヴァの姿を目に入れる。
髭「お、ちっこいのはここにいたのか」
2「ゴミまみれじゃないか。悪いが2人とも、鈴とティナを綺麗にするついでにディーヴァも洗ってやってくれ」
若「OK、任せろ!」
バ「ああ。ん?ちょっと待て。……このポーズは!!」
今度はバージルが叫ぶ。
初「ど、どうしたバージル?」
髭「ご乱心か!?」
若「大変だ!また幻影剣でやられる!!」
冗談交じりで慌てる若達を無視し、バージルがカッと目を見開いた。
バ「これは……かの有名な犬神家のポーズっ!!」
バージルの目に映るディーヴァ。
ゴミ箱から足と尻尾だけを生やすそのポーズは犬神家!状態だった。
最近バージルは日本映画にお熱なのである。
ゴミ箱からディーヴァをそっと助けながら「あ、そうッスか」と答える若だった。
***
鈴もティナもディーヴァも元の綺麗でもふもふの毛並みになっていく横で、ネロが事務作業をする時のみかける眼鏡をかけ、電卓片手に被害状況から修理にいくらかかるかを計算する。
ネロ「床板、壁の穴、家具、ガラス……軽~く計算しただけでもざっとこんなもんだ」
ちらと覗き込むその金額は丸の数がやたらと多い。
若「高っ!」
髭「うわ……今日の依頼料でギリギリじゃねーか」
2「……いや、ギリギリじゃない。足りない」
初「ああ、レディからの仕事の方は、紹介料とかこつけてしこたま取られちまうからな…」
実を言うと、髭はこの歳にもなってレディに多大な借金がある。
だからレディからの仕事の報酬は大体が借金返済のために、紹介料という形でほぼ残らない。
ネ「どうすんだ?」
バ「もう1つの依頼料でも直しきれんぞ」
2「修理を先にするとして……生活を切り詰めないとな」
髭「うぅむ、飯代とかも減らさねーと」
真面目組のネロ・バージル、そして大人組たる2代目と髭が話し合う。
その内容を聞き、黙ってはいられない男がここに1人。
若「は?飯が減る?……ってことはストサンは!?かけの対象のストサンはどうなるんだーっ!?」
初「ストサンどころじゃないだろ?」
若いから我慢がきかないのか、スとロベリーサンデーに一番執着がひどいダンテ……それが若だ。
若「オーマイガッ!」
先ほどまでの髭のように魂が抜けた状態になっていく若だった。
おしおきにとほっぺたのばしをしてブイズ達のよく伸びる頬を楽しみながら、写真を撮りまくる2代目を横目に髭は苦笑した。
髭「まあ、完全に事務所が吹き飛ばなかったし、ブイズ達も怪我しなかっただけよかった」
唯一残っていた照明の金具がゴン!と髭の頭に落ちて来る。
ちょっとだけ痛い。
髭は落ちて来た金具と天井を交互に見てため息を吐いた。
髭「……だよな?」
いつもは元気いっぱいのティナまでもが目に涙を溜め始めていて、そのあまりの気の毒さが見るに堪えなかったのだ。
初「ま、まあ……。2代目、そろそろいいじゃねーか」
若「そ、そうそう。こんだけ反省してるんだし!」
ネ「壊れたものは戻らないけど、掃除や片付けもしただろ」
バ「そのくらいにしておいたらどうだ?」
いつもは厳しいバージルさえフォローに入る。
ブイズ達は助かった!と少し表情をやわらかくした。
2「だが、悪いことをしたらおしおきをしなくては」
ムムム、と2代目が腕を組んで唸る。
その頭に見えていた角は初代達が止めたからか、ようやくなりを潜めていた。
髭「ほっぺたのばしくらいでいいだろ。俺達と違って半分悪魔ってわけでもないしな」
リアラが冷やさなくなったことでぬるくなってきた額のタオルを取り去り、起き上がった髭が言う。
2「ほっぺたのばし……かわいいな。よし撮影だ」
またかい!
お前、どんだけ写真好きなんだよ、どこぞのカメラマンか!!
そう突っ込みたいが、誰も言わなかった。
と、もう一度キチンと順番に並ばせるが、何か足りない。
1匹足りないのだ。
ティナと同じだが少し小さい、ブイズ達の中では一番存在感の薄い茶色の毛玉。
ディーヴァである。
その時になってブイズ達もようやくその事実に気が付いた。
半魔達が帰って来るまでは部屋の惨状に、帰ってきてからは説教を受けるのに精一杯で忘れていたのだ。
ネ「そういえばディーヴァがいないよな」
若「あいつ怖がりだしどっか隠れてんじゃね?」
バ「その内出てくるだろう、それよりこれ以上汚されてはかなわん。鈴、ティナ。こっちへ来い、体を洗わんとな」
おしおきの前に汚れ落としだ!
