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この屋敷の住人は、何かあるとすぐ舞踏会を開く。
もうすぐルクレツィアの結婚を祝うための、大きな舞踏会が開かれる予定だ。
今はそのダンスの練習の真っ最中。
舞踏会の前になると二人は練習と称し、お互いをパートナーにダンスを踊るのだ。
~♪~~♪
かの有名なヨハン・シュトラウスの『美しきドナウ』が流れる中、ダンテとルクレツィアがゆったりと音楽にのせて動く。
ルクレツィアはダンテの肩にそっと手を添え、ダンテはルクレツィアの細腰をしっかりとつかむ。
空いた手を繋ぎあえば、そこは二人だけの世界。
「ダンスが上手くなったな。あと少しでルクレツィアと踊れなくなるなんて悲しいよ」
「こんなかわいく美しい華を愛でられる相手が羨ましいな。相手にめいっぱい愛してもらうんだぞ」
「どうしても気に入らない相手だったら、いつでも帰ってきていいからな」
熱っぽい視線を向けながらダンテが囁く、甘く優しい言葉の羅列。
わかりやすい気持ちを隠した愛の言葉に耳を傾け、ルクレツィアはクスクス笑った。
「お兄さま、わかりやすいわよ?」
言葉の中に自身の愛を隠したようだが、みえすいている。
『ずっと一緒にいたい、ずっと一緒に踊っていたい』
『オレの方が誰よりもルクレツィアを愛せるのに』
『いっそ最初から破談しろ。……行くな』
そんな感情が、台詞にはそっと紛れていた。
「お兄さまは、妹が誰かにとられるのが嫌なのね。寂しいなら寂しいと、そう仰って?」
スルリ。
ダンテの腕を逃れて手袋を外すと、テーブルの上に用意させたプチフールを摘まむ。
指で摘まめるサイズのエクレールやプチシューを口に運んで、ルクレツィアは顔を綻ばせた。
「はい、どうぞ。お兄さまの好きなベリーのロシアンケーキよ」
「サンキューな、ルクレツィア」
ルクレツィアはまだダンテの感情に油断しているのか、子どものように……小さい頃そうしたようにダンテの好物の菓子を差し出してきた。
まったく……オレがいつまでもこんな菓子でごまかされるとでも?
……わかってない。
ルクレツィアは、男の感情や気持ちについて油断しすぎだ。
無作法にも口に入れてもらいながら、そんなことを考える。
この感情が純粋な寂しさや嫉妬だったならどんなにいいか。
だがそんな比較的綺麗なものではなく、これは真っ黒で薄汚い感情に過ぎないのだ。
お前は、オレの気持ちがこんなにも燃え上がっているのを知らないから、そんな態度がとれるんだ、ルクレツィア……。
飲み下したベリーの後味が、ほろ苦く感じる。
勝手知ったる秘密の劇薬……『カンタレラ』。
きっと、今飲めばその毒性はなりを潜め、ラブポーション……媚薬の甘い蜜の味にかわるかもしれない。
甘いのならば……ルクレツィアと共に堕ちることが出来るなら、喜んで飲みたいとさえ思う。
「ルクレツィア、お前がオレの妹であることを誇りに思うぜ。好きだ、愛してるよ」
「私もお兄さまのことが大好きですよ。愛してます」
二人の『愛してる』の意味は家族の意味か、男女の意味か……真実はわからないし、聞くのも怖い。
現実は酷なものだ。
定められた運命と、兄妹という関係が二人を別つ。
嗚呼、あとどのくらい共にいられるだろう?
