「ただいま、ダンテー！！」

ディーヴァが帰ると、ダンテは暑さででろ～んと、ソファに溶けていた。
というか寝ていた。

この男、昼間っからこれとは……。
なんという体たらくであろうか。
いや、本業的には夜の仕事が多いのだ、しかたないといえばしかたないのかもしれない。

「んあ……、おかえりディーヴァ」

ディーヴァの声を聞き、すたっと起き上がり愛しの彼女を向かえ入れる準備を万端に。
それと共にディーヴァの姿を目にして一気に目が覚めた。

暑い中をバス停からここまで駆けてきたのか汗をかいている。
首元等に輝く汗が、そして陽光の下に惜しげもなく晒された腕や太もも……動く度にたまにチラッと見えてしまうわき腹が、まるでラメパウダーでも振りかけてあるかのように眩しい。

おまけに薄手のブラウスはほんのりと透けて中の下着の色が見えていた。
今日のディーヴァの下着の色は、サーモンピンクのようだ。

薄着サイコー！！
夏服サイコー！！

内なるダンテがハッスルしながら叫びまくる。

そんな状態のディーヴァが、何やら嬉しそうにしながら飛び付いてきた。
ふわりと香るのはディーヴァのまだまだ若い、ミルクのような汗の香りと、甘い甘いベリー系のボディーソープやシャンプーの香り。

思わず顔が綻ぶ……いや、にやけるの間違いか。

「あのねダンテ！友達がプライベートビーチを貸してくれたの！もう一回海にいこっ！ねっねっ！？海に連れてってーっ！！」

頬を高揚させてダンテを見上げ、嬉しそうな話しぶりのディーヴァ。

キラキラした笑顔でのお願い。
元より、もう一度水着姿のディーヴァを楽しみたいダンテに、断るという選択肢があるはずもなく。

「よかったな。オレももう一回くらいは行きたかったんだ。だからいくらでも連れてくぜ」

二つ返事で了承するのだった。


こうして再び海へと行くことになったダンテとディーヴァ。
海デートに行けると思えば、この暑さすら楽しみに歓迎したくなる。

「もっと暑いとこ♪さっと連れていって♪水着はココにあーるーのーよ♪」

ウキウキと水着の準備をしだすディーヴァの横顔を眺めながら、ダンテはそう思った。