色々な短編的なお話
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『1月5日と1月6日はイチゴの日とケーキの日』
「ダンテ、今日のおやつはショートケーキだよ」
「おっ!イチゴ高いからしばらくイチゴのお菓子出てこないと思ってたぜ!」
「1月5日はイチゴの日。1月6日はケーキの日。
だから奮発してイチゴ買って作っちゃった!」
真っ白な新雪みたいな生クリームの上、キラキラ輝く真っ赤なルビーのようなイチゴ。
ふんわり甘いバニラの香り。
ケーキのおうさまショートケーキ。
ディーヴァの手作りなら、余計絶対に美味いに決まっている。
さっそく差し出されたそれを、嬉々として口にするダンテ、そしてディーヴァ。
口に運べばしっとりふわふわなスポンジと、甘く広がるなめらかクリーム、そして甘酸っぱいイチゴの味わいが広がる。
「んんんん!ウンマァ~!!」
「ほんと、美味しいよねぇ……。疲れた体に甘味が染み渡るぅ」
「疲れてるのか。
なら、オレがショートケーキのお礼にでも、マッサージしてやろうか~?」
「ダンテのマッサージは断固拒否ー。この甘味で治るので結構です」
「ちぇ」
年初めから慌ただしく始まったバイトで少々お疲れ気味のディーヴァに、ダンテが行儀悪くもフォークを口にくわえ、両手をワキワキ。目もいやらしくニンマリ歪めていたので、スパンと一刀両断。
無視してケーキへと視線も指も向ける。
でないと、寝室に連れ込まれてアンナコトや直訳するとプリンセススタートになりそうなコトされるのがオチだ。
「うーん。やっぱりイチゴはと●おとめかあ●おうに限るー。ちょっと高いけど。
生クリームもさ、乳脂肪分が高い方がやっぱり美味しいー。ちょっと高いけど」
ちょっと高いけど。が多いのは仕方がない。
年末にダンテが悪魔相手に大暴れした結果、公共物を派手に破壊してしまったのだ。
ディーヴァの家の遺産はともかく、ダンテの借金は膨れ上がったわけで……。
普段の生活費がかつてないほどの貧困を極めてしまったのである。
「なーに言ってる。ディーヴァが作ったから美味いんだろが。
素材の良さはそれの引き立て役、OK?」
「嬉しい言葉ありがとうダンテ。でも、借金増えたことに関してはまだちょっと怒ってるから、そうやって褒めて許されようとしても無駄よ」
「本心だって」
「うん、だからありがとう。半分は本心なのは伝わってるよ」
「…………おう」
なんとなく。なんとなーく、ショートケーキが食べづらくなる返答に、味がしなくなった。唇が乾いた。
カップに注がれた紅茶で潤すも、そこには一口しか残っておらず、ズズと汚くすする音だけが虚しく響いた。
「まあ、食べる時くらい美味しく食べよっか。腹立てたってしょーがない。せっかくのケーキが美味しくなくなっちゃうもんね」
この話は終わり!とディーヴァが両手を叩いて笑顔を浮かべれば、たちまち空気があたたかくなる。
ディーヴァの笑顔は空気を変える魔法か。
「ダンテのカップ空っぽだね。茶のおかわり持ってくるからまってて」
「ああ」
ホッとしたら喉の渇きがなくなった。
再び口にしたケーキの味も、元どおりで美味い。
もぐ、と皿ごと食べる勢いでいたダンテがふと視線を挙げると、ディーヴァのケーキ皿に宝石が残っているのが目に入った。
真っ赤に輝く赤い宝石の名はイチゴ。
ヘタ近くの果肉に生クリームが付着していることから、ケーキの上に飾られていたそれであろう。
よく熟れたそれは、まるでルージュをひいたディーヴァの唇。
ダンテは吸い寄せられるようにそこへと近づき、そして口にした。
ぱくりと。
湯気を纏うティーポットを持ったディーヴァの言葉が背後からしたのはほぼ同時。
「ダ、ダンテ……な、なにしてるの……」
「何って、残りもん食っただけだが?」
「なんで!?」
「だって、食わねーんだろ?」
いやぁまるでディーヴァの唇のようでしたな!ハハハ!甘酸っぱくて美味かったぜ!などと被告人は供述しており。
ぷるぷると体を震わせたディーヴァが、足を振りかぶった。
「最後に食べようと思ってたのに……!ひどいー!」
「あだーっ!」
ドグシャァ!!
脛にディーヴァの蹴りがイイ感じにはいった。
半魔とはいえ脛という場所への攻撃は弁慶の泣き所であるからして、とても痛い。
「……おまっ……!蹴ることはないだろ、蹴ることは!」
「ショートケーキでの一番の楽しみは、上に乗ってた生クリームがちょろっとついたイチゴでしょー!?その楽しみ取られた時の絶望感、なんで、ダンテにはわからないの!?
ずぇーーーったい!許さなぁい!!
