恋人?保護者?どちらもあなたを愛しているから。
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あんなに晴れていた空に暗雲が突如立ち込め、あたり一面が暗くなった。
雨は全く降りそうもない。
しかし空の色はまるで、夕立が降り始める前のどんよりとした曇天のそれ。
そしてその暗さは、スラム街上空にのみ広がっている。
他の地域は晴天のままなのが、スラム街にいるディーヴァからよく見えた。
そんな中を進んで数分、ディーヴァは早くも後悔することとなった。
「変な天気になったと思ったら……あーあ、お馴染みのパターンかぁ……」
ため息まじりにそう言い、目の前にいる悪魔達を見回すディーヴァ。
突然の悪天候は悪魔の襲来を予見していたというのか、ディーヴァの行く手を阻むのは、低級ながらも人間にとっては十分な脅威、フォルトゥナで生まれた犬型悪魔のバジリスクと、最近はめっきり見かけなくなっていた地獄の名を冠するヘル・プライドだ。
間一髪避けたとはいえ、悪魔の鎌が首すれすれを薙ぎ、吐き出された炎の頭が足近くを焼いた時は焦った。
悪魔は今もなおディーヴァを傷つけようと、鎌を構えてジリジリと詰め寄り、炎で包まれた頭をいつでも発射できるように突き出して近づいてくる。
襲われるというこの展開にも慣れたとはいえ、やはり怖いものは怖い。
震える声音と共に、乾いた笑いがこみ上げる。
「あ、はは……ダンテなら気がついてくれると思うけど……出来ればここから離れてからのがいいなぁ」
スラム街を通ってるのバレたら怒られちゃうし!
結論、悪魔も怖いがダンテも怖い。
「ガァウッ!」
「え?、きゃあっ……!」
そんなことを考えていれば、動かぬディーヴァに痺れを切らしたか、バジリスクが飛びかかってきた。
飛び上がった状態からの頭部弾丸発射。
炎を纏いしそれが、ディーヴァの立っていたところに物凄い勢いで迫る。
「くうっ……、いったぁ……!」
もとより逃げ足だけは速いディーヴァ。
大事なことなので2度言うが、逃げ足だけは速い。
あんなのを食らったら火だるまどころではないだろう。
とっさに横に回避したまでは良かったが、その拍子にスライディングの要領で盛大に転び、腕やら足やらを擦り切ってしまったのだ。
ジクジクとした痛みが患部を襲い、そこから血が滲み、そしてスジを作って下へと垂れる。
ぽた、ぽたり……。
アスファルトに落ちる、ディーヴァの…『天使』の血……。
悪魔達がそれをじっと見つめ、固まっていたのは一瞬のこと。
……ぴちょん……!
好物とも取れる、天使の甘い血が香る。
赤い、紅い芳しい匂いの獲物。
「グォォォォゥウウ!」
「ガァァァァゥッ!!」
それを目にした悪魔が興奮状態に入った。
興奮、いや違う、悪魔達がデビルトリガーを引いてしまった。
正に、DMC最高難易度と謳われる敵が強くなる『DANTE MUST DIEモード』のそれである。
いや、この場合はディーヴァ MUST DIE、か……?
「や、ちょっ、嘘でしょー!?」
もちろん、逃げるくらいしか能のない夢主・ディーヴァが敵う相手ではない。
三十六計逃げるに如かず。
痛む手足に喝を入れ立ち上がると、一目散に走るが、悪魔達も速かった。
あれよあれよの内に、ディーヴァを追い詰め、気がついた時には行き止まりの袋小路のねずみと化していた。
しまった、逃げる方向を見誤った。
入り組んだ迷いやすい路地、こういうところがスラム街の好きになれないところだったりする。
それぞれの得物を手に、じりじりとディーヴァに詰め寄る悪魔。
高い壁に塞がれた袋小路で、ディーヴァは手当たり次第、周りの物を悪魔に投げ、そして手当たり次第ガラガラと崩した。
投げても悪魔には痒い抵抗で、崩しても足場にもならなかったが。
ズオッ……!と悪魔の一匹が鎌を手に、ディーヴァまで素早く近寄る。
灰色の虚ろな顔に、薄気味悪く開いた口、赤く光って浮かびか上がる目玉……恐ろしい悪魔の顔がシワひとつひとつまで鮮明に見えてしまった。
「ヒッ!こ、来ないで……!」
恐怖で歯がガチガチ鳴って止まらない。
命を取られるか否かのギリギリラインまで、久しぶりに追い詰められる感覚がある。
今まで運が良かっただけで、今度こそ殺されるかもしれない。
ディーヴァの首に突きつけられる悪魔の鎌。
絶望に染まるディーヴァの瞳の中、無表情なはずの悪魔がニタリと笑った気がした。
***
一方。
「む、これは悪魔の気配……?ディーヴァが危ない」
その頃ダンテの方も、この世界に悪魔が湧き出たのを感知していた。
そしてその魔の気配は、大事なディーヴァの近くにあるということも、わかっている。
ちらと視線を落とすは、鈍く光る卓上の銃。
あとは組み立てる仕上げの作業だけなのだが、しかしそんな悠長なことは言ってられないだろう。
整備中のエボニーとアイボリーを机に放り置いたまま、代わりに使い込まれた魔剣リベリオンを背に吊るすダンテ。
「……行くぞ」
これまで幾度となくディーヴァを危険に晒し、時には巻き込み、死なせてしまうところだった時もあった。
あんな思いはもうしたくないのだ。
唇をギリと結んだダンテは、飛ぶようにして現場へと駆け抜けた。
雨は全く降りそうもない。
しかし空の色はまるで、夕立が降り始める前のどんよりとした曇天のそれ。
そしてその暗さは、スラム街上空にのみ広がっている。
他の地域は晴天のままなのが、スラム街にいるディーヴァからよく見えた。
そんな中を進んで数分、ディーヴァは早くも後悔することとなった。
「変な天気になったと思ったら……あーあ、お馴染みのパターンかぁ……」
ため息まじりにそう言い、目の前にいる悪魔達を見回すディーヴァ。
突然の悪天候は悪魔の襲来を予見していたというのか、ディーヴァの行く手を阻むのは、低級ながらも人間にとっては十分な脅威、フォルトゥナで生まれた犬型悪魔のバジリスクと、最近はめっきり見かけなくなっていた地獄の名を冠するヘル・プライドだ。
間一髪避けたとはいえ、悪魔の鎌が首すれすれを薙ぎ、吐き出された炎の頭が足近くを焼いた時は焦った。
悪魔は今もなおディーヴァを傷つけようと、鎌を構えてジリジリと詰め寄り、炎で包まれた頭をいつでも発射できるように突き出して近づいてくる。
襲われるというこの展開にも慣れたとはいえ、やはり怖いものは怖い。
震える声音と共に、乾いた笑いがこみ上げる。
「あ、はは……ダンテなら気がついてくれると思うけど……出来ればここから離れてからのがいいなぁ」
スラム街を通ってるのバレたら怒られちゃうし!
