顔を上げたバージルは、先ほどのダンテと同じような表情をしていた。
そしてニヤリと笑みを浮かべる。

「バー、ジル……？まさか……」

犯人は、ダンテだけじゃないの？
バージルも同じなの？

「写真……あまり気に入ってくれなかったようだな」

懐から取り出した写真の束を、ディーヴァの足元に落とす。
たくさんの写真は、そのどれもがディーヴァの姿を映していて、撮影角度的に盗撮と呼ばれるもの。

「……ッ！」

それを見たディーヴァは言葉を失った。

よく見れば家の中、寝室や脱衣所でのあられもないディーヴァの姿が映るものもある。
カメラを設置する時に、自分の写真用にも小型の隠しカメラを取り付けたのかもしれない。

おかしいとは思ったのだ。
ダンテはデート先でも、ちょっとした写メールでもそうだが、本気で撮影が下手くそだった。

つまり住居侵入こそダンテが犯人だが、盗撮写真は目の前のこの男。
バージルだったのだ。
盗撮写真は、ダンテでなくバージルのしわざ。