全員無事に揃ってほっと一息。
ブイズ達もこの世界での寝食が保証されまず最初の問題は片付いた。

ん？寝食……？

初「ところでこいつら……何食うんだ？」

そうである。
寝床は確保されたが、もう１つの問題は片付いていない。

食の問題だ。

時間もよい頃合い。
そろそろ夕食の準備をしなくてはいけない時間。

ちなみに本日の夕食当番はネロである。
故郷で幼馴染みに教わったためか、デリバリーピザばかり頼むダンテ達よりも料理の腕はいい。
味も栄養も期待できそうである。

と、まあ話は脱線したが、初代のその言葉にその場の者達はしばし無言になってそれぞれ顔を見合わせた。

ブイズ「…………」
半魔達「…………」


一番先に動いたのは髭だった。

夕食を待っていられずデリバリーピザをとっていたらしいこの家の家主……髭はおもむろにピザを一切れ手にすると、頭の上のリアラに差し出した。

髭「食うか？」

リアラはお腹が空いているようで、くんくんと匂いを嗅いだ。
結局のところ何だかわからなかったようだ。
髭を信用して、食べてみようと口を開けるリアラ。

その瞬間、ネロの右手が飛んできた。
ズバーン！！

ネ「んな体に悪いモンを食わせるな！」
「シアアッ！？」

髭の持っていたピザは、あわれにもネロの右手によって遠くへと飛ばされてしまう。
リアラには怪我はなく、ピザと髭にのみ被害は及んだ。

髭「ぐほぁっ！」
若「あー！！もったいねぇ！オレのピザーッ！！」

ポーン！
勢いよく飛んでいくピザを追いかけ、若は自分も飛んでいった。

若よ、どこへ行く。

髭「……俺のだよ、若」

ネロの右手により地に沈んだ髭は、その背中へ呟くのだった。

そして２代目と初代も変なことを言い出すしまつ。

２「野菜も乗っているぞ(真顔)」
初「ああ、ほら、ピーマンとかポテトが(真顔)」

確かにピーマンとポテトは乗っている。
乗ってはいるのだが……。

バ「ピーマンとポテトスライスが数枚。そんな物は野菜とは言わん」

ところで、飛んでいったピザをキャッチしたのはドレアムである。
ピザを追っていったはずの若の姿は見えない。

若、どこまで行った？