鈴が心許したことでドレアム達もダンテやレディにそっと近寄る。
ドレアムはレディに、フォルテはネロに、リアラは髭に……といった風に自分を直接助けてくれた者の元へ。

おずおずと近寄ってきたドレアムを、レディは待ってましたとばかりに迎え入れる。

レ「貴方も傷だらけよ、手当てしないとね！」
「リーフィー。（私を助けてくださってありがとうございます）」

レディはドレアムの体を抱きしめると、ゆっくりと手当てしだした。
ドレアムはネコのようにのどをごろごろと鳴らしながら、そのすべてを受け入れる。
手当ては全く痛くなく、とても気持ちいいものだった。

「きゅーんきゅーん、ゴロゴロゴロ……」
レ「ふふ、かわいいわね」

手当てが終わってもなお、ドレアムはレディにべったりで、一歩も離れなかったそうな。

リアラは髭に恩があるのをちゃんと覚えていた。
髭の元にトテトテと駆けたかと思うと『ありがとう』の意味をこめて、前足をその足に乗せ１鳴き。

「シァ……」
髭「はは、お前も来たか。待ってたぞこいつめ！」

ちゅ。

気が付いた髭はリアラを高い高いをするかのように抱っこすると、その鼻先に口づけを落とした。

髭「美人さんだな～おおっ、お前メスか！」

いきなりされたキスと、おなかを見られたことに恥ずかしそうに身をよじるリアラ。
その頬も氷タイプとは思えないほど赤く染まっていた。

それをそのまま放置するネロではない。
そしてネロの事務所での仕事の１つに髭へのバスターというのがある。

ネ「オッサン、やめてやれよ！」

ネロのバスターは本日も絶好調。
髭は床に強かに叩きつけられる。
リアラはその瞬間にパッと解放されたようで無事であった。

ぷしゅー。
髭「そういうお前こそバスターやめてくれ……」

打ち付けた顔からくぐもった髭の声が聞こえる。
そしてその髭の尻に追い打ちにと、星型の光線が直撃した。

髭「おわおわっ！なんだ！？」
ケツがマストダイ！

髭は顔が下になっているため、わからなかったが、正体はフォルテの放ったスピードスターである。
ゆっくりと尻を押さえて立ち上がる髭の目に飛び込んできたのは、ネロの肩に乗っているフォルテだった。

「ニィンフィッフィッフィッ！」
ネ「よくやったピンクいの！」

ネロとフォルテがケタケタと笑う。
リアラはため息を吐きながら、楽しそうにするフォルテやネロ、痛そうにする髭を見た。

ネロとフォルテはいつの間に意気投合したのか、他の誰よりも仲良さげ。
先の戦いで背中を預け合っていた、そういうのはやはり信用にたるものなのだろうか。

「シ～ア」

髭の足元でリアラが鳴く。
そして心配そうに足先を叩くと、髭を見つめる。

髭「心配してくれるのはお前だけだぜベイビーちゃーん」
「シア～♪」

髭はリアラを頭の上に乗せた。
リアラは髭の髪の毛を楽しそうにいじくりまわして遊び始めるのだった。

そしてティナはというと。
始めから終わりまでいつもとっても楽しそう。

事務所内を駆け回り、今は初代と２代目に交互に抱っこされているというハーレム状態だった。

お互いの話が通じないのでお互いの真意はわからないが、皆そんな様子。

バージルは一人参加せず、横目でチラリと見るとそのほほえましさに小さく笑った。