曲イメージリクエスト小説
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『誰にも盗めぬ狼のはぁと』
パトカーのサイレンの音が闇の中に響きわたる。
ビルとビルのわずかなる影を移動して警察を欺き、ダンテは走った。
「そんなものに俺は捕まったりしない」
そう言って、闇に溶け込む光る目がふたつ。
薄青く輝くアクアマリンのような瞳だけが、闇夜にぼうっと浮かび上がる。
「こちら『銀猫』。ダイヤとドレスを手に入れた」
『こちら『銀狼』。了解したわ。証拠はちゃんと消してきましたか?』
月の光の届かぬ暗闇で事務所に待機中の銀狼と通信する。
「もちろんだ、リアラ」
『はあ……仕事中は名前を出しちゃダメですよ、ダンテさん』
「あとは帰るだけなんだからいいだろ?」
『帰るまでが仕事ですよ』
「ふむ、違いねぇな」
怪盗『銀猫』『銀狼』。
世紀の大泥棒であり、その素性はほとんど明かされていない。
わかっているのは、猫耳のついた獣人の男と、狼耳のついた獣人の女であることくらいか。
その毛色からどちらにも愛敬をこめて、人々は『銀猫』『銀狼』と呼んでいる。
捕まえようにも警察の包囲網を猫のようにするりとすり抜け、ふざけ欺き、毎回逃げおおせる銀猫は、ダンテという。
頭がきれるため普段は司令塔をつとめるが、ひとたび現場に回れば狼のように、素早く力強く盗みを働く銀狼は、リアラという。
「今ごろあわてふためいてることだろうよ」
ダンテの追手はともかく、現場は更に大慌てなはずだ。
守りを堅くしてあったのかどのものにも、近くには警備員はたくさんいたし、赤外線センサーで守っていたのだ。
なのに、気がつかずに、まばたきをするほどの一瞬で―……
気付いた時にはもう手遅れ。
猫と狼が描かれた小さなカードが、代わりにあるだけだ。
『予告通りありがたくいただきました―
―怪盗『銀猫』『銀狼』』
盗んだダイヤモンドとドレスが汚れていないかを軽く確認する。
サンタクロースのプレゼント袋のように大きな袋の中に入っているのは、今回の戦利品たる世界一大きなダイヤモンド。
そして、世界的大スターがドラマで着ていた、宝石を散りばめたドレスだ。
いったいいくらするのやら……
眺めていたら、警官の声と、サイレンの音がすぐ近くまで迫っているのに、気がついた。
「さて、とっととずらかりますか。ここにももうじき捜査の手が伸びるだろうしな」
『そうした方がいいですね』
通信を切ったダンテは、闇に溶け込むダークレッドのコートを翻し、そこから姿を消した。
パトカーのサイレンの音が闇の中に響きわたる。
ビルとビルのわずかなる影を移動して警察を欺き、ダンテは走った。
「そんなものに俺は捕まったりしない」
そう言って、闇に溶け込む光る目がふたつ。
薄青く輝くアクアマリンのような瞳だけが、闇夜にぼうっと浮かび上がる。
「こちら『銀猫』。ダイヤとドレスを手に入れた」
『こちら『銀狼』。了解したわ。証拠はちゃんと消してきましたか?』
月の光の届かぬ暗闇で事務所に待機中の銀狼と通信する。
「もちろんだ、リアラ」
『はあ……仕事中は名前を出しちゃダメですよ、ダンテさん』
「あとは帰るだけなんだからいいだろ?」
『帰るまでが仕事ですよ』
「ふむ、違いねぇな」
怪盗『銀猫』『銀狼』。
世紀の大泥棒であり、その素性はほとんど明かされていない。
わかっているのは、猫耳のついた獣人の男と、狼耳のついた獣人の女であることくらいか。
その毛色からどちらにも愛敬をこめて、人々は『銀猫』『銀狼』と呼んでいる。
捕まえようにも警察の包囲網を猫のようにするりとすり抜け、ふざけ欺き、毎回逃げおおせる銀猫は、ダンテという。
頭がきれるため普段は司令塔をつとめるが、ひとたび現場に回れば狼のように、素早く力強く盗みを働く銀狼は、リアラという。
「今ごろあわてふためいてることだろうよ」
ダンテの追手はともかく、現場は更に大慌てなはずだ。
守りを堅くしてあったのかどのものにも、近くには警備員はたくさんいたし、赤外線センサーで守っていたのだ。
なのに、気がつかずに、まばたきをするほどの一瞬で―……
気付いた時にはもう手遅れ。
猫と狼が描かれた小さなカードが、代わりにあるだけだ。
『予告通りありがたくいただきました―
―怪盗『銀猫』『銀狼』』
盗んだダイヤモンドとドレスが汚れていないかを軽く確認する。
サンタクロースのプレゼント袋のように大きな袋の中に入っているのは、今回の戦利品たる世界一大きなダイヤモンド。
そして、世界的大スターがドラマで着ていた、宝石を散りばめたドレスだ。
いったいいくらするのやら……
眺めていたら、警官の声と、サイレンの音がすぐ近くまで迫っているのに、気がついた。
「さて、とっととずらかりますか。ここにももうじき捜査の手が伸びるだろうしな」
『そうした方がいいですね』
通信を切ったダンテは、闇に溶け込むダークレッドのコートを翻し、そこから姿を消した。