恋人?保護者?どちらもあなたを愛しているから。
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それから小一時間ほど。
今は夕食も摂り終えた二人の、ゆったりくつろぎの食休みタイムである。
ソファーに身を寄せ合って紅茶片手にテレビを見るこの時間は、悪魔退治から完全に離れ、心身ともに休める大事なもの。
この大事な時間は、抱き寄せればすっぽりと体が隠れてしまうような、小さくかわいい恋人……ディーヴァがいなくては始まらない。
始まらない……のだが。
「遅いな……」
夕飯が終わったと思ったら、再びキッチンに篭ってしまったディーヴァ。
「ダンテお待たせー」
そろそろ見に行こうかと内心ソワソワしはじめた頃になって、ようやくディーヴァが戻って来た。
「何してたんだ?」
「ダンテの大好きなもの作ってたの。じゃーん、ストロベリーサンデー!」
「おぉ……」
ディーヴァが持つ盆の上、パフェグラスに乗っているのは、真っ赤なイチゴに同じくイチゴソース、真っ白な生クリーム、そしてバニラアイス。
ひんやりした空気に乗って、食欲をそそる甘酸っぱい香りがこちらまで漂う。
大好物を目の前に、ダンテの目が一瞬で見開かれ、キラキラ輝くのをディーヴァは見逃さなかった。
「今日はダンテに迷惑かけちゃったからね。そのお詫びもかねて、ストロベリーサンデー作ったの。たーんとお召し上がりくださいな」
急いでテーブルの上を片付けると、すぐさま置かれる美味しそうなストロベリーサンデー。
「迷惑なんて思ってないんだがな」
「お詫びだけじゃないよ?もともと作りたかったの……」
「そうか。なら、ありがたく頂戴しよう」
ストロベリーサンデーの傍に置かれたデザートスプーンを手に取る。
ふと、視線を感じて先を見ると、サンデーをじっと見つめるディーヴァと目があった。
その目は『あたしも食べたいな』と訴えているように感じた。
「ほら、おいで。一緒に食べようか」
「!……いいの?」
「もちろんだ。ディーヴァが作ったんだろう?当然だ」
手を差し出したダンテの元、そこへ近づけば、ひょい。
ソファーに座るダンテの隣……ではなく抱え上げられ、気がつけば何故かダンテの膝の上にちょこんと座ってしまっていた。
「……あれ?なんで膝の上……?」
「何か問題あるのか」
膝の上がディーヴァの定位置、というのがさも当たり前だったかのように、こちらの顔を覗き込んで聞いてくるダンテ。
「はずかし……」
「…………」
「あ、やっぱりなんでもない」
恥ずかしいからと言おうとしたのだが、ダンテがあまりにも悲しそうな顔で見てくる。
ここは黙っておこう。
そう言ってされるがまま膝の上に座っていれば、ダンテは雛鳥に餌をやる気分なのか、嬉しそうにディーヴァの口にスプーンを運び、そして自分も美味しそうに食べていた。
ストロベリーサンデーを食べるダンテはいつも幸せそうだ。
かわいいデザートスプーンを、指でつまむように手にとって、美味しそうに食べるこの姿も、今までに何度見てきたことだろう。
この顔を見ていると、こっちまで幸せな気分になる。
「どうした、まだいるか?ほら、あーん」
「んーん。もうお腹いっぱい、あとはダンテが食べていいよ!」
「そうか。……ああ、美味い」
クールでスタイリッシュで無表情…そんな言葉で表されるダンテの口元と目尻が微かにだが、ふにゃりとゆるんだ。
男性の、しかも大人のダンテに言うような言葉じゃないけれど、ストロベリーサンデーを食べている時の彼はすごくかわいいって思う。
今もまた、ダンテは更にかわいらしい状態になっているのに気がつかず、ディーヴァがニコニコ笑う上で、舌鼓をうっている。
「ダンテ、……ん」
「っ!?」
呼びかけたディーヴァ。
ダンテの顔を両手で引き寄せ、頬にくっついていた生クリームをぺろりと舐めとった。
ストロベリーサンデーに集中していたダンテは、ディーヴァのいきなりの暴挙に、目を白黒させる。
「ごちそうさま。ほっぺについてたよ」
「…………」
ぺと。
「ひゃ!?」
ダンテは無言で、ケラケラ笑うディーヴァの頬に、パフェグラスの中の生クリームだけと言わず冷た~いバニラアイスをもくっつけた。
とても冷たくてびっくりしていると、顔を上向かせられる。
