とうらぶの短いお話
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再び高速道路の中へと出発した俺達の目の前に広がるのは、緑豊かな大自然、神でも住んでいそうな山の峰々。
上信越自動車道を通り、上越市を経て北陸自動車道に入れば、右手に見えるキラキラ輝く日本海。
フロントガラスが邪魔だなあ。風で大変だろうけどこういう時はオープンカーがいいな、なんて思ってしまう。
そして長い長い、トンネルを抜ければそこは雪国……ってことは夏だしないけど、俺の故郷の一つ。目的地でもある加賀の金沢に着いた。
整備されて美しく、でも昔からの造りを大切にしてきた街並みはどこか奥ゆかしい。
懐古の念を抱きながらやってきたのは、一番来たかった場所、『大加州刀展』が開かれている、石川県立歴史博物館だ。
加賀本多博物館との並びや、周りには兼六園もあって、まさに加賀の歴史を学ぶにはもってこいの場所ばかり。
兼六園も行こうとは思うけれど……うん。兼六園はあとだね。
「あー、やっとついたー」
車から降りて博物館の独特の外観を目の前にしたら、まずその言葉が出た。
だって、大きさはともかく雰囲気あるっていうか、モダンでレトロな感じが心くすぐらてしまったんだ。
着いたなーって。
「ここまでお疲れ様。疲れたでしょう?少し休んでから行く?」
「あるじもお疲れ様。俺はまだまだ序の口だからいいよ。黄色疲労にもなってない。
せっかく来たんだしさ、早く入ろうよ」
手を差し出すと、俺と同じ爪色を乗せた手がそっと重ねられた。
さて、いよいよか。俺の他にはどんな刀剣が待ってるんだろう。
俺の記憶にあるのは、そのほとんどが沖田くんの元にいた頃のものばかりだ。兄弟刀なんているのかいないのかも、何も知らない。
もちろん、あるじの元に顕現されてからはあるじとの思い出ばかりあるけどね!
変わった作りの入り口へと向かうと、外からはわからなかったが、なんと入口を抜けてエントランス、ガラス張りの渡り廊下までずらりと人の列ができていた。
エントランスに至っては、グルグルと縄とポールで並ぶための道が作られていて、ただの一本道ではない状態だった。
えっどういうこと……?
「まるで某ネズミの国のアトラクションね」
呆気に取られる横で、あるじがそんな言葉をこぼした。
「っていうか、審神者多すぎじゃない?」
刀剣男士の目で見ればその半数以上が霊力を持つ人間で、しかも隣には高確率で刀剣男士が身を変えた一般男性。いや、俺も同じく一般男性に見える術は一応軽くかけてるけどさ。
つまりは深見と同じ審神者達であることが伺える。
……むしろ、審神者達専用の土産ブースの幻までもが見えるのは俺だけ?ねぇどういうことなの??
俺の視線の先を見つめたあるじが、ふかぁい溜め息と共に言葉を吐いた。
「……そうね。審神者用の土産コーナーがあるあたり、ここに来ているのは審神者が多いみたいね」
アッ見間違えじゃなかったっぽい。
ほぼ八割がた審神者や刀剣男士なのはこれで確実だ。
特に多いのは、やはり俺、加州清光だ。
そのほかに多いのは、前田と白山かな。
これがなんでかというのもわかってる。この大加州刀展、展示される刀剣や書物が、俺由来の刀と、前田藤四郎、そして白山吉光に関係しているからだ。
俺のあるじと同じ考えをしている審神者が多いんだろうね。
ちなみにうちの前田たちも来たがったけど、俺の強い想いを前にして、引き下がってくれた。
今回は譲ります。主君を我々の分もお守りください。とかのたくさんの言葉を残して。
並びながら周りの人間、審神者、刀剣男士をそっと眺める。
大体の『加州清光』は、目の前の自分の審神者しか見えていないようで、自分らの世界に入っていた。
ちっくしょー。自分の審神者とイチャイチャしやがって……俺もあるじとイチャイチャするけどね。
でもま、別個体だとしてもみている分には嬉しいものだ。
俺、愛されすぎてる〜。