インクまみれのままで七色の毛並みに汚れている鈴とティナを呼ぶバージル。
若とバージルは寄ってきた2匹を抱え上げると、バスルームへと続く奥の部屋へのドアを開けた。
若「ん?」
若の視界の端に茶色のもふもふが映り込む。
バ「どうした愚弟」
若「い……」
バ「い?」
若「いたぁぁぁぁ!!」
若が隅を指さして叫ぶ。
あまりのうるささにバージルは思わず若に幻影剣を放った。
若の抱えるティナを避け、幻影剣は若の脳天に深く突き刺さる。
若「イテェ!!」
バ「貴様がうるさいからだ!」
若「わ、悪い……。ってそんなことより!ディーヴァいたじゃねーか」
バ「……こんなところにいたとは」
部屋の隅を見たバージルの目に飛び込んできたのは、ゴミ箱に頭から体を突っ込ませたディーヴァの姿だった。
周りにはゴミ箱に入っていたであろうゴミが大量に散らばり、床を汚していた。
ゴミ箱に入り込んだ張本人は気を失っているのか、動かない。
と、若の叫びを聞きつけた他の半魔達がやってきた。
2「どうかしたか?」
ネ「若。いたーとか、キターとか言わなかったか?」
若「キターは言ってねえよ」
バ「ディーヴァがいただけだ」
隅を顎でしゃくる若とバージル。
全員がそちらを向き、ディーヴァの姿を目に入れる。
髭「お、ちっこいのはここにいたのか」
2「ゴミまみれじゃないか。悪いが2人とも、鈴とティナを綺麗にするついでにディーヴァも洗ってやってくれ」
若「OK、任せろ!」
バ「ああ。ん?ちょっと待て。……このポーズは!!」
今度はバージルが叫ぶ。
初「ど、どうしたバージル?」
髭「ご乱心か!?」
若「大変だ!また幻影剣でやられる!!」
冗談交じりで慌てる若達を無視し、バージルがカッと目を見開いた。
バ「これは……かの有名な犬神家のポーズっ!!」
バージルの目に映るディーヴァ。
ゴミ箱から足と尻尾だけを生やすそのポーズは犬神家!状態だった。
最近バージルは日本映画にお熱なのである。
ゴミ箱からディーヴァをそっと助けながら「あ、そうッスか」と答える若だった。
***
鈴もティナもディーヴァも元の綺麗でもふもふの毛並みになっていく横で、ネロが事務作業をする時のみかける眼鏡をかけ、電卓片手に被害状況から修理にいくらかかるかを計算する。
ネロ「床板、壁の穴、家具、ガラス……軽~く計算しただけでもざっとこんなもんだ」
ちらと覗き込むその金額は丸の数がやたらと多い。
若「高っ!」
髭「うわ……今日の依頼料でギリギリじゃねーか」
2「……いや、ギリギリじゃない。足りない」
初「ああ、レディからの仕事の方は、紹介料とかこつけてしこたま取られちまうからな…」
実を言うと、髭はこの歳にもなってレディに多大な借金がある。
だからレディからの仕事の報酬は大体が借金返済のために、紹介料という形でほぼ残らない。
ネ「どうすんだ?」
バ「もう1つの依頼料でも直しきれんぞ」
2「修理を先にするとして……生活を切り詰めないとな」
髭「うぅむ、飯代とかも減らさねーと」
真面目組のネロ・バージル、そして大人組たる2代目と髭が話し合う。
その内容を聞き、黙ってはいられない男がここに1人。
若「は?飯が減る?……ってことはストサンは!?かけの対象のストサンはどうなるんだーっ!?」
初「ストサンどころじゃないだろ?」
若いから我慢がきかないのか、スとロベリーサンデーに一番執着がひどいダンテ……それが若だ。
若「オーマイガッ!」
先ほどまでの髭のように魂が抜けた状態になっていく若だった。
おしおきにとほっぺたのばしをしてブイズ達のよく伸びる頬を楽しみながら、写真を撮りまくる2代目を横目に髭は苦笑した。
髭「まあ、完全に事務所が吹き飛ばなかったし、ブイズ達も怪我しなかっただけよかった」
唯一残っていた照明の金具がゴン!と髭の頭に落ちて来る。
ちょっとだけ痛い。
髭は落ちて来た金具と天井を交互に見てため息を吐いた。
髭「……だよな?」