残ったイチゴでストロベリーサンデー作ろうと思ってたけどナシ!しばらくナーーーシ!!」
「そりゃねーぜ!」
いくらイチゴが好物なダンテとはいえ、これは許せん行為。
食べ物の恨みは海より深いのである。
「つか残ってるならそれ飾りなおせよーっ!?」
「ダンテ、今日のおやつはショートケーキだよ」
「おっ!イチゴ高いからしばらくイチゴのお菓子出てこないと思ってたぜ!」
「1月5日はイチゴの日。1月6日はケーキの日。
だから奮発してイチゴ買って作っちゃった!」
真っ白な新雪みたいな生クリームの上、キラキラ輝く真っ赤なルビーのようなイチゴ。
ふんわり甘いバニラの香り。
ケーキのおうさまショートケーキ。
ディーヴァの手作りなら、余計絶対に美味いに決まっている。
さっそく差し出されたそれを、嬉々として口にするダンテ、そしてディーヴァ。
口に運べばしっとりふわふわなスポンジと、甘く広がるなめらかクリーム、そして甘酸っぱいイチゴの味わいが広がる。
「んんんん!ウンマァ~!!」
「ほんと、美味しいよねぇ……。疲れた体に甘味が染み渡るぅ」
「疲れてるのか。
なら、オレがショートケーキのお礼にでも、マッサージしてやろうか~?」
「ダンテのマッサージは断固拒否ー。この甘味で治るので結構です」
「ちぇ」
年初めから慌ただしく始まったバイトで少々お疲れ気味のディーヴァに、ダンテが行儀悪くもフォークを口にくわえ、両手をワキワキ。目もいやらしくニンマリ歪めていたので、スパンと一刀両断。
無視してケーキへと視線も指も向ける。
でないと、寝室に連れ込まれてアンナコトや直訳するとプリンセススタートになりそうなコトされるのがオチだ。
「うーん。やっぱりイチゴはと●おとめかあ●おうに限るー。ちょっと高いけど。
生クリームもさ、乳脂肪分が高い方がやっぱり美味しいー。ちょっと高いけど」
ちょっと高いけど。が多いのは仕方がない。
年末にダンテが悪魔相手に大暴れした結果、公共物を派手に破壊してしまったのだ。
ディーヴァの家の遺産はともかく、ダンテの借金は膨れ上がったわけで……。
普段の生活費がかつてないほどの貧困を極めてしまったのである。
「なーに言ってる。ディーヴァが作ったから美味いんだろが。
素材の良さはそれの引き立て役、OK?」
「嬉しい言葉ありがとうダンテ。でも、借金増えたことに関してはまだちょっと怒ってるから、そうやって褒めて許されようとしても無駄よ」
「本心だって」
「うん、だからありがとう。半分は本心なのは伝わってるよ」
「…………おう」
なんとなく。なんとなーく、ショートケーキが食べづらくなる返答に、味がしなくなった。唇が乾いた。
カップに注がれた紅茶で潤すも、そこには一口しか残っておらず、ズズと汚くすする音だけが虚しく響いた。
「まあ、食べる時くらい美味しく食べよっか。腹立てたってしょーがない。せっかくのケーキが美味しくなくなっちゃうもんね」
この話は終わり!とディーヴァが両手を叩いて笑顔を浮かべれば、たちまち空気があたたかくなる。
ディーヴァの笑顔は空気を変える魔法か。
「ダンテのカップ空っぽだね。茶のおかわり持ってくるからまってて」
「ああ」
ホッとしたら喉の渇きがなくなった。
再び口にしたケーキの味も、元どおりで美味い。
もぐ、と皿ごと食べる勢いでいたダンテがふと視線を挙げると、ディーヴァのケーキ皿に宝石が残っているのが目に入った。
真っ赤に輝く赤い宝石の名はイチゴ。
ヘタ近くの果肉に生クリームが付着していることから、ケーキの上に飾られていたそれであろう。
よく熟れたそれは、まるでルージュをひいたディーヴァの唇。
ダンテは吸い寄せられるようにそこへと近づき、そして口にした。
ぱくりと。
湯気を纏うティーポットを持ったディーヴァの言葉が背後からしたのはほぼ同時。
「ダ、ダンテ……な、なにしてるの……」
「何って、残りもん食っただけだが?」
「なんで!?」
「だって、食わねーんだろ?」
いやぁまるでディーヴァの唇のようでしたな!ハハハ!甘酸っぱくて美味かったぜ!などと被告人は供述しており。
ぷるぷると体を震わせたディーヴァが、足を振りかぶった。
「最後に食べようと思ってたのに……!ひどいー!」
「あだーっ!」
ドグシャァ!!
脛にディーヴァの蹴りがイイ感じにはいった。
半魔とはいえ脛という場所への攻撃は弁慶の泣き所であるからして、とても痛い。
「……おまっ……!蹴ることはないだろ、蹴ることは!」
「ショートケーキでの一番の楽しみは、上に乗ってた生クリームがちょろっとついたイチゴでしょー!?その楽しみ取られた時の絶望感、なんで、ダンテにはわからないの!?
ずぇーーーったい!許さなぁい!!
残ったイチゴでストロベリーサンデー作ろうと思ってたけどナシ!しばらくナーーーシ!!」
「そりゃねーぜ!」
いくらイチゴが好物なダンテとはいえ、これは許せん行為。
食べ物の恨みは海より深いのである。
「つか残ってるならそれ飾りなおせよーっ!?」