その1、二度目の審神者業
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「新しい刀剣が来るまではどうしたらいいんだい?」
「時間になったら鈴の音が本丸内に鳴り響くから、内番について説明しようかな、と」
「内番……?」
不思議そうに首をかしげる歌仙。
「刀剣男士達には日々の出陣の他に、大まかに言うと、馬当番、畑当番、手合わせといった内番がございます。
それにより基礎体力を付けたり、他の刀剣男士達との意思疎通や交流が図れます」
「交流って大事な事なんだよ。
あ、そうそう。この本丸ではそれだけじゃなくて、刀剣男士が増えてから掃除、炊事、洗濯も内番でまかなってほしいな。そこはおいおい覚えてもらえば」
こんのすけと私の二人で、内番について説明する。
それを聞いていた歌仙の顔がみるみる内に曇ってきて、最後にはしかめっ面に変わってしまった。
「歌仙?あの、どうしたの?」
「……いや、まだ掃除に炊事に洗濯、もちろん手合わせはいいんだ。
だが、馬当番に畑当番だって?……勘弁してくれよ」
「嫌?」
「だって服が汚れてしまうじゃないか!」
声を荒げるというのは、なんだか歌仙らしくないような気がするが、嫌なのかと聞いたら、汚れるのは嫌だと口を尖らせてしまった。
「は、はあ……。大丈夫。刀剣男士の少ない最初のうちは私も一緒にやるし、馬当番は馬を入手してから始めるの」
「なら、いいよ」
実を言うと今の今まで、彼のことを気難しく考えていた。
こうしてみると、顕現した肉体の見た目そのままの年齢と性格をしているようで、馬当番や畑当番に口を尖らせたり、それがしばらくないと伝えると喜んだり、いたって普通だ。
思わずクスッと笑みがこぼれた。
この調子なら、仲良く出来そう……かな。
その時、厳かなシャンシャンという鈴の音が聞こえてきた。
鍛刀が終わったようで、そろそろ鍛刀部屋に戻ろうかと歌仙同様二人、顔を見合わせ頷きあう。
鍛刀部屋に戻ると、資材を使って綺麗に鍛えられた一振りの刀剣が、出来上がっていた。
「主、わかっているね?誰が来ても、」
「わかってるよ、歌仙。上に立つものとして振る舞えってことでしょ?」
「ならいいよ」
まったく、これではどちらが上司かわかったものじゃない。
だが上司と部下というよりは、先生と生徒のような気もする……なぜだ。
出来上がっている刀は、大きさからして短刀なのはわかるのだが、その抜き身の鋭き刃は、珍しい乱れ刃……と、いうことは。
「乱藤四郎だよ。……ねぇ、ボクと乱れたいの?」
触れた先から光が溢れると同時、そこに顕現したのは、乱藤四郎だ。
「おなご、……?」
「ボクは男だよ?歌仙さん」
乱藤四郎が自分の名前を知っているのに、歌仙が驚いているが、こちらはなんら疑問に感じない。
刀剣男士の本体は刀。
顕現する前からこちらの声は聞こえているのだ。
歌仙に、そしてこちらににこりと微笑みかける乱藤四郎。
その笑みは、男の子だというのに、やはり女の子のように可愛らしい。
いや、どう考えてもそんじょそこらの女の子よりも女の子だ。
そうか、これが巷で噂の男の娘か。
「貴女があるじさんだね、よろしく!