結論、悪魔も怖いがダンテも怖い。
「ガァウッ!」
「え?、きゃあっ……!」
そんなことを考えていれば、動かぬディーヴァに痺れを切らしたか、バジリスクが飛びかかってきた。
飛び上がった状態からの頭部弾丸発射。
炎を纏いしそれが、ディーヴァの立っていたところに物凄い勢いで迫る。
「くうっ……、いったぁ……!」
もとより逃げ足だけは速いディーヴァ。
大事なことなので2度言うが、逃げ足だけは速い。
あんなのを食らったら火だるまどころではないだろう。
とっさに横に回避したまでは良かったが、その拍子にスライディングの要領で盛大に転び、腕やら足やらを擦り切ってしまったのだ。
ジクジクとした痛みが患部を襲い、そこから血が滲み、そしてスジを作って下へと垂れる。
ぽた、ぽたり……。
アスファルトに落ちる、ディーヴァの…『天使』の血……。
悪魔達がそれをじっと見つめ、固まっていたのは一瞬のこと。
……ぴちょん……!
好物とも取れる、天使の甘い血が香る。
赤い、紅い芳しい匂いの獲物。
「グォォォォゥウウ!」
「ガァァァァゥッ!!」
それを目にした悪魔が興奮状態に入った。
興奮、いや違う、悪魔達がデビルトリガーを引いてしまった。
正に、DMC最高難易度と謳われる敵が強くなる『DANTE MUST DIEモード』のそれである。
いや、この場合はディーヴァ MUST DIE、か……?
「や、ちょっ、嘘でしょー!?」
もちろん、逃げるくらいしか能のない夢主・ディーヴァが敵う相手ではない。
三十六計逃げるに如かず。
痛む手足に喝を入れ立ち上がると、一目散に走るが、悪魔達も速かった。
あれよあれよの内に、ディーヴァを追い詰め、気がついた時には行き止まりの袋小路のねずみと化していた。
しまった、逃げる方向を見誤った。
入り組んだ迷いやすい路地、こういうところがスラム街の好きになれないところだったりする。
それぞれの得物を手に、じりじりとディーヴァに詰め寄る悪魔。
高い壁に塞がれた袋小路で、ディーヴァは手当たり次第、周りの物を悪魔に投げ、そして手当たり次第ガラガラと崩した。
投げても悪魔には痒い抵抗で、崩しても足場にもならなかったが。
ズオッ……!と悪魔の一匹が鎌を手に、ディーヴァまで素早く近寄る。
灰色の虚ろな顔に、薄気味悪く開いた口、赤く光って浮かびか上がる目玉……恐ろしい悪魔の顔がシワひとつひとつまで鮮明に見えてしまった。
「ヒッ!こ、来ないで……!」
恐怖で歯がガチガチ鳴って止まらない。
命を取られるか否かのギリギリラインまで、久しぶりに追い詰められる感覚がある。
今まで運が良かっただけで、今度こそ殺されるかもしれない。
ディーヴァの首に突きつけられる悪魔の鎌。
絶望に染まるディーヴァの瞳の中、無表情なはずの悪魔がニタリと笑った気がした。
***
一方。
「む、これは悪魔の気配……?ディーヴァが危ない」
その頃ダンテの方も、この世界に悪魔が湧き出たのを感知していた。
そしてその魔の気配は、大事なディーヴァの近くにあるということも、わかっている。
ちらと視線を落とすは、鈍く光る卓上の銃。
あとは組み立てる仕上げの作業だけなのだが、しかしそんな悠長なことは言ってられないだろう。
整備中のエボニーとアイボリーを机に放り置いたまま、代わりに使い込まれた魔剣リベリオンを背に吊るすダンテ。
「……行くぞ」
これまで幾度となくディーヴァを危険に晒し、時には巻き込み、死なせてしまうところだった時もあった。
あんな思いはもうしたくないのだ。
唇をギリと結んだダンテは、飛ぶようにして現場へと駆け抜けた。