その運命には逆らえないというのか。
いくら共にありたいと願っても、抗えば抗うほどに、遠くなっていくルクレツィア。
刻一刻と迫る別れの時が日ごと近づくにつれ、心の秒針の音が大きくなっていく。
そこに絡んだ糸を切り捨てようと鋭く尖る、光る秒針。
どうやっても自分のものにならないのならば、その運命ごと壊して奪ってしまえばいい。
プツリ、秒針が理性の糸を切り落とす音がした。
もうすぐルクレツィアの結婚を祝うための、大きな舞踏会が開かれる予定だ。
今はそのダンスの練習の真っ最中。
舞踏会の前になると二人は練習と称し、お互いをパートナーにダンスを踊るのだ。
~♪~~♪
かの有名なヨハン・シュトラウスの『美しきドナウ』が流れる中、ダンテとルクレツィアがゆったりと音楽にのせて動く。
ルクレツィアはダンテの肩にそっと手を添え、ダンテはルクレツィアの細腰をしっかりとつかむ。
空いた手を繋ぎあえば、そこは二人だけの世界。
「ダンスが上手くなったな。あと少しでルクレツィアと踊れなくなるなんて悲しいよ」
「こんなかわいく美しい華を愛でられる相手が羨ましいな。相手にめいっぱい愛してもらうんだぞ」
「どうしても気に入らない相手だったら、いつでも帰ってきていいからな」
熱っぽい視線を向けながらダンテが囁く、甘く優しい言葉の羅列。
わかりやすい気持ちを隠した愛の言葉に耳を傾け、ルクレツィアはクスクス笑った。
「お兄さま、わかりやすいわよ?」
言葉の中に自身の愛を隠したようだが、みえすいている。
『ずっと一緒にいたい、ずっと一緒に踊っていたい』
『オレの方が誰よりもルクレツィアを愛せるのに』
『いっそ最初から破談しろ。……行くな』
そんな感情が、台詞にはそっと紛れていた。
「お兄さまは、妹が誰かにとられるのが嫌なのね。寂しいなら寂しいと、そう仰って?」
スルリ。
ダンテの腕を逃れて手袋を外すと、テーブルの上に用意させたプチフールを摘まむ。
指で摘まめるサイズのエクレールやプチシューを口に運んで、ルクレツィアは顔を綻ばせた。
「はい、どうぞ。お兄さまの好きなベリーのロシアンケーキよ」
「サンキューな、ルクレツィア」
ルクレツィアはまだダンテの感情に油断しているのか、子どものように……小さい頃そうしたようにダンテの好物の菓子を差し出してきた。
まったく……オレがいつまでもこんな菓子でごまかされるとでも?
……わかってない。
ルクレツィアは、男の感情や気持ちについて油断しすぎだ。
無作法にも口に入れてもらいながら、そんなことを考える。
この感情が純粋な寂しさや嫉妬だったならどんなにいいか。
だがそんな比較的綺麗なものではなく、これは真っ黒で薄汚い感情に過ぎないのだ。
お前は、オレの気持ちがこんなにも燃え上がっているのを知らないから、そんな態度がとれるんだ、ルクレツィア……。
飲み下したベリーの後味が、ほろ苦く感じる。
勝手知ったる秘密の劇薬……『カンタレラ』。
きっと、今飲めばその毒性はなりを潜め、ラブポーション……媚薬の甘い蜜の味にかわるかもしれない。
甘いのならば……ルクレツィアと共に堕ちることが出来るなら、喜んで飲みたいとさえ思う。
「ルクレツィア、お前がオレの妹であることを誇りに思うぜ。好きだ、愛してるよ」
「私もお兄さまのことが大好きですよ。愛してます」
二人の『愛してる』の意味は家族の意味か、男女の意味か……真実はわからないし、聞くのも怖い。
現実は酷なものだ。
定められた運命と、兄妹という関係が二人を別つ。
嗚呼、あとどのくらい共にいられるだろう?
その運命には逆らえないというのか。
いくら共にありたいと願っても、抗えば抗うほどに、遠くなっていくルクレツィア。
刻一刻と迫る別れの時が日ごと近づくにつれ、心の秒針の音が大きくなっていく。
そこに絡んだ糸を切り捨てようと鋭く尖る、光る秒針。
どうやっても自分のものにならないのならば、その運命ごと壊して奪ってしまえばいい。
プツリ、秒針が理性の糸を切り落とす音がした。
