「なんか色んな桜が咲いてるな」
「うん。色々あって咲き時がちょっとずつずれてるから今の季節はいつ行っても楽しめるよね！！」

桜に負けずディーヴァの笑顔もぱあっと満開。
連れてきてもらったのがよほど嬉しいようだ。

「ウスズミザクラとかシダレザクラとかおっきな花のフゲンゾウとかさ。でもでもやっぱり白くてきれいな花を咲かせる立派なソメイヨシノが一番好き！」
「はあ、なんだかよくわからないが、綺麗ってことだけはわかるぜ」
「夜は夜で、ライトアップされて綺麗だろうね。夜桜っていうくらいだし」
「夜も来るか？」
「いいね、来たいね～。悪魔出る心配がなければだけど」
「人も多いし出ないんじゃないか？」
「それもそっか」

そして夜。
下は人だらけなので、喧騒から離れるためにも上へ。
近辺で一番桜が見える高いビルへと、ディーヴァを悪魔の力で連れてきたダンテ。

抱き上げたまま、ライトアップされた桜並木を見下ろすと、まるで桃色の長いカーペットのようでとても綺麗だった。

「綺麗だねー」
「お前のが綺麗さ」
「もう、何言ってるんだか！ダンテ、また来年も一緒に見ようね！」
「もちろん」

そのうちイベントは終盤を迎えたのか大きな花火があがり、幸せそうな２人を明るく照らした。





●あとがき
拍手なのに安定の長さ！
ワシントンＤ.Ｃ.で、東京がポトマック川のほとりに桜の苗木を植樹。
そして、3×9＝27の語呂合わせから本日は桜の日らしいです。