とうらぶの短いお話
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「綺麗なものに綺麗というのはダメなこと?」
「ダメじゃないよ」
素直に気持ちを伝えるのは大事な事。
せっかく、人の体を得て、言葉も手に入れた。
言える事は言葉で伝えた方がいい。
これは短刀のみんなにもよく言っていた事。
光忠もわかっているのか、苦笑して頷いた。
「なら僕だって言っていいんだよね?ここで言ってもいいけど、どうせだからこれから毎日本丸で顔を合わせる度に言うよ?」
「何を?」
少し離れた位置にいた光忠が、ゆっくり近づいてくるのがガラスケースに映った。
そして耳元で囁く。
「今日も可愛いね、って」
うわ意地悪。
「やだ、そんなの毎日言われたくない。かわいいわけないし……しかも本丸でなんて」
せっかくさっき顔が赤くなるのを防げたのに、今度は止められない。
顔が熱い。
ここが暗がりの展示室でよかった。
きっと太刀の光忠にはバレていないだろうから。
「ならそれ以上こっちの僕を言葉攻めするの禁止。どうせなら僕を見て?」
スポットライトの余波が光忠の横顔を照らした。
蜂蜜のようなこがね色の瞳がゆらゆらと幽かに揺らめき、光って見えた。
「こっちの燭台切光忠さんは、妖しい美しさですねぇ?
ずっと見ていると魅入られそうよ」
揶揄うような口調で言っていないと、本当に魅入られてしまいそうだ。
やはり末席とはいえ神様だ。
「魅入られてしまってもいいんだよ?」
また一歩、光忠が近づく。
光忠が近づくと、深見が一歩後退する。
ガラスケースを離れ、追い込まれる先は壁。
とん。
体が壁に触れると同時、光忠もその手を壁に着けた。
体と両足は光忠の長い足によって、逃げ道を絶たれている。
壁と光忠に挟まれどうしようか思ったが、視界の端に映る燭台切光忠が、ここがどこなのかを思い出させた。
「ここは公共の場、お触り禁止」
ぱちん。
光忠の両頬を手でちょっと強めに挟む。
むぎゅ、と頬を潰しても光忠のイケメン度は下がらない。
……ずるい。
「酷いなあ……」
「光忠がぐいぐい迫ってくるからでしょ」
跡になんてなっていないというに、光忠は私に挟まれた頬をさすっていた。
「うちの主は恥ずかしがり屋だね。確かこういうの、つんでれ、だったかな」
ツンデレじゃないし。
でも、光忠のひらがな発音、なんだかかわいいと思ってしまった。
「もー。せっかく燭台切光忠を見にきたのに」
「君が僕以外の僕を見るからだろう?」
「……じゃあ言葉にしないから、あとちょっとだけ見せて?」
「わかったよ」
お互いそれで手を打つことにした。
「ダメじゃないよ」
素直に気持ちを伝えるのは大事な事。
せっかく、人の体を得て、言葉も手に入れた。
言える事は言葉で伝えた方がいい。
これは短刀のみんなにもよく言っていた事。
光忠もわかっているのか、苦笑して頷いた。
「なら僕だって言っていいんだよね?ここで言ってもいいけど、どうせだからこれから毎日本丸で顔を合わせる度に言うよ?」
「何を?」
少し離れた位置にいた光忠が、ゆっくり近づいてくるのがガラスケースに映った。
そして耳元で囁く。
「今日も可愛いね、って」
うわ意地悪。
「やだ、そんなの毎日言われたくない。かわいいわけないし……しかも本丸でなんて」
せっかくさっき顔が赤くなるのを防げたのに、今度は止められない。
顔が熱い。
ここが暗がりの展示室でよかった。
きっと太刀の光忠にはバレていないだろうから。
「ならそれ以上こっちの僕を言葉攻めするの禁止。どうせなら僕を見て?」
スポットライトの余波が光忠の横顔を照らした。
蜂蜜のようなこがね色の瞳がゆらゆらと幽かに揺らめき、光って見えた。
「こっちの燭台切光忠さんは、妖しい美しさですねぇ?
ずっと見ていると魅入られそうよ」
揶揄うような口調で言っていないと、本当に魅入られてしまいそうだ。
やはり末席とはいえ神様だ。
「魅入られてしまってもいいんだよ?」
また一歩、光忠が近づく。
光忠が近づくと、深見が一歩後退する。
ガラスケースを離れ、追い込まれる先は壁。
とん。
体が壁に触れると同時、光忠もその手を壁に着けた。
体と両足は光忠の長い足によって、逃げ道を絶たれている。
壁と光忠に挟まれどうしようか思ったが、視界の端に映る燭台切光忠が、ここがどこなのかを思い出させた。
「ここは公共の場、お触り禁止」
ぱちん。
光忠の両頬を手でちょっと強めに挟む。
むぎゅ、と頬を潰しても光忠のイケメン度は下がらない。
……ずるい。
「酷いなあ……」
「光忠がぐいぐい迫ってくるからでしょ」
跡になんてなっていないというに、光忠は私に挟まれた頬をさすっていた。
「うちの主は恥ずかしがり屋だね。確かこういうの、つんでれ、だったかな」
ツンデレじゃないし。
でも、光忠のひらがな発音、なんだかかわいいと思ってしまった。
「もー。せっかく燭台切光忠を見にきたのに」
「君が僕以外の僕を見るからだろう?」
「……じゃあ言葉にしないから、あとちょっとだけ見せて?」
「わかったよ」
お互いそれで手を打つことにした。