とうらぶの短いお話
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少し真面目な話をしたからか、いつの間にか深見の酔いはすっかり覚めていた。
起き上がったことで、少しはだけた深見の胸元がちらと兼定の目に留まった。
いつもならそんな所に目がいくなんてない。
兼定は少し酔いが残っているが、だからと言って酔いのせいには出来ない。
ならば、これから熱帯夜へ変わっていくだろう、この茹だるような暑さのせいだろうか。
ふと、非番の時に見ていたテレビの話を思い出した。
どちらかというと下世話で低俗な話ではあったが、妙に頭に残っているそれ。
気がつけば、深見の胸元から考えを逸らすかのように、言葉が口をついて出た。
「なあ、明日の出陣は俺が隊長だよな。俺が誉取ってきたら、ひとつ言うこと聞いてくれるか?」
「もちろん、いいよ」
「そんなのいつものことでしょ」と言う深見。
そうだった。この本丸では、誉を取ればご褒美が貰えたり、我儘を聞いてもらったりとその刀剣男士にとってよいことがあるのだ。
大抵は次の日の食事関係か、物欲関係、もしくは深見との時間関係が多い気がするそれ。
兼定の口から出た言葉は、これまた下世話で低俗な響きを満ちていた。
「『びきに』っていう着物持ってるか?」
「……は?」
深見の酔いが吹き飛んだらしい。
「明日、7月5日は『びきにの日』らしい。水場で着るっていう濡れても平気な着物なんだが、持ってたら着てくんねぇか?」
「うーん……持ってる、けど……」
ダメと言われたらそれまで。
別に強制はしない。
けれど、テレビでやっていたあのひらひらとした腰巻のような布が潮風に舞い、そして胸を覆うちゅーぶとっぷ?と呼ばれていた胸当て……。
腹や腕、足は惜しげも無く出ていたが、なんかこう……グッとくるものがあった。
普段、深見は巫女服を着込んでいることが多く、滅多に肌を出したりはしない。
肌を出しては叱ってくるような刀剣男士は結構多いが、たまには肌を出したっていいんではなかろうか。
むしろ見たい。
だって兼定は、最年少の刀剣男士で思春期真っ只中。
女体の神秘に興味津々で多感なお年頃だもの。
と、まあ、本丸の中はテレビの影響もあってか、随分と俗世に染まっている。
兼定が深見の水着姿が見たいと思うほどには。
「まあ……いいよ」
散々迷ったようだが、一応持っていることだし……と、深見はさらりとオーケーを出してしまった。
「よっしゃ。なら明日、誉取ってくるから約束なー」
「約束……ぁ、」
小さいが、神様との約束である。
どんなに小さくとも、神との約束は絶対である。
破ったらどうなるかわからない。
それを思い出したのは、約束してからの話。
とはいえ、約束が果たされるには兼定が誉を取ってこなくてはいけないのであるが。
起き上がったことで、少しはだけた深見の胸元がちらと兼定の目に留まった。
いつもならそんな所に目がいくなんてない。
兼定は少し酔いが残っているが、だからと言って酔いのせいには出来ない。
ならば、これから熱帯夜へ変わっていくだろう、この茹だるような暑さのせいだろうか。
ふと、非番の時に見ていたテレビの話を思い出した。
どちらかというと下世話で低俗な話ではあったが、妙に頭に残っているそれ。
気がつけば、深見の胸元から考えを逸らすかのように、言葉が口をついて出た。
「なあ、明日の出陣は俺が隊長だよな。俺が誉取ってきたら、ひとつ言うこと聞いてくれるか?」
「もちろん、いいよ」
「そんなのいつものことでしょ」と言う深見。
そうだった。この本丸では、誉を取ればご褒美が貰えたり、我儘を聞いてもらったりとその刀剣男士にとってよいことがあるのだ。
大抵は次の日の食事関係か、物欲関係、もしくは深見との時間関係が多い気がするそれ。
兼定の口から出た言葉は、これまた下世話で低俗な響きを満ちていた。
「『びきに』っていう着物持ってるか?」
「……は?」
深見の酔いが吹き飛んだらしい。
「明日、7月5日は『びきにの日』らしい。水場で着るっていう濡れても平気な着物なんだが、持ってたら着てくんねぇか?」
「うーん……持ってる、けど……」
ダメと言われたらそれまで。
別に強制はしない。
けれど、テレビでやっていたあのひらひらとした腰巻のような布が潮風に舞い、そして胸を覆うちゅーぶとっぷ?と呼ばれていた胸当て……。
腹や腕、足は惜しげも無く出ていたが、なんかこう……グッとくるものがあった。
普段、深見は巫女服を着込んでいることが多く、滅多に肌を出したりはしない。
肌を出しては叱ってくるような刀剣男士は結構多いが、たまには肌を出したっていいんではなかろうか。
むしろ見たい。
だって兼定は、最年少の刀剣男士で思春期真っ只中。
女体の神秘に興味津々で多感なお年頃だもの。
と、まあ、本丸の中はテレビの影響もあってか、随分と俗世に染まっている。
兼定が深見の水着姿が見たいと思うほどには。
「まあ……いいよ」
散々迷ったようだが、一応持っていることだし……と、深見はさらりとオーケーを出してしまった。
「よっしゃ。なら明日、誉取ってくるから約束なー」
「約束……ぁ、」
小さいが、神様との約束である。
どんなに小さくとも、神との約束は絶対である。
破ったらどうなるかわからない。
それを思い出したのは、約束してからの話。
とはいえ、約束が果たされるには兼定が誉を取ってこなくてはいけないのであるが。