次に降ってきたのは、体温とサンデーとで生ぬるいダンテの唇。
「……お返しだ」
ディーヴァの頬についた生クリームやアイスの跡をベロベロと舐めとり、それだけでは飽き足らずに、唇をディーヴァのソコヘと移動させた。
「ん……っ!?」
ふくよかな唇に自分の唇を押し付け、噛み付くようにキスすれば、やがて息がしづらくなったか、ディーヴァの口から吐息が漏れる。
薄く開いた唇から、舌先を口の中へと侵入させ、ダンテは口内をも味わった。
「ふ、ぅんっ……、んんっ……」
「………ン、………」
ディーヴァもダンテの深いキス、深い愛に応えようと一生懸命舌を絡ませる。
が、潤む視界の端にストロベリーサンデーのグラスが映ったようで、そちらに意識をやってしまった。
「ぁ、ダンテ、アイス……溶けちゃ、」
「ンン、……そうだな」
せっかくのストロベリーサンデー、美味しいうちに食べなくては勿体無い。
名残惜しくも唇を離すと、互いの間にはツツーと銀糸が紡がれ、やがてプツンと切れた。
残ったのは切なくも、色気を帯びて絡み合う二人の熱い視線。
「お返しはここまで、な」
「え、……」
続きが欲しかったら夜においで。
そう耳元で甘く囁かれ、ディーヴァはただ頬を赤く染めコクコクと頷く。
少し。
ほんの少しの物足りなさを感じるが、楽しみは後にとっておいて。
ダンテは再びストロベリーサンデーに向き直った。
恋人であり、保護者である。
優しくて時に怖くて、守ってくれるダンテ。
ダンテが黙ったままただディーヴァを愛おしく見つめているのも、時に激しいキスをしてしまうのも、何もかもが。
ディーヴァの事を本当に大切に、大事に愛しているから。
なのである。
●あとがき
メイン長編のダンテみたいな変態暴走特急列車にならないよう、がんばって書いてみましたナイスミドルな2代目ダンテェイ。
怒ると怖かったり超つよだったりするけれど結局根っこは同じ、夢主に優しくてあったかくてそんでもってたまに天然!……そんなダンテが大好きだ!!
というか2様になっているのだろうか……?
cv.森川ンテの、ひっくいエロボイスで囁くようにぼそりと会話したり、天然ボケかましたり、キレたりしてるところを思い浮かべて書きました。
ああ……楽しかった。
今は夕食も摂り終えた二人の、ゆったりくつろぎの食休みタイムである。
ソファーに身を寄せ合って紅茶片手にテレビを見るこの時間は、悪魔退治から完全に離れ、心身ともに休める大事なもの。
この大事な時間は、抱き寄せればすっぽりと体が隠れてしまうような、小さくかわいい恋人……ディーヴァがいなくては始まらない。
始まらない……のだが。
「遅いな……」
夕飯が終わったと思ったら、再びキッチンに篭ってしまったディーヴァ。
「ダンテお待たせー」
そろそろ見に行こうかと内心ソワソワしはじめた頃になって、ようやくディーヴァが戻って来た。
「何してたんだ?」
「ダンテの大好きなもの作ってたの。じゃーん、ストロベリーサンデー!」
「おぉ……」
ディーヴァが持つ盆の上、パフェグラスに乗っているのは、真っ赤なイチゴに同じくイチゴソース、真っ白な生クリーム、そしてバニラアイス。
ひんやりした空気に乗って、食欲をそそる甘酸っぱい香りがこちらまで漂う。
大好物を目の前に、ダンテの目が一瞬で見開かれ、キラキラ輝くのをディーヴァは見逃さなかった。
「今日はダンテに迷惑かけちゃったからね。そのお詫びもかねて、ストロベリーサンデー作ったの。たーんとお召し上がりくださいな」
急いでテーブルの上を片付けると、すぐさま置かれる美味しそうなストロベリーサンデー。
「迷惑なんて思ってないんだがな」
「お詫びだけじゃないよ?もともと作りたかったの……」
「そうか。なら、ありがたく頂戴しよう」
ストロベリーサンデーの傍に置かれたデザートスプーンを手に取る。
ふと、視線を感じて先を見ると、サンデーをじっと見つめるディーヴァと目があった。
その目は『あたしも食べたいな』と訴えているように感じた。
「ほら、おいで。一緒に食べようか」
「!……いいの?」
「もちろんだ。ディーヴァが作ったんだろう?当然だ」
手を差し出したダンテの元、そこへ近づけば、ひょい。
ソファーに座るダンテの隣……ではなく抱え上げられ、気がつけば何故かダンテの膝の上にちょこんと座ってしまっていた。
