とうらぶの短いお話
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「帰ったぞー!」
「ただいま戻りました」
「あー、疲れた!爪紅塗りなおさなきゃ……」
結果、誉を取ったのは兼定。
帰還する際の連絡でそれを知った深見は、本丸の玄関に三つ指をついていた。
「お、おかえりなさい……」
普段三つ指ついてなんてことはしないが、間に合えばいつだってこうして出迎えを欠かさない深見。
三つ指はともかく、兼定が突っ込みたいと思うのは、深見の体を覆い隠すようにして背後に立つ山姥切国広の姿だ。
山姥切は至極迷惑そうな表情で、布の端を深見のために貸し切っている。
他の刀剣男士も、国広も審神者の様子が気になるようだったが、顎で先を示せば何も言わず本丸の奥へと進んでいった。
場に残るのは、深見と兼定と、あと山姥切国広。
深見のその表情は俯いているのと、山姥切の布とでよく見えない。
しかし、恥ずかしさに顔を赤くして、ぷるぷる震えているのだけはすぐにわかった。
なんで山姥切の布?なんで顔が赤いし俯いているし三つ指?
意味はわからず、でも山姥切羨ましすぎる、と胸の奥にわずか燻る思いを育てながら、声をかける代わりに手を深見に伸ばす。
「か、兼定……ビキニ着たよ……!」
触れるか触れないかのところで、山姥切の布が翻った。
あ、本丸で使ってる柔軟剤の匂いがする、そう思ったあとに目に飛び込んできたのは、真っ黒な三角の布切れ3枚に覆われ、ほとんどの肌が出ている深見。
んんん!?
なんだこの布切れ!?
紐?紐で布を吊っている状態にしか見えないんだが。
説明するならば、三角ビキニの紐結びタイプ色は黒、といういでたちなのだが、これは兼定には刺激が強すぎた。
もちろん、それを自分の布で隠していた山姥切にも刺激は強かっただろうが、本人曰く「ずっと見ていたら無我の境地に至った」とのこと。
あ、そうっすか。さすが神様。
目ん玉ひん剥いて目の前の深見を無言で見つめる兼定。
無言。
なんにも言えねぇ。
「い、言っとくけど、恥ずかしいんだからね!?」
「お、おう……!わーってるよ!」
何も言わない兼定にしびれを切らしたか、深見が手をバタつかせて兼定を睨みつけている。
真っ赤な顔で睨まれてもこわくない。
「あ~~もう!かぶってろ」
とりあえず、兼定がしたことは。
未だ戦場の空気を纏う自分の羽織をかぶせることだった。
「あ、りがと……う?」
ふわり、埃や死の気配にまじって、兼定が好んでつける香の匂いが空気に漂う。
「俺はもう行ってもいいよな」
布役が山姥切国広から和泉守兼定に移行したことで、お役御免となった山姥切の布。
後ろから聞こえた声にこくり、頷いてやれば、彼は足早に去って行った。
いくら深見相手だとしても、こんなくだらないことに布を使われるのはよほど嫌だったらしい。
自分だけの為にならまだしも、他の相手のための行為だなんて、やりたくないという気持ちはわからんでもない。
「ただいま戻りました」
「あー、疲れた!爪紅塗りなおさなきゃ……」
結果、誉を取ったのは兼定。
帰還する際の連絡でそれを知った深見は、本丸の玄関に三つ指をついていた。
「お、おかえりなさい……」
普段三つ指ついてなんてことはしないが、間に合えばいつだってこうして出迎えを欠かさない深見。
三つ指はともかく、兼定が突っ込みたいと思うのは、深見の体を覆い隠すようにして背後に立つ山姥切国広の姿だ。
山姥切は至極迷惑そうな表情で、布の端を深見のために貸し切っている。
他の刀剣男士も、国広も審神者の様子が気になるようだったが、顎で先を示せば何も言わず本丸の奥へと進んでいった。
場に残るのは、深見と兼定と、あと山姥切国広。
深見のその表情は俯いているのと、山姥切の布とでよく見えない。
しかし、恥ずかしさに顔を赤くして、ぷるぷる震えているのだけはすぐにわかった。
なんで山姥切の布?なんで顔が赤いし俯いているし三つ指?
意味はわからず、でも山姥切羨ましすぎる、と胸の奥にわずか燻る思いを育てながら、声をかける代わりに手を深見に伸ばす。
「か、兼定……ビキニ着たよ……!」
触れるか触れないかのところで、山姥切の布が翻った。
あ、本丸で使ってる柔軟剤の匂いがする、そう思ったあとに目に飛び込んできたのは、真っ黒な三角の布切れ3枚に覆われ、ほとんどの肌が出ている深見。
んんん!?
なんだこの布切れ!?
紐?紐で布を吊っている状態にしか見えないんだが。
説明するならば、三角ビキニの紐結びタイプ色は黒、といういでたちなのだが、これは兼定には刺激が強すぎた。
もちろん、それを自分の布で隠していた山姥切にも刺激は強かっただろうが、本人曰く「ずっと見ていたら無我の境地に至った」とのこと。
あ、そうっすか。さすが神様。
目ん玉ひん剥いて目の前の深見を無言で見つめる兼定。
無言。
なんにも言えねぇ。
「い、言っとくけど、恥ずかしいんだからね!?」
「お、おう……!わーってるよ!」
何も言わない兼定にしびれを切らしたか、深見が手をバタつかせて兼定を睨みつけている。
真っ赤な顔で睨まれてもこわくない。
「あ~~もう!かぶってろ」
とりあえず、兼定がしたことは。
未だ戦場の空気を纏う自分の羽織をかぶせることだった。
「あ、りがと……う?」
ふわり、埃や死の気配にまじって、兼定が好んでつける香の匂いが空気に漂う。
「俺はもう行ってもいいよな」
布役が山姥切国広から和泉守兼定に移行したことで、お役御免となった山姥切の布。
後ろから聞こえた声にこくり、頷いてやれば、彼は足早に去って行った。
いくら深見相手だとしても、こんなくだらないことに布を使われるのはよほど嫌だったらしい。
自分だけの為にならまだしも、他の相手のための行為だなんて、やりたくないという気持ちはわからんでもない。