嬉しくなった俺は、並び口にあったパネルを前にもあるじと記念の写真を撮った。
「あるじ〜、はい、チーズ!」
この瞬間は俺のもの。俺とあるじの世界。
上信越自動車道を通り、上越市を経て北陸自動車道に入れば、右手に見えるキラキラ輝く日本海。
フロントガラスが邪魔だなあ。風で大変だろうけどこういう時はオープンカーがいいな、なんて思ってしまう。
そして長い長い、トンネルを抜ければそこは雪国……ってことは夏だしないけど、俺の故郷の一つ。目的地でもある加賀の金沢に着いた。
整備されて美しく、でも昔からの造りを大切にしてきた街並みはどこか奥ゆかしい。
懐古の念を抱きながらやってきたのは、一番来たかった場所、『大加州刀展』が開かれている、石川県立歴史博物館だ。
加賀本多博物館との並びや、周りには兼六園もあって、まさに加賀の歴史を学ぶにはもってこいの場所ばかり。
兼六園も行こうとは思うけれど……うん。兼六園はあとだね。
「あー、やっとついたー」
車から降りて博物館の独特の外観を目の前にしたら、まずその言葉が出た。
だって、大きさはともかく雰囲気あるっていうか、モダンでレトロな感じが心くすぐらてしまったんだ。
着いたなーって。
「ここまでお疲れ様。疲れたでしょう?少し休んでから行く?」
「あるじもお疲れ様。俺はまだまだ序の口だからいいよ。黄色疲労にもなってない。
せっかく来たんだしさ、早く入ろうよ」
手を差し出すと、俺と同じ爪色を乗せた手がそっと重ねられた。
さて、いよいよか。俺の他にはどんな刀剣が待ってるんだろう。
俺の記憶にあるのは、そのほとんどが沖田くんの元にいた頃のものばかりだ。兄弟刀なんているのかいないのかも、何も知らない。
もちろん、あるじの元に顕現されてからはあるじとの思い出ばかりあるけどね!
変わった作りの入り口へと向かうと、外からはわからなかったが、なんと入口を抜けてエントランス、ガラス張りの渡り廊下までずらりと人の列ができていた。
エントランスに至っては、グルグルと縄とポールで並ぶための道が作られていて、ただの一本道ではない状態だった。
えっどういうこと……?
「まるで某ネズミの国のアトラクションね」
呆気に取られる横で、あるじがそんな言葉をこぼした。
「っていうか、審神者多すぎじゃない?」
刀剣男士の目で見ればその半数以上が霊力を持つ人間で、しかも隣には高確率で刀剣男士が身を変えた一般男性。いや、俺も同じく一般男性に見える術は一応軽くかけてるけどさ。
つまりは深見と同じ審神者達であることが伺える。
……むしろ、審神者達専用の土産ブースの幻までもが見えるのは俺だけ?ねぇどういうことなの??
俺の視線の先を見つめたあるじが、ふかぁい溜め息と共に言葉を吐いた。
「……そうね。審神者用の土産コーナーがあるあたり、ここに来ているのは審神者が多いみたいね」
アッ見間違えじゃなかったっぽい。
ほぼ八割がた審神者や刀剣男士なのはこれで確実だ。
特に多いのは、やはり俺、加州清光だ。
そのほかに多いのは、前田と白山かな。
これがなんでかというのもわかってる。この大加州刀展、展示される刀剣や書物が、俺由来の刀と、前田藤四郎、そして白山吉光に関係しているからだ。
俺のあるじと同じ考えをしている審神者が多いんだろうね。
ちなみにうちの前田たちも来たがったけど、俺の強い想いを前にして、引き下がってくれた。
今回は譲ります。主君を我々の分もお守りください。とかのたくさんの言葉を残して。
並びながら周りの人間、審神者、刀剣男士をそっと眺める。
大体の『加州清光』は、目の前の自分の審神者しか見えていないようで、自分らの世界に入っていた。
ちっくしょー。自分の審神者とイチャイチャしやがって……俺もあるじとイチャイチャするけどね。
でもま、別個体だとしてもみている分には嬉しいものだ。
俺、愛されすぎてる〜。
嬉しくなった俺は、並び口にあったパネルを前にもあるじと記念の写真を撮った。
「あるじ〜、はい、チーズ!」
この瞬間は俺のもの。俺とあるじの世界。