「……あれ?なんで膝の上……?」
「何か問題あるのか」
膝の上がディーヴァの定位置、というのがさも当たり前だったかのように、こちらの顔を覗き込んで聞いてくるダンテ。
「はずかし……」
「…………」
「あ、やっぱりなんでもない」
恥ずかしいからと言おうとしたのだが、ダンテがあまりにも悲しそうな顔で見てくる。
ここは黙っておこう。
そう言ってされるがまま膝の上に座っていれば、ダンテは雛鳥に餌をやる気分なのか、嬉しそうにディーヴァの口にスプーンを運び、そして自分も美味しそうに食べていた。
ストロベリーサンデーを食べるダンテはいつも幸せそうだ。
かわいいデザートスプーンを、指でつまむように手にとって、美味しそうに食べるこの姿も、今までに何度見てきたことだろう。
この顔を見ていると、こっちまで幸せな気分になる。
「どうした、まだいるか?ほら、あーん」
「んーん。もうお腹いっぱい、あとはダンテが食べていいよ!」
「そうか。……ああ、美味い」
クールでスタイリッシュで無表情…そんな言葉で表されるダンテの口元と目尻が微かにだが、ふにゃりとゆるんだ。
男性の、しかも大人のダンテに言うような言葉じゃないけれど、ストロベリーサンデーを食べている時の彼はすごくかわいいって思う。
今もまた、ダンテは更にかわいらしい状態になっているのに気がつかず、ディーヴァがニコニコ笑う上で、舌鼓をうっている。
「ダンテ、……ん」
「っ!?」
呼びかけたディーヴァ。
ダンテの顔を両手で引き寄せ、頬にくっついていた生クリームをぺろりと舐めとった。
ストロベリーサンデーに集中していたダンテは、ディーヴァのいきなりの暴挙に、目を白黒させる。
「ごちそうさま。ほっぺについてたよ」
「…………」
ぺと。
「ひゃ!?」
ダンテは無言で、ケラケラ笑うディーヴァの頬に、パフェグラスの中の生クリームだけと言わず冷た~いバニラアイスをもくっつけた。
とても冷たくてびっくりしていると、顔を上向かせられる。
次に降ってきたのは、体温とサンデーとで生ぬるいダンテの唇。
「……お返しだ」
ディーヴァの頬についた生クリームやアイスの跡をベロベロと舐めとり、それだけでは飽き足らずに、唇をディーヴァのソコヘと移動させた。
「ん……っ!?」
ふくよかな唇に自分の唇を押し付け、噛み付くようにキスすれば、やがて息がしづらくなったか、ディーヴァの口から吐息が漏れる。
薄く開いた唇から、舌先を口の中へと侵入させ、ダンテは口内をも味わった。
「ふ、ぅんっ……、んんっ……」
「………ン、………」
ディーヴァもダンテの深いキス、深い愛に応えようと一生懸命舌を絡ませる。
が、潤む視界の端にストロベリーサンデーのグラスが映ったようで、そちらに意識をやってしまった。
「ぁ、ダンテ、アイス……溶けちゃ、」
「ンン、……そうだな」
せっかくのストロベリーサンデー、美味しいうちに食べなくては勿体無い。
名残惜しくも唇を離すと、互いの間にはツツーと銀糸が紡がれ、やがてプツンと切れた。
残ったのは切なくも、色気を帯びて絡み合う二人の熱い視線。
「お返しはここまで、な」
「え、……」
続きが欲しかったら夜においで。
そう耳元で甘く囁かれ、ディーヴァはただ頬を赤く染めコクコクと頷く。
少し。
ほんの少しの物足りなさを感じるが、楽しみは後にとっておいて。
ダンテは再びストロベリーサンデーに向き直った。
恋人であり、保護者である。
優しくて時に怖くて、守ってくれるダンテ。
ダンテが黙ったままただディーヴァを愛おしく見つめているのも、時に激しいキスをしてしまうのも、何もかもが。
ディーヴァの事を本当に大切に、大事に愛しているから。
なのである。
●あとがき
メイン長編のダンテみたいな変態暴走特急列車にならないよう、がんばって書いてみましたナイスミドルな2代目ダンテェイ。
怒ると怖かったり超つよだったりするけれど結局根っこは同じ、夢主に優しくてあったかくてそんでもってたまに天然!……そんなダンテが大好きだ!!
というか2様になっているのだろうか……?
cv.森川ンテの、ひっくいエロボイスで囁くようにぼそりと会話したり、天然ボケかましたり、キレたりしてるところを思い浮かべて書きました。
ああ……楽しかった。