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ある夜、ダンテはルクレツィアの自室へと忍び込んだ。
草木すら眠っているであろう真夜中は、時計の針がまっすぐになって久しい。
眠る直前まで灯っていたであろう蝋燭も、今は冷たく固くなっており、そこにある光源といえば、窓から差し込む薄い月明かりだけだ。
すでに彼女は深い深い眠りに落ちている。
死んでいるのではないかと思えるくらいの真っ白な頬が、瞼が、輪郭が月明かりに浮かび上がる。
「嗚呼……」
芸術品のようなその寝顔に、感嘆のため息ひとつ。
欲しい欲しいと焼き付き、ひりつく心を隠して近づいて……。
ダンテはその素肌を、風がそうするように、そうっと撫でた。
その形のよい唇に近づけば生きている証……小さく呼気が感じられる。
してはいけない、触れてはいけない。
それでも、もう手遅れといえる。
すでにここは乙女の寝室、その中へと夜に忍び込むということはそういうもの……。
お互いの呼気をぶつけ合うように、顔を近づける。
ダンテは、自身が吐きだす熱のこもった吐息を感じながら、口づけた。
「ルクレツィア……」
甘く痺れる声で呼びながら……。
唇に触れるも、禁忌。
禁断の愛の始まり。
わかっていたのに、この想いはとどまることをしらず溢れかえる。
「ん……、」
幾度となく小さく唇を味わえば、その体が身じろぎしたのがわかった。
まだ、ルクレツィアにはこの気持ちを伝えられない。
いや、伝えるわけにはいかない。
ルクレツィアへの想いのままにここまで来てしまったが、この気持ちが日の元に晒されてしまえば、彼女が苦しむことになるだろう。
苦しむのは、自分一人でいい。
気取られる前に、ここを去らなくては…。
でも、もしも、彼女がこのオレを、兄を受け入れてくれるとしたら……?
一抹の願いをかけてみようか。
わずかにもダンテがいたという痕跡は残さず、だが、それでも甘い罠を……誰かが貴女をいつも想っているということだけをここに残していこう。
愛おしげにルクレツィアの顔を眺めてから、ダンテはその頬をそっと撫でる。
そして、少しだけよれたシーツを直すと、そこを静かに後にした。
「ぉにいさま……」
扉が音もたてずに閉まったあと、ルクレツィアの唇がそう紡ぐ。
ダンテが出ていくまでその双眸が追い続けていたことを、ダンテ自身は知らない。
草木すら眠っているであろう真夜中は、時計の針がまっすぐになって久しい。
眠る直前まで灯っていたであろう蝋燭も、今は冷たく固くなっており、そこにある光源といえば、窓から差し込む薄い月明かりだけだ。
すでに彼女は深い深い眠りに落ちている。
死んでいるのではないかと思えるくらいの真っ白な頬が、瞼が、輪郭が月明かりに浮かび上がる。
「嗚呼……」
芸術品のようなその寝顔に、感嘆のため息ひとつ。
欲しい欲しいと焼き付き、ひりつく心を隠して近づいて……。
ダンテはその素肌を、風がそうするように、そうっと撫でた。
その形のよい唇に近づけば生きている証……小さく呼気が感じられる。
してはいけない、触れてはいけない。
それでも、もう手遅れといえる。
すでにここは乙女の寝室、その中へと夜に忍び込むということはそういうもの……。
お互いの呼気をぶつけ合うように、顔を近づける。
ダンテは、自身が吐きだす熱のこもった吐息を感じながら、口づけた。
「ルクレツィア……」
甘く痺れる声で呼びながら……。
唇に触れるも、禁忌。
禁断の愛の始まり。
わかっていたのに、この想いはとどまることをしらず溢れかえる。
「ん……、」
幾度となく小さく唇を味わえば、その体が身じろぎしたのがわかった。
まだ、ルクレツィアにはこの気持ちを伝えられない。
いや、伝えるわけにはいかない。
ルクレツィアへの想いのままにここまで来てしまったが、この気持ちが日の元に晒されてしまえば、彼女が苦しむことになるだろう。
苦しむのは、自分一人でいい。
気取られる前に、ここを去らなくては…。
でも、もしも、彼女がこのオレを、兄を受け入れてくれるとしたら……?
一抹の願いをかけてみようか。
わずかにもダンテがいたという痕跡は残さず、だが、それでも甘い罠を……誰かが貴女をいつも想っているということだけをここに残していこう。
愛おしげにルクレツィアの顔を眺めてから、ダンテはその頬をそっと撫でる。
そして、少しだけよれたシーツを直すと、そこを静かに後にした。
「ぉにいさま……」
扉が音もたてずに閉まったあと、ルクレツィアの唇がそう紡ぐ。
ダンテが出ていくまでその双眸が追い続けていたことを、ダンテ自身は知らない。