とうらぶの短いお話
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『和泉守兼定とビキニの日』
***
出陣、出陣、出陣……。
刀剣男士達が怪我を負うこと。
ここの審神者はそれを一等嫌う主であるが、出陣して戦っていれば多少なりとも怪我や傷を負って帰ってくることはあるわけで。
「だめなんだよぉ、私が審神者なんて……!やっぱ向いてないんだよぉ……!みんなのこと怪我させちゃうあるじなんてぇ……!」
「もー!向いてないなんてことないでしょ。主が綺麗に治してくれたじゃん」
「そうそう!だいたい俺は主以外の主なんて絶対嫌なんだからねー?」
「うっ、ううぅ……。でも……、……とりあえず飲む……」
深見は酒を煽っては、暗い空気を吐き出してネガティヴモード真っ最中。
沖田組が揃ってそれを慰めている状態だった。
「主殿はまた、落ち込んでるのかー?」
「いつものことだけどそうみたいだね。そっとしとこうよ、兼さん」
この深見、落ち込んでいる時の酔い方は常にこれだ。
逆に楽しく飲んでいる時はどこにその笑顔を隠しているのかわからないほどの笑い上戸だったり、からみ酒がひどい。
そう……だからこの状態はいつものことと言えばいつものことである。
だが、酒を傾けるのは同じでも、理由は180度異なるーー歴史遡行軍の大将をまた一振り討ち取った事であるーー兼定にとっては面白くもなんともない。
俺がいい気分で飲んでるのに、しけたツラしてうじうじちびちび酒飲みやがって。
そんなの許せねぇ、酒が不味くなる。
ガタリ、立ち上がって深見、加州清光、大和守安定のいる場所へと足を向けた。
後ろから国広も着いてきて何かあった時のサポートに回ろうとしているのがわかった。
「おいおい主よぉ、ちと飲み過ぎなんじゃねぇか?」
足元をよく見れば、一升瓶がふたつみっつ転がっている。
これ、さっき開けたばっかりのやつじゃねぇか?
呆れてため息しか出ない。
「鬱々した空気垂れ流してねぇで、もう部屋帰ってやすめ」
「送ってやるから」とぐいと立ち上がらせれば、不服を申し立てるのは深見本人ではなく、加州清光と大和守安定だ。
その間、深見はぼーっとしたまま。
主殿……アンタは鬱々するのか、酔ってうつらうつらするのかどっちかにしろよ!
「ちょっと……和泉守、なにすんのさー」
「常日頃溜まった主の愚痴をせっかく吐き出させてあげてるのにー」
愚痴なんぞ今吐き出したところで、どうせすぐに鬱々するじゃねぇか。
その間延びした返答、お前ら既に酔ってるな?
大方、主をはべらした状態で、飲み足りない酒を飲もうって魂胆だろうが。
歩こうとしない深見を米俵……だと怒りそうな輩がここにはたくさん暮らしているのでかわりに横抱きにして、抱え上げた。
女性特有のやわらかな体と軽さよりも、今は酒臭さの方が目立つ。
とりあえず、執務室よりも離れの審神者部屋の布団に下ろしてくればいいか。
「国広、こいつらと片付け頼むわ」
「うん、まかせてよ。兼さんは送り狼にならないようにね!」
「誰がなるか!」
超イイ笑顔でそう宣った国広を、今ほど殴りたくなったことはない。
***
出陣、出陣、出陣……。
刀剣男士達が怪我を負うこと。
ここの審神者はそれを一等嫌う主であるが、出陣して戦っていれば多少なりとも怪我や傷を負って帰ってくることはあるわけで。
「だめなんだよぉ、私が審神者なんて……!やっぱ向いてないんだよぉ……!みんなのこと怪我させちゃうあるじなんてぇ……!」
「もー!向いてないなんてことないでしょ。主が綺麗に治してくれたじゃん」
「そうそう!だいたい俺は主以外の主なんて絶対嫌なんだからねー?」
「うっ、ううぅ……。でも……、……とりあえず飲む……」
深見は酒を煽っては、暗い空気を吐き出してネガティヴモード真っ最中。
沖田組が揃ってそれを慰めている状態だった。
「主殿はまた、落ち込んでるのかー?」
「いつものことだけどそうみたいだね。そっとしとこうよ、兼さん」
この深見、落ち込んでいる時の酔い方は常にこれだ。
逆に楽しく飲んでいる時はどこにその笑顔を隠しているのかわからないほどの笑い上戸だったり、からみ酒がひどい。
そう……だからこの状態はいつものことと言えばいつものことである。
だが、酒を傾けるのは同じでも、理由は180度異なるーー歴史遡行軍の大将をまた一振り討ち取った事であるーー兼定にとっては面白くもなんともない。
俺がいい気分で飲んでるのに、しけたツラしてうじうじちびちび酒飲みやがって。
そんなの許せねぇ、酒が不味くなる。
ガタリ、立ち上がって深見、加州清光、大和守安定のいる場所へと足を向けた。
後ろから国広も着いてきて何かあった時のサポートに回ろうとしているのがわかった。
「おいおい主よぉ、ちと飲み過ぎなんじゃねぇか?」
足元をよく見れば、一升瓶がふたつみっつ転がっている。
これ、さっき開けたばっかりのやつじゃねぇか?
呆れてため息しか出ない。
「鬱々した空気垂れ流してねぇで、もう部屋帰ってやすめ」
「送ってやるから」とぐいと立ち上がらせれば、不服を申し立てるのは深見本人ではなく、加州清光と大和守安定だ。
その間、深見はぼーっとしたまま。
主殿……アンタは鬱々するのか、酔ってうつらうつらするのかどっちかにしろよ!
「ちょっと……和泉守、なにすんのさー」
「常日頃溜まった主の愚痴をせっかく吐き出させてあげてるのにー」
愚痴なんぞ今吐き出したところで、どうせすぐに鬱々するじゃねぇか。
その間延びした返答、お前ら既に酔ってるな?
大方、主をはべらした状態で、飲み足りない酒を飲もうって魂胆だろうが。
歩こうとしない深見を米俵……だと怒りそうな輩がここにはたくさん暮らしているのでかわりに横抱きにして、抱え上げた。
女性特有のやわらかな体と軽さよりも、今は酒臭さの方が目立つ。
とりあえず、執務室よりも離れの審神者部屋の布団に下ろしてくればいいか。
「国広、こいつらと片付け頼むわ」
「うん、まかせてよ。兼さんは送り狼にならないようにね!」
「誰がなるか!」
超イイ笑顔でそう宣った国広を、今ほど殴りたくなったことはない。