ボクの事は乱でいいよ!兄弟もいっぱいいるし!」
「わかった、乱ね。よろしく」
「ふふっ!これからボクといっぱい乱れようね!!」
ぎゅっといきなり抱きつかれてしまった。
私より背は若干低い少年期の体に近いが、刀剣を扱うからだろうか。男性らしく固い筋肉がついているとわかる。
……意識してしまう。
「ひゃっ!う、うんー?」
この抱擁は乱なりの社交辞令なんだろうけれど、乱れようなどと言われると違う意味合いを想像してしまい、少し戸惑う。
乱の抱擁にそっと応え、曖昧に笑うとやっと離れてくれた。
「えへへ、女の人って柔らかいね!」
「えっと……ありがとう……?」
お礼を言う場所かどうか迷ったが、とりあえず感謝の言葉を伝えてみる。
「乱、……君って奴は……」
私の見えないところで、歌仙と乱が火花を散らしていたことには、もちろん気がつかなかった。
「時間になったら鈴の音が本丸内に鳴り響くから、内番について説明しようかな、と」
「内番……?」
不思議そうに首をかしげる歌仙。
「刀剣男士達には日々の出陣の他に、大まかに言うと、馬当番、畑当番、手合わせといった内番がございます。
それにより基礎体力を付けたり、他の刀剣男士達との意思疎通や交流が図れます」
「交流って大事な事なんだよ。
あ、そうそう。この本丸ではそれだけじゃなくて、刀剣男士が増えてから掃除、炊事、洗濯も内番でまかなってほしいな。そこはおいおい覚えてもらえば」
こんのすけと私の二人で、内番について説明する。
それを聞いていた歌仙の顔がみるみる内に曇ってきて、最後にはしかめっ面に変わってしまった。
「歌仙?あの、どうしたの?」
「……いや、まだ掃除に炊事に洗濯、もちろん手合わせはいいんだ。
だが、馬当番に畑当番だって?……勘弁してくれよ」
「嫌?」
「だって服が汚れてしまうじゃないか!」
声を荒げるというのは、なんだか歌仙らしくないような気がするが、嫌なのかと聞いたら、汚れるのは嫌だと口を尖らせてしまった。
「は、はあ……。大丈夫。刀剣男士の少ない最初のうちは私も一緒にやるし、馬当番は馬を入手してから始めるの」
「なら、いいよ」
実を言うと今の今まで、彼のことを気難しく考えていた。
こうしてみると、顕現した肉体の見た目そのままの年齢と性格をしているようで、馬当番や畑当番に口を尖らせたり、それがしばらくないと伝えると喜んだり、いたって普通だ。
思わずクスッと笑みがこぼれた。
この調子なら、仲良く出来そう……かな。
その時、厳かなシャンシャンという鈴の音が聞こえてきた。
鍛刀が終わったようで、そろそろ鍛刀部屋に戻ろうかと歌仙同様二人、顔を見合わせ頷きあう。
鍛刀部屋に戻ると、資材を使って綺麗に鍛えられた一振りの刀剣が、出来上がっていた。
「主、わかっているね?誰が来ても、」
「わかってるよ、歌仙。上に立つものとして振る舞えってことでしょ?」
「ならいいよ」
まったく、これではどちらが上司かわかったものじゃない。
だが上司と部下というよりは、先生と生徒のような気もする……なぜだ。
出来上がっている刀は、大きさからして短刀なのはわかるのだが、その抜き身の鋭き刃は、珍しい乱れ刃……と、いうことは。
「乱藤四郎だよ。……ねぇ、ボクと乱れたいの?」
触れた先から光が溢れると同時、そこに顕現したのは、乱藤四郎だ。
「おなご、……?」
「ボクは男だよ?歌仙さん」
乱藤四郎が自分の名前を知っているのに、歌仙が驚いているが、こちらはなんら疑問に感じない。
刀剣男士の本体は刀。
顕現する前からこちらの声は聞こえているのだ。
歌仙に、そしてこちらににこりと微笑みかける乱藤四郎。
その笑みは、男の子だというのに、やはり女の子のように可愛らしい。
いや、どう考えてもそんじょそこらの女の子よりも女の子だ。
そうか、これが巷で噂の男の娘か。
「貴女があるじさんだね、よろしく!
ボクの事は乱でいいよ!兄弟もいっぱいいるし!」
「わかった、乱ね。よろしく」
「ふふっ!これからボクといっぱい乱れようね!!」
ぎゅっといきなり抱きつかれてしまった。
私より背は若干低い少年期の体に近いが、刀剣を扱うからだろうか。男性らしく固い筋肉がついているとわかる。
……意識してしまう。
「ひゃっ!う、うんー?」
この抱擁は乱なりの社交辞令なんだろうけれど、乱れようなどと言われると違う意味合いを想像してしまい、少し戸惑う。
乱の抱擁にそっと応え、曖昧に笑うとやっと離れてくれた。
「えへへ、女の人って柔らかいね!」
「えっと……ありがとう……?」
お礼を言う場所かどうか迷ったが、とりあえず感謝の言葉を伝えてみる。
「乱、……君って奴は……」
私の見えないところで、歌仙と乱が火花を散らしていたことには、もちろん気がつかなかった。